エンド金具とは
エンド金具とは、輪行や輸送するときなどに自転車のフレームやリアディレイラー(変速機)を保護するために取り付けるパーツです。ロードバイクなど自転車を輪行や輸送するときには、前輪後輪のホイールを外してフレームを挟み、できるだけコンパクトにした上で輪行袋に収納して運びます。
ホイールを外した時の強度低下を低減
このときホイールが外されていることで自転車の強度が弱くなり変形のリスクが高まります。エンド金具を使うことによって変形や破損のリスクを低減できます。また、ロードバイクなど自転車を縦型輪行するときには、ホイールを外し自転車をコンパクトにして立てた状態で輪行袋に入れて収納します。このとき、地面と接触するリアディレイラーを保護するためにもエンド金具を取り付けます。
エンド金具の選び方
エンド金具には杖のような形のフロント用(前輪)と四角い形のリア用(後輪)があります。縦型輪行で準備方必要になるのはリア用になります。縦型輪行するときにはリア用のエンド金具をまずは準備します。さらに、リア用エンド金具にはサイズがあります。
購入前にエンド幅の確認を
ロードバイク用はロードエンド幅130㎜、マウンテンバイク用はロードエンド幅135㎜が基本のサイズになりますが、購入する前に自分の自転車のロードエンド幅のサイズを確認してから準備します。自転車によってはロードバイクでも135㎜サイズのことがあります。
エンド金具の使い方
リア用エンド金具の使い方
フロント用エンド金具の使い方は、前輪を外した状態でエンド金具をフロントフォークの間に取り付け、フレームの変形を防ぐために使います。
リア用エンド金具の使い方は、後輪を外した状態でエンド金具をリアエンドに取り付け、後輪側を下にして自転車を立てたときに、サドルとエンド金具が自転車を支えるかたちで使います。輪行以外の使い方としては、後輪を外してメンテナンス作業する場合など、フレームを保護するツールとして利用する使い方があります。
エンド金具の正しい取り付け方
ステップ1準備
前輪後輪とライトやボトル、サイクルコンピュータなどハンドル周りのパーツは全て外して自転車を逆さまにしておきます。外した前輪後輪は邪魔にならないように壁などに立てかけ、パーツ類はなくさないように袋などに入れてしまっておきます。
ステップ2エンド金具の準備
リア用エンド金具を使う前の段階で、エンド金具を組み立てて準備しておく必要があります。まず長方形のプレート上のものをコの字型にします。次にクイックレバーを組み立てます。クイックレバーにパーツを通して完成させます。[中空シャフト>バネ>スペーサー(MTBのみ)>止め具]の順番でパーツを通しておきます。バネは細くなっている方を内側に向けます。
ステップ3リア側のクイックレバーを外す
リア用のエンド金具の付け方は、後輪に付いているクイックレバーを外して、ホイールが装着された位置にエンド金具を取り付けます。
ステップ4チェーンを通す
チェーンの通し方は、チェーンがチェーンステーを傷つけないようにエンド金具にチェーンを通して軽くクイックレバーを締めて固定しておきます。チェーンが緩まない程度にエンド金具を後ろに引っ張り、クイックレバーを締め付けて固定します。エンド金具を引っ張ることでチェーンの緩みを解消し、チェーンの緩みによるフレームの傷や汚れを防ぐことができます。取り付けの角度はチェーンステーと同じ程度になるようにします。
ステップ5ギアの操作
接触や転倒でリアディレイラーが破損しないように変速ギアを操作してギアをローにします。ギアをローにすることでリアディレイラーが内側に動きます。 リアディレイラーが内側に移動し出っ張りをすくなくしたことでリアディレイラーを保護し、接触や転倒による破損のリスクを低減します。
ステップ6フロント側の取り付け
フロント用エンド金具の付け方は、前輪が装着されていた位置にエンド金具を取り付ければ完了です。角度の調整など手間がかかる作業はありません。
エンド金具の外し方
