ヤグルマギクの育て方や花言葉が知りたい!
ヤグルマギクの花を育ててみよう
ヤグルマギクはスラッと伸びた茎の上に青や紫、ピンクの色をした独特の花びらを放射状に付ける植物です。その矢羽状の花びらもよく見るタイプから変わった形もあり、育ててみるとその可愛らしさ楽しさを感じられる花となっています。今日は可憐なヤグルマギクの花の育て方と花についてご紹介します。
ヤグルマギクについて
ヤグルマギクの分類や学名の付けられた経緯などをご紹介していきます。ヤグルマギクの名前にはギリシャ神話を元にした由来があります。
ヤグルマギクの名前
ヤグルマギクを語るには、まず矢車のことを理解していないとわかりにくいでしょう。矢車というのはこいのぼりのポールの一番上についているような矢が放射状にたくさん集まった図形のことをいいます。三ツ矢サイダーのロゴの矢をもっと多くした感じといえばわかりやすいでしょうか。このように中心から放射状に矢のような花びらがたくさん出ていることからヤグルマギクと名前が付けられました。
キク科の花
ヤグルマギクは名前の通りキク科ヤグルマギク属の植物です。昔は矢車草とも呼ばれていましたが、ユキノシタ科の矢車草と紛らわしいため現在ではヤグルマギクとだけ呼ばれています。
雑草を品種改良したもの
ヤグルマギクは元々は雑草としてどこでも見られた花でした。原産国はヨーロッパ。ヨーロッパの小麦畑でよく見られるヤグルマギクの花を品種改良してピンクや白などの花色を作って園芸用として広まりました。
学名はギリシャ神話から付けられた
学名の「Centaurea cyanus」は"浅葱色の"という見た目を表す単語に、ヤグルマギクにまつわるギリシャ神話の主人公であるケイロンというケンタウロス属の賢人の名前に由来しています。お話の中でケイロンはヤグルマギクの薬効成分を発見した人とされています。しかし、自分が毒を受けた時にヤグルマギクの毒消し効果が現れず死ぬこともできずに苦しみ、最後はプロメテウスに不死の力を移してやっと苦しみから開放されたという伝説が残っています。
ヤグルマギクの種類
ヤグルマギクは一般的なものを想像すると「可憐だけど少し地味な花」と思われるかもしれません。しかし、その種類の中にはとても印象深い面白い花をつけるものもあります。ここでは、ちょっと変わったヤグルマギクの種類を画像で見ていきましょう。
ブラックボール
黒い花はお好きな人もおり、集めている人もいるくらい人気の花色ですね。そんな人におすすめなのがこのブラックボールという種類のヤグルマギクです。とても印象深い花色なので切り花や花壇のポイントとなってくれるでしょう。
フロステッドクイーン
花を凍らせたような淡い色合いの花が印象的な種類です。二色咲きもあり変わった花色のヤグルマギクを集めている人にはぜひ育ててみて欲しい品種です。
セントーレア・モンタナ
日本では珍しい変わり咲きのヤグルマギクの種類です。深い青紫色の花がとても綺麗な種類です。原産国はヨーロッパアルプス。
セントーレア・ルテルカ
こちらもちょっと変わった形のヤグルマギクの種類「ルテルカ」です。宿根草なので苗を植えておくだけで元気に育ち、耐寒性も強いので枯れたと思っても春になると元気に芽吹いてきます。木の根元や背の高い花の周りを囲むようにして植えれば素敵なイングリッシュガーデンができあがります。
ヤグルマギクの花言葉
花言葉は「教育」
ヤグルマギクの花言葉は「教育」「繊細」などがあります。繊細はヤグルマギクの原種でもある青い花色にちなんだ花言葉。教育は、プロシアの王妃が息子たちを教育する際にヤグルマギクの花を摘みながら色んな知識を語って聞かせたことから付けられた花言葉となっています。
ヤグルマギクの育て方:難易度
育て方難易度は「とても簡単」
元々小麦畑に生える雑草(英語名のcornflowerはこのことに由来しています)ですので、ヤグルマギクはとても丈夫で育てやすい植物となっています。園芸初心者の方でも簡単に自分が育てた花が咲く楽しさを味わえるでしょう。
ヤグルマギクの育て方:種まき
育て方が簡単なヤグルマギク。苗も売られていますが、種まきからはじめても発芽率も良くとくにミックス種のタネ袋を蒔くと「何色が咲くんだろう」とワクワクします。ヤグルマギクの種まきの時期とその方法をご紹介します。
種まきの季節・時期
ヤグルマギクの種まきの季節は早春。適正温度は15度から20度の間くらいです。本州では春先の季節3月頃に種まきを行います。涼しい地方では気温を見てすこし時期をずらすと発芽率が良いでしょう。
秋蒔きの矢車草
植物の発芽には太陽の光は関係なく温度が大切です。発芽の適正温度15度から20度をキープできる季節であれば春蒔きにこだわらず種まきをすることができます。矢車草は秋蒔きも可能です。秋蒔きは本州では10月・11月頃におこないます。もっと涼しい地方、暑い地方では気温と相談して種まき時期を確認してください。
ヤグルマギクの育て方:植え付け
それでは、ヤグルマギクの苗を買ってきた場合の植え付けの季節や時期はいつ頃になるでしょうか。種まきの時期を逃してしまった人や、花色まで管理して庭作りをしたい人へ苗による植え付けの時期をお教えします。
