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ST250Eタイプの真相を探る!
スズキのST250Eタイプは軽量でコンパクトなオールドルックバイクとして人気があります。街乗りしやすいフレンドリーなキャラクターと燃費の良さに評価が高いですね。派手さはないものの、燃料タンクの塗装が美しく、クローム処理されたライトケースやマフラーなどに豪華さがあります。残念なことに新排ガス規制に適応できず、2017年9月に生産終了となりました。
スズキ車について
スズキのバイクはユーザーがどんな使い方をするかを想定して開発されます。高速走行性能を極限まで高めたバイク、旋回性を楽しむバイク、ツーリングに使いやすいバイクなど、開発コンセプトがはっきりしているので、あなたの使い方に合致していれば最強の相棒となるバイクが多いですね。他のバイクメーカーが思いつかないようなコンセプトのバイクを開発するメーカーとして評価されています。
ST250Eタイプのルーツ:GN250
GN250
ST250Eタイプの系譜を辿ると1982年に販売が開始されたGN250まで遡ります。アメリカンバイクとしてカテゴライズされていたGNシリーズは50㏄から400㏄までラインナップされていましたが、GN250のはそれほど高く評価されていませんでした。スズキの4ストロークバイクの主力は2気筒DOHCエンジンを搭載したGSXシリーズでしたし、市場では1980年に販売が開始されたヤマハのRZ250が一番人気だった時代です。
現在のGN250
GN250はカスタムのベース車として人気があります。カフェレーサーやスクランブラーにカスタムされたGN250が多いですね。GN250のデザインは主張が少ないので、カスタムしやすいバイクだといえます。特に海外のカスタムビルダーがGN250を手がけることが多いですね。
今なお生産されるGN250
GN250は現在も中国の重慶望江鈴木発動機有限公司で生産されています。エンジンやフレームだけでなくカラーリングも日本で生産されていた頃のままですので驚きです。並行輸入車として人気が高い大長江集団のGN125のように国内で購入できるか調べましたが、残念ながら販売店を見つけられませんでした。
ST250Eタイプのルーツ:ボルティ
ST250Eタイプのベースとなったボルティは大ヒットしたバイクで、1994年から2004年まで販売されました。GN250からの変更点を極力減らして開発費用を抑え、低価格で販売されたので「価格破壊バイク」とも呼ばれました。街乗りで便利な扱いやすいキャラクターが支持され、普段使いはもちろん、バイク便でも活躍しました。一般道を中心とした長距離が得意でしたので、旅バイクとしても人気でした。
ボルティのスペック
スペック
エンジン:空冷4ストローク単気筒SOHC4バルブ
最高出力:15kW(20PS)/7500rpm
最大トルク:21Nm(2.1kg・m)/6000rpm
フレーム:ダイヤモンド
シート高:750㎜
価格:298,000円(1994年タイプ1)
中古車価格帯:約0.6~40万円(2018/6)
販売された20年間、ボルティはマイナーチェンジやフルモデルチェンジをしませんでした。カラー変更とバリエーションの追加はありましたが、基本性能はほとんど変わっていません。低回転域で粘り強く、高回転までスムーズに回るスズキらしいエンジン特性に人気がありました。高速道路での長距離走行は得意ではありませんでしたが、低くて疲れにくいシートの評価が高かったですね。
ST250Eタイプの歴史
2004年に販売が開始されたST250Eタイプは同時発売されたST250の上級モデルでした。ボルティの基本性能を引き継いで開発されましたが、大きな変更点は2バルブエンジンになったことと、シリンダースリーブを廃して高速メッキシリンダー(SCEM)が採用された点です。ボルティで好評だった街乗りでの使い勝手を高めるために低回転域で有利な2バルブエンジンとなり、耐久性も高められました。
前期型
ST250Eタイプの2004年から2007年モデルまでを前期型モデルと呼びます。スペックをボルティと比較するとほとんど変わりない数値です。エキゾーストパイプは2本から1本に変わりました。ネオクラシックの雰囲気を高めるカラーリングが施されており、ライトケース・メーターケース・マフラーのクローム処理が美しいですね。キックペダルと手動式デコンプレバーが付いていますので、始動はセルとキックを併用できます。
