白馬岳とは
白馬岳は日本三大雪渓のひとつである白馬大雪渓を従えた山で、標高は2,932mあります。穂高岳や槍ヶ岳、剱岳などとともに、登山者の人気のある山です。特に、白馬大雪渓から頂上を目指すコースは初心者にも難易度的に無理がなく人気です。白馬岳は高山植物も種類も豊富で、登山道には綺麗な花々が咲き誇ります。
白馬岳の位置
白馬岳は、後立山連峰と呼ばれる飛騨山脈の北部にあります。長野県と富山両に跨った山です。白馬鑓ヶ岳、杓子岳、白馬岳で白馬三山を形成しています。白馬鑓ヶ岳には日本で最も高い位置にある温泉のひとつつの白馬鑓温泉があります。
初心者にもおすすめ白馬岳の魅力
アクセスも容易で山荘も整っている白馬岳は初心者の入門コースとして最適です。
大雪渓とお花畑
白馬岳といえば、まずは大雪渓です。杓子岳と白馬岳の間に広がる大雪渓は長さが約3,500mもある巨大な雪の渓谷です。大雪渓を登った先には、梅雨が明けた7月頃には高山植物が可憐な花を咲かせてくれています。ライチョウの生息地でもあり、運が良ければその姿を見れます。
天気の良い日の頂上からの眺め
白馬岳からの眺めはすばらしいです。日本地図を眼下にしているかのように、北側は遠く能登半島や佐渡島などの日本海、東は妙高連峰などの上信越の山々、八ヶ岳、南側には、中央アルプス、南アルプスそして富士山、東側は黒部渓谷を挟んで、剱立山連峰を見渡せます。
充実した山荘
人気の山だけあって、山荘も充実してます。頂上直下に大規模な山荘が2件もあるのも白馬ならではです。登山コースのポイントポイントに山荘があります。地図を用意して、体力に応じた登山計画を立ててください。
初心者でも挑める難易度
大雪渓を登るルートはアルプスの初心者という人でも可能な難易度の山です。大雪渓を前にアイゼン初体験という人も多いです。これで天気が良く、山頂からの雄大な風景を目にできたら、初心者にとって山は切り離せない存在になること間違いなしです。難易度のステップアップを図るスタートにできる山とも言えます。
白馬岳の四季の天気について
山では5月にも雪が降り、10月に夏と冬支度が始まります。
春の天気と気温
5月から6月は年間でも最も雨が多いシーズンです。5月は雪が降ることがります。雪が降ると気温も氷点下まで下がります。まだ冬が同居していますので、難易度としては冬山の経験が必要です。
夏の天気と気温
夏でも朝晩は冷え込み、大雪渓で吹き込む風も冷たいので防寒対策が必要です。快晴の日よりも曇天や雨の場合が多いです。最低気温は10℃を下回ることもあります。初心者がチャレンジできる難易度のシーズンです。
秋の天気と気温
9月は梅雨時期の次に雨の多い月になります。紅葉が始まります。気温もぐっと冷え込んできます。10月になると各山荘も営業を終え冬支度を始めます。山荘が空いている時期までが初心者が挑める難易度のシーズンです。
冬の天気と気温
豪雪地帯で雪は多いです。山の気温は常に氷点下になります。雪崩の危険がありますので、難易度は高いです。初心者には難しいです。
白馬岳の今の天気をチェック
目的地の現在の天気や気温が確認できます。
ライブカメラで天気を確認
山頂付近だけでなく、登山口にもライブカメラの映像がリアルタイムで配信されています。
出発前に白馬岳の天気をチェック
夏でも、天候の悪い日の大雪渓は気温が下がります。出発前に天気と気温を確認しましょう。
山の天気予報
日本気象協会のホームページで麓の天気と、山の天気の状況を知ることができます。
白馬岳登山の安全確認
地図だけでは読み取れない危険があります。予め地図で危険個所を把握しておくのはもちろんですが、天候で大きく変わります。
