ランドステーションの魅力を探る!
ランドステーションはスノーピークが製造しているボックス型タープです。2ポールテント…2ポールシェルター…とも呼ばれますね。思い通りに工夫できるタープとしてランドステーションは人気です。
ランドステーションが注目されている理由:その1
ランドステーションは汎用性の高さに人気があります。デイキャンプからテント泊キャンプまでをひとつの幕で過ごしたい…大人数でもソロキャンプでも使いたい…そんな需要に応えているのがランドステーションだといえます。最近は種類が違うテントをテントサイトや季節によって使い分けるのではなく、ひとつのテントをテントサイトや季節に合わせてアレンジするキャンパーが多いですね。
ランドステーションが注目されている理由:その2
キャンプ道具で一番重要なのはテント…違います。一番重要なのはタープです。リビングであるタープは一番長い時間を過ごすからです。日中は広大なリビングとして使い、夜はコットを敷いたりインナーテントを吊ったりして就寝する…ランドステーションはそんな使い方に応じてくれます。ワンルームにお布団を敷くような感覚で使えるので注目されているのです。
ランドステーションのデザイン
ランドステーションの構造は単純で、メインポール2本とウイングポール2本で1枚のフライシートを立ち上げているだけです。フロントとリアのパネルは跳ね上げることができ、左右のメインポール脇にはベンチレーションを備えています。武骨でありながらも自然の中に馴染むカラーですね。大きなボックス型タープですのでかなりの迫力がありますが、背が高いワンポールテントのような特異な雰囲気は皆無です。
スノーピークがタープと位置付ける理由
他社が2ポールテントや2ポールシェルターと呼んでいるのに対して、スノーピークではランドステーションをボックス型タープとして製造・販売しています。なぜスノーピークがボックス型タープとして扱っているかというと①主にリビングとして使われることを想定している②気密性よりも解放感を高める方向で設計している③タープとして扱うほうがユーザーの創造性を妨げないからです。
ランドステーションを検証:サイズ別
ランドステーションのサイズは2種類あります。定員が4~6名のMと6~8名のLです。MとLのどちらを選択するかはとても難しい問題で、4人だからMを、8人だからLを選ぶ必要はありません。極端にいえば1人でLを使ってもいいですし、8人以上でMを使ってもいいのです。サイズを詳しく検証してみましょう。
ランドステーションMのサイズ
ランドステーションMのサイズを確認すると、Ⅿといえども大きい印象を受けます。一般的な大型レクタタープをはるかに上回るサイズですが、スノーピークのHDタープ “シールド”・レクタ(M)とは同等のサイズです。ランドステーションMは高規格キャンプ場の区画サイトなら設営できますが、ガイドロープでのペグダウンを考えると、小さな区画サイトや自然地形を利用したフリーサイトでは戸惑うサイズだといえます。
ランドステーションLのサイズ
ランドステーションLのサイズを確認すると、Mよりも長辺で145cm、短辺で50cm大きいですね。ここまで大きいと、ランドステーションLを区画サイトで使う気にはなれません。広大なフリーサイトでのびのびと使いたくなりますね。男性12人くらいでお座敷スタイルの宴会キャンプをしても、余裕で座れますし雑魚寝も可能です。男性12人がひとつの幕の下で宴会…結露が心配です。
ランドステーションのサイズを考察
ランドステーションはMもLもかなり大きいサイズですが、他にテントやタープを設営しなくてもいいので意外とコンパクトなキャンプが楽しめます。幕内の保温を想定するならM、解放感を求めるならLという選び方がいいですね。ランドステーションのサイズは年頃の子供とキャンプに行くときでもプライバシーが保てるサイズ感だといえます。
ランドステーションを検証:シリーズ別
ランドステーションにはスタンダードライン、Proライン、アイボリーラインといったスノーピークの3シリーズに属しています。大きな違いはタープの生地にあり、どんなキャンプに向いているかを検証しますね。
スタンダードラインの生地
スタンダードラインのランドステーションには150Dポリエステルオックスの生地が用いられていて、遮光ピグメントPUコーティング、UVカット、そしてテフロン撥水加工が施されています。耐水圧は3,000mmミニマム(ルーフ部)ですので、ランドステーションは耐候性が高いボックス型タープであることがわかります。生地の厚さはタープとしては標準的です。
Proラインの生地
耐候性や耐水圧はスタンダードラインのランドステーションと同じですが、Proラインのランドステーションの生地には210Dポリエステルオックスが用いられています。スタンダードラインのランドステーションよりも生地が厚いので耐久性が高く、設営時の剛性も高くなります。210Dポリエステルオックスはテントのフロアシートで用いられることが多い素材です。
アイボリーラインの生地
アイボリーラインのランドステーションの生地は優雅で気品を感じる白色です。生地の性能をスタンダードラインと比較すると、生地の厚みはスタンダードラインのランドステーションと同じ150Dポリエステルオックスですが、アイボリーラインのランドステーションの防水加工は通常のPUコーティングで、遮光ピグメントPUコーティングが施されていません。
