テスターの使い方は?
テスターとは?
電気製品を組み立てたりすることが無ければ触れることが無いかもしれない「テスター」。テスターとは、小型電流電圧計のことを指します。テスターを使うことで、電流、電圧を測ったり、抵抗や、導通しているかなどを測ることが出来るのです。
テスターという言葉だけだと「テストする人やソフト」も指しますが、今回は小型電流電圧計のことをテスターと呼び、まとめていきます。
使い方によって操作や当て方が変わる
テスターはなんとなく「難しそう」なイメージを持たれている機器です。電流、電圧、抵抗といったものは学生時代に習っているものの、大人になったらもう忘れてしまったという方が多いのかもしれません。
でも、テスターに使う単位は少し学ぶだけですぐに思い出すようなことばかりですので大丈夫です。また、解説した使い方をすれば誰でもテスターを使うことが出来ます。
テスターの各部名称
テスターの各部名称①リード棒
まずはテスターの各部名称を覚えていきましょう。テスターついている、電流や電圧などを測る為に当てる棒を「リード棒」と言います。画像のテスターから出ている赤黒の棒がそれに当たりますね。
大体どのテスターも赤と黒に分かれていますので、一度テスターの使い方に慣れると、どのテスターでも操作出来ます。赤が+で、黒が-です。
テスターの各部名称②測定レンジ
テスターの真ん中にある大きなつまみは「測定レンジ」と呼ばれています。この測定レンジをいじって、測る電流や抵抗値などにテスターを合わせていきます。ここの設定を間違えるとテスターが壊れる可能性がありますので、説明に従って合わせるようにしましょう。
基本的にテスター操作は大きめの数値から合わせていけば失敗がありません。各場所には読み方が分かりにくいところもあるかと思いますので、テスターに使う単位の読み方も解説します。
テスターの各部名称③機能ボタン
測定レンジと合わせて操作する必要があるのが、テスターについている各ボタン類です。ボタンはテスター製品によって違いがあるものの、大体同じような感覚で操作出来る場合が多いですね。直流や交流を切り替えたり、導通検査に切り替えたりして使用します。
テスターで電圧測定する時の使い方①当て方
並列にリード棒を当てる
まずはテスターでの電圧測定のやり方です。電圧測定をする際は、回路に対してリード棒を並列に当てます。ですので、挟み込むような形になりますね。赤の+リード棒を流れてくる側に、黒の-リード棒を流れていく側に当てましょう。
電圧測定はテスターのリード棒を当てるだけなので簡単ですね。
測定レンジを大きめに
テスターを使う際は、測定レンジの設定を大きめから始めましょう。テスターの真ん中にある測定レンジつまみを回すことで、大きさに合わせることが出来ます。
しかし、最近はデジタルテスターが主流で、デジタルテスターであればわざわざ合わせなくても勝手に合わせてくれます。初心者の方はデジタルテスターがおすすめですね。
テスターで電圧測定する時の使い方②デジタルの場合
交流・直流を選び、「〜V 」にする
デジタルテスターで測定を行う時は、まず「AC・DC」を合わせましょう。ACとは交流のこと、DCとは直流のことです。今測ろうとしている電圧が直流か交流か調べてから行います。
次に、テスターの真ん中の測定レンジつまみを「~V(読み方はボルト)」に合わせます。この「~V」に合わせると電圧測定が出来ます。
AC・DCで表示される
デジタルテスターで電圧測定をすると、「AC・DC」の表示と電圧が表示されます。画像のテスターでは0になっていますが、その右隣に小さくACと書かれていますね。デジタルテスターは測定レンジを細かく合わせる必要がないのでとても簡単です。
テスターを初めて使う方は是非デジタルテスターを購入しましょう。
テスターで電圧測定する時の使い方③アナログの場合
測定レンジを合わせる
アナログテスターを使う場合は、測定レンジを合わせる必要があります。テスター真ん中の測定レンジつまみの周辺に「直流電圧・10V」などと書かれているはずですので、測ろうとしている電圧に合わせます。
測ろうとしているものの電圧が分からない場合は、一番大きな設定から始めて、少しずつ下げていきましょう。