天気で変わる危険度
白馬岳に限ったことではありませんが、雨の日の岩場や梯子は非常に滑りやすくなります。白馬鑓温泉の上部の梯子や岩の上を行動するときは転倒に注意してください。
天気の悪いときの大雪渓
雪渓上を滑り落ちてくる落石に要注意です。雪渓が音を吸収するので、無音で滑り落ちてきます。雪渓の上で、足にはアイゼンを付けていますので、身動きが取りづらい状況ですので、充分に注意して行動してください。
天気の急変
山の天気は変わりやすいですが、特に大雪渓のある谷筋は下からガスが吹き上げてきて一気に視界が悪くなることがあります。周りの景色が見えない中での落石は非常に危険で、見えない上に雪渓で音が消されて気が付けば落石が目の前に迫ってくるようなことがあります。
安心して登山するための装備
普段の登山の装備に加えて、アイゼンとヘルメットを用意しておくことをおすすめします。
アイゼン
白馬岳といえば大雪渓です。地図を見ると分かりますが、大雪渓は、約600mの高度差と距離にして約2kmあります。2時間30分ほど雪の上を歩きます。雪の上ですので、足下が滑ります。軽アイゼンでかまいませんので用意してください。アイゼンがないと足が滑って歩きづらいだけでなく、転倒の危険があります。アイゼンを持ってくるのを忘れた場合は、白馬の駅前でアイゼンをレンタルしてくれます。
大雪渓ルートの登山には 軽アイゼンが便利で安心です。白馬駅前営業所でアイゼンを借りて、白馬山荘で返却することができます。料金は、保証金(300円)込みで1,000円。アイゼンの返却時に保証金の300円はお返し致します。ルートや残雪の状況で下山時にアイゼンを使われる場合には 白馬駅前営業所でご返却いただけます。
ヘルメット
大雪渓は落石が多発しています。実際に現場を見ると良く分かるのですが、大雪渓の至るところで巨大な岩がを見かけます。それらは上からの落石です。音もなくやってくる落石に対応するためにもヘルメットを持参することをおすすめします。
地図
登山客の多いエリアですが、地図は必ず持参しましょう。常に現在位置を地図で確認しながら行動します。天候や体力に応じてエスケープルート探すときにも地図は必要になります。稜線で遠くに見える山を確認するときも地図の出番になります。
白馬岳の登山コース
白馬村観光局Webサイトにあります。大まかコースタイムが書かれた地図です。登山計画の参考にしてください。
大雪渓~頂上
白馬村観光局Webサイトにあります。大雪渓ルートの地図です。大雪渓を登るときにアイゼンが必要です。
白馬岳登山のメインルートです。アイゼンを持参するのをお忘れなく。 猿倉を出発して、白馬尻小屋から大雪渓を通って白馬岳へ至るコースです。猿倉(1,250m)~白馬尻小屋(1,560m)~村営頂上宿舎(2,730m)~白馬山荘(2,832m)~白馬岳頂上(2,932m)と順に標高を上げていきます。 コースタイム ・猿倉~白馬尻小屋:約60分 ・白馬尻小屋~白馬大雪渓~白馬岳頂上宿舎~白馬山荘~白馬岳:約5時間30分 コースタイムは参考です。個人差があります。 猿倉から白馬尻小屋までは、樹林帯を進みます。白馬尻小屋が見えると、「ようこそ大雪渓へ!」という石碑が見えます。そこからは、あの白馬大雪渓です。アイゼンを付けて大雪渓を登ります。大雪渓を抜けお花畑を通り過ぎ、小屋を2つ通過すると白馬岳です。
頂上~栂池