ランドステーションの製品ラインを考察
シリーズ別にランドステーションの生地を検証すると、どのシリーズであっても性能に物足りなさはありません。スタンダードラインのランドステーションでも十分すぎるくらいの性能ですし、Proラインのランドステーションは丈夫さと安心感が高められています。アイボリーラインのランドステーションは耐候性や耐水圧がスタンダードラインより劣ると感じる人もいるでしょうが、他社のボックス型タープと比較すると高性能です。
ランドステーションを検証:ラインナップ別
ランドステーションの仕様をモデル別に検証します。ランドステーションは大まかにサイズと製品ラインで分けられるのですが、モデルによって違いがありますので、どんなキャンプに相応しいかも含めて確認しますね。
ランドステーションL(スタンダード)
ランドステーションLはランドステーションの基準にすべきモデルです。大きく万能なボックス型タープとして使えますので、迷ったらランドステーションLを選択すればいいですね。基準といっても他社のボックス型タープと比較すると群を抜いて高性能ですので不満を感じることはありません。ランドステーションLにはTP-810、TP-820の2モデルがあります。
ランドステーションLアイボリー
ランドステーションLアイボリーは色勝負で選択したいボックス型タープです。ランドステーションLはミリタリー風の無骨な雰囲気に人気がありますが、ランドステーションLアイボリーはファミリーキャンプに相応しい明るさが魅力的ですね。日差しが強いときは付属のインナールーフを装着します。耐水圧が1,800mmの生地は比較的に通気性がいいので、結露を嫌う人にも人気です。
ランドステーションPro.L(60周年記念モデル)

ランドステーションPro.Lは月に何度もキャンプを楽しむキャンパーにおすすめです。ランドステーションPro.Lはルーフ部の生地は210Dポリエステルオックスですが、ウォール部の生地は150Dポリエステルリップストップで、裾にスカートを装備していません。
ランドステーションPro.M
ランドステーションPro.Mは冬キャンプに相応しいモデルだといえます。裾にスカートを装備していますので冷気の侵入を防げます。生地が厚くて大きすぎないサイズですので内部の保温がしやすいですね。スカートは巻いて留められますので、通気性が必要な季節にも対応しています。
ラインナップを考察する
ラナップは複雑です。MとL…スタンダードとProとアイボリー…計6モデルあれば悩む必要がありませんが、Mが1モデル、Lが4モデルです。ランドステーションLを基準に明るさがを求めるならランドステーションLアイボリー、安心感を求めるならランドステーションPro.L、幕内の保温を求めるならランドステーションPro.Mと考えればいいですね。価格的に購入しやすいTP810もおすすめです。
スタンダード | Pro | アイボリー | |
M | なし | TP805R | なし |
L | TP-810、TP-820 | TP-825 | TP-821IV |
ランドステーションの設営方法
ランドステーションの設営方法は難しくありません。ウイングタープやヘキサタープの設営経験がある人なら説明書も必要ありません。他社のボックス型タープとの構造の違いは210cmのメインポールに140cmのウイングポールを追加してフルクローズすることと、スタンディングテープがないことです。
ランドステーションの設営手順
ランドステーションの設営手順は①ランドステーションを地面に広げる②メインポール用のペグ左右各2本を仮打ちし、ガイドロープをかけておく③メインポールをランドステーション上部に差してロープをかけ、立ち上げる④メインポールのペグを本打ちする⑤ランドステーションの裾をペグダウンする⑥フロントとリアのパネルに140cmウイングポールを立て、ガイドロープでペグダウンするです。
ランドステーションの張り方バリエーション:その1
フルクローズからの基本形バリエーション
ランドステーションの基本形であるフルクローズからファスナーをすべて開け、パネルをロールアップしたアレンジバリエーションです。もっとも簡単にできるアレンジですね。前後左右を開けることで風通しがよくなりますし、プライバシーも守れます。
補足
ランドステーションの生地は遮光ピグメントPUコーティングが施されていますので、フルクローズ時やファスナーを開けただけのアレンジでは内部が暗くなってしまいます。ランドステーションに付属しているルーフテープを2本のメインポール間に渡してランタンを吊りましょう。
ランドステーションの張り方バリエーション:その2
直射日光を遮る日中アレンジ
140cmウイングポールを裾にかけてガイドロープでペグダウンし、フロントパネルをハープオープンするバリエーションです。フロントパネルの左右端はガイドロープでペグダウンし、サイドウォールの一部をロールアップします。フロントとリアの両パネルをハーフオープンにするのもいいですね。
注意点
風下側をハーフオープンしましょう。風上側をハーフオープンすると風で煽られてバタつきます。強風時に風上側を開けると最悪の場合、倒壊したりランドステーションが破損する可能性があります。逆に考えると、アレンジするときに風向きを意識すればよく、設営時には風向きを意識しなくていいですね。
