新型クロスカブ110
2018年2月、新型クロスカブ110の販売が開始されました。新型クロスカブ110は2017年11月に販売が開始された新型ースーパーカブ110の派生車種であり、デザインと装備が注目を集めています。厳しい環境基準に対応するエンジンを搭載した新型クロスカブの全容をインプレ情報も交えて紹介しますね。
熊本工場生産!
新型クロスカブは海外でパーツを生産して熊本工場で組み立てています。前々モデルのスーパーカブ(JA07/2009年6月販売開始)と同じ生産方法です。JA07スーパーカブ110は3年足らずでフルモデルチェンジしたので誰もが最後の国内生産モデルと思い、中古車市場では一時期高騰しました。新型スーパーカブ/クロスカブシリーズが熊本工場で生産されることに喜んだカブファンも多いことでしょう。
新型クロスカブ110系譜/ハンターカブ
新型クロスカブの系譜をたどると1963年のハンターカブC105Hまでさかのぼり、米国向けに開発されたモデルから国内モデルまで、ハンターカブには多くのモデルがあります。基本的にはスーパーカブの派生車種で、不整地走行を前提にした仕様です。国内初の正規販売ハンターカブはCT50(1968年)で、今も現役で行動を走っている車体があるようです。
CT110(1981年)
トレッキングバイクの第3弾としてホンダから発売されたCT110(1981年)は出荷台数が多かったこともあり、街中で見かけることも多いですね。今も高い人気があり、コンディションがいいCT110も多いようです。国内販売されず輸出バイクだった時期もありました。
型式:JD01 乾燥重量:87㎏ 乗車定員:1人 燃料消費率:60km/L(50km/h定地走行テスト値) エンジン型式:JD01E・空冷4サイクルOHC単気筒 排気量 :105cm3 最高出力:7.6PS/7,500rpm 最大トルク:0.85kg-m/6,000rpm 燃料タンク容量:5.5L 変速機形式:4段リターン変速 価格:159,000円
新型クロスカブ110系譜/JA10
初代クロスカブ(JA10)は2013年5月に販売が開始されました。クロスカブという車名が与えられたのはハンターカブとの違いをアピールするためだと考えられます。スーパーカブをベースにアウトドアテイストを高めたレジャー用バイクとホンダはアピールし、不整地での走行性能は強調されませんでした。
型式:EBJ-JA10 車両重量:105㎏ 乗車定員:1人 燃料消費率:62.5(60km/h定地走行テスト値 エンジン型式:JA10E・空冷 4ストローク OHC 単気筒 排気量 :109cm3 最高出力:(5.9kW[8.0PS]/7,500rpm) 最大トルク:(8.5N・m[0.87kgf・m]/5,500rpm) 燃料タンク容量:4.3L 変速機形式:常時噛合式4段リターン 価格:278,250円
JA10クロスカブユーザーの使い方
JA10クロスカブで不整地走行を楽しむユーザーは多いようです。クロスカブのベースとなってるスーパーカブは路面を選ばない走行性能があったので、JA10クロスカブは不整地走行が得意でした。それに加えてアウトドアテイストを高めるアフターパーツが豊富に供給されたので、JA10クロスカブで山に分け入るユーザーが増えたようです。
新型クロスカブ110のデザイン
フルモデルチェンジした新型クロスカブ110はポップなデザインとなり、街乗りでも違和感のないおしゃれな印象を受けます。アウトドアテイストの中にもレトロな雰囲気やかわいさがありますね。アクの少ないまとまったデザインやコンパクトな車体を見るとキャンプ道具を積んでツーリングに行きたくなるでしょう。
クロスカブ(JA10)とのデザインの違い
新型クロスカブ110とJA10クロスカブとの大きな違いはレッグシールドの有無です。新型クロスカブではレッグシールドが省略されました。レッグシールドは悪天候時に足を守ってくれますが、不整地走行で転倒すると割れてしまうので省略されたのだと考えられます。エンジンが露出したのでワイルドな雰囲気も出ました。CT110のデザインに近づいた印象を受けますね。
新型クロスカブ110のデザイン:インプレ
フルモデルチェンジした新型クロスカブ110のデザインについてのインプレ情報を集めると、特にレトロなデザインに回帰した丸みを帯びたデザインへの評判が高いですね。レッグシールドを省略したすっきりとしたシルエットも好評です。ハンターカブの血統を引き継ぎながらも現代風にアレンジされたデザインだといっていいでしょう。
AJ10クロスカブとのデザインの違い:インプレ情報
前モデルではレッグシールドの効果について一定の評価がありましたが、省略されたことについて残念に思うインプレは少ないようです。レッグシールドが欲しい人は新型スーパーカブ110を選択すればいい…といったところでしょう。プロライダーのデザインに関するインプレ動画を紹介します。
