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観葉植物「シペラス」とは?その種類や育て方を解説!植え替え時期は?

シぺラスは、立ち姿の美しい観葉植物。なかでも「パピルス」は最古の紙の原料であり、エジプトのパピルスの由来です。シぺラスは丈夫で育てやすい特徴を持ち、水辺で育て涼やかさを演出するととても素敵です。シぺラスの植え付けや植え替え、育て方や増やし方をご紹介いたします。
2020年8月27日
Yukari.S
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シぺラスってどんな植物?

シぺラスは、多年草の観葉植物です。シぺラスの草丈は、種類にもよるのですが、平均するとだいたい2~3メートルくらいです。シぺラスの属するシペラス属は、世界の熱帯、温帯地方に600種類ほどが自生しています。日本では、カヤツリグサをはじめとして28種類ほどが確認されています。シぺラスは、湿地に自生する雑草として扱われるものもありますが、一部の品種は、立ち姿が美しく、またとても育てやすいので観葉植物として出回っていて人気となっています。

シぺラスは、最古の紙「パピルス」の原料

シぺラスの種類のなかでも、観葉植物として用いられる「カミガヤツリ」という種類があります。カミガヤツリは、別名「パピルス」とも呼ばれ、古くより、茎から抽出される繊維成分から紙がつくられていました。現在でも、原産国エジプトのパピルスは有名です。またエジプトでは、紙を作るだけではなく、シぺラスを用いて網や履き物といった生活必需品を作っていました。さらには、パピルスの若くて柔らかい茎を食用にもしてきたそうで、エジプトではシぺラスはとても有用な植物として人々に愛されています。

シぺラスの花の特徴

シぺラスの花は、長い茎の先端につきます。放射状に細い糸のような特徴の花茎がでて、その花茎の先に花をつけます。シぺラスの花の色は茶褐色で、あまり目立つ特徴を持った花ではありません。

シぺラスの葉の特徴

シぺラスの葉っぱは、年月とともに退化していてほとんど目ただない特徴のものです。シぺラスの葉っぱは、茎の根元にさやのような形でくっついたものです。一部の品種で、茎の先に葉っぱのような部位が見られますが、これは葉っぱではなくガクです。

シぺラスの基本データ

科名属名

カヤツリグサ科カヤツリグサ属(シペラス属)

学名

Cyperus papyrus

和名

シぺラス

別名

蚊帳吊草(かやつりぐさ)

英名

bulrush


原産国

アフリカ

シぺラスの花言葉

シぺラスには、2つの花言葉が存在します。

花言葉1「素直さ」

シぺラスは、茎をすっと長く空に向かって伸ばしながらぐんぐんと成長する植物です。そんな特徴からイメージされ、「素直さ」という花言葉がつけられました。

花言葉2「愛の手紙」

シぺラスには、「愛の手紙」というとてもロマンティックな花言葉がつけられています。シぺラスの種類のひとつであるパピルスは、古くより紙の原料として人々に重宝されてきました。そんな特徴からイメージされて生まれた花言葉でしょう。

シぺラスの種類

世界には600種類もが自生していると言われるシぺラス。日本で出回っている品種はそれほど多くありません。品種により雰囲気が違いますので、お好みに合わせてチョイスするとよいでしょう。

パピルス

パピルスの別名は「カミガヤツリ」。エジプトを原産とし、最古の紙の原料となった植物です。ちなみに英語の「paper(紙)」は、パピルスを語源としています。とても大きく育つ品種なので、はじめに植え付ける際には慎重に場所を選びましょう。

アルテル二フォリア

アルテルニフォリアは、マダガスカルを原産とするシぺラスです。アルテルニフォリアの和名は「シュロガヤツリ」で、アルテルニフォリアの草姿が、植物の「棕櫚(シュロ)」に似ていることから名付けられました。草丈は1メートルくらいで、大きく育つ品種です。

アルボストリアツス

アルボストリアツスは、草丈が20~60センチくらいの中型のシぺラスです。茎の先に葉っぱのような細長いガクをつけます。茎やガクの色は鮮やかなグリーンです。またグリーンのガクに白い斑のはいったものもあります。

シぺラスは「ビオトープ」を作れる水生植物

シぺラスは、水生植物という種類に分類される植物です。水性植物とは、名前のとおり、水のなかで生育する植物のことを指します。水生植物としては、ほかにも睡蓮やホテイアオイといった種類があります。シぺラスは、睡蓮鉢や水辺に植え付けると、夏に涼やかな雰囲気をかもしだしてくれて、とても素敵なものです。

シぺラスを使ってビオトープを作ろう


シぺラスやほかの水生植物と同じ水鉢のなかで、めだかや金魚といった生き物を育てて、おうちで気軽に「ビオトープ」を演出するのもおすすめです。植物により作られる草陰は、生き物の隠れ場所や産卵場所となり、いきいきとした生態系を作り出すことができます。植物と生き物のコントラストはとても美しいもの。ひとつの鉢のなかで繰り広げられる生き物たちの暮らしを見ているだけで、とても癒されることでしょう。

水生植物とメダカなどがセットになった「ビオトープ」セットの商品です。水に浮くように育つ睡蓮や浮き草などの背の低い植物に、シぺラスなどの長くのびる背の高い植物がはいることでアクセントになり、ぐっと印象が素敵なものになりますね。

シぺラスの育て方1「土づくり」

シぺラスは、水生植物であり、水持ちのよい土壌を好む植物です。小粒の赤玉土に腐葉土をまぜたものを準備しましょう。あるいは少し粘土質の土でも育ちやすいので、田土を準備してもよいでしょう。なお、田土は市販のものがあり、実際に田んぼに採取しに行く必要はありません。

