低カロリーと言われる長芋について
長芋の基本情報
低カロリーと言われダイエット食としても注目される長芋は、ヤマノイモ科のつる性多年草です。漢名では、山薬(さんやく)、薯蕷(しょよ)とも呼ばれています。分布地域は、幅広く熱帯から温帯まで生息しているのが特徴です。原産は中国で、日本へは中世以降に渡ってきたといわれています。長芋の学名は 「Dioscorea batatas」といい、英名は「Chinese yam」です。
長芋の特徴
低カロリーで和食にも使われる長芋は、とろろ飯やとろろ蕎麦など生で食することができます。また、八味地黄丸(はちみじおうがん)、六味丸(ろくみがん)などの生薬の成分としても利用されています。長芋の茎や葉は赤紫色をしており、芋の部分は長細い棒状や扁平のものなど長芋の品種によっていろいろです。
長芋とヤマノイモの違い
大きな違いは、長芋が中国から渡ってきたものでヤマノイモは日本古来から自生しているものという点です。ちなみに、「自然薯(じねんじょ)」といわれているものはヤマノイモの分類されています。英語名でも長芋は、「Chinese Yam」といわれ、ヤマノイモは「Japanese Yam」と呼ばれることからもわかるでしょう。
低カロリーと言われる長芋のカロリーについて
基本的にさつまいもやじゃがいもなどの芋類は、地下茎や根の部分が肥大化しでんぷんや多糖類が蓄えられるためカロリーが高いようなイメージがあります。でも、長芋は比較的カロリーも低く100gあたりのカロリー量は65kclです。
ヤマノイモのカロリーが101kcalあるのに比べると低カロリーだといえるでしょう。長芋は、他の芋類に比べてもカロリーが低く水分量が多いのでダイエット食としてもおすすめの食材です。
低カロリーと言われる長芋の栄養成分
健康によいネバネバ成分
長芋で最も注目される成分と言えば、オクラや納豆などにも含まれているネバネバ成分です。ねばねば効果は、胃粘膜の保護や消化促進、腎機能・肝機能を高める効果が期待できます。冬場の風邪が流行する季節には、風の予防効果もあるといわれる成分です。その他にも滋養強壮効果や血糖値の改善、便秘の解消などにも効果があるといわれています。
豊富な酵素で体の中から健康に
長芋には、栄養価の高さだけでなくアミラーゼやジアスターゼといった酵素が豊富に含まれています。これらの酵素は、食事をした後の消化作用を促すのに効果的です。酵素類が豊富に含まれていると、体内の新陳代謝が高まり血行促進を活発にしてくれます。新陳代謝が良くなれば、デトックス効果やダイエット効果が期待できるでしょう。
食物繊維やビタミン類も豊富
長芋には、栄養素としてビタミンB・ビタミンC・ビタミンD・ビタミンE・ビタミンKなど豊富なビタミン類が含まれています。特に、ヒトの体に大切な栄養素のビタミンB1や抗酸化作用が期待できるビタミンCの含有量が多いので健康や美容にも効果的な食材だといえるでしょう。また、ビタミン類だけでなく食物繊維も多く含まれており便秘の解消などでダイエット効果も期待できます。
低カロリーと言われる長芋と糖質の関係
意外と多い糖質
長芋も他のイモ類と同様に糖質を含んでいます。さつまいもの100gあたり28gの糖質含有量に比べると低いですが、長芋の場合も13g程度の糖質が含まれています。ただし、長芋の場合は糖質の吸収を抑える作用が期待できるので糖質含有量が多くても食べ過ぎない限り太る心配はないでしょう。
食べ過ぎに注意
とろろ飯やとろろ蕎麦などは簡単に食べられるので、ついつい食べ過ぎてしまいがちです。太ることが気がかりでダイエットを始めた人には、低カロリーの長芋はおすすめの食材ですが、糖質の含有量が少なくないので食べ過ぎには注意しておきましょう。糖質の多いご飯と一緒にとるとろろ飯は、食べ過ぎると太る原因にもなります。
低カロリーと言われる長芋と炭水化物の関係
野菜の中でも炭水化物の含有量が多い
太る体質の人が避けたい栄養素としてあげるのが糖質と炭水化物です。炭水化物は、主食であるご飯にも多く含まれているので摂り過ぎると太る原因にもなります。とはいえ、炭水化物はいろいろな食材に含まれているのが現実です。
もちろん、長芋にも含まれており含有量は100gあたり13~14gほどになります。芋類のサツマイモやジャガイモに比べると含有量は少ないですが、野菜の中では比較的炭水化物の量が多いといえるでしょう。
炭水化物とは糖質+食物繊維
長芋にも多く含まれる炭水化物は、おもに糖質と食物繊維から成り立っています。炭水化物が太るといわれる原因は、糖質を含んでいるからです。ただし、長芋などに含まれる糖類は、多糖類と言われる種類で体内への吸収がゆっくりおこなわれます。料理法や食材の組合せを工夫することで、太る原因を抑えることができるでしょう。
低カロリーと言われる長芋の効能・効果
疲労回復に効果的
長芋は、栄養価も高くビタミンB群やアルギニンといった疲労回復に効果的な栄養い成分を含んでいます。消化吸収を促す酵素類も豊富で、胃腸などの消化器系統を保護する働きもあります。様々な栄養成分の相乗効果により、ストレスや疲労から体を回復させてくれるといえるでしょう。
生活習慣病の改善
長芋には、体に良いとされるアミノ酸の1種であるアルギニンやサポニンが含まれています。アルギニンは、血液を丈夫にする働きがあるといわれ血行を促進するのに効果的です。サポニンは、抗酸化作用がありサラサラの血液にしてくれるといわれています。また糖質の吸収を抑える効果がありますので、食後の急激な血圧上昇を抑えてくれる働きが期待できます。