後期型
ST250Eタイプの2008年から2014年(最終型)モデルまでを後期型と呼びます。大きな変更点はキャブレターからフューエルインジェクションへ変更され、キックペダルが廃止されたことです。スペックを前期型と比較すると、最高出力と最大トルクが少し下がり、最大トルクが発生する回転数が少し下がりました。前期型は乾燥重量を、後期型は車両重量を記載しましたが、重量についてはほぼ変更なしといっていいですね。
キャブレターとフューエルインジェクションの違い
ST250Eタイプの前傾型と後期型の数値の違いは体感するほどではありません。しかしキャブレターとフューエルインジェクションではアクセルレスポンスに違いがあり、フーエルインジェクションはアクセルに対してリニアにエンジンが反応します。フーエルインジェクション車はエンジン不調の原因を特定するのが難しいのですが、キャブレター車は寛容度が高く、メンテナンスが容易です。
前期型と後期型の燃費
フューエルインジェクション車は燃料の噴射量を電子制御しますので無駄がありません。燃費がいいですし、環境にも優しいですね。キャブレターは燃料の無駄が多いので、燃費がよくありません。インジェクション車とキャブレター車では燃費の差が4~5㎞/L以上あると言われています。
ST250Eタイプのスペック
スペック
2008年以降の後期型と同じ
価格:484,920円(2018年)
ST250Eタイプ最終型のスペックを確認します。GN250やボルティとスペックや仕様に違いが少なく、現在の道路事情に合わせて出力を上げるどころか低中回転域重視になっているところがスズキらしいですね。排ガス規制をクリアするための費用がかさみ、最終型は前期型より価格が約87,000円高くなっています。
エンジン
ST250Eタイプのエンジンは250ccのバイクとしては非力ですが、街乗りでは十分なスペックだといえます。特に最大トルクの発生回転数が5,500回転ですので、力強い低中回転域が高く評価されています。空冷単気筒SOHC2バルブエンジンは構造が単純ですので、サービスマニュアルを入手すれば調整する程度のメンテナンスなら容易にできますよ。
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シャシー
ST250Eタイプには軽量でしなやかなダイヤモンドフレームが採用されています。リアサスペンションはオールドルックに相応しいツインショックで3段階のプリロード調整機構を備えています。GN250からほぼ変わらない仕様で、幅広い路面状況に対応できるフレームとサスペンションだといえます。
シート
ST250Eタイプの分割されたシートはクラシカルな雰囲気を醸し出しており、デザイン上での大きな特徴にもなっています。シートカウルがなく、サブフレームがむき出しになっているプレーンなデザインがかっこいいですね。シート高は高くないので比較的に小柄なライダーでも足つきに不安を感じることはありません。長距離走行でも疲れないシートと評価するユーザーも多いですね。
ST250Eタイプの街乗り性能
ST250Eタイプは街乗りを一番得意にしています。軽量でコンパクトなサイズ…低中回転域のトルクが豊かなエンジン…荒れた路面でも安定するしなやかなシャシー…ST250Eタイプはゴー&ストップの繰り返しや刻々と変わる交通の流れに対応しやすいバイクだといえます。デザインはどんな服装にでも似合うので、いつでも気軽に乗り出せるところもいいですね。
街乗りについてのインプレ
ST250Eタイプのインプレをチェックすると、街乗りで不満を感じるユーザーはほとんどいません。意外と力強い…アクセルへの入力に合った加速をする…と評価されています。車体が軽量・コンパクトであることやシート高が低いことが街乗りでの扱いやすさに貢献しています。街乗りでの実燃費は約30㎞/Lですので、250㏄としては一般的な数値です。
排気量はたったの250ccなのですが、極低回転からググッと力強く車体を押し出すので、トルクで走っているという感覚があります。街中で走っている程度ではエンジンからは余裕しか感じず、回転数に頼らない走りは非常に心地よいです。
ST250Eタイプの高速走行性能
ST250Eタイプで高速道路の長距離移動をするにはタフな体力が必要になります。GN250とほぼ変わらないスペック…低回転を重視した2バルブエンジン…安定した高速走行を阻害する柔らかいフレーム…が原因です。しかし、理論上は120㎞/hくらいまでスピードが出せますので、休憩回数を増やせば問題なく走れます。
