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釣れたら危険?キタマクラの毒性とは?その生態や危険性を解説!

釣りをする上で注意しなければならないのが、毒魚の存在です。特にフグのようにメジャーではない、キタマクラのような毒魚は被害に遭いやすいです。釣り人にとって、知らないという事は命取りです。今回は、このキタマクラの毒性や生態などについて語っていきたいと思います。
更新: 2021年7月21日
木下雄太
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目次

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キタマクラはどんな魚なのか

キタマクラは、きわめて毒性の強い魚です。釣り人にとっては忌み嫌われる魚のひとつですが、実は嫌われている理由は毒性だけではありません。それは、キタマクラはいわゆる「餌取り」の一種だからです。キタマクラは餌にガッツリと食らいついて食べる魚ではありません。つついて啄ばむように餌を食べる魚です。ですので気がつくと餌を食べられてしまっているという事があるので、釣り人から嫌われているわけです。

キタマクラに似ている魚

キタマクラは、とある魚に似ています。それは「カワハギ」と呼ばれる魚です。見た目もそっくりですがカワハギも餌取りとして有名です。ですがカワハギはキタマクラと違い食べることが出来ます。肝が絶品で大変美味です。ですので、「カワハギを釣ると釣り人として一人前」とまで言われています。そういった意味では、キタマクラを釣ることが出来れば釣り人として一人前と言えるのかもしれません。

キタマクラの毒性

キタマクラの持つ毒性は、フグと同じく「テトロドキシン」です。いわゆるフグ毒です。この毒性に当たると体の痺れから始まり全身麻痺、そして呼吸困難になり死に至ります。毎年何人もの人がこの毒性により命を落としています。

キタマクラの毒による死亡事例

実は「キタマクラを食べて亡くなった」という人はそんなに多くないです。釣り上げられるほとんどが数cmほどなので、小型のカワハギと勘違いしてリリースしてしまうのでしょう。15cmのサイズであっても、おなかを膨らませて威嚇してくれるので「これはカワハギではないな」と気づく人が多いようです。逆に好んで食べる人も居ますが、それはごくごく少数です。

キタマクラとフグの違い

キタマクラとフグには、明確な違いがあります。それは、キタマクラは食べても美味しくないという点です。フグは刺身やテッサ、そしてひれ酒などにして食べると最高に美味しいです。ですがキタマクラの場合、苦労して毒を取り除いてもまったく美味しくないです。ですので、キタマクラを釣り上げてしまった場合はリリースするのが良いでしょう。


キタマクラは食べることが可能?

先述のように、キタマクラは不味いです。しかし、絶対に食べることが出来ないというわけではありません。フグと同じように、毒性のある箇所を取り除くことが出来れば食べることが出来ます。しかし、その手間の割りにあまり美味しくないので、食用として認知されていないというわけです。

ポピュラー?なキタマクラの料理方法

キタマクラを食べるという人は、煮付けにして食べています。魚料理の定番の一つで、から揚げやてんぷらのような揚げ物の料理がありますが、キタマクラを揚げてしまうと身がスカスカになり、あまり美味しくないそうです。しかし煮付けのように煮込む料理の場合は、キタマクラのエキスが煮汁に滲み出し、さらにその煮汁がキタマクラにも染み渡るので美味しいのだとか。なお、毒性の強い魚なので調理の際はフグ調理師免許を持っている人にお願いしましょう。

キタマクラを食べるコストパフォーマンス

キタマクラを安全に食べる場合、先ほども述べましたようにフグ調理師の資格を持っている人に捌いてもらう必要があります。すると、当然のことながらお金が発生するわけです。そんなに美味しくない魚をわざわざお金を払ってまで捌いてもらうというのは、正直なところ非常にコストパフォーマンスが悪いといわざるを得ません。

キタマクラが釣れやすい仕掛け

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先述のように、キタマクラは餌をついばむようにして食べます。そのため針が小さい仕掛け、例えばアジやイワシなどを釣る際のサビキで釣れてしまうことが多いです。

