泉鐵工所 Vプーリー 2×A1×14φ
JIS Vプーリー
Saipor 2個 タイミングプーリー
HFS(R) ギヤプーラー 2本爪 150mm
はじめに
動力伝達に関係する部品として知られているのがプーリーです。重要部品の1つですが、普段はあまり見かけることがない部品でもあります。しかし私たちの身の回りにはプーリーが使われている機械が多々あるのです。
そこで今回はプーリーがどのような部品なのか、規格やプーリーの使い方、さらには車に使われている交換方法や費用などの情報をご紹介します。10万キロ近く走った車をお持ちの方などは必見です。
プーリーとは
ベルトからの動力を伝える部品
プーリーとはベルトからの動力を伝えるのに活躍する部品です。プーリーの形状は円盤状になっています。
プーリーは動力伝達に使われるわけですが、特に高速回転による動力伝達にも優れており、ベルトコンベアやコンプレッサー、自動車のエンジン関連やポンプ、発電機などにも使われる重要な部品です。
プーリーはベルトと合わせて使われ、種類によってはプーリー自体に溝が設けられていて、その溝にベルトを組み込みます。
プーリーの規格
プーリーの規格についてですが、JIS規格に準じたプーリーを各メーカーが製造しています。そのためプーリーを購入する際には、今使われているプーリーの規格と同じものであったり、新たに組み付けるプーリーの規格に合ったベルトを選ぶ必要があるなど、いくつか注意が必要です。
プーリーの種類
泉鐵工所 Vプーリー 2×A1×14φ
動力伝達が目的のプーリーには様々な種類があります。代表的なプーリーの1つが標準Vプーリーです。標準Vプーリーは言わば滑車のことで、この種類のプーリーはベルト伝動に使用するのが使用目的です。日本国内で使用されるプーリーの中でも特に使われる(使われた数が多い)プーリーとして知られています。
JIS Vプーリー
JIS Vプーリー
JIS VプーリーはVプーリーと同様にベルト伝動を使用目的としたプーリーです。動力伝達に使われる道具はベルトや鎖にロープなど様々で、動力伝達だけでなく出力方向を変更したいときにもこの種類のプーリーが使用されています。
Vプーリーですので、動力伝動させる相手方との距離が短いときに使われるのが特徴的です。このプーリーに設けられた溝は1-2本となっており、プーリーごとに違いますので都度確認が必要です。
タイミングプーリー
Saipor 2個 タイミングプーリー
タイミングプーリーはタイミングベルトと合わせて使用される歯車機能を持った種類のプーリーです。様々な機会に使えるプーリーとして知られています。小型精密機器から自動車部品などにも採用されているプーリーです。
微調整が可能なプーリーですので、調整を行えばより高い伝動を生み出せます。タイミングプーリーの材質は様々で、アルミ製のものから強度を高めた炭素鋼製のものなどがあります。
プーリーの車における役割
タイミングベルトに必要なプーリー
車のエンジンには吸気バルブと排気バルブがあり、それらがより良いタイミングで開閉するように調整を行うタイミングベルトと呼ばれる部品があります。このタイミングベルトを使うためには当然プーリーが必要となるのです、つまりプーリーは自動車のエンジンを始動するために重要な部品の1つなのです。
タイミングをとるためのベルト・プーリー
タイミングベルト及びタイミングプーリーは吸気・排気バルブとピストンというエンジンの動力が生み出されるために最も重要な役割を担っているこれらの部品のタイミングを合わせるために使われています。
構造上、吸気バルブと排気バルブはそれ自体が主体性を持って動いているわけではなく、ロッカーアームに押し出されることで開閉する仕組みです。そしてこのロッカーアームの動きを生み出すのがカムと呼ばれる部品です。
カムが回転することでバルブ開閉までつながります。このカムを回転させるの使われるプーリーがカムプーリーなのです。
