ベスト 188 ノイズレスインテリア儀星蝶番
ハイロジック 17479
FH102-ST-B
ベスト スライド蝶番 35ミリ 全カブセ
義春刃物 HP-7
シンワ測定 14001
SeonFook 4点セット センタードリル
蝶番の種類について
扉やドアを開け閉めするためには、支えが必要です。この支えになる部品を蝶番(ちょうつがい)といいます。この蝶番を取り付けずに扉やドアを設置しても、枠にはめるか、枠から外すしかできず、開閉の動作にはなりません。
扉やドアを取り付けるDIYには必須の部品です。特別な部品ではなく、どこでもよく見かけます。でも種類が多いので、DIYで使う際に迷ってしまいやすいです。用途に応じて使い分ける必要があります。
蝶番、丁番、ヒンジ
蝶番という変わった名称の由来は、その姿が蝶々を連想させることからつけられました。丁番という名称もありますが、これは番を(つがい)と読まず、そのまま蝶番(ちょうばん)と読まれることが多いので、丁番との当て字がつけられたのです。
正式には蝶番でも、丁番の名称を使われることが多くなってきています。さらに他の名称はヒンジです。蝶番、丁番、ヒンジと、書かれたり呼ばれたりしますが、すべて同じものになります。
蝶番の種類/ヒラ蝶番
TLS-40B
ヒラ蝶番は、丁番やヒンジといえば誰もがイメージできるような標準的な形をしています。シンプルな構造で使い方も分かりやすいタイプです。それに幅広い用途で使えることから、DIYでも使うことの多い蝶番になります。
扉やドアを閉じた際に、羽の部分が重なり厚みができるのが欠点です。この厚みのせいで、すき間が生まれてしまいます。すき間をなくすためには、羽を埋めこんで厚みをださないために素材を削る作業が必要です。
三種類のヒラ蝶番
ヒラ蝶番は大きく三つの種類に分けられます。「背押しなし」は回転軸の天端に羽がついていて、広げた時は平らになるものです。羽を埋めこむ素材の場所は、回転軸分と同じ厚みの深さを削らないといけません。
「背押し付き」は回転軸の真ん中に羽があり、広げた時は回転軸の半分が表面に出ます。羽を埋めこむ素材の場所は、羽二枚分にあたる厚みの深さで大丈夫です。そしてもう一つは、この二種類の中間の位置に羽がついています。
儀星丁番
ベスト 188 ノイズレスインテリア儀星蝶番
回転軸の天地に儀星(ぎぼし)がついたヒラ蝶番を儀星丁番といいます。回転軸には芯となる棒があり、この棒に儀星がついていて、儀星により棒を抜き取ることが可能です。
棒を抜き取ればヒンジを分解できますので、蝶番のネジを外さなくても扉やドアを取り外せるのです。回転軸の芯棒をさせば、またヒンジに戻せます。大きな物を移動させる時、扉やドアはじゃまになりますが、この使い方ができると便利です。
蝶番の種類/フラッシュ蝶番
ハイロジック 17479
フラッシュ蝶番はヒラ蝶番の仲間です。ヒラ蝶番は使い方が簡単ではあるものの羽部分の厚みが生まれるので、すき間ができてしまいます。またはすき間をなくすために素材を削らないといけません。
こうしたデメリットを最小限におさえた蝶番がフラッシュ蝶番です。フラッシュ蝶番はヒラ蝶番に比べて変わった形をしていますが、この形がポイントになります。
フラッシュ蝶番の利点
フラッシュ蝶番の特徴は羽です。二枚の羽があるうち、片方は大きくて羽の中にスペースがあいています。もう片方は小さくて、大きい方にあいているスペースにちょうどあわさるサイズと形です。
羽を閉じた際、一枚の羽のようになる仕組みで、厚みが羽一枚分になります。フラッシュ蝶番は、多少のすき間ならあいてもいい場合に最適です。すき間をなくしたい場合でも、素材を浅く削ればすみます。
蝶番の種類/自由蝶番
FH102-ST-B
自由蝶番は、その名の通り自由な開閉をしたいドアへ取り付けるヒンジになります。自由な開閉とは、外側と内側のどちらへでも開け閉めできるということです。こういったドアをウエスタンドアといいます。
回転軸が二つついているのが特徴的です。バネが仕組まれていて、ドアを開けたら自動で閉まります。特殊な動作になるため、扉の厚みや耐荷重などに制約があり、使い方に注意が必要です。
蝶番の種類/抜き差し蝶番
TNH-40CL
抜き差し蝶番は、名前からも用途の分かりやすいヒンジになります。素材へ蝶番を取り付けて扉やドアを設置してからでも、ネジどめしている状態のまま取り外しと取り付けが簡単におこなえる蝶番です。
扉やドアごと取り外せるため、いつでも細かな部分を掃除したり、メンテナンスしたりできます。このメリットを活かせば、気分によっていろいろなデザインの扉やドアを付け替えることが可能です。
蝶番の種類/スライド蝶番
ベスト スライド蝶番 35ミリ 全カブセ
スライド蝶番は隠し蝶番の一つで、扉が閉まっている時はヒンジが隠れます。扉を開けた時は、扉の相手側になる素材よりも外へ出ない構造になるため、スライド蝶番を取り付けた家具などは壁にくっつけることが可能です。
スライド蝶番はメリットの多い使い方ができます。でも取り付け方が少し厄介なため、DIYに慣れていない人は避けがちです。電動のドライバー向け工具であるフォスナービットを使って取り付けます。
スライド蝶番の種類
スライド蝶番の種類は三つです。すべて扉を閉めた時の状態を説明します。一つ目は「全かぶせ」で、扉が相手側の素材の前面にきて、さらに相手側の素材がすべて隠れるものです。