シぺラスをはじめとする水生植物用の田土です。粘り気があり、保水性保肥性に富んでいます。

シぺラスの育て方2「肥料」

シぺラスは、それほど肥料を必要としない観葉植物です。シぺラスの成長を促進させたい場合にのみ、年に一度くらい穏効性の肥料を施すとよいでしょう。シぺラスは、ただでさえ生育スピードのはやい植物で、肥料を与えるとぐんぐん育ち背丈が大きくなります。草丈をあまり高くしたくない場合は、肥料は与えないようにしましょう。

シぺラスの育て方3「水やり」

シぺラスは、水生植物であり非常に水を好む観葉植物です。春から秋のシぺラスの生育期には、いつも土が湿っている状態で管理します。シぺラスを植えている鉢に受け皿を敷き、常にその受け皿に水がたまっている状態をキープしましょう。シぺラスを植えている鉢ごと、睡蓮鉢にしずめておくといった管理方法もおすすめです。シぺラスのすっとした立ち姿により、涼やかな水面を演出できるでしょう。なおシぺラスには、冬の休眠期には水やりを控えめにしましょう。

シぺラスの育て方4「場所」

シぺラスは、日当たりのよい環境を好む観葉植物です。室内などのお日様の光の届きにくいところでシぺラスを育てていると、シぺラスの茎がひょろひょろと間延びして茎が倒れてしまうなど、草姿があまり美しくなくなってしまいます。万が一、シぺラスの茎が細く伸びすぎて倒れてしまう場合は、支柱を立ててサポートしてあげましょう。シぺラスは高温に強く、さらに低温にも比較的強い植物です。冬に霜があたらないように注意すれば、冬越し、夏越しともにそれほど気を使う必要はありません。

シぺラスの育て方5「植え付け」

シぺラスの植え付けに適した時期は、5~6月です。シぺラスの苗を育苗ポットなどからぽこんと抜き取ります。土を準備した鉢にシぺラスの苗を植え付けましょう。植え付けたシぺラスがしっかり根付くまで、日当たりのよい風通しのよいところで管理しながら、水やりを続けましょう。シぺラスはとても強い植物なので、植え付けにはそれほど気を使う必要はありません。

シぺラスの育て方6「植え替え」

シぺラスは、成長速度のはやい植物です。定期的に植え替えをして、根詰まりを防ぎましょう。シぺラスの植え替えに適した時期は、5~6月です。これまで植えていたものより一回り大きな鉢を準備して、シぺラスを植え替えてあげましょう。植え替えたシぺラスがしっかり根付くまで、日当たりのよい風通しのよい場所で管理しながら、水やりを続けましょう。なお、シぺラスの植え替えの際に、一緒に株分けして増やしてやるのも便利です。

シぺラスの育て方7「剪定」


シぺラスは、とても丈夫でぐんぐん成長する特徴を持つ観葉植物です。あまり大きく成長しすぎて草姿が悪くなってきたり、ガーデンでの見栄えが悪くなってきた場合には、切り戻しによる剪定をおこないましょう。切り戻しによる剪定に適した時期は、春から秋のシぺラスの成長期です。シぺラスの茎を根元から思い切って切り取ってしまいます。シぺラスは生育スピードが早いので、茎をばっさり切り取ってもまた新しい芽が地下茎から出てきます。

シぺラスの育て方8「病気」

シぺラスには、あまり病気の心配はありません。

シぺラスの育て方9「害虫」

シぺラスには、カイガラムシがつくことがあります。カイガラムシは、春のあたたかくなってきた頃から発生する害虫です。カイガラムシはシぺラスの茎に寄生して、栄養素を吸い取ってしまいます。カイガラムシを見つけたら、できるだけ早く駆除しましょう。ただし、カイガラムシの成虫は、とても硬い殻で覆われていて、殺虫剤をスプレーしてもあまり効果が見られません。カイガラムシは、ブラシなどでこそぎ落として駆除するとよいでしょう。

シぺラスの増やし方1「株分け」

シぺラスの増やし方としては、株分けがあげられます。シぺラスの株分けによる増やし方に適した時期は、5~6月ごろです。株分けしたいシぺラスを鉢から抜き取ります。シぺラスの根っこについた土を、手やスコップで落とします。清潔なハサミなどで、シぺラスの根っこを切り分けて、新しい鉢に植え付けます。株分けしたシぺラスがしっかり根付くまで、日当たりのよい風通しのよい場所で管理しながら、水やりを続けましょう。

シぺラスの増やし方2「挿し木」

シぺラスの増やし方の2つめは、挿し木です。シぺラスは発根しやすい観葉植物で、挿し木による増やし方は比較的簡単です。シぺラスの挿し木による増やし方に適した時期は、シぺラスの生育期である春から秋です。シぺラスの程度のよい茎を5センチくらい切り取ります。挿し木用の土を入れた育苗ポットなどに挿し木します。シぺラスが発根するまで、日当たりのよい風通しのよい場所で管理しながら、水やりを続けましょう。だいたい1カ月くらいで発根するでしょう。

シぺラスは水辺に映える水生植物

シぺラスは、古代エジプトで紙の原料として重宝されてきた植物です。シぺラスはとても丈夫で育てやすく、増やしやすいので初心者にもぴったりです。水生植物とも呼ばれるシぺラスは、水の多い土壌を好み、池のふちや睡蓮鉢に植え付けると、和風な雰囲気を醸し出してくれます。また、シぺラスを使ってビオトープを作るのも素敵です。夏の青空のもと、水辺に揺れるすっと伸びたシぺラスは、なんとも言えず懐かしいような情緒漂うものです。一度植え付けておけば、夏越しも冬越しもしやすいので、ぜひガーデンにシぺラスを取り入れてみましょう。

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