10月はガーデニングの楽しい季節
10月といえば、暑すぎず寒すぎず秋の風が心地よいシーズン。ガーデニングに最もよい季節ではないでしょうか。秋の木漏れ日のなか、少し汗ばみながら翌年の春を思って手を動かす時間は、何物にも代えがたいとても贅沢なものでしょう。
10月の種まきに準備するもの
10月は心地よい季節と言えども、まだまだ紫外線や害虫の注意も必要な時期です。ガーデニングをする際には、長そで長ズボンに手袋や帽子を着用し、紫外線と害虫対策をしましょう。種まきに必要なものとしては、種まき用の土、育苗ポット、ジフィーポット、スコップ、元肥(穏効性固形肥料)、じょうろ、霧吹きが挙げられます。
種まきのメリット
10月に植える花といえば、球根植物のほか種まきから育てる植物もたくさんあります。植物を種から育てれば、より植物を観察することができ、いちから育てたというガーデニングの醍醐味を味わうことができます。なにより小さな種から美しい花を咲かせる自然のさまは素晴らしいものです。さらに、種まきから植物を育てれば、予算内でたくさん植えることができるのが嬉しいところでもあります。
住んでいる地域の気候に合わせて種を選ぼう
10月は種まきの適期であり、10月に種まきできる植物はとてもたくさんあります。ただし、住んでいるところの気候によって多少の種まきの時期のずれが生じます。種袋の後ろには冷涼地、中間地、温暖地別に種まきの適期が表記されていることが多いので、自分の住む地域の気候を考えながら種を準備しましょう。10月に種まきする植物のなかでも、比較的育てやすくガーデニングにおすすめの植物を10選チョイスしました。
10月に植える植物1「スイートピー」
開花時期
春に咲くガーデニングにかかせない花といえば、スイートピーを思い浮かべる方も多いでしょう。スイートピーといえば、ツルを伸ばしながら赤や白、ピンクなどの可愛らしい花を咲かせる、春の花の代表選手です。スイートピーの開花時期は4~6月です。スイートピーは香りがよく、切り花にしてお部屋に飾ると素敵なので、たくさん種まきしておくとよいでしょう。また、あまり大きく育たない寄せ植えに特化した品種も販売されています。
花言葉
スイートピーにはたくさんの花言葉があります。「ほのかな喜び」「門出」「永遠の喜び」「優しい思い出」という前向きな言葉のほか、「別離」「私を忘れないで」という少しもの悲しい印象のものも。スイートピーの開花時期の春は、入学や卒業、転勤などの出会いと別れが入り混じる季節であることからイメージされたものです。
育て方のポイント
スイートピーはマメ科の植物で、秋に種まきした苗が冬の寒さに当たることで、春にぐっと成長し開花する特徴を持っています。スイートピーは、鉢植え、地植えどちらでも育てられます。スイートピーは水はけのよい小粒の赤玉土や市販の草花用培養土に種まきします。1つの穴に2~3粒ずつまいて、芽が出てきたらよいものを1つ残して、あとはまびきましょう。冬のあいだはスイートピーの苗の背丈は低いままです。春に苗からツルが伸びてくるので、穏効性の固形肥料を少し施すとともに、苗のそばにツルをからませる支柱を立てましょう。
10月に植える植物2「アリッサム」
開花時期
アリッサムの咲く時期は、3~5月です。アリッサムは、地面に這うように成長しながら白や紫、ピンクなどの小花を咲かせます。その花姿は、まさに「花の絨毯(じゅうたん)」という言葉がぴったりでしょう。アリッサムといえば、グランドカバーの定番でガーデニングに欠かせない花のひとつです。たくさん種まきしておいて、ガーデン中にアリッサムを植えて春に咲く可愛らしい小花を楽しみましょう。
花言葉
