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ミャク釣り特集|アタリを逃さない仕掛けと釣り方のコツをご紹介!

釣りの中で一番原始的な釣りが「ミャク釣り」です。竿と糸、ハリとエサ、状況によって小さなオモリ。これだけの仕掛けで魚から感じる「脈」を取って釣るから「ミャク釣り」と言います。一番簡単なものが一番奥が深いのもまた真理です。今回はミャク釣りのコツをご紹介いたします。
更新: 2022年4月17日
kuma10
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釣りの王道「ミャク釣り」

アジングだのティップランだのと釣り方はいろいろ複雑になる一方ですが、釣り方の基本は「探り釣り」です。特に魚からのアタリを竿と五感で感じて釣る「ミャク釣り」という釣り方は渓流釣りでも海上釣りでもすべての釣り方の元になるものです。子どもの頃ハリとオモリだけの簡単な仕掛けで近所の小川で小魚を釣った思い出のある方は多いでしょう。それがミャク釣りです。

ミャク釣りの魅力とは

釣り方が簡単であることから当然タックルもシンプルなもので済みますし、仕掛けもシンプルです。子どもの頃にやった「ザリガニ釣り」を思い出して頂ければわかると思いますが、朝起きて「間違いなく釣れる」期待を胸に田んぼ近くの水溜りを目指した遠い記憶。ミャク釣りの魅力はそのあたりではないでしょうか。

ミャク釣りのフィールド

渓流

最近ではルアー釣りなどで渓流を攻めるアングラーも多いのですが、やはり「ミャク釣り」といえば渓流での釣り方であるイメージが強いですね。狭い国土に高い山を持つ日本の川は、大陸の大河と違い変化に富んだアンジュレーションを持っています。隠れ場所の多い狭い川からイワナやヤマメを引っ張り出すために生まれたのが川でのミャク釣りです。

海でのミャク釣りもまた釣りの王道です。江戸前のキスやハゼなどを海上から突きだした「櫓(やぐら)」から長竿で釣り上げる「脚立釣り」という釣り方は戦前までは東京の春から夏の風物詩でした。これは海上からのミャク釣りの最たるもので、陸っぱりで釣れる魚のほとんどがミャク釣りを変化させた釣り方で釣れます。

フィールドごとのミャク釣りの仕掛け

渓流の仕掛け

フィールドによってロッドの長さは変わりますが、竿先から細い道糸を垂らし小さめのハリを付ける。渓流釣りでの仕掛けは基本これだけです。このあと魚種や釣り場によって多少変わる仕掛けの解説をしていきますが、とにかく「アタリ」をダイレクトに感じられ、操作のし易い仕掛けを作る事が重要です。

海上の仕掛け

海上からのミャク釣り仕掛けは渓流のものよりは複雑です。魚種や場所によって全く違う仕掛けが必要とされるのが海上からのミャク釣りです。ロッドの長さや調子、仕掛けの太さ、エサなどこのあと代表的な魚種に合わせた釣り方と仕掛けの説明をしていきます。

ミャク釣りのアタリの取り方「渓流」

渓流釣りで一番オーソドックスなのが「目印」を使ってのミャク釣りです。エサを流れになじませてゆっくりと魚の隠れ家周辺を探っていきます。

もちろん「向こうアワセ」でアタリがくることもありますが、魚がエサを吸い込んだ瞬間にくるっと回る目印にビシッと合わせて釣った一匹には大きな価値を感じます。目印が「止まる」「回る」「沈む」「浮く」最初はすべてに合わせてみて下さい。

渓流でのミャク釣り1「ヤマメ」

渓流の女王


北は北海道から南は九州まで日本中の河川で見られる「山女」はミャク釣り界のアイドルです。その美しい魚体から「渓流の女王」とまで呼ばれているヤマメは釣って良し、食べて良し、眺めて良しの三拍子そろったグッドフィッシュです。

鮭の仲間とはいえ水温が高めでも生活できるため比較的近場に生息しています。ミャク釣り初心者が狙うには最適な魚です。

ヤマメの狙い方

渓流のミャク釣りの基本は「釣り上がり」です。川下から上流に向かって竿を入れながら釣り上がって行きます。

ヤマメの居付きそうな場所は石裏の暖流になっている場所や瀬のキワなのですが、自分の立ち位置より上流から竿を入れ、川の流れと竿が直角を過ぎたあたりまで流します。

それ以上流したい場合は「釣り下が」って釣りましょう。無理に竿だけで下流に流すと魚が掛かっても「いなす」のが大変ですから。

渓流でのミャク釣り2「イワナ」

渓流の王者

ヤマメが「渓流の女王」ならばイワナは「渓流の王者」でしょう。ヤマメよりも冷水を好むため生息域も限られますし、警戒心が強いためなかなか天然イワナとは遭遇できません。最近では養殖イワナがたくさん出回っていますので、管理釣り場などでも放流されています。初心者はまず管理釣り場から始めるのも一つの手です。