低カロリーと言われる長芋とダイエット効果
カロリー控えめでダイエットにおすすめ
長芋は、芋類の中でもカロリーが低く太るのが心配という方でもおすすめの食材です。ネバネバ成分が、糖質の吸収を抑えてくれるのも太る要因を抑えてくれるといえるでしょう。血糖値が緩やかに変化すると、空腹感が抑えられるので、間食などをして太る心配もなくなります。
基礎代謝の向上でダイエット効果もアップ
長芋に含まれるアルギニンやサポニンには、血液や体内循環を促進する効果があります。これにより基礎代謝が向上しダイエットに効果的な体質づくりが可能です。体内環境が良くなることで便秘やむくみなども解消され太りにくい体質に変えてくれるでしょう。体質が変わることで、ダイエット効果アップも期待できます。
低カロリーと言われる長芋おすすめの食べ方
調理をする時のポイント
長芋を調理する時には、手を酢水で濡らしておくことをおすすめします。長芋での痒みの原因となるシュウ酸カルシウムは、酸に弱いので料理する際には酢水を使うとよいでしょう。また、酢水でアク抜きをしておくと皮をむいた後の変色を防ぎ、ぬめりも取ることができます。
生で食べるのがおすすめ
長芋の食べ方としては、やはり生食がおすすめです。すりおろしてとろろにしたり、短冊に切ってサラダや和え物にするのもいいですね。加熱すると栄養価が下がるとも言われているため、おすすめの食べ方は生食だといえるでしょう。その他にも煮物や焼き物など多種多様な食べ方を楽しめるのも長いもの魅力です。
いろいろな食材との組み合わせで健康効果アップ
ストレスの緩和におすすめなのが、「豚肉」との組み合わせです。長芋に含まれるカルシウムと豚肉に含まれるビタミンB2の効果によりストレスの緩和をはかることができるでしょう。
また、長芋に含まれるビオチンと豚肉のタンパク質の働きによって美肌効果も期待できます。美肌効果を高めるには、ニラとの組み合わせもおすすめです。ニラのβカロチンやビタミンCがビオチンとの相乗効果で美肌効果をアップしてくれるでしょう。
低カロリーと言われる長芋のおすすめ料理【とろろ】
定番といえばこの食べ方
長芋の定番の食べ方と言えば、やはり「とろろ」ですね。とろろ飯やとろろ蕎麦といった人気のメニューがあげられます。家庭でも手軽にできて食欲も進むのが、この食べ方だといえるでしょう。食べやすいとろろ飯は、大人からこどもまで幅広く人気のあるメニューですね。
とろろ飯の料理方法
とろろ飯の料理方法は、いたって簡単です。炊きあがったご飯に長芋をすりおろしたとろろをかければ出来上がりです。料理方法は、長芋の皮をむきすり鉢などですりおろします。すりおろしたとろろにだし汁を加えれば、とろろの完成です。だし汁には、麺つゆなどを使うと簡単に手間がかからず作れるでしょう。
低カロリーと言われる長芋のおすすめ料理【和え物】
オクラと一緒にネバネバ効果アップ
健康や美容に効果的だといわれるネバネバ効果の高いオクラと長芋を使った和え物なら体によさそうですね。低カロリーでダイエット食としてもおすすめです。ネバネバ感の中に長芋のシャキシャキ感がアクセントになって食べやすい料理だといえるでしょう。オクラと長芋の組合せは、疲労回復にも効果があるといわれています。
オクラと長芋のおかか醤油和えの料理方法
この料理は、材料をしょう油と鰹節で和えるだけなので何か一品追加したいなと思う時におすすめです。長芋を短冊に切ってゆでたオクラと和えるだけだから、手間がかからず短時間で出来るのがうれしいですね。しょう油と鰹節の味付けが、酒の肴にも合いそうな料理だといえます。
材料 (2〜3人分) 長芋 1/2本 オクラ10本 鰹節適量 醤油適量
低カロリーと言われる長芋のおすすめ料理【酢の物】
カルシウムの吸収を促す酢の物
長芋には、カルシウムなどが多く含まれています。でも、カルシウムはなかなか吸収されにくい成分です。そんなカルシウムの吸収を促すのに効果的なのがお酢です。長芋にお酢を加えることで長芋に含まれるカルシウムの吸収を促すことができます。
きゅうりと長芋の酢の物の料理方法
料理方法は、きゅうりの酢の物を作るのと同じ容量です。きゅうりは薄切りにし、長芋は短冊に切ります。砂糖と酢を適量加えたものにしばらく漬け込めば完了です。砂糖とお酢の量は好みに合わせて調節するとよいでしょう。さっぱりとした味わいで、夏場の食欲不振を改善してくれる料理です。長芋の疲労回復・滋養強壮効果が夏バテを吹き飛ばしてくれるかもしれませんね。
まとめ
健康やダイエットに効果的な長芋
ビタミンやミネラル、食物繊維など体にいい栄養がたくさん含まれている長芋は、芋類としては珍しく生で食べることができます。酢の物やとろろ、サラダなど生食での食べ方はいろいろ工夫でき、シャキシャキとした食感が魅力です。長芋の食感は、いろいろな料理のアクセントにもなります。また、低カロリーながら栄養価の高い長芋は、ダイエット時の食材にもおすすめです。
長芋が気になる方はこちらをチェック!
低カロリーでダイエットや健康にも効果が期待できる長芋の栽培方法が気になる方は、ぜひこちらの記事もチェックしてみてくださいね。植え方や肥料のやり方などいろいろと参考になる情報が紹介されています。
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