アリッサムの花言葉は、「飛躍」「優美」「奥ゆかしい美しさ」「美しさを越えた価値」という4つです。どの花言葉も、アリッサムの美しい花姿からイメージされてつけられたものです。「美しさを越えた価値」という言葉などは、アリッサムの美しさを言葉の限り称賛しているものですね。
育て方のポイント
アリッサムは、直根性の植物なので、種まきしたあとの移植を苦手とします。このことを踏まえて種まきすることがアリッサムの育て方のコツです。アリッサムの種まきは庭などに直播きするか、ジフィーポットと呼ばれるポットにまきましょう。ジフィーポットとは、土にそのままポット事苗を植えれば、時間とともにポットが土に溶ける、種まき専用の育苗ポットです。小粒の赤玉土や市販の種まき用土を入れたポットにアリッサムの種を数粒まきます。日当たりのよいところで管理しながら、水やりを続けます。アリッサムの芽が出て本葉が3~4枚に育ったら、よいものをひとつ残して、ほかは間引きましょう。春までポット苗のまま、日当たりのよい風通しのよいところで管理して、春になったら好きなところに植え替えましょう。
10月に植える植物3「金魚草」
開花時期
金魚草といえば、花の咲く姿が金魚の形に似ていることから名付けられた春のお花です。金魚草の咲く季節は、4~6月ごろ。黄色やピンク、白などの華やかな花が咲きます。
花言葉
金魚草の花言葉は、「おしゃべり」「おせっかい」「でしゃばり」です。金魚草といえば、ひとつの茎にたくさんの花がつき、まるで金魚がにぎやかにおしゃべりしているよう。そんな花姿から3つの花言葉がつけられました。
育て方のポイント
金魚草は、水はけのよい土壌を好むので、小粒の赤玉土に川砂を少し混ぜたものや市販の種まき用土に種まきします。ひとつの育苗ポットに2~3粒種まきし、発芽したらよいもの1本にしてほかを間引きます。冬のあいだはポットのまま苗を日当たりのよいところで管理して、春になったら好きなところに植え付けましょう。金魚草は、すっと背が高くなる植物なので、寄せ植えの中心にしてもよいですし、鮮やかな花色からガーデンのアクセントカラーにもなります。
10月に植える植物4「ホワイトレースフラワー」
開花時期
ホワイトレースフラワーといえば、まるで繊細なレースのような花姿が魅力的なお花です。風に揺れるホワイトレースフラワーの白いお花はとても可愛らしいものです。また花茎が長いので、切り花にしてお部屋に飾ることもできます。ホワイトレースフラワーの花の咲く季節は、5~6月ごろです。ホワイトレースフラワーは、繊細な花姿とは裏腹に、比較的強い植物なので初心者にもおすすめです。たくさん種まきしておけば、春のガーデニングや寄せ植えに重宝します。
花言葉
ホワイトレースフラワーの花言葉は、全部で3つ。「可憐な心」「感謝」「細やかな愛情」です。レースフラワーの上品で繊細な花姿を人間の優しい心模様になぞらえてつけられた言葉になっています。
育て方のポイント
ホワイトレースフラワーは水はけのよい土壌を好み、じめじめした環境では根腐れを起こして枯れることがあります。小粒の赤玉土に川砂を混ぜたものや市販の種まき用土に種まきします。ホワイトレースフラワーの種はとても小さいので注意深くおこないます。ひとつの育苗ポットに何粒かばらまきし、芽が出たらよいものだけ残します。春まで育苗ポットで管理して春になったらガーデニングに使いましょう。なお、ホワイトレースフラワーは肥料を与えすぎると草丈が高くなりすぎて倒れやすくなります。春に穏効性肥料を控えめに施すとよいでしょう。
10月に植える植物5「かすみ草」
開花時期
かすみ草といえば、花束などでもお馴染みの小花が可愛らしいお花です。白いものが有名ですが、ピンクの品種や八重咲きの品種もあります。かすみ草の咲く季節は、4~6月です。かすみ草は発芽率が低く、種まきからの栽培は少し難易度が高いのですが、春に咲くお花はとても可愛くフラワーアレンジやドライフラワーにも使えるので、ぜひチャレンジしてみましょう。