高速走行についてのインプレ
ST250Eタイプの性能で一番気になるのが高速道路での走行性能です。インプレをチェックすると、80㎞/L以上は振動がひどい…という声が多いですね。トップギア5速100㎞/hのエンジン回転数は6,000回転を超えてしまうのが原因です。乗車姿勢がアップライトですので風圧を直接上半身に受け、高速道路で長距離移動をすると疲労が蓄積するでしょう。高速道での実燃費は約38㎞/hと優秀で、高く評価されています。
高速道路で鹿児島長崎間を往復しましたが、最高速度100kmは泣きそうになりました。単気筒250ccにあまり期待してはいけないのかもしれません。ただ、おしりは痛くなりませんでした。
ST250Eタイプのツーリング性能
ST250Eタイプでツーリングを楽しむユーザーも多いようです。非力なバイクでの長距離移動は旅気分を盛り上げてくれます。ツーリングバイクという表現よりも旅バイクという表現の方が適切ですね。むき出しのサブフレームを活用すれば積載性を上げられますが、リアウインカーがリアシートの真ん中あたりにありますので、荷物をたくさん積載すると視認性が悪くなります。
ツーリングについてのインプレ
ST250Eタイプでのツーリングには一般道を走行するユーザーが多いようです。淡々と走る一般道では単気筒エンジンの鼓動が気持ちよく、ツーリングでの旅気分を高めてくれると評価されています。低中速回転域が豊かなエンジン特性はワインディングロードでも扱いやすく、濡れた路面でグリップを失ってもリカバリーしやすいですね。ツーリングでの実燃費は40㎞/Lを超えたというユーザーインプレもありました。
街乗りで30キロ、ツーリング下道ほとんど信号なしだと40キロ以上いけちゃいます。
ST250Eタイプのカスタム
ST250Eタイプは主張しすぎないデザインが魅力ですので目立たない程度にカスタムする人が多いですね。シンプルなバイクですので、原型を留めないレベルまでカスタムするにもいい素材だといえます。専用の外装カスタムパーツは少ないので汎用品も検討しましょう。高速道路を長距離走行するためのカスタムは比較的に簡単です。
ツーリングに特化したプチカスタム
ST250Eタイプで長距離ツーリングに行くならサドルバッグを装着したくなります。車体が軽いので、荷物をリアシートに高く積むと走行安定性を阻害する原因になるからです。サイドバックの装着にはリアウインカーが邪魔になりますので、テールランプのステーに移設したいですね。
ツーリングにはリアキャリアが便利
ST250Eタイプのリアシートは積載しやすい形状ですが、キャンプツーリングをするなら、タンデムシートを外したりリアキャリアを追加したりして、積載性を上げたいですね。サブフレームに自作キャリアを追加して長距離ツーリングを楽しむユーザーも多いですね。
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スプロケット交換
高速道路を走行する機会が多い人はスプロケットの交換を検討しましょう。5速100㎞/hで5,500回転(最大トルク発生回転数)になるようスプロケットの丁数を変更すれば、かなり高速道路の走行が楽になります。フロントスプロケットをノーマルの15丁から16丁に変更するか、リアスプロケットをノーマルの43丁から40丁に変更してみましょう。低中回転域のトルク感が弱くなる可能性がありますので注意が必要です。
リアスプロケを4丁落としにしましたが、その割りにはトルクの低下をあまり感じさせず、自分好みの仕上がりになりました。
ST250Eタイプの真相を探る:まとめ
ST250Eタイプは1982年に発売されたGN250と仕様がほとんど変わっていません。街乗りで扱いやすいだけでなく、長距離ツーリングの旅バイクとしても優れていることが分かりました。今は250㏄空冷単気筒エンジンに乗る最後のチャンスです。メンテナンスやカスタムを楽しむなら、敢えてキャブレター仕様の前期型の中古車を探してもいいですね。
スズキ車が気になる方はこちらをチェック
ST250Eタイプと同じキャラクターをもつジクサーにも人気があります。外観はST250Eタイプとは全く違った近未来的なデザインですが、街乗りが得意なだけでなく高速道路走行にも余裕がありますのでチェックしてくださいね。
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スペック
詳細不明
中古車価格帯:品薄で不明