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はじめに
海にはサメ以上に危険な魚が!
海の魚と対峙する際には決して油断するべきではありません。サメなどの有名な魚だけでなく、他にも海には人に被害を与える危険な魚がたくさん生息しています。鋭い切っ先を持ち、まるで「投げナイフ」のように飛翔してくる魚、ダツについて今回はご紹介しましょう。
危険な魚「ダツ」とは?
まるでダーツのような形状の魚
この魚は日本では基本的に食用とはされないため、ダツという名前を聞いてもピンとこない方も少なくないでしょう。ただ、ダーツのような尖った形状をした魚と言われれば何となくその姿が脳裏に浮かんでくるのではないでしょうか。
「ダツ」は釣り人を刺殺する!?
実際に、この魚が原因で不運にも死亡してしまった方がおられます。命は助かっても、失明をしてしまったり、内蔵をえぐられたり被害はさまざまです。日本でも生息している魚で、年を通してよく釣り上げられる種類のものですので、特に釣りを趣味とする方は注意が必要です。
被害に遭わないためにも「ダツ」の情報を知ろう!
サメ被害にあわないためには、サメについての情報を知るのが最も重要な対策です。ダツについても同様のことが言えます。この魚の生態や危険性、実際に起こった被害情報についてを知り、きちんと対策を講じましょう。また、釣りの外道としてよくハリにかかるこの魚の味や食べ方についても合わせてご紹介します。危険な魚「ダツ」を是非、料理して味わってやりましょう!
危険な魚「ダツ」の生態
スメグマモルフ系ボラ亜系ダツ目ダツ科ダツ属
スメグマモルフ系という系統はほとんどの方が馴染みのないカテゴリーです。同じ系統のものではトビウオなどの魚が挙げられます。この魚は水上をまるでトビウオのように飛翔することでも知られ、その習性もこの魚が人に被害を与えてしまう理由の一つとなっています。
「ダツ」という名称は32種類の総称
ダツは漢字表記では「駄津」と記載します。もともと「ダツ」というのは単一の種類を指す名称ではありません。ダツ科の魚の総称で、世界にはダツと呼ばれる魚が実に32種類も存在します。
「ダツ」という名前の由来はダーツではない!
「ダツ」という名称は和名です。漢字では「駄津」と書きます。この名前は一見するとゲームの「ダーツ」に由来しているような印象を受けますが、駄簀(だす)と呼ばれる主に東京都の江ノ島で使用されていた葦(よし)という植物を編んだ袋に由来があります。この袋の口を全開にした様子が、この魚が口を開く様子と酷似しているため駄簀(だす)と名付けられ、それが訛って「駄津」になったのです。
「ダツ」の形態
この魚は100センチ以上にまで成長します。上記画像で見られるのはまだまだ成長途中の個体です。まるで刀のような尖った形状をしており、体色も刃物のように光沢のあるシルバー色。腹ビレ、背ビレ、尻ビレは全て体の後方に揃えられ、ミサイル状のより遊泳速度が上がるフォルムをしています。
「ダツ」の骨格
まるで鳥類のクチバシのような形状を持つダツ科の魚特有の骨格は実に特徴的です。「たかが魚が突っ込んできたからといって怪我なんてするのか?」という疑問も、この骨格をご覧になれば解消することでしょう。
「ダツ」の分布
この魚は、比較的浅い海域に広く生息しています。日本での分布範囲も広く、北は北海道から南は九州地方まで広く漁獲、または釣り上げられ沖縄諸島でも頻繁に目撃されます。日本の他にも太平洋や東シナ海に面する国で漁獲され、食用として利用される場合もあります。
危険な魚「ダツ」の危険性
英名ではNeedlefish(針の魚)
広く目撃される魚というのは、地方によりいろいろな命名がなされるものですが、この魚も例外ではありません。この魚の英語圏での呼び名はずばり「ニードルフィッシュ」です。「針の魚」という名前は、ダツの特徴をこれ以上ないほどに表現していますね。
「ダツ」は光に吸い寄せられる
この魚が危険であるとされる理由として、「光に引き寄せられる」という習性が挙げられます。食性として小魚を追って鋭い歯で挟み捕食するこの魚は、小魚の鱗が月明かりに照らされて輝く光に敏感に反応します。ダツの生息する海で小船に乗り夜釣りを楽しむ釣り人がライトなどで無闇に水中を覗き込もうとすれば、ダツがその光をエサと誤認して飛び込んでくるのです。
「ダツ」の突進速度は時速70km!
ただ、飛び込んでくるだけならまだ可愛いものです。ダツの恐るべきところはその突進速度にあります。数値にして時速70km以上の速さで、その刀のような体を真っ直ぐに硬直させて釣り人にむかって突進してくるのです。ちなみにこの速度はオリンピックの槍投げ選手が投擲する槍の速度とほぼ同じ!