同様の仕組みで、ピストンの上下運動による運動力をコンロッド⇒クランクシャフトという順番で伝え、最終的にクランクプーリーに動力が伝わります。このように、エンジンが動力を生み出す及びその動力を伝えるためにはプーリーが使われているのです。
タイミングベルトは消耗品
上記で紹介した通り、エンジンが動力を生み出すのに必要なのはバルブ開閉及びコンロッドが上下するタイミング合わせることです。つまり、エンジンを動かすうえで重要な部品であるということにあります。
しかしこのタイミングベルト、実は消耗品(車自体が消耗品とも言えますが)なのです。一般的に、走行距離が10万キロ前後となった車はタイミングベルトの交換が必要と言われています。
タイミングベルトはゴムで作られています。そのため空気に触れて少しずつ参加していくのです。そうして参加が進みタイミングベルトの劣化(消耗)が進んでしまうと、最悪の場合タイミングベルトが切れてしまいます。
走行中にタイミングベルトが切れるとしばらくして車は動かなくなり、自走不可となるので、ベルト消耗の兆候が見られたら早めに手を打っておくと良いでしょう。
プーリー交換について
整備士に任せるのが賢明
プーリーの交換やタイミングベルトの交換をDIYで行う方もいらっしゃいますが、整備工場ないしはディーラーに任せておくほうが賢明です。
なぜかと言いますと、プーリー抜きやホルダーなどの専門工具が必要であったり、作業も手間のかかるもので、なおかつ細かな調整が必要だからです。自分で挑戦して調整ミスでエンジンが壊れても自己責任となってしまいます。あとのことを考えてここは業者に任せておくほうが賢明です。
交換に必要な工具たち
HFS(R) ギヤプーラー 2本爪 150mm
プーリーの交換にあたっては専用の特殊工具が必要です。プーリー交換に必要な解く工具はプーリー抜きやプーリーホルダーなどになります。プーリー抜きはプーリーをシャフトから外すために必要な工具です。
ちなみに、足回り部品のナックルに取り付けられているタイロッドエンドを外すときにもプーリー(ギア)抜きが使われます。そのほかにはプーリーを固定して緩める時に使うプーリーホルダーなどが必要です。エンジン脱着が必要になると、エンジンハンガーが必要になり、大掛かりになります。
プーリー交換方法
プーリー周りに取り付けられているベルトを取り外します。なお、ベルトを外す前にその周りにつけられている部品で整備の邪魔になるものは外しておきましょう。
ベルトを取り外した後にファンベルトやアジャスターを外して、最終的にプーリーを取り外します。新しく取り付けるプーリーを付けたら、ヘキサゴンレンチで固定・調整を行いその他部品及びベルトを取り付けて完了です。
交換時間や費用
プーリー交換に必要な時間は車両平均で1時間程度と言われています。しかし、車によってはエンジン搭載場所がフロアの下部分にある場合もあり、その場合はもっと時間がかかるでしょう。
また、プーリー交換にかかる費用ですが、車によっては工賃だけで7,000-30,000円程度と考えておくと良いでしょう。純正プーリーの価格はだいたい5,000円程度ですが、競技用パーツのプーリーなどですと20,000円くらいかかることもあります。
ちなみに、タイミングベルトの交換は部品及び工賃と合わせて大体100,000円と言われています。その時に合わせて一度交換をおすすめします。
まとめ・評価
自動車やバイク、コンプレッサーに発電機など、私の身の回りに存在する機械に使われているのがプーリーです。
最近ではDIYブームもあったり、工賃を抑えるためにDIYでプーリー交換をされる方もいらっしゃいますが、専用工具のホルダーなどが必要であったり、細かな調整が必要で少しのずれが機器の不調ないしは故障へとつながり、莫大な費用が掛かる場合があります。
そのようなリスクを考慮すると、腕に自信のない方や技術を付けたい方以外の方々は整備士に任せておくほうが安心でしょう。車のエンジンにも関わるものですから、腕のある信頼のおける整備工場で整備してください。
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