サバフグとは?
21種存在していて、地方名でキンフグ、ギンフグ、カナトフグなどの呼び名があります。全長が約15cmほどで背面は灰青色、腹面は銀白色。福島・山形県以南~インド洋、太平洋の広くに生息しています。味はトラフグには及ばない為フグ料理には用いられず、主な調理法では干物などにしています。
サバフグの旬は秋から春にかけて。その中でも冬が一番旬です。
フグの名前の由来
ふぐの由来・語源
平安時代には「布久(ふく)」「布久閉(ふくべ)」と呼ばれていました。江戸時代中頃から関東で「ふぐ」と呼ばれるようになり全国に広まりましたが、現在でも下関や中国地方の一部では「ふく」と呼ばれています。
「ふく」の語源は海底で砂を吹き、出てくるゴカイ類を食べる性質があるため「吹く」と言われる説や、「袋」「脹脛(ふくらはぎ)」「膨れる(ふくれる)」など、ふくらむものを意味するものの多くに「ふく」が多く使われている使われていて、フグも膨らむのでこの語幹からきている説もあります。
漢字で河豚と書く由来
海よりも河に生息するために親しまれていたことから「河」がつかわれ、膨らんだ姿が豚に似ていることと、釣り上げた際の音が豚の鳴き声に似ていることから「豚」が使われるようになったといわれています。
主なフグの種類
シロサバフグ
国内でもっとも漁獲量の多いフグの一つ、昔からまったく毒の無い無害なフグとして食べられてきて人気があったがドクフグサバや東シナ海などの熱帯・亜熱帯地域の個体の問題から食用部分が規制されています。安くて味がおいしいのは国産だけではなく、中国産からの輸入も多い。
鮮魚で出回るのは非常に稀で、ほとんどは主に加工品として出回ります。料亭などで安く出てくるフグはこの魚の可能性が高いです。同じサバフグ属のドクサバフグを間違って食べないように注意してください。
クロサバフグ
日本各地で水揚げがあるものの、ドクサバフグと似ているために廃棄されてしまう魚で、そのため流通の場ではめったに見かけることはありません。シロサバフグと同様に味のおいしい魚です。
トラフグ
生息地は太平洋北西部、日本海西部、黄海、東シナ海など北海道室蘭付近が北限。湾内などに多く成長するまでは河口の汽水域にもいます。体長は70cmほどにもなり、トラフグの産卵時期は春で、春にトラフグは出産します。
食用として取引きされるフグの中で、味は最高級品で、他のフグと同様に神経毒のテトロドトキシンを多く含むため調理には免許が必要で、特に肝や卵巣は毒性が強いので肝や卵巣は絶対に食べないようにしましょう。
ですが石川県では1年以上も卵巣を塩漬けにして、さらに糖に漬け込んで毒を抜いた珍味、「河豚の卵巣の糖漬け」が食用としてあります。さらに近年では毒を持たないフグの養殖がされていて、今後の動向が気になります。
クサフグ
体長は10~25cmでテトロドトキシンが含まれています。内臓と皮、特に肝と腸、卵巣は毒性が強いですが、筋肉の毒性は弱いです。食べられないと思われがちですが、食用が許可されていてフグ調理師が調理するものは食べられます。
味は淡泊で美味です。しかし多量に食べると毒が致死量に達してしまうため過食は厳禁です。
皮膚は背中は暗緑褐色で、丸い小白点があります。腹面は白く胸鰭上部と背鰭の付け根には黒色斑や小さな棘があります。生息地は北海道道南から沖縄までの沿岸、朝鮮半島南部、中国大陸南部など浅い岩礁、砂地、汽水域まで広く生息しています。
マフグ
生息地はオホーツク海西部、北海道~九州南岸の日本海沿岸・日本海中央部・東シナ海沿岸、北海道~九州南岸の太平洋沿岸など幅広く生息しています。産卵期は4月~7月で北に行くほど遅くなるそうです。古くの標準和名は「ナメラフグ」だったそうです。
毒性としては卵巣・肝が猛毒、皮膚と腸は強毒。筋肉と精巣は無毒で比較的庶民的な価格の安いフグとして人気があります。フグと言ったらトラフグですがこのマフグも見直されるべきフグです。江戸時代、関東では愛されていたみたいです。
ドクサバフグ
生息地は南太平洋岸、鳥取県、九州北部沿岸、鹿児島県、東シナ海、~済州島、南シナ海、インド・西太平洋に生息しています。暖海をこのむ種でかつては東・南シナ海以南に見られましたが、近年では南日本でも漁獲されるようにもなりました。
身にも毒があり食べることが不可能なサバフグ。問題視されているのは無毒のサバフグ類に非常に似ていることで遠洋漁業に混ざったり輸入フグに混ざったりなどして重大な中毒事故を起こしています。また近年、日本近海でも見つかっていてサバフグ類の流通上の脅威となっています。
毒のある部位は、身(筋肉)、皮(皮膚)、肝、卵巣、腸は強毒。フグの調理を調理免許を持たない一般人は原則しないこと。
シロサバフグやクロサバフグには毒がない!?