花言葉
かすみ草の花言葉は、「清い心」「幸福」「夢見心地」「親切」「無邪気」です。どれも素敵な言葉のラインナップなので、花言葉とともにプレゼントフラワーにするのもおすすめです。
育て方のポイント
かすみ草は、水はけのよい土壌を好むので、市販の種まき用土やバーミキュライトに種まきします。ひとつのポットに数粒種をばらまきして水やりを続けます。かすみ草の種はとても小さいので水やりの際に流れてしまわないよう、霧吹きを用いるとよいでしょう。かすみ草は発芽率が低いのですが、もしも芽がたくさん出たらよいものだけ残します。春までは直射日光の当たらない風通しのよいところで育苗ポットのまま管理します。春になったら好きなところに植え付けましょう。
10月に植える植物6「スカビオサ」
開花時期
スカビオサの咲く季節は、4~6月および9~10月ごろです。スカビオサの秋の開花時期はちょうど松虫が鳴く時期なので、「松虫草」という別名がつけられています。スカビオサの花色は鮮やかなブルーのほか、紫や白、ピンクがあります。
花言葉
スカビオサの花言葉は、「風情」と「魅力」です。スカビオサは長い花茎になんとも言えない可愛らしいお花を咲かせます。風に揺れるスカビオサのお花は風情ただよう魅力的なもの。そんな花姿からつけられた花言葉でしょう。
育て方のポイント
スカビオサは、あまり気温が高いと発芽しないので10月はちょうど種まきの適期です。水はけのよい小粒の赤玉土や種まき用土に種まきします。育苗ポットに数粒ばらまきし、水やりを続けましょう。芽が出たらよいものだけ残します。冬のあいだポットで管理して、春に植え付けます。植え付けの際に元肥として穏効性の固形肥料を与えましょう。スカビオサは切り戻しをしてうまく夏越しできると秋にも花が咲く植物ですが、じめじめした梅雨時期や真夏を苦手とするので、夏越しは少し難しいです。
10月に植える植物7「ネモフィラ」
開花時期
ネモフィラは3~5月に花が咲く植物です。ネモフィラの花色は鮮やかなブルーのほか、濃い紫色に白い縁取りのものもあります。ネモフィラは草丈が低いので、グランドカバーのように使われることも多く、寄せ植えの足元にも重宝します。
花言葉
ネモフィラの花言葉は、「可憐」と「どこでも成功」です。ネモフィラのまるで青空のような美しいブルーカラーは可憐そのもの。また、ネモフィラはどんな植物とも色の相性がよくガーデニングにひっぱりだこの植物です。そんな特徴から、2つの花言葉が生まれました。
育て方のポイント
ネモフィラは、水はけのよい小粒の赤玉土や種まき用土に種まきします。ひとつの育苗ポットに数粒ネモフィラの種をばらまきします。ネモフィラは比較的発芽率が高く、だいたい10日くらいで芽が出てきます。たくさん芽が出たら、本葉が3~4枚のころにまびいてよい苗を一本だけにします。ネモフィラは耐寒性がありマイナス3度くらいまでは耐えられますが、霜が当たるところは避けて冬越しさせます。春になったら穏効性の肥料を施して好きなところに植え付けるとよいでしょう。
10月に植える植物8「ナデシコ」
開花時期
ナデシコは、古くより日本人に愛されてきた植物です。ナデシコを漢字で記載すると「撫子」。ナデシコの花姿はとても可愛くて、子供を撫でたくなるような愛おしい気持ちになることからつけられました。ナデシコの花の咲く季節は4~8月です。長期間花を楽しめ強いお花なので、初心者におすすめです。ナデシコの花色は、ピンクや赤、白などがあります。
花言葉
ナデシコの花言葉は、「無邪気」と「純愛」です。ナデシコの可憐ながら素朴な花姿からイメージされてつけられたものです。
育て方のポイント
