マダラはどんな魚?
マダラの基本情報
●目:タラ目
●科/属:タラ科/マダラ属
●学名:Gadus macrocephalus
●英名:Pacific cod
●種類:海水魚
●生息分布域:
朝鮮半島から北アメリカのカリフォルニア州サンタモニカ湾にいたる広範囲に分布
マダラの旬
マダラの旬は、産卵期を迎える冬の時期です。産卵期は、おおむね1~3月頃になります。マダラは一般的に年中市場に出回っている魚ですが、マダラの入荷が多くなる時期は秋から冬にかけてです。北海道や宮城県、岩手県、青森県、新潟県、秋田県などがおもな産地になっています。マダラの旬は、ちょうどお鍋が恋しくなる寒い時期なので「タラ鍋」にして旬の味を楽しむのもよいでしょう。
マダラの生態
日本でも幅広く分布している魚
マダラは、山陰以北や東北地方以の北太平洋岸など北緯37度以北の北太平洋に多く生息している魚です。特に沿岸から大陸棚周辺の斜面底近くに生息する性質があります。夏場は、海の深いところに生息するのが特徴です。水深800mのところに生息するマダラもいるようです。逆に産卵期の冬には、浅場にもどります。日本では、水深200~400m程度の深さに生息している魚です。日本のタラ種の中でも生息数が多く、その生息域は青森から山陰地方に及んでいます。
マダラの特徴
冬場の鮮魚として重宝されるマダラは、冷水域に生息しています。生息できる上限の温度は、12℃です。全長は最大で120cmにもなり、日本にいるタラ種の中でも最大級のだといえるでしょう。体の表面は褐色で、背にある斑模様がマダラの特徴です。スケトウダラやコマイなど同じで、あごの下に1本ひげがあります。上あごが下あごより出っ張っているのもマダラの特徴です。マダラは肉食性でもあります。マダラの稚魚期には浮遊生物のカイアシ類、十脚類幼生などを食し、成長すると端脚類や十脚類稚仔などを餌とするのが特徴です。
マダラとスケトウダラの違い
スケトウダラとは
スケトウダラもマダラと同じようにタラ目タラ科に属する魚です。「スケソウダラ」と呼ばれることもあります。マダラ同様、北太平洋に広く分布してます。ただし、マダラのように広い海域を回遊するのではなく狭い範囲で群れを成して回遊するのが特徴です。一般的には、水深200m程度のところで生息することが多いといえます。和食やたらこパスタなどに使われる「たらこ」は、マダラではなくスケトウダラの卵です。
違いは全長の大きさ
最も分かりやすいマダラとスケトウダラの違いは、その大きさです。マダラの場合、最大120cmまで大きくなります。しかし、スケトウダラの場合は最大でも100cnまでです。スケトウダラの一般的な大きさは、40~70cmなのでマダラの成魚に比べると少し小振りなのがわかるでしょう。また、スケトウダラはマダラに比べ鮮度劣化が早いので加工品として流通することが多いのも特徴です。
マダラの釣り方
胴付き仕掛け
マダラの釣り方は、沖釣りです。釣りの仕掛けは、「胴付き仕掛け」になります。釣りの仕掛けの基本は、胴付き5本バリ仕掛けです。糸の絡みを防ぎたい場合は、みち糸と仕掛けの間にヨリ取り具をつけておくとよいでしょう。釣り仕掛けに付ける餌は、サンマなどがおすすめです。サンマを釣り餌にする場合は、半身をさらに半分に斜め切りしたものを使います。釣り方のポイントは、食わせのテクニックよりも釣り餌が付いた仕掛けを確実に届けることです。底立ちをとったら、オモリが底をたたく状態でアタリを待ちましょう。
胴付き仕掛けの作り方
マダラのさばき方
マダラのさばき方を動画でご紹介
さすがは板前さんのさばき方ですね。自宅ではこれほど手際よくいかないかもしれませんが、要領をつかめばチャレンジしてみるのもいいでしょう。自分で釣った獲れたてのマダラをさばいてお刺身にして食べるのも釣りの醍醐味です。繊細なさばき方ももちろん素敵ですが、豪快なさばき方で漁師飯のようにマダラの刺身を楽しむのもいいでしょう。
マダラの味
旬の冬がおすすめ
マダラをおいしく味わいたいなら、やはり旬の冬がおすすめです。マダラの旬ともいえる冬の時期は、マダラの産卵期とも重なりおいしさが増します。マダラの味は、クセがありません。そのうえ、熱を通しても硬くならないのが特徴です。適度な繊維質と透明感のある白身で、お刺身にしてもおいしくいただけます。和食料理だけでなくムニエルなどの洋食料理にも利用しやすい魚です。
フグの白子よりもお手頃でおいしい
マダラの白子は、フグなどの白子に比べるとお手ごろ感があります。マダラの白子は、とてもクリーミーで軟らかいのが特徴です。マダラのみと同様に熱を加えても硬くなったり縮んだりしません。味にもクセがなく、ポン酢しょうゆなどを付けて食べるととてもおいしいです。高級食材として知られるフグの白子と違って、マダラの白子は比較的お手頃価格で購入することができます。一般家庭の料理としても気軽に使うことができるといえるでしょう。クセのない味わいで、クリーミーな食感がフグの白子にも劣らない美味しさです。
マダラの食べ方でおすすめは?
