しじみとは
しじみとは、マルスダレガイ目シジミ科に属する、小型の二枚貝の総称です。通常1cm~2cm程度のしじみが出荷されますが、小さい体ながら、豊富な栄養素を含んでいることでも有名で、今、とても注目されている食材でもあります。
しじみの栄養素
オルニチン
しじみには、健康や美容によいとされる栄養素が、豊富に含まれています。その中でも、有名な栄養素が「オルニチン」です。オルニチンという遊離アミノ酸の一種は、体内では生成されません。しかし、アンモニアなどの解毒に役立ち、肝臓の働きをよくすることで知られており、積極的に取り入れたい栄養素でもあります。
カルシウム
しじみには、牛乳の5倍もの「カルシウム」が含まれていると言われています。カルシウムを摂取するのに、よく牛乳をすすめられますが、牛乳が苦手な人もいますよね。そういった方は、しじみで効率よくカルシウムを摂取するのもおすすめですよ。
鉄分
しじみには、「鉄分」も多く含まれています。鉄分は、不足しがちな栄養素としてよく挙げられる栄養素なので、いろいろな料理に使えるしじみにも多く含まれているのは、うれしいですよね。
タウリン
栄養ドリンクやサプリメントでおなじみの「タウリン」も、しじみには多く含まれています。アルコールの分解を早めるなど、肝機能を高めるはたらきがある他、交感神経のバランスを保つはたらきもあり、とても優れた栄養素と言われています。
しじみの健康効果・美容効果
二日酔い予防・防止
飲み会の前や、二日酔いの朝に、しじみの味噌汁を飲むという人も多いのではないでしょうか。二日酔いは、アルコールを大量に飲んだ際に生成される、「アセトアルデヒド」の処理が滞ることで、胃腸の調子が悪くなり、発症します。
しじみの含まれる「オルニチン」は、毒素の排出を促進し、「タウリン」はアルコールの分解を助けるので、アセトアルデヒドの処理がスムーズになり、肝臓への負担も軽減し、その結果、胃腸の調子を悪化させることを防ぐことができるのです。その効果は、とても注目されており、より手軽にしじみを摂ることができるよう工夫された商品も、続々登場しています。
アンチエイジング効果
しじみに含まれる「オルニチン」には、細胞分裂や細胞の活性化を促すはたらきも認められています。そのため、肌のターンオーバーを促し、アンチエイジング効果があると期待されています。しじみには「オルニチン」以外のアミノ酸やビタミン類も多く含まれているため、美容効果の高い食品として、今とても注目されています。
また、しじみに含まれる「亜鉛」には、女性ホルモンのバランスを整える効果があると言われています。ホルモンバランスが整った状態で、美容に良い栄養素を摂ることで、より若さを保ちやすい状況にしてくれます。しじみは、二日酔いへの効果ばかり注目されがちですが、美容効果も高いので、ぜひお酒を飲まない人も、注目してみてくださいね。
しじみは旬に食べるのが一番
しじみは1年を通して流通していますが、初春と初夏が旬と言われています。特に、初夏のしじみは、産卵に備え、栄養を蓄えているので、身もまるまると太り、栄養価も高いです。一方、初春のしじみは、寒さによりうまみが凝縮しているので、味が一番よい時期とされています。
そのため、健康効果や美容効果を期待してしじみを食べる場合は、初夏のしじみを食べるのがおすすめです。とはいえ、健康や美容のためには、継続的に食べ続けることが必要ですよね。そこでおすすめなのが、しじみの冷凍保存です。
しじみは冷凍保存できる
しじみは冷凍保存ができます。普段、新鮮なしじみや、乾燥しじみばかり食べている人からすると、あまり想像ができないかもしれません。しかし、「冷凍しじみ」として、通販サイトで販売されていることもあるので、しじみを冷凍することが一般的だという人も多いです。ぜひ、しじみをたくさん購入したら、冷凍し、継続的にしじみを食べれるように、工夫してみてくださいね。
しじみを冷凍するメリット
オルニチンが増える