頂上からの下山ルートとしてよく利用されるコースのひとつです。 白馬岳(2,932m)から三国境(2,751m)を経て小蓮華山(2,766m)へ向かいます。このコースでは雷鳥に出くわすことがよくあります。その先、白馬大池山荘(2,380m)から天狗原(2,200m)を通り、栂池ロープウェイ自然園駅を目指します。ここまで来るとゴンドラリフトとロープウェイを乗り継ぎ麓へ降りれます。 コースタイム ・白馬岳頂上~三国境:約30分 ・三国境~小蓮華山:約40分 ・小蓮華山~白馬大池:約90分 ・白馬大池~天狗原:約90分 ・天狗原~栂池ロープウェイ自然園駅:約110分 コースタイムは参考です。個人差があります。 このコースは、途中で雷鳥に出会えたり、栂池自然園のミズバショウの湿原など高山植物を楽しめたりするコースです。
頂上~蓮華温泉
頂上からの下山ルートとしてよく利用されるコースのひとつです。白馬大池までは、栂池ルートを同じコースを歩きます。白馬大池で分岐があります。 栂池のルート同じように、白馬岳(2,932m)から三国境(2,751m)を経て小蓮華山(2,766m)へ向かいます。このコースでは雷鳥に出くわすことがよくあります。その先、白馬大池山荘(2,380m)から蓮華温泉(1,475m)へ向けて下山していきます。 コースタイム ・白馬岳頂上~三国境:約30分 ・三国境~小蓮華山:約40分 ・小蓮華山~白馬大池:約90分 ・白馬大池~蓮華温泉:約150分 コースタイムは参考です。個人差があります。 白馬大池山荘からのコースは、岩がゴツゴツしたコースです。雨の日日は滑りやすくなっていますので、転倒に中止ながら歩いてください。
頂上~白馬鑓温泉~猿倉
白馬岳頂上から雲上の温泉を目指すルートです。白馬岳(2,932m)から杓子岳(2,812m)を経て白馬鑓ヶ岳(2,903m)を通り、白馬鑓温泉小屋(2,100m)、猿倉(1,250m)へ下山するコースです。 コースタイム ・白馬岳頂上~杓子岳:約90分 ・杓子岳~白馬鑓ヶ岳:約60分 ・白馬鑓ヶ岳~白馬鑓温泉:約180分 ・白馬鑓温泉~猿倉:約240分 白馬鑓温泉の上部に鎖場があります。注意してください。途中の白馬鑓温泉で1泊して妙高の山々を見ながら温泉に浸かるのもこのルート楽しみのひとつです。
白馬岳への日帰り
自分の体力に自信があるのなら、日帰りで白馬岳は不可能ではありません。日帰りをしようとすると往復で10時間を超えるような距離になります。標高差は1,700m以上になります。体力はもちろん、天候や自分のペースを作れる技術などが必要となります。初心者にとっては難易度が高いです。基本的には日帰りではなく山荘に1泊以上されることをおすすめします。日帰りだと日が暮れてから大雪渓を下るようなことになり、アイゼンを付けていても大変危険です。
大雪渓往復の日帰り
白馬岳の日帰りルートとしては、大雪渓の往復があります。白馬岳を日帰りするには、早朝の5時ぐらいに猿倉を出発する必要があります。片道だけでも6時間30分ほどかかるルートを日帰りするわけですから、帰りの分までの時間と体力を考慮する必要があります。日帰りの場合、頂上には12時前に到着しないと、日帰りできなくなります。時間のリミットを決めて、タイムオーバーなら引き返すなどして、その時点で日帰りを中止するようにしてください。
白馬岳から唐松岳方面への縦走
白馬岳から不帰キレットを越えて唐松岳に至るルートです。白馬岳(2,932m)から杓子岳(2,812m)を経て白馬鑓ヶ岳(2,903m)を通り、天狗山荘から不帰キレットを超え唐松岳(2,696m)を目指します。 コースタイム ・白馬岳頂上~杓子岳:約1時間30分 ・杓子岳~白馬鑓ヶ岳:約1時間 ・白馬鑓ヶ岳~天狗山荘:約1時間 ・天狗山荘~不帰キレット~唐松岳:約5時間 不帰キレットは落石や滑落の危険があります。充分注意して通過してください。初心者には少々難易度がアップします。
