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ハクキンカイロってなに?
ハクキンカイロとは、ハクキンカイロ株式会社が誇るオイル式カイロの事です。1923年に創業し、当時から人気となるハクキンカイロは、80年以上にもわたって発売されている人気商品となっています。
ハクキンの名前の由来
ハクキンカイロとは、白金懐炉と漢字で書きます。創業者である的場仁市がイギリス製のプラチナ触媒式ライターを参考に、独自に研究を重ね、燃料としてオイルを使用したハクキンカイロを作成しました。
そのことから、プラチナ(白金:ハクキン)を利用したカイロとして「ハクキンカイロ」と命名し発売したそうです。
ハクキンカイロの発熱原理は?
ハクキンカイロの仕組みは、燃料となるオイル(ベンジン)を触媒燃焼させ、その燃焼熱をハクキンカイロの熱として発熱させます。
ハクキンカイロの内部にはプラチナ触媒が固定されており、点火することで反応します。
反応したプラチナ触媒は、気化したオイル燃料(ベンジン)が触れることで化学反応(酸化)を起こし、燃料を炭素ガスと水分に分解されます。その際、発生した熱がハクキンカイロの熱となり温めてくれるのです。
点火はしていますが、化学反応による熱を利用して仕組みですので、ライターのように火が出るわけではありません
ハクキンカイロの燃料は何でもいいの?
ハクキンカイロは燃料を必要とします。ハクキンカイロ株式会社が推奨する燃料を紹介します。
ハクキンカイロ専用ベンジン
ハクキンカイロに推奨されているオイル燃料は「ベンジン」オイルです。一般的に市販されているベンジンでも構いませんが、ハクキンカイロ専用のベンジンオイルも発売されており、そのオイルの使用が推奨されています。
タカビシ化学 カイロ用NTベンジン 500ml
ベンジンって何?
ベンジンとは石油を上流とした揮発性の高い可燃性のオイルです。ベンジンは無色透明で独特の匂いがするのが特徴の一つです。また、発火点も低く、静電気でも引火するといわれている危険なオイルなのです。
それでもベンジンは多くの物に利用されており、ハクキンカイロ以外にも染み抜きや機械洗浄などに利用されています。
ベンジン以外のオイル燃料
ハクキンカイロの発熱原理の仕組みは、プラチナ触媒を利用した化学反応による発熱です。そのため、プラチナ触媒に化学反応(酸化)するオイル燃料なら何でも構いません。
ランタンなどに利用されるホワイトガソリンや、ジッポライターに使用されるジッポオイルでも問題はないのです。
ただし、ハクキンカイロ株式会社推奨の燃料ではありませんので、温まらない場合もあります。匂いがきつかったり火口が劣化する場合もありますので、できればハクキンカイロ専用のベンジンを使用した方が良いです。
ハクキンカイロはいつまでも使えるの?
ハクキンカイロは、燃料を入れれば何度でも使用することのできるカイロです。ですが、どのような物にも限界があるように、ハクキンカイロにも寿命があります。ハクキンカイロの消耗部分は「火口」と「取換綿」の2か所です。
・火口:約1~2シーズン(約1~2年ごと)
・取換綿:約5~10年
頻度によって違いますが、大体の目安としてそれぞれ交換を推奨されています。ハクキンカイロ用の交換用パーツも発売されているため、定期的に交換し「温まらない」なんてことのないように、準備しておきましょう。
ハクキンカイロの魅力とは?
再利用できる
ハクキンカイロは燃料を交換するタイプのカイロです。燃料を補充すれば何度でも利用することができます。そのため、使い捨てカイロのように捨てる必要が無く、エコといえます。
また、使い方によっては安くすみます。熱量がありますので一日に何枚も使用する必要はありません。
地球にも財布にも優しいのが、ハクキンカイロの魅力の一つです。
使い捨てカイロより温かい
ハクキンカイロは使い捨てカイロと比較すると13倍温かいといわれています。熱量が高いことで長く、そして広範囲を温めてくれます。使い捨てカイロだけでは寒い人だけではなく、布団や椅子に仕込めば湯たんぽのようにも使用することができます。
雪が積もる地方に住む人や登山家など、冷え込む朝と夜にハクキンカイロはおススメです。
ハクキンカイロの欠点は?