エンド金具の外し方は取り付けたときと同じ状態で、自転車を逆さまにして作業します。リア用エンド金具を外すときには、ローになっているギアを変速ギアを使って操作してトップにします。次にクイックレバーを緩めてエンド金具を外します。フロント用エンド金具もクイックレバーを緩めて外します。
エンド金具を取り付けるときの注意点
角度の調整
自転車を縦に置いたとき、リア用エンド金具がしっかり地面に接しているか必ず確認しましょう。接していなければエンド金具の角度を調整して安定して自転車を支えられる角度になるように調整が必要です。 角度が決まったらしっかり金具を締めて固定します。エンド金具の締め付けがゆるいと自転車を安定して支えることができないため、転倒などのリスクが高くなります。
衝撃に弱い
エンド金具はコンパクトで軽量に作られているので、強度や耐久性は大きくありません。取扱には注意が必要です。くれぐれも、ドスンと置いたり強い衝撃を与えないように注意しましょう。
クイックレバーは後輪のものを使う
市販されているエンド金具にはクイックレバーが付いていることがありますが、後輪に付いているクイックレバーを使うので余分に携帯する必要はありません。
作業する場所選び
エンド金具を取り付けるなど輪行に伴う作業をするときには、周囲の邪魔にならない場所で行うのがマナーです。改札口の近くや点字ブロックの上など人の動線になる場所は避けて、壁際など迷惑にならない場所を選んでから作業を始めるのがマナーです。
エンド金具は使ったほうがいいのか
フレームの保護
ホイールを外した自転車は強度が落ちて衝撃に弱い状態です。輪行は自転車を電車でなど公共交通機関で運んで目的地を自走して楽しみます。輸送のときに思わぬ衝撃を受けてフレームの破損や変形をする可能性があります。せっかく楽しみにしていた輪行が台無しにならないように、エンド金具は使ったほうが安心です。
リアディレイラーの保護
また、縦型輪行するときには、リアディレイラー(変速機)が地面と接してしまい破損のリスクが高くなります。リアディレイラーは自転車の中でもデリケートなパーツになるので、エンド金具を正しく使って保護することが大切です。
エンド金具の主なメーカー
OSTRICH(オーストリッチ)とTIOGA(タイオガ)が主なメーカです。オーストリッチは日本のメーカで輪行袋の大手です。リア用エンド金具は130㎜と135㎜の2種類が用意されています。タイオガはアメリカのメーカーで自転車の様々なパーツを制作しており、エンド金具は[リアエンドホルダーⅡ]という商品名で販売しています。種類は1種類でリヤエンド幅が130㎜135㎜142㎜148㎜と各サイズに対応できるようになっています。
エンド金具の収納場所
エンド金具は輪行袋と一緒に収納すると荷物を減らしコンパクトにできますが、輪行袋によって一緒に収納できるものと、そうでないものがあります。輪行袋と一緒に収納する場合はリア用エンド金具を折りたたんで元の状態にし、フロント用はそのままの状態で輪行袋の芯にして、くるくるまるめて輪行袋用の収納バックに入れます。輪行袋を収納するバックの大きさに余裕がないなど、一緒に収納できない場合は、ウエストバックに入れるなど、収納場所を決めておくとパーツをなくさずに済みます。
まとめ
エンド金具の取り付けは、初めのうちは時間がかかり苦労する作業ですが、慣れてしまえば難しい作業ではありません。エンド金具の取り付方を習得してスムーズに作業ができれば、輪行のスキルが一段上がり輪行のストレスも軽減できます。
正しい使い方をマスターして楽しい自転車の旅を
輪行が気軽にできるようになると行動範囲が広がり自転車の楽しみも増えていきます。ガイドブックには乗っていない自分だけの旅行プランを立てて、行きたかった所へどんどん出かけてみましょう。エンド金具の取り付けも、回数をこなしているうちに確実に上達します。 正しいエンド金具の取り付け方をマスターして、自転車の旅をもっと自由に楽しみましょう。
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