しじみは冷凍すると、しじみの栄養素である「オルニチン」が約8倍まで増えることがわかっています。単純に考えて、冷凍しじみを10個食べるだけで、80個食べた時と同様のオルニチンを摂取できるということです。これは、うれしいですよね。
うまみ成分のコハク酸が流れ出しやすくなる
しじみを冷凍すると、しじみの細胞内の水分が膨張することで、細胞が破壊されます。そうすることで、しじみの細胞内に含まれているうまみ成分であるコハク酸が、料理の中に流れ出る量が増えるのです。しじみには、うまみ成分が多く含まれているため、そのまま食べても料理の風味がぐっと良くなります。さらに、冷凍しじみを使用すると、それ以上の風味が期待できるので、ぜひ利用してみてくださいね。
しじみを冷凍するデメリット
しじみを冷凍すると、先述の通り、細胞が破壊されてしまいます。うまみが増えるというメリットはありますが、一方で、冷凍せずに食べるしじみのような、ぷりぷりとした弾力は失われてしまいます。炊き込みご飯や、蒸し料理など、食感を楽しみたい料理を作るときは、冷凍しじみは向かないので、料理によって使い分けるようにしましょう。
しじみを冷凍する方法
砂抜きの方法
しじみは冷凍してしまうと、死んでしまうので、砂を吐かなくなります。つまり、砂抜きができない状態になってしまいます。そのため、冷凍する前に、必ず砂抜きを行ってくださいね。
冷凍の際の砂抜き方法も、通常の砂抜き方法と基本的に同じです。しじみを持ち帰ったら、まず、しじみの表面を洗いましょう。その後、水500mlに対して塩を小さじ1杯入れ、濃度1%の食塩水を作ります。
食塩水をボウルに入れ、ザルに入れたしじみを沈めます。この際、食塩水の高さが、しじみに被るか被らないかの高さになるよう、調整しましょう。また、しじみが重なっていると、上段のしじみが吐いた砂を、下段のしじみが再び吸ってしまうこともあります。できるだけ、しじみ同士が重ならないようにしましょう。
しじみに新聞紙などを被せ、暗くして、4時間くらい放置します。気温が低すぎると、砂抜きに時間がかかってしまい、気温が高すぎると、腐敗してしまうこともあります。できるだけ、食塩水の温度を15~20℃くらいに保つようにしてくださいね。
よりおいしく冷凍するための工夫
砂抜きが終わったら、再び流水でしっかりとしじみを洗い、3時間程度常温に放置しましょう。その後、しじみの水分を拭き取り、ビニール袋など入れて、保存できる状態にします。しじみは一度解凍すると、再冷凍はできません。量が多い場合は、1回分ずつに小分けすると、使用しやすくなるので、おすすめですよ。
しじみはマイナス4℃で冷凍したときに、オルニチンの量が最も多くなるとも言われています。冷凍庫はマイナス18℃で、少し温度が低すぎるので、新聞紙などで包み、冷凍庫の入口近くに置くのがおすすめです。
しじみを解凍する方法
しじみは、自然解凍すると、殻が開かなくなってしまいます。しじみを調理する際は、自然解凍せずに、そのまま料理に使用しましょう。冷凍しじみは、急激な温度変化により殻が開きます。ゆでる場合は、沸騰したお湯や出汁に直接入れると、失敗しにくいですよ。
しじみを冷凍していつでもおいしく!
冷凍しじみを使用すると、出汁を入れなくても、とてもおいしい料理ができると好評です。その上、オルニチンの量も豊富になるので、よいこと尽くしですよね。しじみは、砂抜きなどの前処理に時間がかかるので、たくさん買って一気に処理し、小分けに冷凍しておくと、いつでもおいしく食べることができるのでおすすめですよ。ぜひ、しじみの冷凍保存を試してみてくださいね。
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しじみは、栄養価も高く、おいしい出汁も出て、とても優秀な食材です。ぜひ、おいしくしじみを食べて、美しく健康的な体を手に入れてくださいね。
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