新型クロスカブ110のエンジン
フルモデルチェンジした新型クロスカブには空冷4ストロークOHC単気筒エンジンが搭載されています。厳しい環境対策基準をエンジンクリアランスが大きい空冷エンジンでクリアしたホンダの技術に脱帽です。空冷エンジンはメンテナンス項目や故障箇所を減らせるので信頼性に期待できますね。フルトランジスタ式バッテリー点火ですが、バッテリー上がりの際にはキックペダルでエンジンを始動できます。
エンジン型式:JA10E エンジン種類:空冷4ストロークOHC単気筒 総排気量:109cm³ 最高出力:5.9kW[8.0PS]/7,500rpm) 最大トルク:8.5N・m[0.87kgf・m]/5,500rpm 燃料消費率/WMTCモード値:66.7km/L(クラス 1)〈1名乗車時〉 変速機形式:常時噛合式4段リターン
JA10クロスカブとのエンジンの違い
新型クロスカブとJA10クロスカブのエンジン出力の違いはなく、マイナーチェンジのレベルだといっていいでしょう。しかしピストンとシリンダーの耐久性向上や摩擦抵抗低減、2段キャタライザー式エキゾーストマフラーを採用して平成28年度排出ガス規制に対応しています。また、シフトドラムの回転軸にニードルベアリングを採用して、シフトフィーリングが向上しました。
新型クロスカブ110のエンジン:インプレ
フルモデルチェンジした新型クロスカブ110のエンジンは必要にして十分な性能を備えている…そんなインプレが目立ちます。低中回転域重視のエンジンですので高回転まで回さず早めにシフトアップするといいでしょう。
AJ10クロスカブとのエンジンの違い:インプレ情報
新型クロスカブとJA10クロスカブにエンジン性能の違いについてのインプレ情報は見当たりませんでした。マイナーチェンジレベルではエンジン出力に大差が付かないからだと考えられます。交換式オイルフィルターの採用や挿入ガイドを設けたオイルレベルゲージなど、メンテナンス性の高さについてのインプレ情報が今後発信されるかもしれません。
新型クロスカブ110の足回り/ハンドリング
フルモデルチェンジした新型クロスカブ110のサスペンションはフロントがテレスコピック、リアがスイングアーム式の2本サスになっています。新型スーパーカブ110と比べると新型クロスカブ110のフロントサスペンションはキャスター角が広く、ストローク量が多くなっています。ツーリングユースを想定して直進安定性を向上させたようです。
AJ10クロスカブとの足回り/ハンドリングの違い
新型クロスカブ110とJA10クロスカブの足回りは大きく違います。JA10クロスカブはスーパーカブ110プロ用の積載に適したサスペンションを採用していましたが、新型クロスカブ110は新型スーパーカブ110のサスペンションをベースに微調整されています。積載性よりも普段使いを想定しての変更だといえるでしょう。
新型クロスカブ110の足回り/ハンドリング:インプレ
フルモデルチェンジした新型クロスカブの足回りやハンドリングについてのインプレを探すと「トライアル車のようだ」「トレール車のハンドリングに近い」と評されることが多いですね。極低速スタンディングでの扱いやすさがトライアル車的で、コーナリング中の倒しこみフィーリングがトレール車的だからだと考えられます。
AJ10クロスカブとの足回り/ハンドリングの違い:インプレ情報
JA10クロスカブの足回りやハンドリングについての正確なインプレ情報が見つけられず、違いを見つけられませんでした。腰が高い印象は新型クロスカブ110とJA10クロスカブに共通していますし、最低地上高もほぼ同じですので、乗り味は似通っているといえるでしょう。しかし積載時の安定感はJA10クロスカブに軍配が上がりそうですね。プロライダーのインプレ動画を紹介します。
新型クロスカブ110の装備
フルモデルチェンジした新型クロスカブ110の装備は充実しています。新たにセミブロックパターンのタイヤとフロントマッドガードが標準装備され、LEDヘッドライトが大型ライトガードにマウントされたことでアウトドアテイストが高められました。可倒式ステップや大型リアキャリアはJA10クロスカブに引き続き採用されています。
JA10クロスカブとの装備の違い
新型クロスカブにはタンデムステップが装備されました。JA10クロスカブでは装備されていなかったので、ユーザーの要望が多かったからだと考えられます。タンデム走行ができるようになって、新型クロスカブは生活に溶け込みやすい身近なモデルとなったのではないでしょうか。
新型クロスカブ110の装備:インプレ
フルモデルチェンジした新型クロスカブ110のライトガードはアウトドアテイストを高めるためのデザインを重視した装備ですが、灯火類の妨げとならない範囲で荷物の積載ができると好評です。レインウェアやキャンプ用ロールマットなどが積めそうですね。セミブロックパターンのタイヤについてのインプレ情報は見当たりませんでしたが、アスファルト走行重視のタイヤパターンだといえるでしょう。