ランドステーションの張り方バリエーション:その3
フロントパネルをハーフオープンにし、フロントパネルに収納されているパネルとサイドウォールをファスナーで閉じます。雨の吹込みを防ぎながらも出入りがしやすい張り方のバリエーションですね。レインウェアを着たままランドステーションに駆け込めます。もちろんフロントとリア両面ともできます。
補足
雨天時は積極的に換気できるアレンジにしましょう。空気中の水分や地面からの湿気で雨天時は結露しやすい環境になっています。耐水圧が高いランドステーションの生地は通気性がよくありませんので、特に気を付けたいですね。結露で内側が濡れたランドステーションを撤収するのは重いですし、乾燥させるのも大変です。
ランドステーションの張り方バリエーション:その4
通気性と出入りのしやすさを求めたアレンジ
210cmウイングポールでフロントパネルを跳ね上げたアレンジバリエーションは通気性と出入りのしやすさが確保できる張り方です。開放感を得るためにフロントとリアの両パネルを跳ね上げるのもいいですね。降雪時はルーフに雪が積もりやすくなるので注意しましょう。
補足
210cmウイングタープではなく伸縮ポールを使えば高さを微調整できます。西向きに設営した場合、時間が経つにつ入れて西日が差し込んできます。太陽の角度にあわせて高さを調節するなら伸縮ポールが便利です。インスタグラムの画像投稿を見ると、伸縮ポールを持っているユーザーさんは多いですね。
ランドステーションの張り方バリエーション:その5
ランドステーションのフロントパネルを3本の210cmウイングポールで跳ね上げて、リアパネルを1本の140cmウイングポールで跳ね上げたアレンジです。レクタタープ並みの開放感が得られますので、ランドステーションユーザーでは定番バリエーションになっています。
補足
210cmウイングポール3本でフロントパネルを跳ね上げるとルーフが水平に近くなりますし、ポールに角度をつけるのにも限界がありますので、左右2本は180cmのタープ用ポールが最適だともいわれています。伸縮ポールでもいいですね。特に雨天時は左右を下げて雨が流れやすいようにしましょう。
ランドステーションの張り方バリエーション:その6
ランドステーションのフロントとリアのパネルの片側だけを210cmウイングポールで跳ね上げた張り方です。風下側を跳ね上げることで、風を防ぎながら通気性や開放感が得られます。ランドステーションがマンタやエイのように見えますね。迫力がありますし、合理的な張り方ですので人気があります。フルクローズにしてサイドウォールを140cmウイングポールで跳ね上げるユーザーもいます。
ランドステーションユーザーオリジナルバリエーション①
ランドステーションをカタログに掲載されている張り方で使うのも便利ですが、オリジナルの張り方を模索する人も多いですね。見た目重視…迫力重視…という張り方よりも、必要に迫られた張り方の方がラフでかっこいいですね。ランドステーションを使えばキャンプでの設営技術も上がりそうです。
テントと連結
ランドステーションとテントと連結する人は多いですね。上のインスタグラムの画像ではランドステーションM.ProとスノーピークのトルテュProと接続しています。
フロントパネルを高く跳ね上げる
上のインスタグラムの画像ではランドステーションM.Proのフロントパネルを高く跳ね上げています。サイドウォールの裾が少し浮いていますね。ランドステーションユーザーの多くがこの張り方をしています。
ランドステーションユーザーオリジナルバリエーション②
以前、ランドステーションにはインナーテントがラインナップされていましたが、現在は廃盤になっています。しかしランドステーションの中で就寝する人は多く、ユーザーによっていろんな工夫がされています。インスタグラムの画像を中心に紹介しますね。
カンガルースタイル
ランドステーションにドーム型テントのインナーテントを設営したインスタグラムの画像です。夏はメッシュ生地が多いインナーテントを使えば涼しいですし、冬はインナーテントにフライシートを被せれば温かいので人気です。年頃の子供とのキャンプでは、親と子供とでインナーテントを分ければプライバシーを保てますね。
他社製品のインナーテントを併用する
ランドステーションユーザーにとって専用インナーテントが廃盤になったのは死活問題レベルの事件でした。ですのでスノーピーク以外のインナーテントにも触手を伸ばしています。上のインスタグラムの画像ではランドステーションLにキャンパルジャパンのピルツ9-DXのインナーテントを吊り下げています。簡単なパーツを自作するだけでピルツ9-DXのインナーテントの流用が可能です。サイズもランドステーションLに丁度いいとのことです。
ランドステーションの魅力:まとめ
スノーピークのランドステーションは汎用性が高いボックス型タープですが、ラインナップはサイズやシリーズで統一されていないので複雑です。工夫すれば使い勝手がよく、張り方のバリエーションはユーザーのアイデアと同じ数だけ存在するといっても過言ではありません。張り方で悩み、インナーテントで悩む…ランドステーションはユーザーに挑戦状を突きつけているかのようですが、悩むことを楽しませてくれる不思議な製品だといえます。
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