火傷の危険がある
ハクキンカイロは使い捨てカイロよりも温かく、寒い冬にとても重宝します。しかし、ハクキンカイロが熱くなりすぎるため、火傷してしまう場合もあります。使い捨てカイロでも火傷してしまうことがありますが、ハクキンカイロは使い捨てカイロ以上の発熱量を誇ります。
真鍮製で作られたハクキンカイロは、熱させることにより直接持つのが辛いほど熱くなるのです。
タオルや袋などにいれて持てるようにしますが、本体は高熱なのです。大人でも注意は必要ですが、子どもには危なくて持たせにくいのが欠点となります。
携帯性が悪い
ハクキンカイロは真鍮製です。そのため、折り曲げることができません。使い捨てカイロなら靴の下や服の中など、どのような場所にも入れて置けますが、ハクキンカイロはサイズに合った場所にしか入れておくことができないのです。
また、使い捨てカイロには張り付けられるタイプはありますが、ハクキンカイロにはありません。
携帯用ポシェットなどはありますが、張り付けられない分邪魔になります。他にも、使い捨てカイロより重いなど、少々携帯性が悪いのがハクキンカイロの欠点といえます。
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オイルの匂いがする
ハクキンカイロはオイルを使用したカイロです。そのため、少々オイルの匂いがするのが欠点といえます。オイル自体もそうですが、気化したオイルは匂いを広めます。化学反応により分解されますが、それでもオイルの匂いがするのは仕方がない事なのです。
タオルや袋に包まれており、尚且つポケットなどにしまってあれば、ほとんどオイルの匂いはもれません。ですが、敏感な人は気になりますし、匂いが移る場合もあります。そんなにキツイ匂いではありませんが、人によっては気になることも理解しておきましょう。
燃料の入れ替えが面倒
使い捨てカイロの一番の魅力は「使い捨てられる」ことです。使い終わったらすぐに捨てられるところがとても便利です。ですが、ハクキンカイロは捨てるものではありません。次に使用する際には燃料の入れ替えを行う必要があります。
また、定期的な部品の交換や、温まらない場合はメンテナンスなど、管理しなければならない部分もありとても面倒です。
そんなに難しいものではなく、慣れてしまえば数十秒程で終わりますが、使い捨てカイロに慣れている人はハクキンカイロを面倒に感じるでしょう。
ハクキンカイロと使い捨てカイロの比較 その1「値段」
ハクキンカイロを使用する上で一番気になるのが値段だと思います。ハクキンカイロと使い捨てカイロではどちらが財布に優しいのでしょうか?
ベンジンの値段
タカビシ化学 カイロ用NTベンジン 500ml:950円(ハクキンカイロ公式の定価):約480時間分
※今回はハクキンオンラインショップで購入したものとする
480÷20(一日分)=24日分(比較する使い捨てカイロが20時間継続なため)
950÷24=約39.6円(一日分(20時間分)の値段)
使い捨てカイロの値段
ロッテ ホカロン貼る 30個入り:972円(ロッテ公式の定価):継続時間20時間
※今回はロッテオンラインで購入したものとする
972÷30=32.4円(1個の値段)
値段の比較
一日分 | |
ベンジン(ハクキンカイロ) | 約39.6円 |
使い捨てカイロ(ホカロン) | 32.4円 |
比較した結果、使い捨てカイロの方が安いことがわかります。また、ハクキンカイロは本体価格のほか、火口や綿などの部品も定期的に購入しなけれなりません。そう考えると、使い捨てカイロの方が得と思われます。
ただ、購入する場所や時期、商品や特別価格によって値段は変わります。
また、熱量の関係で使い捨てカイロを2個使用するなどの例外もありますので、一概に使い捨てカイロの方が安いとはいえません。ですので、あくまでも一つの比較例として見てもらいたいと思います。
ハクキンカイロと使い捨てカイロの比較 その2「暖かさ」
魅力でも紹介しましたがハクキンカイロは、使い捨てカイロの熱量(温かさ)より約13倍熱量があるといわれます。これは、単純に使い捨てカイロを同時に13個使用した際の温かさと同じということです。
実際に13個も使用することは無いとは思いますが、ハクキンカイロの温かさは十分に伝わるのではないでしょうか?
もちろん、それだけ熱量があれば使い捨てカイロよりも長い時間温めてくれます。また、熱量が高いことで広い範囲を温めてくれたり、氷点下でも発熱してくれたりなども期待できます。
ハクキンカイロの真価はこの熱量にあります。値段は割高といえますが、使い捨てカイロを2~3個も使用しなくてもすむと考えれば、ハクキンカイロの方が便利なのかもしれません。
ハクキンカイロの使い方 その1「給油」
ハクキンカイロは燃料が無ければ温まらないです。
1:火口を取り外す
2:ハクキンカイロ専用のカップ(漏斗)を使用してベンジン(燃料)を入れる
3:逆さまにし、ハクキンカイロを少し押す(余分な燃料を出し切る)
4:火口を戻す
ハクキンカイロは、燃料を入れても内部にある脱脂綿が吸収し、中身がこぼれないような仕組みになっています。ですが、燃料を入れすぎると脱脂綿が吸収しきれず、燃料がこぼれてしまう場合があります。持ち運び中に燃料がこぼれたらとても危険です。燃料が少なくても必ず行うようにしましょう。
給油のタイミングは?