ヤマメとイワナの違い

ヤマメとイワナでは好む流速が違います。ヤマメはやや速めの流速30㎝ほど。イワナですと流速15㎝程度といわれています。道糸に目印を付けて、1秒間に15㎝程度のスピードで底近くにエサを流してみましょう。

ただしイワナはヤマメと違い警戒心が強いので、水面に人影が入らないよう、またなるべく音をたてないようにポイントに近付いて下さい。

渓流でのミャク釣り3「その他」

練習あるのみ

渓流のミャク釣りではいろいろな魚を釣る事ができます。モロコやハヤ、ウグイ、カマツカなど下流域であれば警戒心の低い魚が数多くいます。

まずは渓流でのミャク釣りの訓練を下流域でされることをおすすめします。「まずはなんでもアワセて下さい」と前述しましたが、「アタリ」と「根掛かり」の違いくらいは判別できてからの方が釣果も上がると思います。

渓流でのミャク釣り用タックル

渓流用の竿

ダイワ 渓流竿 清流X 硬調64

出典:Amazon
出典:Amazon
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渓流用の竿は安いものですと2000円ほどで売ってはいますが、軽くて強いという条件をクリアするものがほとんどありません。やはり国内有名メーカーのものをおすすめします。

常に手で持って魚からの魚信(ミャク)を取る釣りですから軽さは最低条件です。画像のもので10000円程度ですが、海釣りのタックルに比べれば入門しやすい価格だと思います。

出来合いの仕掛け

オーナー イワナ仕掛 7.5-0.8 R-017

出典:Amazon
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渓流でのミャク釣りを始めるにあたり、仕掛けは出来合いのものを使うのが楽ちんです。350円前後で2組入り位のものが一般的ですが、ミャク釣りは根掛かりとの戦いでもあります。

その都度仕掛けを作っていたらジアイを逃すこともあります。画像のものは予備のハリまで付いているので、あとはオモリを流速によって変えるだけです。楽して釣果を上げましょう。

ミャク釣りのアタリの取り方「海上」

海上からのミャク釣りにも渓流釣りと同じように「目印」を使うことがありますが、やはり一番多いのが「聞きアワセ」です。

砂地を曳いたり、岩場をちょんちょんと躍らせたり、テトラの間に落としたりといろいろな方法でエサを魚の前まで持って行き、咬みついた感じを「噛んでいる」か「喰いこんだ」か判断してアタリを取ります。魚種や釣法により違いの出るアタリを掴んで下さい。

海上からのミャク釣り1「チヌ」


1年中狙える釣り味最高の魚

チヌは全国の堤防周りや岩場で1年中釣ることのできるミャク釣り師にとってとても楽しい魚です。雑食性のため釣れる時期や釣れる場所によって味が変わりますが、相対的にうまい魚です。

チヌのミャク釣りは特に「ヘチ釣り」という釣り方になりますが、簡単な仕掛けから専門的な仕掛けまで意気込みで道具が変わります。ヘチ釣りの仕掛けは一つ持っていて損はありません。

ヘチ釣りのタックル

プロマリン 銀竜ヘチ

出典:Amazon
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とはいえメバリングロッドやシーバスロッドで何とか代用が効くロッドにあまり大金を掛けるのはどうかと思いますので、今回は安価で口コミの情報が良かったこの竿を紹介しておきます。

とにかくチヌのヘチ釣りで必要なのは「糸の出の良さ」に尽きます。ガン玉オモリ1個でするすると糸が出ていき、フケが少なく済むようガイドの多いものを選びましょう。

タイコリール

プロマリン バトルフィールド黒鯛 BK80NR

出典:Amazon
出典:Amazon
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こればかりはヘチ釣りを始めるのであれば絶対に必要なアイテムですので、少し高くても揃えておいて頂きたいのですが、今回はやはり口コミの良かった安価なものを紹介しておきます。

リールもロッド選びと同じでとにかく「糸がするする出る」のが絶対条件です。手入れさえ良ければ安いものでも充分に使えます。ちなみにロッドとリールで10000円ほどです。

ヘチ釣りのコツ

堤防のキワを歩きながら1Bほどの軽いガン玉オモリ1個の仕掛けでチヌの居付いていそうな所を探っていきますが、チヌは落ちてくるカニや貝を捕食する習性がありますので、エサが自然に落ちてくる演出をして下さい。またアタリは糸が引き込まれるだけではありません。食い上げてくることもありますので、「糸ふけ」が出てもあわせて下さい。