鋭い歯も危険!
日本でダツ被害が多いのは沖縄だとされています。沖縄での漁は比較的浅い水域で、しかも夜に行われることが多いため、この魚の被害にあう方が多いのです。小魚を猛烈な速度で追いかけて捕食するこの魚は歯もギザギザで鋭利。噛まれるとまるでカミソリで切られたようにひどい傷が付きますので注意しましょう。
危険な魚「ダツ」の被害
集団で飛来してくる「ダツ」の群れ
群れで生活する種類の魚で、ダツが一匹いる海域には他にも数十匹ほどの数が生息しているのが一般的です。トビウオなどと同じく海上へ飛び上がる魚で、一匹が飛翔すると同調するように他の個体もジャンプを始めます。
世界中で被害者多数!
さらに危険なことに、この魚は標的に刺さると体を回転させてさらに傷口をえぐる習性があります。そのため、世界中でこの魚の被害にあい、深い傷を負っている方が多く存在しています。
ハワイでは死亡被害も
実際に、この魚による死亡事故が多数発生しています。1977年、ハワイ諸島で夜中に釣りを楽しんでいた少年が海面に照明を当てた瞬間に、海中からダツが高速で突進して少年の頭部に直撃。目から脳にかけてを貫通し、少年の命を奪いました。
もしも危険な「ダツ」が体に刺さったなら
もしもこの危険な魚が体に刺さったのなら、自力で抜こうとはしないでください。無理やりに引き抜こうとするとダツの口先部分の骨が折れて体内に残留したり、傷口が余計に開いて出血多量を起こしてしまいます。刺さったままの状態で患部をタオルなどで強くおさえて陸へ上がり、救急車を呼びましょう。
被害を受けないためには
漁師の方に言わせれば、この魚の生息する海に向けてライトの光を当てるのは自殺行為に等しいとされています。日本のほとんどの湾内に生息している可能性があるので、海に向けて無闇に照明を向けるのはやめましょう。
危険な魚「ダツ」の美味しい食べ方
「ダツ」は海外ではメジャーな食用魚
ダツは日本でも少なくない量が漁獲されますが、あまり食用では利用されません。市場価値は低く、旬の時期のものでも驚くほど安い価格で取引されます。ただ、海外ではよく利用される食用魚で、決して食味が悪いわけではなく、食べ方やレシピもさまざまなものが考案されています。
「ダツ」の旬は?
年を通して漁獲される魚ですが、旬の時期は秋が深まり寒くなってきてから、梅雨明けまでの時期だとされています。基本的に水温が20度以下の寒い時期が、身が締まり美味しくなるシーズンです。シーズン中はよく刺身にされ、飲食店で提供されます。ただ、あまり日本では流通していません。市場で並べられても低廉な価格が付けられることが多いです。
旬の刺身は絶品!
旬の時期でもこの魚が安い価格で取引される理由として「小骨の多さ」が挙げられます。ただ、味自体は絶品で刺身はまるで鱧(はも)などに似た食感をしており、透明感のある白身は加熱するレシピで料理するときゅっと締まり、刺身とはまた違った味わいを生みます。
危険な魚「ダツ」の美味しい料理レシピ①
旬の「ダツ」を味噌焼きに!
旬のダツは刺身だけではなく焼き物としても絶品の素材です。この魚の白身は加熱しても身崩れしにくいため食べ方を選ばずに料理できます。
上品な白身は濃い味付けの料理に!
タラなどの白身と違って味噌によく馴染む上品な身質をしているため、あらかじめ味噌ダレを作っておき、それと一緒に焼き上げていけば香ばしいなかにも旨みがにじむ料理が完成します。刺身の繊細さとはまた違った美味しさが楽しめますのでおすすめの食べ方です。
レシピ手順
ダツを切り身の状態にしてから塩をまぶして1時間ほど置きます。その間に、味噌とみりんと酒、そしてショウガを混ぜ合わせてタレを作り、切り身から塩と水分をよくキッチンペーパーでふき取って、タレをまぶして焼き上げましょう。
材料 (2人分くらい) 切り身の魚300g 麦味噌 30g すりおろし生姜小さじ1 酒大さじ1 みりん 大さじ1
危険な魚「ダツ」の美味しい料理レシピ②
旬の「ダツ」を塩焼きに!