白馬岳から朝日岳方面への縦走
三国境からさらに北上して朝日岳(2,418m)を目指すルートです。ここまで来ると訪れる人も少なくなり、静かな山を味わうことができます。 コースタイム ・白馬岳頂上~三国境:約30分 ・三国境~雪倉岳:約1時間30分 ・雪倉岳~朝日岳:約5時間
白馬岳の山荘
白馬岳には設備の充実した山荘が立っています。山の上での生ビールは最高です。
白馬山荘
最大収容人数が800人という日本最大の山荘です。1906年に開業している歴史ある山荘でもあります。併設するスカイプラザ白馬からは、北アルプスを一望できます。この風景を肴に生ビールを楽しめます。利用料金や開設時期などは白馬山荘のホームページでご確認ください。駅前でレンタルしたアイゼンはこの山荘で返却できます。
白馬岳頂上宿舎
大雪渓を抜け、稜線にたどり着くと見えてくるのが村営白馬岳頂上宿舎です。食事は、バイキング形式になっています。利用料金や開設時期などは村営白馬岳頂上宿舎のホームページでご確認ください。
白馬鑓温泉小屋
白馬鑓ヶ岳の中腹にある山荘です。妙高連山を眺めながら露天風呂に浸かれます。利用料金や開設時期などは白馬鑓温泉小屋のホームページでご確認ください。
白馬大池山荘
白馬大池のほとりに建つ山荘です。山荘周辺は高山植物の宝庫です。利用料金や開設時期などは白馬鑓温泉小屋舎のホームページでご確認ください。
栂池ヒュッテ
栂池自然園の入り口にある山荘です。お風呂に入れる山荘です。登山の起点として利用できます。利用料金や開設時期などは栂池ヒュッテのホームページでご確認ください。
猿倉荘
大雪渓への玄関口です。白馬駅からバスに乗って山荘の前まで来れます。登山の起点として利用できます。利用料金や開設時期などは猿倉荘のホームページでご確認ください。
白馬尻小屋
大雪渓はすぐ目の前という位置に建つ山荘です。初日にここまで入って、登山の起点として利用できます。利用料金や開設時期などは白馬尻小屋のホームページでご確認ください。
蓮華温泉ロッジ
温泉のある山荘です。山道に点在する露天風呂は趣があります。白馬岳からの最終地点をここの山荘にして、ゆっくりと登山の疲れを温泉で癒すのも良いものです。反対にこの山荘を登山の起点として利用できます。利用料金や開設時期などは蓮華温泉ロッジのホームページでご確認ください。
白馬岳登山口へのアクセスルート
白馬岳の登山口である猿倉、栂池、蓮華温泉のアクセスルートです。
猿倉登山口へのアクセスルート
季節運航ですがJR白馬駅または八方バスターミナルから猿倉までバスがあります。白馬駅からの所要時間は約30分です。バスの時刻や運行期間についてはアルピコグループのホームページでご確認ください。
栂池登山口へのアクセスルート
季節運航ですがJR白馬駅または八方バスターミナルから栂池高原までバスがあります。白馬駅からの所要時間は約30分です。バスの時刻や運行期間についてはアルピコグループのホームページでご確認ください。
蓮華温泉登山口へのアクセスルート
季節運航ですがJR平岩駅またはJR糸魚川駅から蓮華温泉までバスがあります。平岩駅からの所要時間は約1時間、糸魚川駅からの所要時間は約1時間30分です。バスの時刻や運行期間については糸魚川バスのホームページでご確認ください。
まとめ
白馬岳は大雪渓があったり、お花畑があったりと初心者にも難易度もそれほど高くないのに登山を満喫できる山です。天気のいい日の眺望は最高です。アイゼンを付けて大雪渓を登ってください。
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