小川キャンパル/ステイシーST-2の魅力を徹底解剖!
キャンプの楽しみ方は人それぞれです。こんなテントって誰が使うんだろう…そんなテントを見かけることがありますよね。しかしテントを開発するには需要という根拠があります。
では小川キャンパルのステイシーST-2はどのような需要を満たすために開発されたのか、細部を確認しながら魅力を掘り下げていきましょう。
小川キャンパルとは?
小川テント…小川キャンパル…キャンパルジャパン…と社名を変更しながらテントの製造販売をしてきた会社です。1914年に小川治兵衛商店として創業し、当時はリュックサックの販売をしていました。
キャンプを趣味にする人には品質の高さで勝負するメーカーとして有名です。テントの入り口を覆ってタープを張る「小川張り」は小川キャンパルが提唱した設営方法です。
小川キャンパル/ステイシーST-2の魅力①
ステイシーST-2のサイズ
ステイシーST-2はコンパクトな小型テントです。小川キャンパルではステイシーST-2の収容人数を2~3人用としていて、大人の男女ペア+子供での使用が可能です。
快適さを求めるのであれば大人の男女ペア1組までと考えましょう。ペアツーリングやタンデムツーリングに丁度いい大きさだといえます。小型テントにしては天井が高いですね。
ステイシーST-2の前室
ステイシーST-2の最大の特徴は大きな前室にあります。前室では小さなイスとテーブルを置いての料理も可能です。バイクでのソロキャンプツーリングではタープを設営する必要がありません。
ペアキャンプツーリングやタンデムキャンプツーリングでは荷物が多くなってしまいますが、ステイシーST-2の前室なら余裕で収納できます。
小川キャンパル/ステイシーST-2の魅力②
ステイシーST-2の収納サイズ
ステイシーST-2の収納サイズは52×19×19cmと比較的にコンパクトです。山岳用テントや2人用のツーリングテントと比較すると見劣りしますが、使用時のサイズを踏まえるとかなりコンパクトに収納できるといっていいですね。
自転車でのキャンプツーリングでは厳しい収納サイズですが、バイクでのキャンプツーリングでは積載可能な範囲です。
キャンプツーリングでの積載性の問題点
バイクのリアシートに積載する場合、ライダーの肩幅+10cm以下に抑えると美しい荷姿になります。ステイシーST-2の収納幅52cmならリアシートへの積載は問題ない範囲ですね。しかし、リアシートではなくパニアケースやトップケースの大きさによってはパッキングできない可能性があります。
フレームの折り寸
ステイシーST-2のフレーム折り寸は40cmですので、収納幅を52cm以下に変える事ができます。パニアケースやトップケースはパッキングでの融通が利かないので、収納幅を変えられるのはありがたいですよね。
小川キャンパルはバイクでのタンデムツーリングでパニアケースやトップケースにパッキングすることを想定して、フレームの折り寸を40cmにしたと考えられます。
小川キャンパル/ステイシーST-2の魅力③
ステイシーST-2のフライシート
ステイシーST-2のフライシートには標準的な生地が使われており、耐水圧は1,800mmですので大雨警報が出ない限り大丈夫です。通気口はテントの前後にありますので、結露対策も万全にされています。
静かに体を休められる落ち着いたカラーリングですが、出入り口の赤いラインが全体の印象を引き締めていてかっこいいですよね。
サイドドアの仕組み
ステイシーST-2の前室には2ルームテントのようなサイドドアがあります。正面ドアを開けなくても出入りできるので、混み合ったキャンプ場でもインナーテント内が丸見えにならないのでプライバシーが保てます。
サイドドアパネルの端とファスナーはゴム製のロープでつないであります。ファスナーを開けるとサイドドアが畳まれるので、出入りがしやすく、ドアパネルが汚れにくいですね。
小川キャンパル/ステイシーST-2の魅力④
ステイシーST-2のインナーテント

インナーテントの素材: 内幕/ポリエステル グランドシート/ポリエステル75d (耐水圧1,800mm)
ステイシーST-2のインナーテントには標準的な素材が使われています。極端な悪天候でない限り浸水することはありません。出入り口が前後にありますので、インナーテント内の換気も容易です。
荷物が多い場合は前室を荷物置き場、後室をメインの出入り口にすることもできます。ペアキャンプでも夜中にパートナーを跨いで出入りしなくていいですね。
ドアの形状
インナーテントのドア形状は好みが分かれるところ。ステイシーST-2のドアは半円形で、大きく開口するので出入りがしやすいですね。左右どちらからでも開けやすいようにD型ドアになっていません。
開けたときにドアが垂れ下がってしまいますので、地面で汚したり、就寝時に敷いてしまわないようにロールして留めておきましょう。
小川キャンパル/ステイシーST-2の魅力⑤
ステイシーST-2のフレーム
ステイシーST-2のフレーム素材は山岳用テントにも使われるアルミ合金ですので、軽量で強度も確保されています。インナーテント部分の2本、前室・後室用のY字型が1本です。
Y字型のフレームを組むとかなりの長さになりますし、形状が複雑ですので破損しないように注意しましょう。居住性を高めるために工夫されたフレームワークだといえます。
耐風性
ステイシーST-2は小型テントの割には全高が高く、四角い箱型的な形状ですので耐風性が気になります。テント正面は平らなパネルになっていますので、後室を風上に向けて設営すべきですね。
フレームとフライシートをマジックテープで固定し、バタつきを抑えて風をスムーズに受け流せるようになっています。強風時はガイドロープでペグダウンしないとフレームを傷めますよ。
小川キャンパル/ステイシーST-2の魅力⑥
ステイシーST-2の設営方法
ステイシーST-2の設営は構造さえ把握すれば難しくありません。
