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カンデラとルーメン 自転車ライトで迷う単語
カンデラとルーメン
メーカーやブランド、大きさなどいろいろありますが自転車のライトを選ぶ時何を参考に選んでいますか。パッケージや箱にカンデラ(単位はcd)、ルーメン(単位はlm)など書いてあり、「400カンデラでこの明るさ」とか「180ルーメンの明るいライト」とありどっちが良いのかいまいちわからない、なぜ統一されていないかとモヤモヤする人が多いかもしれません。
カンデラ、ルーメンもう一つ光を表す単位がある
カンデラもルーメンも光を表す単位としては間違っていないのですが定義が違うので一概に400カンデラがいいのか180ルーメンのライトが良いとは言えないのです。他にも直接はあまり関係なのですが部屋の照明などに使われる単位にルクス(単位はlx)という単位がありこの単位は照らされた場所の明るさを表しているのでカンデラとルーメンとは定義が違います。
カンデラとルーメンの違い
一定の方向なのか全体方向の違い
カンデラは特定方向の光の強さ(眩しさ)を表しルーメンは光源から発せられた光全体の強さを表します。光は360度のどの方向にも進みこれがルーメンになります。カンデラは特定の方向への光の強さを表しカンデラ=ルーメンとはなりません。明るいライトを選びたい時はカンデラもルーメンも大切になってきます。
光を粒に例えるとカンデラとルーメンはこうなる
光を粒に例えると例えば一秒間に全方位に合わせて50個の粒を出しているとしてこれを50ルーメンとします。ルーメンは粒を一秒間に何個出しているのかを表し、この中から特定の方向へ何個粒が出ているかを表したのがカンデラです。
カンデラの定義
国際度量衡総会(CGPM)で決められた定義
周波数540×1012ヘルツ(Hz)の単色放射を放出し、所定の方向におけるその放射強度が1/683ワット毎ステラジアンである光源の、その方向における光度。簡単に説明すると緑に近い色の光を特定の方向へ放出した時のエネルギー量が1/683ワットの時に1カンデラと定義するということです。詳しい計算式などもありますがか省略します。
カンデラは国際単位
カンデラは日本独自の単位ではなく世界でも使われている単位です。自動車のヘッドライトにもカンデラでの規定がありこれを下回るヘッドライトは車検が通らなくなります。
カンデラの大きさは角度で変わる
カンデラは一定の方向の中で一番明るい箇所の数値で、どの範囲(角度)まで照らすかによって数値が変動します。ライトを絞ってスポットライトのように焦点を集中させると光は強くなりカンデラの数値も大きくなります。逆に焦点を広げより高角に照らした場合、明るさは分散して暗くなるのでカンデラの数値も小さくなりカンデラが大きいから明るいというのは間違いですが照射角度によっては明るいので半分正解で半分間違いということです。
カンデラの歴史
各国バラバラだった単位
カンデラの由来は蝋燭が一本だけ燃えている時の光度でありイギリスでは標準での燭(candlepower)を使い1時間に120グレーンで燃焼する6分の1ポンドの純粋な鯨油蝋燭の光度、オーストリア、スカンジナビアなどではヘフナー灯の光度に基づくヘフナー燭が使われていました。
当時新しく作られた光度単位:ブージ・ヌーベル(bougie nouvelle)
このように世界中でさまざまな光度の単位が使われていたため国際的に明確な定義として新たな光度の単位が必要になり国際照明委員会は、ブージ・ヌーベル(bougie nouvelle)という新しい光度の単位を1946年に採択し国際度量衡委員会より公表しました。ブージ・ヌーベルと言う単位は日本でも新燭と約されています。定義は「ブージ・ヌーベルの値は、白金の凝固点温度における完全放射体の輝度が1平方メートル当たり60ブージ・ヌーベルとなるような量」となっていて1燭は約1.0067カンデラになります。
今のカンデラと少し違う
その後、第9回国際度量衡総会でこの新しい光度の単位は承認され、同時に、カンデラ(candela)という名称を与えることも承認された。1967年の第13回国際度量衡総会で、「ブージ・ヌーベル」という名称を廃止しカンデラの定義をより厳格にしました。「カンデラは、101325ニュートン毎平方メートル(N/m2)の圧力の下で、白金の凝固点の温度における黒体の600000分の1平方メートルの表面の垂直方向の光度」ですが今のカンデラの定義とはまだ細部が違います。
今のカンデラ
光のを測定する技術が進んで第16回国際度量衡総会において今のカンデラの定義が採択され、2018年で新しいカンデラの定義が採択される見通ですが文言が変化するだけで実質的変わるものではありません。
ルーメンの定義
国際単位のルーメンの定義
全ての方向に対して1カンデラの光度を持つ標準の点光源が1ステラジアンの立体角内に放出する光束となっています。これはそのままでカンデラほど難しくはありません。
米国国家規格協会が定めたルーメンもある
普通のルーメンの他に米国国家規格協会が定めたANSIルーメンもあります。ルーメンとの違いはプロジェクターに関する光の単位になるので自転車ライトとは関係ない単位です。
ルーメンの歴史
ブージ・ヌーベル採択時に改められた
ルーメンという単位は古くからあり1925年に制定されていました。しかしブージ・ヌーベルが作れる前の各国ばらばらだった燭を基準に考えられているため1946年のブージ・ヌーベル採択時にルーメンも新しくカンデラを基準に考えられるように新しくなり古い定義のルーメンと差別化をはかるため一時期新ルーメン(new lumen)とも呼ばれていました。