海上からのミャク釣り2「メバル」

引きの強さ抜群のファイター

最近流行りの「メバリング」も良いですが、ミャク釣りでメバルを狙ってみましょう。メバルはロックフィッシュの仲間の中では泳力の強い魚で、底から海上近くまで岩などの障害物の周りすべてを生息域としています。ハリもオモリも小さめのものを使い、軽仕掛けでそっとエサを落としていきます。1匹いればたいがい群れていますので、同じ場所で粘りましょう。

メバルのミャク釣りタックル

シマノ メバルXT 硬調 61

出典:楽天

ロッドは専用ロッドが8mから10mなどの長竿が販売されていますが、これを購入する人は少ないと思います。実際には5mほどのロッドがあれば何とかなります。

釣り方自体は1号ほどのオモリで8号ほどのハリをゆっくり落としていく「胴突き仕掛け」ですが、エサに気を使って下さい。エサは活きエビやイソメを使いますが、活きの悪いエサでは喰い渋ります。

あまり移動できない

メバルのミャク釣りの弱点を一つ。釣果を上げるためにどうしても必要なのが「活きエサ」です。当然釣行の間活かしておかなければなりませんから「ブクブク」が必携になります。クーラーボックスにタックルボックス、それにブクブクまで持っての釣行ですから、あまり場所移動ができないことは覚悟しておいて下さい。

海上からのミャク釣り3「カサゴ」

底の王者

メバルと同じような扱いを受けやすいカサゴですが、生息域が違うため同じミャク釣りとはいえ釣り方やアタリの取り方が変わってきます。メバルに比べて泳力の劣るカサゴはあまり外出をしません。ですから口元までエサを持って行ってやる必要があります。そのために海上からの一番効率的な釣り方はブラクリを使った「穴釣り」です。

ブラクリ釣り仕掛け


2mほどのロッドに2号から3号のナイロンラインを巻いたリールがあれば、後はブラクリ仕掛けを取り付けて落とすだけの釣りです。

ブラクリはハリとオモリが一体になっている仕掛けで、オモリの型がソロバンの駒型のものや丸型のものなどありますが、作りは同じです。オモリとハリは交換が効かないものが主流なので、オモリとハリのサイズ違いのものを幾つか揃えましょう。

穴釣り

カサゴ釣りの場合、ブラクリ仕掛けのハリにはどんなエサを付けても可能性があります。カサゴが悪食なため生エサでなくともワームやパワーイソメなどの疑似餌でもOKですし、チクワや魚肉ソーセージでも釣れたとの報告があります。

テトラの隙間に底まで落とし、ちょんちょんと誘います。1つの穴で何匹も揚がって来ることがありますので、その穴は覚えておきましょう。

カサゴ長屋を攻略

カサゴは泳力の劣るロックフィッシュです。テトラの隙間にひしめき合うように暮らしています。ですから1匹掛かれば何匹かの釣果が見込めます。カサゴマンションを見付けて大漁を狙いましょう。ただし、経験則として「大きいものから釣れる」傾向がありますので、リリースサイズが続いたら別の穴を探りましょう。

海上からのミャク釣り4「その他」

砂地のミャク釣り

キスやハゼ、カレイなど砂地についている魚はおおむねミャク釣りの対象魚となり得ます。ジェット天秤などで遠投しておき、ゆっくりと底を引きずる釣りになりますが、何匹かあげているうちに正確にミャクが取れるようになるので大丈夫です。

エサをかじったり吸い込んで吐き出したりの動作が竿を通じて判るようになります。エサを送り込んでハリ掛かりさせられれば一人前です。

いろいろなミャク釣り

海のちょうちん釣り

「ちょうちん釣り」という釣り方があります。5mから6mほどのロッドに「ロッドの全長より短い仕掛け」を付けて釣る釣り方です。海上からの釣りの場合、アジなどが群れている時に「手返しよく釣る」ために使う釣り方です。

2号ほどの道糸を1.5mほど付けて、1号ほどのハリス50㎝に噛み潰しオモリとハリだけの仕掛けでとにかく手返しよく魚を釣って行きます。効率重視のミャク釣りです。

渓流のちょうちん釣り

渓流釣りにもまた「ちょうちん釣り」はありますが、こちらは海のちょうちん釣りとは意味合いが変わってきます。仕掛けの基本が「竿の長さより短い仕掛け」ということは同じなのですが、こちらは数釣りのためでなく覆い被さった木や枝に邪魔されずに釣る方法です。渓流では頭上の開けた場所ばかりではありませんからね。

釣りの基本「ミャク釣り」に挑戦しましょう!

ミャク釣りはすべての釣りの基本です。魚からのアタリを取って合わせるという原始的な釣法です。しかしこの釣り方がすべての釣り方の元になっています。釣り名人と呼ばれる方は皆(自然に)ミャク釣り名人になっています。微妙なアタリを制し、特別な一匹を釣り上げるミャク釣りを始めてみませんか。