給油はできれば持ち運ぶ前(点火前)にした方が良いです。ベンジンは気化しやすいため放置しておくと少しづつ減っていきます。また、気化したベンジンに何らかの衝撃が加わり引火したら大変危険です。
滅多なことでは問題になりませんが、燃料の入れっぱなしはあまりおススメしませんので、給油したらできるだけ早く使用するようにしましょう。
給油の注意点 その1「火口の綿は触れない」
火口の中には綿のようなもの(プラチナ触媒)が詰まっています。これは、化学反応を起こさせるためのガラス繊維の触媒です。これが熱されることによって化学反応を起こします。
無くなるとハクキンカイロの仕組みに問題がでてしまうため、大切に扱ってください。煤などによって汚れてしまうと温まらない場合もあるため、注意しましょう。
給油の注意点 その2「ベンジンはこぼさない」
ベンジンは可燃性のオイルです。そのため、こぼしてしまうと大変なことになります。ハクキンカイロの容器にベンジンが付着したままだと引火することもあるため、注意して丁寧に給油してください。
ハクキンカイロの使い方 その2「点火」
燃料を入れ替えたら点火してみます。
1:火口にライターなどで点火する
2:火口が触媒反応をするのを確認する
3:しばらく待ってみて温まったら袋に入れる
点火の注意点 その1「長く火で焙らない」
点火する際は、3~5秒点火すれば十分です。長く火で焙ってしまうと火口が傷んでしまいます。また、触媒や中綿がコゲてしまうと温まらないこともあるため注意してください。
点火の注意点 その2「ハクキンカイロの点火の向き」
いないとは思いますが、ハクキンカイロを逆さまに点火してはいけません。火口が痛みますし危ないです。点火する際は火口を上向きに、ハクキンカイロを垂直に固定した状態で点火しましょう。
ハクキンカイロの使い方 その3「持ち運び」
しばらく(60℃=約1時間)してハクキンカイロが温まってきたら袋に入れます。袋は持ち運びしやすく、ハクキンカイロの熱さを和らげてくれるものなら何でも構いません。自作してもいいですし、タオルでも構いません。ちょうどいい温かさになるようにしましょう。
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ハクキンカイロは消すことができない?
ハクキンカイロは基本的に消すことはできません。燃料が無くなるまでは温め続けます。ですが、ハクキンカイロ株式会社が発売する「カイロちょっとお休み」を使用すれば、途中で燃焼を止めることができます。
他にも、ジップロップなどを使用して燃焼させないようにすれば止めることができます。触媒を燃焼させる仕組みですので、酸素不足にさせれば燃焼は止まるわけです。
少し危険な方法
ハクキンカイロ株式会社が発売する「カイロちょっとお休み」以外にも止める方法はあります。触媒を燃焼させる仕組みなのですから、触媒の方を取り外してしまえばいいのです。
触媒となる火口を取り外せば燃焼できず、すぐに止めることができます。ただし、ハクキンカイロは熱されていますので、取り外す際には火傷に注意しましょう。
ハクキンカイロが温まらない原因は?
