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ブラジル「ファベーラ」治安は本当に最悪?リオのスラム街の実態に迫る!

2016年のオリンピックでも注目されたブラジルのリオですが、街中にはファベ―ラと呼ばれる治安の悪いスラム街が点在しています。ファベ―ラは世界でも一位二位を争うほど治安がとても悪いと言われています。今回はそんなファベ―ラの実態に迫ります!
2020年8月27日
くるみぱん
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リオのスラム街ファベ―ラの治安の実態を調査!

ワールドカップの開催やオリンピックのホスト国になるなど、ここ数年明るいニュースの多かったブラジルですが、その陰で国として、とても大きな問題を抱えています。それが、リオデジャネイロやサンパウロをはじめとする大都市の中に点在する「ファベ―ラ」と呼ばれるスラム街の存在です。

今回はブラジルの国家レベルの闇ともいえる、ファベ―ラについてどんなところなのか、どれくらい治安が悪いのか、観光は可能なのか、ファベ―ラに宿泊はできるのかなどその内情に迫りました。

治安が悪いブラジルのスラム街「ファベ―ラ」とは

ファベ―ラはブラジルのスラム街

ファベ―ラはブラジルの貧困街、スラム街のことを指します。ブラジル最大の都市はリオデジャネイロですが、リオデジャネイロをはじめとする都市部のほとんどにはこの貧困街であるファベ―ラが存在します。国内にあるファベ―ラの数は3,000を超えるとも言われています。

ブラジルは世界的に治安の悪い国

そもそもブラジルという国も治安はお世辞にも良いとは言えない国です。国内のいたるところで警察と地元住民との暴動が起こっていますし、外務省のホームページにもブラジルへ渡航するときは十分気を付けるよう注意喚起されています。特にリオやサンパウロなどの都市部の方が治安が悪いと言われています。

ブラジル最大のファベ―ラ

ブラジル最大のファベ―ラは、リオデジャネイロにあります。リオにあるファベ―ラは、丘の上に貧困街が積み重なるようにできあがっています。ファベ―ラは政府が作ったものでは無いため、無秩序に街を形成していて、住所と言うものも存在しません。

リオの住民の4人に1人はファベ―ラに住んでいる

リオの人口は600万人とも言われていますが、このうちの4分の1はファベ―ラの住人とも言われています。ファベ―ラには、人々の生活に欠かせないスーパーや美容院、また観光客向けの宿もあるようです。

日本のスラム街との違い

日本にもスラム街のような貧困街はあり、大阪のあいりん地区がとても有名です。日本のスラム街も治安が悪いことで知られていましたが、最近では外国人観光客が安宿目当てに訪れるなど治安は良くなってきているようです。しかし、ファベ―ラの治安はそれとは比べ物にならないくらい悪く、殺人や強盗などの凶悪犯罪も頻発しています。

ファベ―ラの治安はどれくらい悪い?

ファベ―ラの治安の悪さは世界でもトップレベル

ファベ―ラは日本の貧困街やスラム街とは比較にならないほど治安が悪いと言われています。その治安の悪さから地元の人でさえ近づかないとも。ファベ―ラの治安の悪さは世界トップクラスともされ、ドラッグの売買やギャング同士の抗争などが日常的に行われているようです。

ファベ―ラの治安が悪い理由①


ここからはファベ―ラがなぜこんなに治安が悪いのかについて、その理由を解説していきたいと思います。

世界最大の貧富の差

ブラジルは世界でも貧富の差がとても大きい国です。国民の6割以上がブラジルの平均所得の半分以下の収入しかないと言われています。こちらの画像を見るとわかるように、プールやテニスコートを併設した大型リゾートホテルのすぐとなりに、無秩序に並んだスラムが形成されています。