お刺身から洋食まで幅広く楽しめるマダラ
マダラはクセのない味わいなので、おすすめの食べ方としてお刺身があげられます。また、熱を加えても硬くならないので煮つけ調理やムニエル料理など食べ方のバリエーションも幅広いのが特徴です。調理方法も生食から煮る、焼く、蒸すなどいろいろあり、食べ方に工夫が凝らせます。家庭でも簡単にできておすすめの調理方法といえば、焼いたりや煮たりする調理ですね。魚のさばき方をマスターして、釣ってきた新鮮なマダラをさばいてお刺身にする食べ方もいいでしょう。
マダラのおすすめ料理レシピ①【お刺身】
冬に味わう新鮮なお刺身
タラの種類は、一般的に足が速い魚です。そのためお刺身としての食べ方は、産地でしか味わうことができないとも言われています。マダラも同様に水揚げしてさばいた日の翌日から翌々日の間までに食べる必要があります。旬の冬に釣り上げた新鮮なマダラをさばいてお刺身にしてみたいものですね。そのためにもさばき方を覚えておくことをおすすめします。大物のマダラをさばくのは大変ですが、小ぶりのものならチャレンジしてみるのもいい経験になるでしょう。
昆布しめ刺身のレシピ
お刺身といえば日持ちがしないイメージですが、昆布しめにして調理しておけば保存がききますね。冷凍保存しておくこともでき便利です。調理方法は、刺身用の新鮮なマダラを三枚におろし皮や骨を取り除きます。下調理したマダラをきれいに水で洗い水気を取り除いた後に昆布で締めれば完成です。
材料 真鱈お刺身になる新しい真鱈 昆布しめ用昆布2袋
マダラのおすすめ料理レシピ②【ムニエル】
熱を加えても硬くならないマダラのおすすめレシピ
マダラの身は、クセがなく加熱調理してもあまり固くならないのが特徴です。そんなマダラの特徴を活かしたおいしい料理レシピといえばムニエルだといえるでしょう。ムニエルの基本的な調理方法は次の通りです。
1.マダラの身を適当なサイズに切り、塩・こしょうをふります。
2.小麦粉を全体にふりかけ、余分な小麦粉を落とします。
3.温まったフライパンにバターを入れ、溶け出したら魚を入れます。
4.色が変わってきたら裏返り、両面にこんがり焼き色がつけば出来上がりです。
ムニエルをおいしく作るコツ
ムニエルをおいしく作るポイントは、小麦粉のつけるタイミングです。小麦粉をつけて長時間放っておくとからっとした仕上がりになりません。小麦粉をつけるタイミングは、焼く直前がベストです。カリッとした食感を出すために小麦粉は付け過ぎないようにしましょう。出来上がったマダラは網などの上げ、しっかりと油を切りましょう。油を切ることで、カリッとした食感を高めることができます。
マダラのおすすめ料理レシピ③【煮つけ】
フライパンでもできるマダラの煮つけ
マダラの煮つけは、少人数の場合ならフライパンでも簡単にできます。魚の切り身をフライパンに入れ、身がしまってきたら調味料を加えます。煮汁のレシピは、砂糖・しょう油・みりんを2:2:1の割合で加えるとよいでしょう。好みでショウガの薄切りを加えてもいいですね。調味料を加える順番は、砂糖を先に加えしょう油とみりんは食べる前に加えます。
煮くずれを防ぐ裏技
マダラは、身が柔らかいので煮つけにすると形が崩れやすくなります。そんなマダラをできるだけに崩れさせずに煮る裏技をご紹介しましょう。煮くずれを防ぐ方法としては、マダラを煮つける前に酒を加えたお湯で一旦煮ておくのがポイントです。酒を加えた水を沸騰させ、充分に水けをふいたマダラの切り身を数分くぐラした後に調理すると煮くずれしにくくなります。
マダラのおすすめ料理レシピ④【ホイル焼き】
焼くだけの簡単料理
ホイル焼きなら具材はマダラと冷蔵庫などに残っているクセのない野菜を使って簡単にできます。マダラに塩コショウを施した後、適当な大きさに切ったアルミホイルに具材を彩りよくおいけばあとは焼くだけで完成です。グリルで焼いてもいいですし、人数が少ない場合はフライパンで焼くこともできます。アルミホイルに具材が焦げ付かないよう玉ねぎを敷いたうえにマダラの切り身を置くといいでしょう。好みでチーズをまぶすのもおいしいですね。
材料 (2包み分) 真鱈の切身2切れ 玉ねぎ1/2個 ほうれん草1束 しめじお好みで ピザ用チーズお好みで 塩コショウ適量
おいしく仕上げるポイントは新鮮なマタラを選ぶこと
ホイル焼きに限らずマダラ料理をおいしく仕上げるポイントは、やはりマダラの新鮮さだといえるでしょう。では、新鮮なマダラを選ぶにはどんなところに気を付ければよいのでしょう。ますは、マダラのみに透明感があるかどうかをチェックすることです。マダラの身は、時間がたつと透明感が薄れ濁ってきます。鮮度の良いものを選びたいのであれば、身に透明感のあるものを選びましょう。また、新鮮なマダラの身は張りがあってヌメリがなく皮に光沢を感じさせます。一匹まるまる購入する場合は、魚体に張りがありまだら模様が濃くはっきりしているものを選びましょう。
まとめ
冬の鍋料理には欠かせないマダラ
淡白で熱を加えても硬くなりにくいマダラは、冬の鍋料理には欠かせません。冬に旬を迎えるマダラを使った「タラ鍋」は、寒い季節に身体が温まっておすすめです。クセのない味わいだから刺身料理としても楽しめます。ただし、鮮度落ちが早いのでお刺身にするなら新鮮なものを選びましょう。マダラは、和食だけでなくムニエルなどの洋食料理にもピッタリな魚です。この冬は、幅広い料理メニューが楽しめるマダラを海で釣り上げてみてはいかがでしょう。
タラが気になる方はこちらをチェック!
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