テスターの0点調節
アナログテスターは0点調節をする必要があります。アナログですので、0点がブレてしまうことがあるのですね。測定を始める前に、テスターの針が原点0を指しているかを確認し、指していなければ、真ん中にあるつまみで0点に針がいくよう調整します。
難しくはないのですが、こういった手間を考えるとやはりデジタルテスターが良いですね。
テスターで電流測定する時の使い方①当て方
電流測定は直列に
次にテスターでの電流測定です。電流測定で繋ぐ際は直列に繋ぎます。電圧は挟み込むようにして繋げましたが、電流は直列に繋ぐため、並べるような形になりますね。流れてくる電気にまず+側が当たるようにし、その奥に-のリード棒を当てます。
テスターを回路に割り込ませないと測れない
電流測定は実はテスターに負荷がかかる測定です。それは、回路に流れる電流をテスターに取り込んで電流を測定するからですね。電流測定は電圧測定のようにリード棒を当てるだけでは測れず、回路にテスターが完全に割り込まなければいけません。
ですので、回路を切って割り込むことになります。
テスターで電流測定する時の使い方②デジタルの場合
測定レンジを「~mA」、AC・DCも合わせる
デジタルテスターの場合、まずは測定レンジを電流測定の「~mA(読み方はマイクロアンペア)」に合わせましょう。もっと小さな電流を測る時は、「~uA」に合わせます。次に直流、交流の「AC・DC」も切り替えましょう。
因みに「uA」の読み方は「マイクロアンペア」です。mAの1000分の1を表していますので、かなり小さい電流ですね。
差込口が変わるテスターも
テスターによりますが、電流測定をする際にはリード棒のつなぎ口を変える必要があるものもあります。mAだけではなく、もっと大きな電流(10A)を測れるテスターもあり、その場合は差込口を切り替えましょう。
注意点として、使い終わったら必ず元の状態に戻すこと。電流測定設定のまま電圧を測ったりするとテスターが壊れる可能性があります。
テスターで電流測定する時の使い方③アナログの場合
測定レンジを調節
電圧測定の時のように、測定レンジのつまみを回して、測ろうとしている電流にテスターを合わせます。測った電流は上のメーターで示され、設定した最大値の欄に合わせて見ることが出来ます。
この際、テスターの0点調節がされていないと正確な数値が分からなくなってしまいますので、先に0点調節は行っておきましょう。
大きなレンジから始める
電流測定の際も同じく、大きめのレンジから始めましょう。電流測定はテスターに負担がかかりますので、壊さない為にも慎重に行う必要があります。過電流が流れてしまうとテスターのヒューズが飛んでしまうことがありますので注意して下さい。
テスターで抵抗を測定する時の使い方
抵抗の両端に当てる
次に、テスターでの抵抗の測り方です。抵抗測定をする際は、画像のように抵抗の両端にリード棒を当てます。この際、リード棒のプラスマイナスはどちらに当てても問題ありません。抵抗を調べる際は、テスターから電気を流して測定しています。
もちろん電池が入っていないと測定出来ませんので、電池をセットしておきましょう。
Ωのレンジに合わせる
抵抗の測り方も他の測り方と同様に、測定レンジを合わせていきます。抵抗を測る場合は「Ω」に合わせましょう。学生の時に習いましたが、「Ω」の読み方は「オーム」です。これが抵抗を表す単位ですので、読み方も合わせて覚えておきましょう。
0Ω調整も
デジタルテスターなら必要ありませんが、アナログテスターの場合は0Ω調整が必要です。0Ω調整は、プラスマイナスのリード棒をくっつけて、0Ωになっているかを見ます。
0Ωになっていなければ、アナログテスターの真ん中にある調整つまみを回して0Ωに合わせましょう。この値がズレていると正確な測り方が出来ませんので注意して下さい。
テスターで導通検査をする時の使い方
導通検査での当て方
導通検査での測り方です。導通検査とは、ちゃんと電気が流れるのか、つながっているのかを検査する測り方です。例えば何か電気を使うものを作った際に、電気がちゃんと流れるのかを調べるといった用途ですね。
