アライメントの調整とは
「アライメント」とは、自動車のホイールの並び具合を指す言葉です。 本来は、ホイールアライメントと呼ばれ、アライメントとは、そのホイールアライメントを省略した呼び方です。
アライメントの調整とは、車体に対するホイールの角度、向き、位置を調整することです。 車がまっすぐ走る、きちんと曲がる、しっかり止まるためにアライメントの調整は大切な作業です。
どんな時にアライメントの調整が必要?
アライメント調整とは、タイヤホイールの角度、方向、位置を調整することでした。 では、アライメントの調整が必要などんな状況があるのでしょうか?
アライメントの調整が必要な6つの状況を紹介します。 自分の車に該当する症状や状況があれば、アライメントの調整を検討できるでしょう。
1.走行が安定しない
ハンドルをしっかり握っていないと車がまっすぐ走行しない、カーブを曲がる時フラフラするなどの状況があれば、アライメントの調整が必要です。
2.タイヤが片側だけ極端に減っている
タイヤを見てみて片側のタイヤだけが、反対側と比べて極端に摩耗している場合、アライメントのバランスが崩れている可能性があります。ですからアライメントの調整が必要です。
3.事故に遭った時
事故に遭った車はその衝撃でホイールアライメントが崩れる場合があります。 大きな事故に遭った場合、車体や部品の修理だけでなく、アライメントの調整も考える必要があります。
車体を傷つけるような大きな事故ではなくても、例えば縁石にタイヤを激しくぶつけた、タイヤを溝に落ちたというような場合、アライメントが乱れることがあります。 もしそのような状況にあったのであれば、アライメントの調整を検討できます。
4.長年使用している車
長く乗ってきた車は、タイヤの取り付け角度に、だんだんとズレが生じてきます。 長年乗っていて、これまでアライメントの調整をしたことがなければ、タイヤ交換時などにアライメントの調整を依頼できるでしょう。
5.車高を替えたり足回りを変更した時
車の車高を高くしたり、低くした時にはアライメントの調整が必要です。 同様に、サスペンションなどの足回りの部品を脱着したり、交換した場合もアライメントの調整が必要です。
6.新品のタイヤに交換した時
アライメントの調整をしばくらしていない状態であれば、新品のタイヤに交換する時に、アライメントの調整もできるでしょう。 アライメントの調整が不十分であれば、タイヤが偏って減る原因になります。
しかし、新品のタイヤに交換した時に、アライメントを調整しておけば、タイヤが地面にきちんと張り付き、タイヤの溝が均一に減るようになります。
そうすることで安定して走行でき、タイヤが長持ちするようになります。
アライメントの調整をすることのメリット
アライメントの調整をすることで、運転や車の性能にどんなメリットが生まれるのでしょうか? アライメントの調整をすることで生まれるメリットを5つ紹介します。
1.走行性能が向上し燃費が良くなる
アライメントを調整することで、タイヤがしっかり地面に接するようになり、走行性能が向上します。 走行性のが向上することで、燃費も良くなります。
逆に、アライメントのバランスが崩れたままだと、タイヤの一部を引きずったような状態で走ることになり、走行性能が悪くなり、燃費も悪くなります。
アライメントの調整をすることで、走行性能と燃費が向上するというメリットは、ガソリン車だけにあてはまるのではなく、ハイブリット車にもあてはまるメリットです。
2.タイヤや足回りの部品の耐久性が上がる
アライメントの調整をすることで、タイヤが地面に均一に接し、均等に減るようになります。 そうすることで、タイヤの寿命が長くなります。
またアライメントの調整が不十分だと、タイヤが片側だけ極端に摩耗した状態になり、サスペンションなどの足回りの部品にも悪影響が及びます。
新品のタイヤや足回りの部品を長持ちさせるためにも、アライメントの調整は必要です。
3.快適運転につながる
アライメントの調整ができていない車では、ハンドルをしっかり握っていないと車がまっすぐ進まない、カーブが曲がりにくいなどのデメリットが生じます。
しかし、アライメントの調整をすると、ハンドル操作がラクになり、運転を快適に楽しむことができます。
アライメント調整の方法とは
アライメントの調整には、次の3つの部分の調整が関係しています。 1.トウ角 2.キャンバー角 3.キャスター角 それぞれの言葉の意味を説明し、どんな調整が必要なのか解説します。