貧困がゆえ無法地帯やスラムが生まれた

そのスラムが貧困街ファベ―ラです。仕事やお金のない貧しい人々が集まり形成したのがファベ―ラですので、そのエリアはいわゆる無法地帯であり、そこに住む人たちはドラッグの売買やギャング同士の縄張り争いなどを日常とするほか生きる手段がないのです。

ファベ―ラの治安が悪い理由②

ブラジル政府の腐敗

ファベ―ラの治安が悪い理由は政府にもあります。日本の貧困街やスラム街は治安が悪いと言ってもある程度は警察や政府が目を光らせていますので、あまり大きな問題がおこることはありません。しかしブラジルは政府が腐敗しているため、政治家はもちろん大統領でさえも汚職問題が後を絶ちません。

頻繁にデモや暴動が起きる国ブラジル

腐敗した政府は本来の機能を果たさず、ブラジルでは政府が国をコントロールできないという状況が続いています。そしてそんな政府に不満を抱えた国民が、国内のいたるところでデモや暴動を起こしているのです。

ファベ―ラの治安について知りたいならこの映画を見るべし

ファベ―ラを舞台にした映画「シティ・オブ・ゴッド」

もしブラジルのファベ―ラについて興味を持ったのであれば、「シティ・オブ・ゴッド」という映画がおすすめです。この映画は、ブラジルのファベ―ラを舞台とした映画で、実話をもとに製作されています。

ファベ―ラのストリートチルドレンの日常

シティ・オブ・ゴッドは、貧困街ファベ―ラに住むストリートチルドレンの日常を描いた映画で、殺人や強盗、暴力、抗争、麻薬売買など日本人にとっては非日常であるありとあらゆる凶悪犯罪が登場します。実話がベースになっているとは到底考えられないような内容ですが、それくらいファベ―ラの治安が悪いというのがよくわかります。

ファベ―ラが観光地として注目されている?

ブラジルはもともと観光客の多い国であり、特に欧米から多くの観光客を受け入れています。ブラジルの観光名所と言えば、キリスト像やコパカバーナ海岸が有名ですが、最近ひそかに流行となりつつあるのがファベ―ラ観光です。


ファベ―ラが観光スポットになった理由

とても治安が悪いことで知られるファベ―ラがなぜ観光地化してきているかと言うと、ファベ―ラにはSNS映えするフォトジェニックなスポットが多いからだと言われています。ファベ―ラの街はいたるところにカラフルな落書きがあったり、丘の上まで登るとリオの街を一望できる眺望の良いスポットがあったりします。 それらのスポットがSNS映えするスポットとして知られるようになり、世界中から観光客が集まるようになったようです。

リオ最大のファベ―ラ「ホッシーニャ」観光

ブラジルにはリオを中心にたくさんのファベ―ラがあり、大きなファベ―ラになると観光ツアーが催されているところもあります。その中で最も有名なファベ―ラツアーが、ホッシーニャというコミュニティを観光するツアーです。このツアーは、車に乗ってホッシーニャエリアにある名所を見て回ります。ホッシーニャにはかつてマイケルジャクソンがPV撮影をしたスポットもあります。

気軽に行けるコンプレクソ・ド・アレマンツアー

ファベ―ラツアーの中で比較的気軽に行けるのが、テレビドラマ「サウヴィ・ジョルジ」の舞台にもなったコンプレクソ・ド・アレマンへ行くツアーです。このツアーでは、ケーブルカーに乗ってファベ―ラ全体を見渡すことができます。ケーブルカーを降りるとファベ―ラ住人が民芸品やお土産品を売っているようです。

観光客向けの宿泊施設もある

ホッシーニャのような大きなファベ―ラになると、観光客向けの宿泊施設もあります。そしてバビロニアというファベ―ラには、なんと日本人が営む宿があります。こちらの宿はドミトリーのような宿泊施設で、日本人夫婦が経営しているようです。日本人がやっている宿なので、ファベ―ラと言えども少しは安心できそうですね。

