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グライダー(飛行機)とは?飛行の仕組みや飛び方、必要な免許情報を解説!

グライダーをご存知でしょうか?グライダーとは、風を利用して飛行する飛行機のことです。エンジンが無くてもとても長い距離を飛べるグライダーですが、その飛行の仕組みなどを知っている方はあまり多くはありません。今回はそんなグライダーについてまとめます!
2020年8月27日
T・S
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グライダーとは?

風を使って飛ぶ飛行機

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グライダーとは、発動機、つまりエンジンを積んでいない構造の飛行機・滑空機のことを言います。エンジンを積んだモーターグライダーもありますが、単にグライダーと言うときはサーマル(上昇気流)を利用しないと再上昇の難しい滑空機のことを指しています。区別がややこしいときにはピュアグライダーと呼ばれることもあります。

滑るように飛ぶグライダー

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グライダーは長距離飛行・長時間飛行が可能なのですが、なぜエンジンを積んでいないのに長距離を飛行することが出来るのでしょうか?それは、とても長い翼と軽い機体で、風を上手く掴んで飛行するからです。日本グライダークラブはそれを、空の坂道を「グライド(滑る)」しながら飛ぶと書いています。グライダーは緩い坂道を少しずつ滑っていくように飛んでいるのです。

グライダーは2種類ある

エンジンのいらないグライダー

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グライダーは2種類あり、一つ目がエンジンのないシンプルな仕組みのピュアグライダーの方です。こちらは本当に風の力だけで飛行するので、自力では離陸が出来ません。そのため、ある程度の高さまで引っ張って運んでもらう飛行機が必要になります。エンジンを積んでいないのでとてもシンプルな構造になっています。

エンジンを使うグライダーも

エンジンを積んだ構造のものはモーターグライダーと呼ばれます。エンジンを使いながら飛んでいますので、再上昇なども容易です。風の力も使えてエンジンの力も使えますから、飛び方の自由度が高いですね。上記ツイートのように、見る者を楽しませる飛び方も可能です。見た目も飛行機らしさがありかっこいいですね。

グライダーの構造

構造①翼は長いが抵抗は小さい

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グライダーは画像のように、とても長い翼を持っているのが特徴的です。構造や仕組みはとてもシンプルになっており、風をしっかり捕まえられる翼と、なるべく空気抵抗の少ない仕組みになった機体部分があります。シンプルな構造・仕組みでありながらも、操縦者の技量によりますが、とても長い時間飛行することが出来ます。

構造②人が乗るスペースは?

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グライダーの多くは最大二人乗りの構造となっています。二人乗る分のスペースが確保されていれば、その分機体重量も上がってしまいますので、一人乗り用の軽いグライダーもあります。二人乗りグライダーであれば、操縦免許のある方が操縦して、体験してみたい方が後ろに乗ることが出来ます。

グライダーの飛行時間と距離

高度10mで300~500mは飛べる

グライダーはどれくらいの距離・時間を飛ぶことが出来るのか気になっている方も多いですよね。大体高度10mあれば300~500mほどは飛行することが出来ます。高度600mほどからグライダーを飛ばした場合、サーマル(上昇気流)が無ければ15分程度の飛行時間になります。しかし、飛び方を熟知しサーマルを上手く使えればもっと長く飛んでいられます。

気流を捉えて更に高く飛行

先述したように、サーマル(上昇気流)を捉えることで飛行時間は無限に伸びていきます。グライダーは風を使って飛んでいますので、風を上手く捉えられなければあまり長い時間飛んでいられません。操縦はあまり難しくないグライダーですが、サーマルを上手く捉えて長い時間飛行するのは腕が必要ですね。上手な飛び方はちゃんとグライダークラブで指南してもらえます。

1000㎞飛ぶパイロットも

グライダーはシンプルな仕組み・構造になっていますので、サーマル(上昇気流)が無いと15分程度の飛行時間になると書きました。ですが、サーマルを上手く捉え続ければ、なんと1000㎞だって飛行出来るんです。もちろんスピードは普通の旅客機などのスピードとは違って遅いですので、1000㎞ともなれば相当長い時間の飛行になります。シンプルな構造・仕組みなのに、操縦の仕方でこんなに長い時間楽しめるんです。


グライダーの飛び方

飛び方①離陸を「曳航機」使う

画像の右上に飛んでいるの飛行機が「曳航機(えいこうき)」と呼ばれる飛行機。この飛行機はグライダーをある程度の高度まで引っ張る役目を持っています。ピュアグライダーは自力で離陸することが出来ないため、このような曳航機が必要になるのです。