植え付け季節・時期
苗で買ったヤグルマギクは1年中いつでも植え付けことが可能です。しかし、ヤグルマギクの苗が出回る季節はだいたい決まっていますので、その季節に植え付けることになるでしょう。寒くなる季節に植え付けても開花は少し早まりますが冬の間には花は咲かないので(よほど温かい地方で管理をしっかりしていれば別ですが)冬の寄せ植えにヤグルマギクを使うのは難しいでしょう。どうしても冬~早春の季節にヤグルマギクを開花させたいという時は、夏に植え付けをするとよいでしょう。
ヤグルマギクの育て方:土と肥料
植物が育つうえで大切な土。ヤグルマギクはどのような土が向いているのか、肥料はどうあげて良いのか見ていきます。元々こぼれ種でどこでも生えてきて花を咲かせていたヤグルマギクは、土作りも肥料の与え方も初心者の方でも簡単にできるものばかりです。
ヤグルマギクの土つくり
ヤグルマギクを育てる土は特にこだわる必要はありません。ホームセンターなどで売られている花用の土や100均で買える土でも大丈夫です。ただし、酸性土の場合だけは植える前に石灰を混ぜて酸性を中和させてあげましょう。
肥料の与え方と季節・時期
ヤグルマギクを庭で露地植えする場合は特に肥料を与える必要はありません。鉢植えで育てる場合は、置き肥として肥料を月に1度か2ヶ月に1度程度。置き肥はコバエが湧くので嫌という人は液体肥料(これも100均で売られているようなもので十分です)を月に2度程度植木鉢に差してあげると良いでしょう。肥料のあげすぎは逆によくありませんので回数にこだわらず葉色や花色が悪くなったと感じたらあげる方がヤグルマギクの育て方には向いているでしょう。
ヤグルマギクの育て方:開花時期
大切に育てたヤグルマギク。いったいいつ開花してくれるのでしょうか。ここでは、一般的なヤグルマギクの開花時期と種まきの時期による開花時期のズレをご紹介していきます。どれも温暖な地域を基本としていますので、お住まいの地域が涼しい方は温かい季節にずらして、温かい地域の方は涼しい季節にずらしてお考えください。
開花の季節・時期
ヤグルマギクの矢車という名は、最初にも少し触れましたが「こいのぼりのポールの先についている矢車」と同じです。ヤグルマギクの名前にはこいのぼりが泳ぐ季節に咲く花という意味もあるといわれています。このことから、ヤグルマギクの開花の季節は春から初夏となっています。
種まきによる開花時期のズレ
ヤグルマギクはその種まきの季節によって開花時期もズレてきます。一般的に寒い冬の季節には開花しないので、夏蒔き、秋蒔きのヤグルマギクは早春、気温が高くなりはじめる頃となります。春蒔きのヤグルマギクの開花は梅雨頃以降となります。一般的なヤグルマギクが5月に咲くのは「秋のこぼれ種からの開花」であると覚えておくと開花時期を知る目安となるでしょう。
ヤグルマギクの育て方:増やし方
ヤグルマギクはこぼれ種でも勝手に育って勝手に咲いてくれる手間がかからない子です。
増やし方と季節による管理方法
ヤグルマギクは開花時期がすぎると種をつけます。その種をとっておいてお好みの季節に種まきをして増やします。一般的には夏に咲いたヤグルマギクが秋に結実しますのでその種をすぐに蒔いてしまうか、同じ季節に咲かせたいのであれば涼しい場所に保存して翌年の春に種まきをします。
ヤグルマギクの原種帰り
ヤグルマギクの原種の花色は青です。パンジーやビオラを同じ花からの種で子孫を増やしていくと紫の花ばかりになるように、ヤグルマギクも原種帰りに近い状態になります。どうしても原種の遺伝子が強くて丈夫なためです。ミックス種の種でも青の花の受粉をしたものはすぐに青しか咲かなくなってしまいます。どうしてもピンクや白を増やしたいという場合は、その花だけを隔離してピンク同士白同士で受粉させると翌年もピンクや白の花を咲かせてくれるでしょう。
ヤグルマギクの育て方:摘心
ヤグルマギクはそのまま放置しておいても綺麗に咲いてくれますが、肥料のあげすぎは茎が徒長してひょろひょろと姿の悪い株になってしまいます。そのために、場合によっては摘心(芽摘み)が必要になってきます。
徒長を防ぐ摘心のやり方
ヤグルマギクが育ってきて茎の長さが10センチから20センチくらいになった時にまだ花が付きそうもなくまだまだ茎が伸びそうであったら摘心をしてしまいます。上への伸びを防ぐと脇芽が出てきますので背丈が伸びすぎるのを防ぎ、結果的にたくさんの花も付くようになるでしょう。
まとめ
今日は花壇や鉢植えで育てられる可憐な花、ヤグルマギクの育て方と花言葉をご紹介してきました。いかがでしたでしょうか。育て方も簡単でこぼれ種でも勝手に咲いてくれるヤグルマギク。初心者でも簡単に育てられる花としておすすめです。ぜひあなたもかわいいヤグルマギクの花を育ててみませんか?
花の育て方が気になる人はこちらをチェック!
ヤグルマギクの他にもたくさんの植物の育て方や花言葉をご紹介している記事があります。園芸が気になる人はぜひこちらもチェックしてみてくださいね。
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