フグ毒のテトロドトキシンとは
トラフグやクサフグ等が持つフグ毒の代表的な毒テトロドトキシンとは、300℃以上に加熱しても毒が分解されません。症状としては摂食後の約20分程度から数時間で症状が現れます。最初に意識が明瞭なまま麻痺は急速に進行して、24時間以内に死亡する場合が多いです。
テトロドトキシンの症状
第一段階では指先や口唇または舌端に軽い痺れ、めまいによる歩行困難や頭痛や腹痛の場合もあります。第二段階では、運動麻痺が進行して、嘔吐、知覚麻痺、言語障害、呼吸困難、血圧降下の症状が出てきます。
第三段階では全身の麻痺症状、骨格筋の弛緩、呼吸困難及び血圧降下が進行していきます。第四段階では意識の消失呼吸停止、死亡にいたります。(但し、呼吸停止後もしばらくは心臓の拍動が続くことがあります。)
サバフグの毒性は?
シロサバフグやクロサバフグは無毒とされていますが、海域や季節により毒性を有します。シロサバフグやクロサバフグはトラフグやクサフグやコモンフグとは異なり、すべての部位にはテトロドトキシンは持っていません。
また日本では無害とされていた時期がありフグ料理にも用いられたことがあります。カナフグは内臓には毒がありますが、筋肉には毒がありません。主にこの3種が可食種とされています。
通常フグはフグ毒のテトロドトキシンが含まれる餌を好んで食べるため、フグの体内には毒が蓄積されていきますが、シロサバフグはテトロドトキシンが含まれている餌を食べないので体内に毒が蓄積されないわけです。養殖のフグが無毒なのも、毒を含む餌を食べさせていないからです。
サバフグの種類の違い
シロサバフグやクロサバフグとドクサバフグとの違いは頭の小棘の分布の仕方が代表的です。前者は頭の部分のみにありますが、後者は棘が背びれの部分まであります。
他にも尾びれの切れ込みの深さの違い腹の膨らみ具合の違いなどでも区別できますが、個体差に左右されるため違いを見つけて見分けるのは難しいです。
サバフグのさばき方
サバフグはトラフグなどとは違って毒がないので、さばく際に調理師免許はいりません。
サバフグのさばき方はまず最初に上から頭を取ります。頭を取ったら次に内臓を取りおなかの中を掃除します。せなか側に切れ目を入れ切れ目を入れたかわをはぎます。サバフグのさばき方は以上です。みなさんも是非このさばき方をみてさばいてみてください。
サバフグのおいしい食べ方とレシピ
おいしい食べ方①サバフグの唐揚げ・レシピ
3人分のレシピ、サバフグを6尾・酒大さじ3・うすくち醤油大さじ1・おろし生姜少々・片栗粉適量・揚げ油適量
作り方
- まずサバフグを流水で洗いぬめりや残った血合いなどを取り除きます。
- 包丁でヒレを付け根からそぎ取ります。
- ボールにフグを入れて、酒、うすくち醤油、おろし生姜を合わせ20分程度おきます。
- ザルにあげ、片栗粉をまぶして170℃の油で揚げていきます。
- きつね色にカラット揚がったらお皿に盛りつけて完成です。揚げたての味は絶品です。
おいしい食べ方②サバフグの鍋・レシピ
4人分のレシピ・シロサバフグ1パック・白菜4/1・とうふ2丁・しめじ半パック・ポン酢適量・だし昆布1枚・水適量
作り方
- 土鍋に水とだし昆布を入れて沸騰させます。
- シロサバフグ、白菜、しめじ、とうふを入れ蓋をして煮ます。
- ポン酢をつけていただきます。
おいしい食べ方③サバフグの衣揚げ・レシピ
作り方
- シロサバフグを三枚おろしにする。
- 三枚おろしにしたシロサバフグに下味の材料加え30分ほど下味をつける。
- ②に溶き卵加え次に小麦粉と片栗粉を加え混ぜながら①に衣をつける
- 油で③をカラッと揚げる。
おいしい食べ方④フグの一夜干し・レシピ
レシピ2~4人前・シロサバフグ1尾・水・塩
- フグは魚屋さんで下処理してもらったものを使います。さばき方としては身は三枚におろし片身を2等分にします。
- 10%の塩水をつくり1時間~2時間つけます。(塩は精製塩を避けてあら塩や天然塩にしたほうが味がまろやかになります)
- 塩が回ったらザルにあげ、タオルなどで水気をよく拭き取ります。
- 干し物ネットなどに入れて夕方~朝まで外で干します。(風がなく干しが足りない時は朝日に当てて干しましょう。)
- うまく干せたらグリルやオーブンで焼いて完成です。
まとめ
いかがでしたでしょうか? 強力な毒性をもつサバフグは正しく調理することで美味しくいただくことができますが、しっかりとした知識も必要となりますので、実際に捌かれたものや調理された料理をおすすめします。そして、ぜひこの機会にサバフグを食べてみてはいかがでしょうか。
昭和55年から、2月9日はフグの日に制定されています。