飛び方②切り離したら自然の力で飛んでいく

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曳航機である程度の高度までグライダーを持ち上げたあと、ロープを切り離します。そこからグライダーは風の力を利用して遠くまで飛んでいきます。上手くサーマルを捉える操縦が出来れば、先述したように、1000㎞だって飛ぶことが出来ます。エンジンを使っていませんので、燃料の心配もありませんね。

グライダーの着地方法

高速道路くらいのスピードで着陸態勢に

グライダーをあまり知らない方が気になることの一つに着陸があります。グライダーがどうやって着陸するかというと、シンプルに着陸したい場所めがけて飛び、減速して着陸するだけです。普通の旅客機であれば着陸に失敗しそうだと感じた際は再上昇が出来るのですが、グライダーは簡単に上昇することが出来ないため、失敗が許されないという部分はあります。

エアブレーキで減速して着陸

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グライダーは、何もしなければ中々高度が下がらないまま進んでいきます。ですので、グライダーにはエアブレーキがつけられており、エアブレーキを使って減速し、目当ての場所に上手く着陸出来るよう調整するのですね。普通の旅客機と同じく、やはり着陸が一番危険ですので、免許を取りたての頃は大変緊張する瞬間です。

グライダーと気流

熱上昇気流(サーマル)

グライダーは風を上手く捉えて滑るように飛行する仕組みになっています。ですので、気流を捉えて操縦することがとても大切。その気流にはいくつか種類があるのですが、一番有名なのが熱上昇気流であるサーマルです。サーマルは暖まった空気が上に行こうとする現象で、このサーマル内に飛び込み、サーマル内をグルグルと旋回して高度を獲得します。

斜面上昇風(リッジリフト)

リッジリフトは山の斜面の風です。山の斜面に風があたると、その斜面の流れに沿って空気が上に持ち上がります。グライダーの操縦においては、このリッジリフトの風がどういう風に吹いているのかを見極めて、山の斜面に沿って飛び続けます。サーマルと違ってグルグルと回り高度を稼ぐことはしません。

収束線(コンバージェンス)

コンバージェンスは山岳地帯から平野へと流れる風が合流することで生まれる気流です。合流した風がぶつかり合い、上に空気が逃げようとすることで上昇気流が発生します。この上昇気流を上手くとらえれば高度を獲得出来ます。日本は山と平野がある場所は多々ありますので、このコンバージェンスを上手く使うことが出来ますね。

山岳波(ウェーブ)

ウェーブは強い風が山岳地帯にぶつかることにより発生します。強い風が山岳地帯にぶつかると、風下に力が発生します。この力を利用して高度を獲得することが出来るのですが、山岳地帯にぶつかった風は乱気流となることもありますので危険性もあります。操縦する方の見極めが必要ですね。

グライダーの免許取得と費用

グライダークラブで免許を取得出来る

グライダーを一人で操縦するには免許が必要です。免許は全国にあるグライダークラブで飛行訓練を受けてとります。免許をとるまでは100フライトほど練習することになりますので、それなりに気長に練習を続けることになりますね。免許をとってしまえば、一人で操縦することが出来ますので、夢だった飛行機の操縦が出来るようになります。

免許取得費用は?


グライダークラブにもよりますが、100回ほどフライト練習をするのであれば70~100万円程度の費用がかかります。これはグライダーのレンタル料や曳航機で引っ張ってもらう費用も含めての金額です。曳航機はガソリンを使って飛行していますので、そのガソリン代なども含めて考えると、100回のフライトで100万円以内くらいであれば、あまり高くないとも考えられますね。

グライダー免許に必要な視力

0.7以上の視力が必要

グライダーの免許をとるには視力が必要です。周りをよく見て操縦する必要がありますので、視力が無いとちゃんとした操縦が出来ません。必要な視力は0.7。ですので、車の運転免許と同じ度数が必要ということですね。視力は高いほど良いのはもちろんですが、0.7もあれば問題なく認識出来ます。

眼鏡やコンタクトをしてもOK

視力が足りないから諦める必要はありません。メガネやコンタクトレンズを使って視力矯正をした結果、0.7以上あれば問題なく免許が取得出来ます。これも車の運転免許と同じですね。グライダークラブにはメガネをかけている方が多数おられますので、視力が悪い方も気にすることなくチャレンジしましょう!