ハクキンカイロの使い方によっては温まらない場合もあります。使い方が悪いと上手く燃焼せず温まらないです。正しい使い方をして温かくハクキンカイロを使用しましょう。
温まらない原因 その1「燃料が多すぎる」
燃料となるオイルが多すぎると、加工を濡らしてしまい触媒をダメにしてしまいます。本来ならオイルがこぼれるのを中綿によって防止しますが、多すぎることで吸収しきれず、触媒まで染み出してしまうのです。
もし、触媒に浸みこんだまま点火してしまうと、触媒反応が上手くいかず、十分に温まらない状態になってしまいます。また、触媒(火口)自体もダメにします。
燃料が多すぎても、逆さにして少しハクキンカイロを少し押せば余分な燃料を出すことができます。満杯まで燃料を入れる際は、必ず余分なオイルを捨てるようにしましょう。
温まらない原因 その2「触媒が煤だらけ」
触媒が煤で汚れていても上手く温まりません。火口を長く焙ったり、オイルまみれで点火するなどをすると触媒が焦げて煤だらけになります。当然、そのような状態では上手く燃焼しません。煤に限らず触媒が汚れていると上手く反応しませんので、適宜交換するようにしましょう。
温まらない原因 その3「綿を詰めすぎる」
燃料だけではなく、中綿が多くても温まりません。ハクキンカイロは、気化した燃料と触媒が反応することで温まる仕組みです。中綿と触媒の間には隙間(クリアランス)があり、その隙間の中で燃料が気化します。
しかし、綿を詰めすぎるとその隙間が無くなってしまい、十分に気化することができなくなってしまうのです。
すると気化燃料が足りず、満足に反応できなくなり、結果として温まらない状態になってしまいます。
綿を交換する際は詰め込みすぎに注意するようにしましょう。
ハクキンカイロを水没させてしまったら
ハクキンカイロは洗濯などをして水没させてしまっても、乾燥させれば再び使用することができます。濡れたままでは使えないので、まずは中綿を抜いたりなどハクキンカイロを分解します。
そして、しっかり乾かして組み立てれば問題なく使用できるようになります。洗剤などで洗ってしまっても水洗いでしっかり落とせば問題ありません。
ただ、乾かしてもダメな場合もあります。特に火口はダメになりやすいですので、点火できないようなら交換しましょう。
他にも、使用時間が短いようなら中綿を変えるなどする場合もあります。それでもダメなようなら、修理に出したり買い替えることも視野に入れる必要があります。
ハクキンカイロを使用する注意点
ハクキンカイロを使用する際は、火傷や火災に注意してください。使い捨てカイロでも火傷をする人はいますし、真鍮であるハクキンカイロの容器は使い捨てカイロよりも熱いです。また、仕組みの都合上、使用する燃料は可燃性のオイルです。
特にベンジンは可燃性が高いですので、「うっかりこぼして火事になる」なんてことのないよう注意してください。
「たかがカイロ」と甘く見ず、正しく安全な使い方をしましょう。
ハクキンカイロは飛行機に持ち込めない
ハクキンカイロは飛行機に持ち込むことができません。というのも、ハクキンカイロに使用される燃料が「引火性液体の危険物」と見なされ禁止されているからです。
たとえ使用しないといっても「万が一」があっては困ります。安全に飛行するためにも認めるわけにはいかないのです。
一応、仕組みの元となる綿(火口内にあるプラチナ触媒)を外せば持ち込めるそうですが、トラブルにならないように職員に確認しておくことをおススメします。
それと、人によってはベンジンの匂いを嫌います。飛行機は閉鎖空間であることを理解して、どうするかを判断しましょう。
ハクキンカイロ以外のウォーマー
ハクキンカイロは燃焼をオイル式カイロとして有名ですが、それ以外にもカイロはあります。
ポケットウオーマー I-HOT
ポケットウオーマー I-HOT箱入 コンパクト携帯カイロ
重量:約74g
サイズ:縦102×横68×厚さ15mm
発熱時間:約16時間
ハクキンカイロと仕組みが同じなオイル式カイロです。使い方もハクキンカイロと一緒です。発売会社が違うというだけで、同じものと思ってしまっても大丈夫でしょう。
ZIPPO カイロ ハンディウォーマー
ZIPPO カイロ ハンディウォーマー
重量:68g
サイズ:縦100×横68×厚さ15mm
発熱時間:注油カップ2杯分で最大約24時間
ハクキンカイロと仕組みが同じなオイル式カイロです。使い方は同じですので好みで選んでしまって構いません。こちらはいくつか色がありますので、それぞれを比較して選びましょう。
USB充電式 カイロ
ETSHiP 充電式カイロ
重量:340g
サイズ:約12cm×6cm
発熱時間:最長14時間
使い捨てではなく充電式の電池が内蔵されていて繰り返し使える電気的なカイロになっています。ハクキンカイロと比べると暖かさの調整ができ、モバイルバッテリーとしても機能するなど仕組みや構造が大きく異なりますがき何度も使えるカイロです。
最大にすると50度程度まで暖かくなり屋外でもしっかりぬくもりが感じられるようになっています。操作はボタン一つで簡単です。
まとめ
ハクキンカイロは昔から発売されている商品です。今もなお愛好者は多く、ハクキンカイロの温かさを好んでいます。ハクキンカイロの魅力は使い捨てカイロよりも暖かいことです。
東北などの寒い地方に住む人だけではなく、使い捨てカイロだけでは寒い人におススメの商品です。匂いや給油が面倒かもしれませんが、厳しい冬を乗り越えるためにも使ってみてはどうでしょうか?
また、ハクキンカイロ以外にも様々なカイロが発売しています。ハクキンカイロ以外も比較して、自分に合うカイロを見つけてみましょう。
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