ファベ―ラを観光してみたいなら

ファベ―ラツアーを申し込む

基本的にファベ―ラに足を踏み入れることはおすすめできないのですが、どうしても行ってみたいのであれば、ファベ―ラツアーという現地のオプショナルツアーを申し込むことをおすすめします。混沌車に乗って、ファベ―ラを一周するツアーで、費用は日本円で2,500円程度です。

タクシーで行く

おすすめはできませんが、ファベ―ラへはタクシーで行くこともできます。もしタクシーで行く場合には、高額なタクシー料金を請求されないように事前に料金交渉をしておくよう気を付けましょう。また、その際は現地ガイドを同行するなど決して一人でファベ―ラに行かないようにしてくださいね。

ファベ―ラ観光で気を付けなければならないこと

絶対に1人で行かない

ファベ―ラはリオをはじめ大都市の近くに点在しているので、ブラジルに慣れていない人でも簡単にいくことができます。しかし一人で、特に夜間に行くことは絶対にやめてください。ファベ―ラは地元の人でもあまり行きたがらない場所だということを忘れないようにしましょう。

ファベ―ラの住人の写真を撮ってはいけない

ファベ―ラにはフォトジェニックなスポットがたくさんありますので、ついついカメラを構えていろんな写真を撮りたくなってしまいます。しかし写真を撮るときにはファベ―ラの住人の写真を撮らないようにしてください。ファベ―ラでは住人の写真を勝手にとってはいけないという暗黙の了解があります。最悪の場合、銃口を向けられることもあるようです。


日本人は狙われやすい

日本はとても安全な国ですので治安に対する警戒度が低い傾向があります。そしてブラジルにはあまりアジア人の観光客はいないため、日本人は外国に行くととても目立ちます。ですので、日本人はスリや強盗に狙われやすいのです。ファベ―ラを歩くときはやはり現地ガイドに同行してもらう方が安全です。

万が一犯罪に巻き込まれたら

しっかり注意していてもひったくりや強盗など、犯罪に巻き込まれてしまうことがあるかもしれません。万が一そのような犯罪に巻き込まれてしまったときに最も大切なのは、抵抗しないことです。日本人が一番合いやすい犯罪はスリや引ったくりなど金品目当てのもの。その場合には財布や携帯電話を素直に差し出して命だけは死守してくださいね。

ファベ―ラで治安以外にも気を付けるべきこと

ジカ熱に注意

ファベ―ラへ行くときには治安の悪さに注意が必要ですが、それと同じくらい気を付けなければならないのがジカ熱感染です。ジカ熱はもともと一部エリアで流行している病だったのですが、2015年ころからブラジルで多く感染例が見られるようになり、大流行しました。

妊婦はブラジル渡航を控えましょう

ジカ熱は妊婦が感染すると胎児に小頭症という先天的な障害が生じる可能性がある大変危険なものです。小頭症は、脳や頭が未発達のまま生まれてしまうという障害で、治療法がありません。ですので、妊娠中の女性やその可能性がある女性は十分注意が必要です。

ブラジル渡航には虫よけスプレー必須

ジカ熱は蚊を媒体として感染するため、虫よけスプレーや長袖の着用などが効果的です。2017年にはブラジルでのジカ熱流行の終息宣言が出されたものの、ワクチンもなくとても危険なものですので、露出はできるだけ避けるようにしてください。また虫よけスプレーを適宜使用して、感染を未然に防ぎましょう。

治安の悪いファベ―ラに行きたいならかなり覚悟が必要!

世界でもトップクラスの治安の悪さで知られるファベ―ラについて掘り下げてご紹介しました。正直、あまり日本人が近づくべきではない場所ではありますが、それでも怖いもの見たさで行ってみたいという人もいるでしょう。

もしどうしてもブラジルのファベ―ラに行ってみたいという場合には、さきほどご紹介したように観光ガイドのついたオプショナルツアーなどを利用するようにしましょう。それでも危険であることには変わりありませんので、相当の覚悟を持っていくことをおすすめします。