二つ目は「半かぶせ」といって相手側の素材が半分だけ隠れます。三つ目は「インセット」で、扉が相手側の素材の前面ではなく内側にくるタイプです。スライド蝶番は、この三つの種類を用途によって使い分ける必要があります。
蝶番の種類/ドロップ蝶番
SDH-001
ドロップ蝶番は主に下側に開く扉用のヒンジです。ライティングボードやテレビボードなどでよく使われています。扉を開いた時に段差やすき間ができないことがポイントです。
扉を開いて、そのまま奥から物をすべらせて取り出せます。ただ、取り付けるドロップ蝶番も素材に合わせて平らにする必要があるので、素材を削って埋めこまないといけません。
蝶番の取り付け方
主な蝶番の種類が分かったら、用途にあったものを選び、取り付けるDIYをおこなっていきます。一番オーソドックスなヒラ蝶番の取り付け方が基本です。なのでこの方法を解説します。
取り付け方は種類によって異なりますが、基本が分かれば他の種類でも応用できるでしょう。細かな部分はそのつど調べるようにしてください。DIY自体が初めての人でも、簡単に開閉扉付きの作品を作り上げられます。
蝶番の取り付け方.5-1
最初に蝶番を取り付ける位置を定めないといけません。その位置へ蝶番をあてはめて、蝶番をふち取るように鉛筆で線を書いてください。おおまかな目見当で線を書いてもうまくいかないので、実際に蝶番を使います。
それにこの方が簡単で正確です。蝶番を離したあとで、定規を使って上書きしておくと分かりやすくなります。蝶番の位置については、回転軸の真ん中ラインと、取り付ける材料の端ラインがあうようにしましょう。
シンワ測定 14001
蝶番の取り付け方.5-2
蝶番を取り付ける位置を書いた線の上からなぞるように、カッターで切り込みを入れて、削る部分を囲います。そしてノミか彫刻刀を使い、線の内側を削りとってください。ただ削ればいいということではなく、深さと平らさが重要です。
そもそもこのスペースは蝶番の羽を埋めこむ場所になります。そのことをふまえた深さにしないといけませんが、ヒラ蝶番の場合は、回転軸の半分ぐらいの厚みを目安にした深さにしてください。
義春刃物 HP-7
蝶番の取り付け方.5-3
蝶番の羽をはめる場所ができたら、ネジを打ちこんで固定します。いきなりネジを打つのではなく下穴が必要です。蝶番のネジ穴の中心にあたる部分へ下穴をあけてください。
ドリルドライバーやインパクトドライバーといった電動のドライバーを使っている場合、センタードリルビットを使うと間違いがなく早いです。このネジ打ちにインパクトドライバーを使うと打撃が強すぎることもあるため低速にするか、手作業でおこないます。
SeonFook 4点セット センタードリル
蝶番の取り付け方.5-4
次はもう片方の素材へ蝶番を取り付けていきます。まずは5-1と同じように蝶番を取り付ける位置を定めて、線を書いてください。気をつけないといけないのは、先に蝶番を取り付けた素材と同じ位置にしないことです。
後から蝶番を取り付ける素材については、上から2mmほど低い位置にします。こうすることで、先に蝶番を取り付けた素材は上に少しすき間を得られるのです。これは扉のスムーズな開閉に必要な配慮になります。
蝶番の取り付け方.5-5
位置を定めて線を書いたら、5-2と同様に蝶番を埋めこむため、線の内側を削りとりましょう。そして5-3の通りに下穴をあけたあとでネジを打ち込みます。扉を閉めてみて、ズレがなくおさまれば完成です。
位置定め、削りとり、下穴あけとネジ打ちの作業は、どれも正確におこなわないといけません。一つでもあまいと、扉としてまともな使い方ができなくなります。蝶番が開閉機能のすべてなので、丁寧なDIYを心がけてください。
蝶番の取り付け方/注意点
二つの素材を蝶番でつなぎあわせる際の注意点があります。どちらの素材も直角ではないことが考えられますので、蝶番による調整を想定しておかないといけません。
そのため後から蝶番を取り付ける素材に関しては、上項5-5において、あける下穴は一つだけにしておきます。この一つの穴にネジを打ち蝶番を仮どめして、扉のおさまり具合を確認してください。問題がなければ他のネジ穴にも下穴をあけて、ネジを打ち完全に固定します。
調整が必要な場合
蝶番を仮どめし、扉をしめてみておさまりが悪い場合は、調整が必要になります。一旦取り外し、別のネジ穴一つへ同じように処理をほどこして、再度状態を確認してください。別のネジ穴でないと調整ができません。
しっくりくるまで繰り返して、おさまりがよくなったところですべてにネジを打ちこみ固定しましょう。細かな調整もDIY作業の一つで、完成度を上げるために大切なことです。
蝶番の種類と使い方/まとめ
たくさんの種類がある中から代表的な蝶番と使い方、取り付け方を解説してきました。蝶番は丁番やヒンジといった別の呼び名を持ちますが、これらはあくまで名称の違いにすぎず、種類を区別するものではありません。
スライド蝶番やフラッシュ蝶番など、用途にあわせて最適な種類を使い分けましょう。これで扉やドアを取り付けるDIYをマスターできます。より使い勝手のよい作品の自作が可能です。
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今回は蝶番について詳しく解説しましたが、蝶番を使って取り付ける扉のDIYについてもっと詳しく知りたいという方は、下記のリンク記事を読んでみてください。
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