大まかには①インナーテントを広げる②ポールを立ち上げる③インナーテントを吊る④フライシートをかける⑤ペグダウン…この5工程で設営できます。
フライシートとポールをマジックテープで留める作業が面倒ですが、耐風性を高めるためには必ず行いましょう。立ち姿も美しくなります。
オプション
オプションのスタンディングテープは是非とも導入したいですね。フライシートだけで自立させられますので、タープ代わりにも使えるようになりますし、雨天時にはインナーテントを濡らさずに撤収できます。
設営時にフライシートとポールをマジックテープで留める作業もしやすいですよ。
小川キャンパルテントのDNA
スタンディングテープを基準にして設営するのが小川キャンパルテントの特徴ですので、ステイシーST-2もスタンディングテープを併用するのが完成形だといえます。
開発時点では標準装備だったのが、総重量や価格に影響するのでオプションとなったと考えられます。軽量化したいときはスタンディングテープでフライシートを自立させ、インナーテントを省略する方法もあります。
小川キャンパル/ステイシーST-2の魅力⑦
ステイシーST-2の居住性
ステイシーST-2は小型テントとしては快適な居住性を備えています。2ルームテント的な使い方ができる前室を備えた小型テントは少ないですね。
雨天時のペアキャンプやタンデムツーリングなら、食事のときはインナーテントを降ろしてリビングスペースを広げ、就寝時のみインナーテントを吊る方法もあります。
居住性に特化したステイシーST-2
ステイシーST-2は居住性を追求した小型テントだといえます。出入りしやすい前室のサイドドアやインナーテントの半円形ドア、巨大な前室、フレームを地面まで伸ばして確保された後室など、ペアキャンプやタンデムツーリングでのコンパクトなキャンプを快適に楽しむことができます。
ステイシーST-2の総重量について
ステイシーST-2の総重量は3.9㎏(幕体2.7㎏、ポール1.2㎏)と小型テントの割には重い部類です。しかし、使用時のサイズや居住性を踏まえると軽量なテントだといえます。
モンベルのムーンライト3型はステイシーST-2と重量やフロアシートの有効サイズがほぼ同じですが、前室と後室は居住性を高めるためのスペースとはなっていません。
小川キャンパル/ステイシーST-2の魅力⑧
ステイシーネストと比較
小川キャンパルのステイシーネストはステイシーST-2と同じ仕様ですが、山岳用テントで用いられる生地を幕体に採用し、軽量化されています。
ステイシーネストは幕体1.9㎏、ポール1.2㎏ですので、幕体の素材のみが違うことがわかりますね。総重量は3.1㎏ですので、バイクでのキャンプツーリングに有利な重量だといえます。収納サイズは45×19×19(cm)ですので、ステイシーST-2と比較するとかなりコンパクトです。
ステイシーST-2 VS ステイシーネスト
ワインディングロードや林道で走りを楽しむライダーは軽量なテントを好みます。そんなライダーにはステイシーST-2より軽量でコンパクトなステイシーネストが相応しいですね。
しかし、薄い生地のテントは注意して扱う必要があるので、丈夫な生地を好むライダーにはステイシーST-2をおすすめします。パワーがある大型バイクでのキャンプツーリングなら、軽量なテントよりも居住性が高いテントを選択する傾向が強いですね。
小川キャンパル/ステイシーST-2を使い倒そう!
コンパクトで快適な居住性を備えたステイシーST-2ではどんなスタイルのキャンプを楽しめるでしょうか。ステイシーST-2は小型テントの可能性を広げてくれます。
ソロキャンプ
ステイシーST-2が威力を発揮するのは長期にわたるバイクでのソロキャンプだといえます。快適な居住性がライダーの疲労を回復させること間違いありません。快適だからとキャンプ場に定住しないようにしましょう。
ステイシーST-2でクルマでのソロキャンプを楽しむ人も増えていますね。
ペアツーリング
ソロテントを各々で積載・設営するのは合理的ではありません。ペアでのバイクツーリングでは荷物を分け合って積載できますので、バイク1台あたりの積載量を軽量化できます。
自転車でのペアツーリングでも同様です。ステイシーST-2の重量がソロテント2張り分の重量と同じであっても、設営・撤収の手間は大幅に省けますね。
タンデムツーリング
ステイシーST-2は収納サイズに応用が利きますので、タンデムでのキャンプツーリングにもおすすめです。
荷物を軽量化するために、食事は旅先の名店めぐりや特産品をメインにすれば料理道具を省略できますし、旅の目的を明確にできますね。コンパクトにできるステイシーST-2ならビッグスクーターのシート下トランクに余裕で積載できます。
旅行の宿代わりに
行動が制限されるのを嫌ってホテルや旅館の予約をしない人は意外と多いですね。大型連休になると空きがなくて宿探しに苦労しますが、フリーサイトがあるキャンプ場なら混んでいても簡単に受け入れてくれます。
ステイシーST-2にマットとシュラフ程度ならコンパクトカーや軽自動車でも余裕で積載できますし、使わなかったとしても無駄なものを積んでいってしまったと後悔することはありません。
小川キャンパル/ステイシーST-2の魅力:まとめ
小川キャンパルがステイシーST-2をツーリングテントとして販売しないのは、ユーザーの使い方を制限したくない…使い方はユーザーに委ねたい…そんなスタンスで製品に向き合っているからだと考えられます。
ステイシーST-2は特定の需要に応じるためではなく、多くの需要を満たすために開発された小型テントだといっていいでしょう。
小川キャンパルが気になる方はこちらをチェック!
小川キャンパルのテントはステイシーST-2を含め、独特な形状や構造をしています。特に、スタンディングテープを基準にする設営方法は他社のテントにはないアイデアです。高品質で設計に手抜きのない小川キャンパルのテントをさらにチェックしてくださいね。
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