グライダー免許取得の年齢制限

16歳から免許取得可能

グライダーの免許は、なんと16歳から取得することが出来ます。16歳と言えば高校1年生の年齢。そんなに若くから取得出来るなんてと驚く方も多いのではないでしょうか。16歳からとれる免許と言えばバイク類がありますが、実はグライダー免許も取得出来たのですね。シンプルな仕組みの乗り物だからこそ可能なことです。

14歳から練習飛行が出来る

グライダー免許は16歳から取得出来ますが、免許取得のための練習飛行は14歳から出来ます。ですので、中学二年生くらいの齢になったらグライダークラブに連れていくことが出来るんです。将来はパイロットになりたいという夢を持った子に、操縦の体験をさせてあげたいと思った時の選択肢としても良いですよね。

グライダーのレンタル料や料金

入会金や年会費

グライダーの料金はグライダークラブによって多少の違いはあります。ですが、大体の相場はあります。料金をネット上で公開していないクラブも多々ありますが、入会金は10万円未満、年会費は5~10万円程度見ておけば大丈夫です。この入会金と年会費によって、滑空場などの施設設備が整備されています。

搭乗費がレンタル料金にあたる

入会金・年会費を払ったら、あとはフライト費用を払うだけです。一回のフライト費用もグライダークラブによるところですが、大体1万円未満のようですね。このフライト費用の中には、グライダーのレンタル料と、曳航機のガソリン代&レンタル料が含まれています。そう考えるとあまり高くは無いと感じるのではないでしょうか。

グライダーは体験搭乗出来る!

全国のグライダークラブで体験飛行を行っている

グライダー免許を取得したいと考えている方も、一度乗ってみたいと考えている方も、全国のグライダークラブでは体験搭乗をさせてもらえます。どんな構造・仕組みになっていて、操縦席はどうなっているのか、どんな飛び方をするかなどは実際に乗ってみるのが一番早いですよね。近くのグライダークラブを見つけてチャレンジしてみて下さい。

格安で体験飛行が出来る

グライダークラブでの体験搭乗はリーズナブルです。グライダークラブによって費用は変わりますが、大体1万円~2万円程度です。高度は500~900mくらいまで、飛行時間は15分~30分程度のプランが多いようですね。グライダーに乗ると、旅客機では体験出来ないような空の感覚を味わえますので、人生経験としても最高です。

グライダークラブは全国にある

北海道なら札幌航空協会など

グライダークラブは全国至るところにあります。どのグライダークラブもホームページを持っていることが多いので、是非近くのグライダークラブを探してみましょう。北海道なら旭川航空協会や札幌航空協会、エアロスポーツ北海道などなどいくつもあります。冬の間は活動しておらず、春から活動している場所がほとんどです。


長野グライダー協会

長野グライダー協会は長野市滑空場を拠点にしたグライダークラブです。体験飛行や一日会員もありますので、気軽に訪れることが出来ます。入会金などの情報はホームページにはありませんが、パンフレットをダウンロードすることが出来ますので、気になる方はチェックしてみて下さい。

日本グライダークラブ

日本グライダークラブは古い歴史を持つ老舗グライダークラブ。なんと昭和26年から存在しています。昭和43年からは世界滑空選手権に日本グライダークラブから輩出するなど、日本のグライダークラブをリードしてきたクラブの一つです。ただ、堅苦しいクラブという訳ではなく、色々な方に飛び方を教えて、楽しんでもらいたいという理念があります。

北九州グライダークラブ

九州地方にも色々なグライダークラブがあります。北九州グライダークラブは熊本県阿蘇市にあるグライダークラブ。九州では数少ない社会人クラブとなっています。ホームページには電話番号などが記載されていますので、お近くの方は問い合わせをしてみましょう。年配の方も沢山おられますので、年齢が気になる方も安心です。

グライダーの競技会や曲技世界選手権

速度を競う世界選手権

ここまで、楽しむためのグライダーを紹介してきましたが、グライダーには競技もあります。一つ目の競技は、速度を競うレース競技です。世界選手権もありますし、学生グライダー選手権もあります。また、距離を競う種目もあります。

曲技の世界選手権も

世界選手権だけではなく学生選手権にもありますが、グライダーは曲技競技もあります。背面飛行やループ・ロールなどを駆使して、見る者をワッと驚かせるような素晴らしい曲技を披露します。その曲技の難易度に応じて「Kファクター」という係数がかけられ点数を競います。ジェット機などの飛行機と違って、グライダーは滑空機ですので、曲技を始める際には十分な高度が必要となります。

まとめ~グライダーにチャレンジ~

今回の「グライダー(飛行機)とは?飛行の仕組みや飛び方、必要な免許情報を解説!」はいかがでしたでしょうか? 子供の頃に夢見る方も多いパイロット。結局パイロットになれなかったなぁと思っている方も多いかもしれませんが、グライダーなら誰でも免許を取得することが出来ますので、夢見た飛行機の操縦をすることが出来ます。沢山練習をすることで飛び方はちゃんとマスター出来ますので、飛んでみたいと考えている方は是非チャレンジしてみましょう!

スカイスポーツが気になる方はこちらもチェック!

今回はグライダーに関して書かせて頂きましたが、空を飛ぶ方法はグライダーだけではありませんよね!下記にスカイスポーツ関連記事を用意させて頂きましたので、気になる方は是非見てみて下さい。