JA10クロスカブとの装備の違い:インプレ情報
どのインプレを見てもフルモデルチェンジした新型クロスカブ110がタンデムステップを装備したことを高く評価しています。CT110でもタンデムステップを装備していませんでしたので、待ちに待ってやっと装備された感がありますね。しかし、タンデムステップを装備したことによってアップタイプのマフラーを追加するのに勇気が必要になったかもしれません。
新型クロスカブ110のシート
フルモデルチェンジした新型クロスカブには厚めのシートが装着されています。シート高は784㎜と若干高めですが、足つき性は良好です。高い位置から車の流れを確認できるので、判断が遅れることも少ないでしょう。足つき性を高めるためにシートを薄くする場合は、ハンドルとの位置関係にも気を使ったほうがよさそうです。
新型クロスカブ110のシート:インプレ情報
新型クロスカブ110のシートについてはフワフワとした柔らかさに賛否両論となっています。柔らかくて心地いいと感じる人もいれば、柔らかいのでシートを交換したいという人もいます。新型クロスカブ110はシートへの荷重でマシンコントロールすることが多いので、シートの硬さにはこだわったほうがいいでしょう。
新型クロスカブ110のタンデム性
フルモデルチェンジした新型クロスカブ110ではタンデム走行ができるようになり、生活に馴染んだ移動手段としても活躍しそうです。250㏄クラス以上はタンデム走行をおろそかにするデザインとなりつつありますが、125㏄では逆にタンデム走行の快適さが求められていますので、新型クロスカブ110のタンデムでの走行性能は気になりますよね。
新型クロスカブ110のタンデム性:インプレ情報
新型クロスカブのタンデム性についてのインプレでは不足のない範囲だといわれています。シャシーの剛性やブレーキの性能に関しても、タンデム走行で不安を感じることはないようです。タンデム走行をするとリアサスペンションが沈み込みが大きいので、プリロード調整ができるリアサスペンションに交換することも検討しましょう。
新型クロスカブ110のカスタムパーツ
フルモデルチェンジした新型クロスカブ110のカスタムパーツは早くも供給されています。ホンダはカスタム前提で新型クロスカブ110を開発したのでは?と思うくらいです。新型クロスカブ110のカスタムパーツは高価ですので、必要なところから少しずつカスタムすればいいでしょう。おすすめカスタムパーツを紹介しますね。
おすすめカスタムパーツ:SP武川 アンダーフレームキット
アンダーフレームを装着することでトレールバイク的な雰囲気になりますね。ドレスアップ用カスタムパーツですが、アルミアンダーガードが付属していますので、ダート走行時にエンジンを守ってくれる機能も備えています。
おすすめカスタムパーツ:SP武川 ハンドルガード
新型クロスカブ110にはレッグシールドが省略されているため、コンビニフックが付いていません。ハンドルガードを追加しておけば袋類を吊るせるので便利でしょう。小さなバッグを取り付けてもいいですね。スタック時の車体引き上げにも使えます。
おすすめカスタムパーツ:SP武川 リアショックアブソーバー
新型クロスカブ110のリアサスペンションを交換するときはプリロード調整ができるものを選びましょう。タンデム走行やキャンプツーリングの機会が多い人には必須カスタムです。JA10クロスカブと同じサスペンションが装着できますので選択肢が多いと思われます。
おすすめカスタムパーツ:アウトスタンディング ダブルシート
スーパーカブのパーツを専門的に製作するアウトスタンディングのダブルシートは好評で、既に新型スーパーカブ110用が供給されています。しかし新型クロスカブ110用が出ていないので今後に注目しましょう。リアキャリアを外さずに装着できるので荷かけフックを活用できますし、専用キャリアを追加すればさらに積載性が上がります。
新型クロスカブ110のまとめ
フルモデルチェンジした新型クロスカブ110は、海外工場で製造したパーツを熊本工場で組み立てています。同じ方法で生産されていたJA07スーパーカブ110の経験を活かして高い品質を維持すれば、ユーザーの満足度も上がるでしょう。デザインを重視して新型クロスカブ110を選択するか…利便性を重視して新型スーパーカブ110を選択するか…迷えば迷うほどバイク選びは楽しいですよね。
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車名・型式:ホンダ・EBJ-JA07 車両重量:93kg 乗車定員:2人 燃料消費率:63.5km/L(60km/h定地走行テスト値) 最高出力:6.0kW[8.2PS]/7,500rpm 最大トルク:8.4N・m[0.86kg・m]/5,500rpm 燃料タンク容量:4.3L 変速機形式:常時噛合式4段リターン