カンデラとルーメンと自転車のライト
カンデラとルーメンだけでは自転車ライトとして良いかはわからない
いくらルーメンの数値が高く明るくても自転車に使うライトの場合は幅も大切です。幅というのは一定の方向になるのでこれがカンデラということですがルーメンの数値が高いからと言ってカンデラの数値も高いとは限りません。より正確に言うとカンデラもルーメンも高くとも照射角度が無ければスポットライトのようになり自転車ライトとしては使いにくい部類になってしまいます。
大切なのは照射角度
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例えばYATDA自転車ライトを例にしてみます。このライトの商品画像では400ルーメン。照射角度85度となっています。そこからカンデラを割り出すと約242となり低い数値です。これだと明るい良いライトという印象をあまり持たないかもしれません。条件は同じで照射角度だけ15度と仮定してみると約7400カンデラになります。このようにカンデラは照射角度(照らせれる範囲)によって数値に大幅な違いがでてきます。高いカンデラのライトを買ったら一定の方向だけ明るさが集中していて使いにくい可能性があるということです。
カンデラをルーメンに変換
計算式など難しいことが多い
1カンデラは1ルーメンと分かりやすいものでなくカンデラをルーメンに変換するのもルーメンをカンデラに変換するのも照射角度がないとできません。パッケージなど外装をよく読んで照射角度が分かるとルーメンもしくはカンデラを割り出すことができます。しかし計算式など数学、科学的なことも入ってくるのでややこしくなりどうしても変換する場合暗算では一般人には不可能なのでライトを買いに行く前にあらかじめ計算するなど現実的ではありません。
照射角度が分かっている場合の変換
照射角度が分かっている場合計算式から割り出せるので変換するよりもまだ簡単です。とわいえ数学に非常に造詣が深い人でないと計算式を解くのは難しいです。一般的な電卓では三角関数も計算できないので少し高価な電卓もしくはスマートフォンのアプリを使用しないと計算できないので下記のリンク先を使うと手軽にわかって役立ちます。
光度の関係を計算式で示すと、L=2π(1-cosθ)、(半減角を2θとして、光度をCカンデラ、光束をLルーメンとする。半減角は光源の真正面に出てくる光の量を100%の強さとして、光の量がその半分(50%)になる範囲の角度。)で示す。 太陽みたいに全てを照らすような光源の場合、θ=180度なのでL=4πCとなる。(L=12.56C)
割り出す時に使えるホームページ
リンク先のホームページでは明るさに関する計算をブラウザ上でできます。ルーメンをそのままカンデラに変換はできませんが、照射角度がわかっていればルクスやカンデラを割り出すことができ自転車ライトを選ぶ時に役立ちます。
カンデラよりルーメンで統一されつつある
ルーメンが感覚的に分かりやい
カンデラは照射角度で大きく値が変わってしまうので最近はルーメンで統一するという動きが活発になってきました。ルーメンは光の全体の量なので見た目の眩しさと数値のズレも少なく分かりやすいからです。ですがルーメンが高いからと言って良いライトかは照射角度に左右されるので注意が必要です。
300ルーメン以上あれば大丈夫
300ルーメンでは静止していると非常に明るく感じますがロードバイクなどスポーツ向けの自転車は速度が出るためこれぐらいの明るさがないと道路の状況を把握するのは難しいです。同じように照射角度も広角の80度ほどあると安全です。
原動機付自転車を参考に
明るさがいまいちわからない場合は原動機付自転車(原付き)のライトの明るさを参考にすると分かりやすく、原動機付自転車は時速30キロなのでロードバイク上級者では同じぐらいのスピードが出ます。その状態で安全に走行できる明るさが必要になり原動機付自転車のライトは1200ルーメン以上ですのでできるだけ近いルーメンを選ぶと路面の状態など見やすいです。
カンデラとルーメンで選びで困った場合
店員に聞く事が大切
自転車のライトを店頭で選ぶ時にカンデラやルーメンで迷った場合は素直に店員に頼るのが一番です。ただし自転車専門店でないと詳しい人がいないか可能性があるのでホームセンターなどで購入する場合は専門スタッフがいるか気をつけないといけません。
具体的に聞く
ライトに関する事を聞く時は「照射角度○以上、明るさは○ルーメン以上のもの」もしくは「照射角度○以上、○カンデラ以上」と具体的に聞くことで自分が欲しいライトを選ぶことができます。基本的に照射角度が広く、広角になるほど周りも見える分値段も高くなります。
カンデラとルーメンのまとめ
カンデラとルーメンの変換など光の単位はややこしいものが多いです。今回は直接は関係しないのでルクスの説明はありませんでしたがカンデラ、ルーメン、ルクスとこの三つの光の単位は車では使います。車検では車のヘッドライトが法律で決まった明るさかどうかを調べる時に使います。自転車ライトではルクスは使わないのですが10メートル先を照らせるという規則(東京の場合)があります。
大切なのは照射角度
自転車ライトを選ぶ時わかりにくいので早く統一してもらいたいですがカンデラとルーメンの違いが分かれば少しは選びやすくなったと思います。カンデラとルーメンを要約すれば一直線の光がカンデラ、太陽の光のように全体にを照らすのがルーメンです。そして一番大切なのは照射角度でありカンデラだけ高くても、ルーメンだけ高くても良いライトは言えない事を覚えてライトを選ぶ時に思い出して役に立ててもらえればと思います。
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