キタマクラが釣れたら

キタマクラが釣れた場合は、分けしてクーラーボックスなどに入れずにリリースしましょう。なぜかと言いますと、釣り上げた際にキタマクラが内臓を損傷していた場合毒を吐き出して、その毒性が他の魚に移ってしまう恐れがあるからです。また、キタマクラの中には皮膚から毒を放出するものも居ます。ですので、すぐにリリースしなければならないのです。

素手では触らないほうが良い


そして、キタマクラを仕掛けから外す際は素手で触らないほうが良いです。軍手などでも毒性が浸透してしまう可能性があります。ですので、キタマクラを仕掛けから外す際はゴム手袋を用いる必要があります。テトロドキシン自体は皮膚に付着しても大きな問題はありませんが、毒が付着した手で他の魚に触れるとやはり毒性が移ってしまうので危険なのです。

キタマクラを飼育する人も居る

中にはキタマクラを飼うという人も居ます。比較的どこにでも居る魚なので生態の把握も難しくなく、餌も冷凍のアミエビを用意しておけば困りません。また、なんとキタマクラは人に懐く魚なのです。ある程度慣れ親しんでくると、飼い主が帰宅したのと同時に出迎えてくれます。こういった生態の魚は実は多く、キタマクラも実に可愛げのある魚なのです。

キタマクラと呼ばれる理由

「枕を海に向けて寝てはいけない」というのは全国で言われている風習です。頭を海側に向けるのはご遺体の保管しておく時の習わしで、それと一緒というのが縁起が悪いと思われるからです。 日本海側だと海側は北になります。 なので毒性から死を連想してキタマクラと日本海側で呼ばれるようになったのだと推察されます。

太平洋側では何と呼ぶ

キタマクラは地域によって呼び方が違います。例えば、大阪や和歌山ではカナフグと呼ばれています。カナフグは「金河豚」と書きます。これは側面にある金色の一文字を見てカナフグと名付けたと考えられます。

キタマクラの生態

キタマクラは、水深30メートルほどの岩礁に住んでいます。大きくて15cmほどで、背中が茶色くまだらな模様がぽつぽつと見られます。先述のように、見た目はカワハギとそっくりなのですがフグの仲間なのでおなかを膨らませて威嚇をします。歯の力が非常に強く、なんと固い外殻に覆われた甲殻類や貝を捕食の対象としています。そして非常に好奇心が強い魚で、ダイビングをすると他の魚が逃げていく中キタマクラだけがダイバーに近寄ってきます。

強靭すぎる歯の力

釣り人に嫌われているキタマクラですが、その最大の理由のひとつが歯の力です。大きいサイズのキタマクラになると、なんと釣り糸をも噛み切ってしまうのです。エサだけならまだしも、仕掛けそのものを台無しにされてしまってはたまったものではありません。ですので、釣り人からは忌み嫌われている存在なのです。


エサなしの針にも興味を示す

このキタマクラ、好奇心の強さからエサのついていない針にも興味を示して針を啄ばみます。そして結果として釣り糸ごと食いちぎってしまうというわけです。話だけを聞くとなんともマヌケに聞こえますが、その当事者になってしまった時には苛立ちを隠せなくなるでしょう。

毒と食べ物の関係

キタマクラは、自分自身で毒を生成しているわけではありません。フグと同じように、貝やヒトデなどを食べた際に毒を少しずつ蓄積していき、結果的にそれが強い毒性へと至るのです。そのため、現在では無毒のトラフグの養殖にも成功しています。しかし、この無毒のトラフグが市場に流入する機会はまだ先のようです。

まとめ

釣り人には忌み嫌われる存在であるキタマクラ。毒も強く食べるのには大変不向きな魚だといえます。また料理をする場合もフグ調理師に依頼をする必要もあるので非常コストパフォーマンスが悪いです。さらに言うと味もそんなに美味しい物ではなく、美味しく頂ける調理法も限られてきます。しかし一方で、このキタマクラを飼うという人が結構居るということが分かりました。飼う際はやはり単体で飼育する必要があります。このキタマクラという魚、目が大きく口を尖らせた表情をしているため、見た目は非常に愛嬌があります。日ごろの疲れを癒してくれるのにはぴったりなのかも知れません。

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