ナデシコは、水はけのよい小粒の赤玉土や種まき用土に種まきします。ひとつの育苗ポットに2~3粒の種をまき、本葉が2~3枚のころによいもの1本だけを残してあとを間引きます。春までポットで管理して、春になったら好きなところに植え替えましょう。ナデシコは花の咲く時期が長いので、定期的に液体肥料など追肥を施します。またじめじめした梅雨時期や真夏の暑さは少し苦手です。切り戻しをおこなって風通しよく管理することで、秋にもまた可愛らしい花を咲かせてくれます。
10月に植える植物9「カンパニュラ」
開花時期
カンパニュラの花の咲く時期は、4~6月です。紫や白、ピンクの可愛らしい花を咲かせます。カンパニュラの花の形はまるでベルのようなことから、日本では「つりがねそう」という別名で呼ばれることがあります。また英語では「ベルフラワー」と呼ばれています。
花言葉
カンパニュラの花言葉は、「誠実な愛」「感謝」「節操」「思いを告げる」「共感」です。カンパニュラの花言葉は、ギリシャ神話の悲しい物語に由来します。「美しい精霊カンパニュールの仕事は果樹園の黄金のりんごを守ることでした。ある日、ひとりの兵士が黄金のりんごを盗みにきます。カンパニュールは、非常用の鈴を鳴らして周囲に必死に助けを求めますが、残念ながら兵士に殺されてしまいます。この事件を知った花の女神フローラは、カンパニュールの死を哀しみ、カンパニュールの体を鐘の形をした美しい花に変えました。」フローラのカンパニュールへの想いやカンパニュールの人柄からイメージされ、カンパニュラの花言葉が生まれたそうです。
育て方のポイント
カンパニュラは、水はけのよい土壌を好み、じめじめした環境では枯れてしまうこともあります。小粒の赤玉土に川砂を混ぜたものや市販の種まき用土に種まきしましょう。ひとつの育苗ポットに数粒のカンパニュラの種をまきます。カンパニュラは好光性の特徴を持つので、種まきしたあとの覆土はしないことが種まきからの育て方のコツ。10日くらい水やりを続けていると芽が出てきます。よいものだけを1本残して、あとは間引きましょう。冬のあいだはポットで管理して、春に好きなところに植え替えましょう。
10月に植える植物10「カレンデュラ」
開花時期
カレンデュラは、大きくて鮮やかなオレンジや黄色の花を咲かせる植物で、別名「きんせんか」とも呼ばれます。カレンデュラの開花時期は、12~5月です。カレンデュラはアロマの世界でも人気のある植物で、カレンデュラオイルなどが販売されています。
花言葉
カレンデュラの花言葉は、「悲嘆」「別れの悲しみ」「失望」「寂しさ」です。華やかな花模様とは逆の悲しい言葉は、ギリシャ神話にある太陽神アポロンとレウトコエ王女の悲恋の物語に由来するものです。
育て方のポイント
カレンデュラの種は比較的大きく発芽率がよいので初心者にもおすすめです。カレンデュラは種を自家採取しておいても発芽しやすいので、育てたカレンデュラから種を採取しておくのもおすすめです。カレンデュラは水はけのよい小粒の赤玉土や種まき用土に種まきします。ひとつのポットに数粒まいておき、発芽したらよいものだけ残して一本にします。春になってから好きなところに植え付けましょう。
春をイメージして10月のガーデニングをしよう
ガーデニングはとても奥深いものです。植物ひとつひとつの小さな種には命のすべてが詰まっていて、種まきすれば芽が出てやがて美しい花を咲かせ、私たちを楽しませてくれます。秋の種まきといえば10月がぴったり。種から育てるためには11月は少し遅いからです。春にどんなお庭にしたいか、色合いやデザインを考えながらガーデニングに取り組む時間はまさに至福のひとときでしょう。
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