ダイオードの断線チェックなどにも使います。画像のようにコンセントに使うことも出来ますね。導通検査では画像のように、配線の両端に当てます。ここにテスターから電気を流すことで調べるのですね。
Ωレンジに合わせてブザーが鳴るよう設定
デジタルテスターであれば、測定レンジをΩのレンジ(抵抗測定のレンジ)に合わせたあとに、どこかのボタンを二回押したりすると導通検査のモードに変わります。これは各デジタルテスターによって違いがありますので、説明をよく読みましょう。
導通検査のモードにして、リード棒同士をくっつけてブザーが鳴れば準備OKです。対象にリード棒を当てて、導通しているか検査しましょう。
アナログテスターの場合
アナログテスターで導通検査を行う場合、導通検査の機能の代わりに抵抗測定レンジを使います。測定レンジをΩに合わせて、リード棒同士を当てると0Ωに近い数値が出て針が振れます。
0Ωに近い数値が出ることを確認したら、導通検査をしたいものに当てて検査しましょう。0Ωに近いほどちゃんと導通しているということになります。
テスターで電池測定をする時の使い方
デジタルテスターの場合
テスターは乾電池などの良否判定が出来ます。デジタルテスターで電池測定をする場合は、測定レンジを電池マーク、または1.5V、9Vと書いてあるメモリに合わせましょう。良否判定がOKであれば、デジタル画面の表示にGOODなどが表示されるはずです。
アナログテスターの場合
アナログテスターの場合も同じく、電池マーク、または1.5V、9Vといったメモリがあるはずですので、測定レンジを合わせましょう。合わせた状態で電池にリード棒をつけ、針が振れた位置で判定します。
テスターを使う時の注意点
リード棒を当てたままレンジを切り替えないこと
それよりリード棒断線した辛い
— ねっこ (@hima6842) September 2, 2017
よくあるらしいけど pic.twitter.com/aKoaqlD6O5
テスターを使う時の注意点として、リード棒をつけたままレンジを切り替えてはいけません。リード棒をつけたままレンジを切り替えるとテスターが壊れてしまう可能性が高いので絶対に避けましょう。リード棒をつける前に正しく設定し、使う度にリード棒を離すようにします。
電流測定での使い方に注意
共立電器製 漏れ電流測定クランプメータ 2433R
— 高橋裕美 (@hrm_tkhs) February 20, 2018
設備の漏電ブレーカーが・・・(^_^;)
客先の工場アースまで考慮必要なのか?
とりあえず測ってみるが・・・
機器 ⇒ https://t.co/9qoDuhfute pic.twitter.com/OvqiwIkhQN
電圧測定や抵抗測定に比べて、電流測定は注意が必要です。電流測定は過電流になってしまうとヒューズが飛んでしまいます。そうなってしまうと買い直しや交換になってしまいます。
普通に販売されているテスターは小型テスターばかりですので、大きな電流というのは測れないことがほとんどです。車のバッテリーなども測れないと思って扱いましょう。
まとめ~テスターの使い方~
今回の「テスターの使い方!実は簡単?測定方法や操作方法、注意点を徹底解説!」はいかがでしたでしょうか? テスターでの測り方はなんとなく難しそうなイメージを持つ方が多いのですが、意外と簡単なことが伝わりましたでしょうか。
測りたい電圧や電流、抵抗などに合わせたつなぎ方をすること、メモリをちゃんと合わせることで簡単に測ることが出来るんです。学生の時に習ったけど忘れてしまっていた単位の読み方などもあったかもしれませんが、思い出して頂けたでしょうか。
デジタルテスターであれば測り方、見方が簡単ですので、初心者の方は是非デジタルテスターを使ってみて下さい。
DIYが気になる方はこちらもチェック!
今回はテスターについてまとめさせて頂きましたが、当サイト「暮らし~の」には、他にも沢山のDIYに関する記事があります。下記に一部を用意させて頂きましたので、気になる方は是非見てみて下さい。
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