ラクダ ツーバイフォー定規
コーススレッドとは?
コーススレッドとは木材を固定するネジのことです、ビスや木ネジとも呼びます。一般的に広く使われていて住宅や家具など木材を固定したり組み合わせるのに使われていてホームセンターならどこでも売っています。
素材と長さの組み合わせでいろいろな種類があります。選び方は目的と木材に合わせて選んでください。釘よりも固定する強度が強いのでしっかり固定することができます。
言葉の意味
コーススレッドは粗目造作ビスとも呼びます。ネジの山が荒いビスという意味でコース(coarse)が荒い、スレッド(thread)がネジ山という意味です。よく「コースレッド」と間違えている人がいますが正しくはコーススレッドです。単純にビスや木ネジと呼ぶ人もいます。
コーススレッドとビス、木ネジとの違い
コーススレッドとビスと木ネジはそれぞれ同じように使っていますが。正確には指しているものが違います。きちんと覚えておけば材料の選び方で役に立ちます。コーススレッドは木工用のネジで木ネジとは違い焼き加工がされていて強度が高くなっているため電動工具で打っても曲がらず使うことができます。
木ネジ
木ネジは木材に使うネジの総称で、コーススレッドはこの中に入ります。木ネジはネジ山を粗く切ってあるのが特徴で、木材に直接打ち込んで使うことができます。ボルトとナットのように組み合わせて使う必要がありません。なので木材同士を接合する際に木ネジだけで固定することができます。
ビス
ビスはフランス語でネジの意味です、ネジ全般のことを指しますが日本では小さい雄ネジのことを指す使い方が一般的です。ちなみにコーススレッドは英語で、木ネジは日本語です。このようにいろいろな言語が混ざって使っていることがよくありますが、習慣で呼び分けています。一度覚えてしまえば間違えることはありませんね。
コーススレッドの強度
釘との違い
一般的にコーススレッドの引き抜きに対する強度は釘の5倍と言われています。釘は釘の側面と木材との摩擦力のみで固定しているのに対して、コーススレッドは高いネジ山が木材に食いつくことで固定しています。また釘は引き抜く時にどうしても釘抜きで木材を傷つけてしまいますが、コーススレッドは逆回転させることで綺麗に抜くことができます。
せん断強度
せん断とは平行に力を加えて切ることでちょうどはさみで切るような形です。コーススレッドのせん断強度とはコーススレッドに対して横向きの力に対する強度のことです。
例えばウッドデッキの根太(デッキの重さを支える部材)はコーススレッドのせん断強度によって保持しています。よってあまりせん断強度の弱いコーススレッドだとウッドデッキの強度が弱くなってしまうのでコーススレッド選びには注意しましょう。
コーススレッドの選び方
素材
コーススレッドの素材は主に鉄、ステンレスです。選び方は強度と用途を考えて選びましょう。鉄に比べてステンレスは格段に錆びにくいので屋外で使うのに向いています、例えばウッドデッキやウッドフェンスです。
鉄は錆びやすいですがステンレスに比べて安いので屋内で使うのに向いています、例えば家具やディアウォールを使ったDIYですね。強度は製品により違いますのできちんと確認してから買いましょう。
長さ
コーススレッドの長さは注意してください。短いと固定する力が弱く、長すぎると打ち込みにくく木材が割れることがあります。コーススレッドと打ち付ける木材を取付材、ネジを打ち込む木材を相手材といいます、コーススレッドの最適な長さは取付材の2倍の長さです。
これで取付材と同じ長さ分をネジ込むことができ、高い保持力を出すことができます。
2x4の場合
では2x4材を使ってDIYする場合はどの長さのコーススレッドを選べばいいんでしょうか?2x4は暑さが2インチなのでその倍の長さのコーススレッドが必要ですが、コーススレッドはミリメートルで表記されていてわかりにくいですね。
1インチは約25ミリメートルなので2インチだと50ミリメートルほど、よって必要なコーススレッドは50ミリメートル以上です。
全ネジと半ネジの使い分け
全ネジと半ネジの違い
コーススレッドには全ネジと半ネジがあり、全ネジと半ネジではネジ山の切ってある長さが違います。ネジ山が全体に切ってあるのが全ネジで、ネジ山が途中までで上の方は平らになっているのが半ネジです。簡単に見分けられるので間違えませんね。全ネジと半ネジはすこし特徴があるので使う時は注意が必要です。
全ネジの使い方
2つを比べると全ネジのほうがネジ山が長い分、引き抜きに対する強度は強いです。しかし全ネジは打ち込み際に木材がガタついて隙間ができる心配があります。これは全ネジの先端と端ではネジ山の高さが違うためです、深く打ち込んでいくほどネジ山の差が大きくなり隙間ができやすくなってしまいます。
これを解決するには木材をあらかじめボンドや木ダボでつないでおくかクランプや万力で強く固定しておくか下穴を開けておけばうまくいきます。
半ネジの使い方
全ネジに対して半ネジは取付材側にネジ山が切っていないので、全ネジのように隙間ができることが少ないです。相手材への固定力で取付材を押さえる形になるので、取付材にネジが効かずに全ネジよりは強度が落ちます。
そこでピッタリ取り付けたいけどそこまで強度が必要でない家具などに向いています。半ネジの場合でも下穴を開けないと割れることがあるので下穴は開けておいたほうが無難です
コーススレッドに下穴は必要?