旬の新鮮なダツがもしも手に入ったのならシンプルに塩焼きにして食べてみてください。一流の料亭などでも提供されるほどの極上の味は、旬のサンマもかすむほどの味だと評判です。ただ、塩焼きというのはシンプルな食べ方のようで、美味しく焼き上げるのはなかなか難しい料理でもあります。今回は塩焼きレシピを上手に料理するためのコツをご紹介しましょう。
レシピのコツ
塩焼きは焼き網に皮がくっついてしまうのが難点ですよね。それを防ぐために、あらかじめ焼き網にはサラダ油をまぶしておきましょう。そして、焼き始める10分前にダツに振り塩をしておきます。ダツのような繊細な白身の魚は焼く少し前に塩を振ればよい塩梅の味加減になります。そして、中火で片面5分を目安に焼いていきます。火加減は強すぎても弱すぎてもダメです。
刺身と並んで好まれる料理
50くらいのダツ釣れました!
— あっぷるしん (@__Apple_sin___) April 21, 2018
塩焼きにしました! pic.twitter.com/b4MXWEekbP
市場にはあまり流れない魚なので、主に釣り人がいろいろなレシピで料理し食べている食材ですが塩焼きはそんなダツ料理のなかでも人気のある食べ方です。是非、皆さんもこの魚の味を体験してみましょう。
危険な魚「ダツ」の釣り方
「ダツ」は通年で狙える魚
ダツは通年で釣り上げられる魚です。浅い海域で生息するこの魚は堤防などの陸から投げ釣りで狙えます。
基本的にメジナ釣りの外道
ただ、基本的にダツのみを狙って釣りをする方はあまりいません。他のメジナやチヌを狙った釣りで外道として、この魚がかかることはありますが、日本国内でこの危険な魚を単体で狙った釣りをする方はそうはいないでしょう。ただ、海外ではより大型のダツ科の魚を狙ってゲームフィッシングを楽しむアングラーも多いです。
ルアーで「ダツ」を釣り上げよう!
ダツのような小魚を捕食するフィッシュイーターを狙うのなら、ルアーフィッシングがおすすめです。体長1メートルを超える大型で引きが強い魚なので、鮮烈な駆け引きを楽しめます。
シマノ スピニングロッド ルアーマチック S86ML 8.6フィート
シマノ スピニングロッド ルアーマチック S86ML 8.6フィート
長さ:8.6feet 適合ルアーウエイト(g):6-28 適合ライン:[PE/号]0.6-1.5、[ナイロン/lb]4-16 釣種:汎用 対象魚:ブラックバス トラウト シーバス クロダイ タチウオ ヒラメマゴチ 継数(本):2 自重(g):145 ロッドタイプ:スピニング
先述したように本来、外道として他の魚と一緒に狙う種類のものですので、メジナやチヌなどがかかっても対応できるだけの弾性とフィートがあるものを選びたいところです。シマノのルアーマチックなら手ごろのお値段でありながら十分な品質を備えており、ジグなどの釣り方でも対応できます。
投げ釣りがメインで釣りをしてますが投げたあとでルアー、ジグもやりたくて購入。価格も安く入門用には手頃でいいと思います。何度もキャストしてますが今のところ問題ないです。
オーシャンルーラー ガンガンジグII 30g キビナゴシルバー
オーシャンルーラー ガンガンジグII 30g キビナゴシルバー
カラー:キビナゴシルバー 全長:69mm 自重:30g タイプ:メタルジグ フック:有(アシスト6号/#1/0、トレブル#6) 釣り方、フィールド:ソルトルアー(ショア) 代表対象魚:サバ(鯖) 代表対象魚(詳細):小型青物、フラットフィッシュ、ロックフィッシュ、カマスなど
天然光に反射してキラキラと輝きを放つタイプの小魚ライクなルアーがおすすめ。キビナゴシルバーは30グラムと取り回しも容易なので、どんどんキャストしてダツを探っていきましょう。
現物見て、なかなかの好印象です。まだ釣果はないですが、頑張ってこれで釣りたいです。
十分に注意して釣り上げよう!
この魚は獰猛なサメや猛毒を持つアカエイなどと並ぶほどの本当に危険な魚です。釣り上げる際には十分に注意しましょう。目などを刺されると失明する可能性もありますので、持ち帰って刺身などで食べようと考えるなら血抜き処理と一緒にクチバシも切除しておけば安心です。
まとめ
「ダツ」の被害を防止して快適な釣りライフを!
危険な魚「ダツ」についてはいかがでしたでしょうか。世界の広い海域に生息しているこの魚は、冗談ではすまないような深刻な被害を釣り人に与えます。正しい情報を知り、釣りなどのレジャーを快適に楽しみましょう!
他の危険な魚について知りたい方はこちらもチェック!
当サイト「暮らし~の」には、危険な生態を持つ魚についての情報がいろいろと掲載されております。下記で紹介しているのは、それぞれオニカマス(バラクーダ)とギギを紹介しているおすすめの記事です。オニカマス(バラクーダ)は釣りの対象魚として世界中の釣り人に楽しまれている魚ですね。是非、ご覧になって明日からの釣りライフにお役立てください!
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