1.トウ角の調整
車体を上から見た時のタイヤの傾きをします角度が、トウ角です。 トウ角の調整は、車をまっすぐ走らせるために必要です。 トウ角がずれていると、車がまっすぐ走らなかったり、コーナリングの性能に影響が出たりします。
トウ角が、進行方向に対して内側に傾いている場合は「トウイン」で、トウ角が、進行方向に対して外側に傾いている場合は「トウアウト」と呼ばれます。
通常の車は、このトウ角が0度の状態か、トウイン気味の角度で調整されています。
2.キャンバー角の調整
キャンバー角とは、車を前から見た時に、垂直方向に対してタイヤがどれくらい傾いて取り付いているかを示す角度です。 キャンバー角の調整は、車のコーナリングをなめらかにするために必要です。
キャンバー角は、トウ角と連携して、車の安定した直進、スムーズなコーナリングに影響します。
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3.キャスター角の調整
キャスター角とは車の直進安定性に影響する傾斜です。 カーブの時にハンドルを切った後、ハンドルはもとに戻ろうとしますが、この作用もキャスター角が影響しています。
自転車やバイクのフロントフォークには傾斜が付いていますが、この傾斜がキャスター角です。 キャスター角の傾斜が大きくなると、直進安定性が向上しますが、ステアリング反応が鈍くなります。
フラフラせずにまっすぐ車を走らせるためにキャスター角の調整は必要です。
アライメントを調整する方法
アライメントを調整するには、アライメントテスターでタイヤの位置や角度を測定します。 タイヤ量販店でアライメントの調整を行ってもらうことができます。
ディーラーや整備工場でもアライメント調整を行ってくれるところがあります。 しかし、ディーラーや小さな整備工場などでは、測定器や経験のある整備士がいないなどの理由で、下請けに出される場合もあります。
アライメントの調整の料金相場は?
タイヤ量販店などでは、アライメントの測定料金と調整料金が別になっている場合があります。 例えば、カー用品店の「ジェームス」では、アライメントの測定のみが5,100円、トウ・キャンバー・キャスターいずれかの1箇所のみの調整で7,200円と設定さています。
アライメントの調整は、測定と調整込みで15,000円から20,000円程度が相場です。
量販店などで、アライメント調整を依頼する場合、測定と調整を合わせた金額か、測定と調整で金額が分かれているのか確認しましょう。
アライメントの調整はDIYでできる?
アライメント調整にはある程度の費用がかかりますから、DIYでアライメントの調整をしたいと思う方もおられます。 自動車整備に関係する工具・知識・技術があればDIYでもアライメントの調整は可能です。
しかし整備士の資格がない場合、分解整備を行うことができないので、分解整備を必要としないアライメントの調整はできますが、アライメント調整に分解作業がともなう場合、それはできません。
アライメントの調整をDIYで行うために必要な物
アライメントの調整に必要なのは、まず正確な数字を計測することです。 ですから、平らでスペースのあるガレージといった適切な場所と、計測のための測定器が必要です。
スマホアプリの水準器やホームセンターで購入できるレザーポイントの水準器を測定に使用することもできます。
また、DIYで簡易アライメント測定器を制作することもできます。 しかし、正確な数字を計測した後に、アライメントを調整するには、自動車整備に関する工具や知識、技術が必要になります。
アライメントの調整についてのまとめ
アライメントとは自動車のホイールの並び具合を指す言葉であり、必要に応じてそれを調整することがアライメントの調整でした。
車がまっすぐ走らない、ハンドルを切った後の戻りが遅い、事故に遭った、これまで1度もアライメント調整をしたことがないなどの場合は、アライメントの調整を行う必要があります。
新しいタイヤに交換するときに、タイヤの持ちを良くするために調整することもできます。
また、経費削減のためにDIYでアライメントの調整をするためには、測定器などの特定の道具や、自動車整備に関する知識や経験が必要です。
アライメントの調整をすることで、車の燃費も向上し、快適なドライブを楽しむことができるでしょう。