基本的に下穴は必要です。下穴がないと木材が割れる心配があります。コーススレッドはドリルではないので打ち込んでいくに連れて木材を広げてしまい最悪割れてしまいます。これは木材の端にいくほど割れやすいです。
下穴の大きさは?
下穴の大きさは(穴の径)はコーススレッドより小さくないといけません、コーススレッドより大きいとネジが効かなくなってしまいます。ではどれぐらい小さければいいのか?はっきりした数値はありませんがコーススレッドの径よりマイナス1ミリぐらいが目安です。
コーススレッドは4.2X50mmなどの表記で売っていて、4.2mmがコーススレッドの太さです。このコーススレッドだとだいたい3mmがいい下穴の大きさです。
下穴開けに便利な道具
座ぐりドリル
下穴を開けるにはドリルが必要ですが、こんなドリルもあります。コーススレッドはインパクトドライバーで打ち込むのが一般的ですが、インパクトドライバーはパワーがあるのでネジの頭が木材にめりこむほど打ち込めます。
例えばウッドデッキなどはネジの頭が揃っていたほうがきれいなので、下穴の一番上を三角形にしておくと必要以上にめり込みません。そこでこのドリルを使うと下穴あけと三角形にする処理が同時にできます。
コーススレッドとスリムビスとの違い
下穴がないと木材が割れる心配があるコーススレッドですが、これを解決してくれるのがスリムビスです。スリムビスはコーススレッドより径が細くなっていて、細い分木材が割れる心配が少なくなり下穴を開けなくても済みます。
欠点はコーススレッドよりも強度が低いことです。小さな家具などを作るときに向いていますね。スリムビスであれば絶対割れないという訳ではありませんので、端のほうに打つ場合には下穴を開けてください。
コーススレッドの使い方
コーススレッドの使い方は木材同士を接合するために使いますが、使う場所と本数を決めないといけません。コーススレッドの強度と木材同士の摩擦力で保持しているので、荷重の大きく掛かるところには本数を増やします。逆に小さい家具でしたら本数は少なくていいですし、われにくいスリムビスを選んでもいいでしょう。
位置決めに便利な道具
ラクダ ツーバイフォー定規
DIYでよく使う2X4材にはこんな便利な定規があります。コーススレッドの位置決めをするのに便利ですね。2X4材にピッタリサイズなので他にも角尺のかわりに線を引いたりいろいろ使えます。それほど高価でもないので2X4でよくDIYする方は買っておくと便利ですよ。
コーススレッドの打ち方
インパクトドライバーでの打ち方
コーススレッドを打つにはインパクトドライバーがおすすめです。ハンマーで衝撃を加えながら締め込んでいくインパクトドライバーは作業も早く十分に打ち込めます。
ドリルドライバーだとトルクが足りずに途中で止まってしまうかもしれませんのでコーススレッドにはおすすめしません。もちろん手で締めてもいいんですが、数本締めたらやめたくなるはずです。
打ち方の注意点.1
コーススレッドの打ち方でまず気をつけて欲しいのが、まっすぐ打つこととインパクトドライバーをしっかり押しながら打つことです。ネジの頭が出ないようにわざと斜めにする打ち方は別ですが、木材同士がピッタリ接合するようにまっすぐにして下さい。
またコーススレッドはどんどん奥に入っていくので、ネジ山をなめないようにインパクトドライバーはしっかり押さえるのが基本です。
打ち方の注意点.2
インパクトドライバーなどの電動工具はパワーがあります、ケガをしないように注意して下さい。回転に巻きこまれるような服装や手袋は使ってはいけません。下穴にドリルを使うこともあります、刃先には注意してください。
コーススレッドには思ったよりも摩擦がかかっていて、特に抜いたときはかなり熱くなっています。火傷しないようにしばらく冷ましてから触るようにしてください
インパクトドライバーの選び方
インパクトドライバーの選び方はどんなDIYをするかによりますが、基本的にはDIY用モデルのもので十分でしょう。もちろんプロ用であれば十分な機能と耐久性がありますが、価格も段違いに高いです。
かといってホームセンターにある格安製品だとすぐ壊れる心配があります。有名メーカーのエントリーモデルであれば最初は間違いありません。メーカーの選び方は好みでいいですが、バッテリーを使い回せるのでなるべく統一したほうがメリットがあります。
まとめ
コーススレッドは保持力に優れていて、逆回転すれば簡単に抜けるのでよく使われています。大工さんでさえインパクトドライバーとコーススレッドを使っていて釘を使うことは減りました。DIYで木工をするならコーススレッドは必須です。
コーススレッドの使い方をインパクトドライバーでの打ち方は練習がいりますが、なんでも作ることができます。コーススレッドはDIYの強い味方です、ぜひコーススレッドを使ってDIYを楽しみましょう!
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