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メジナの生態や基本情報まとめ【魚図鑑】

メジナの生態や釣り方、料理をまとめた魚図鑑です。メジナは磯釣りで人気の魚です。日本全域で生息を確認されており、地域によって呼び名の違いもあります。また国内では3種のメジナが生息しています。意外に知らないメジナの生態を紹介します。
2020年8月27日
すがや
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メジナ/分類

メジナ科メジナ属に分類

メジナはメジナ科メジナ属に分類されます。口太グレ、口太メジナと呼ばれることもあります。メジナ科メジナ属では、他にクロメジナとオキナメジナの2種が国内では確認されています。世界では15種のメジナ属が確認されており、オーストラリアと南米にメジナの仲間が多く生息しています。

日本の3種は似た魚体

日本で確認される3種のメジナは共通の祖先を持っています。そのためか、魚体が似ており見分けるのが難しいです。鱗の形や尾ひれの形で見分けます。また、低温への適応力がクロメジナとオキナメジナよりもメジナの方が高いと言われています。

メジナ/外国名

Greeenfish、Nibbler、 Rudderfish、Largescale blackfish

メジナにはいくつかの外国名があります。NibblerとRudderfishは英国領の島であるバミューダやフロリダ州の周辺に生息するメジナを指すときに使われるようです。Greeenfishは和訳すると緑の魚、Largescale blackfishは大規模な黒い魚となります。

メジナ/学名

Girella punctata

メジナの学名はGirella punctataです。

メジナ/由来(漢字)

メジナは漢字では目近魚、眼仁奈、目品

メジナの由来は、メジナを一度漢字にしてみるとよくわかります。メジナは「目近魚、眼仁奈、目品」と書きます。メジナの漢字には眼に注目が集まっていることがわかります。メジナは眼が他の魚よりも口に近いことからこのように呼ばれるようになったようです。

地方によって呼び名が違う

メジナというのは主に東京周辺での呼び名です。メジナは様々な場所に生息しており、場所によって呼ばれ方が違います。関西ではグレ、九州ではクレもしくはクロなどと呼ばれています。東京以外ではメジナの色、黒から由来されてつけられた名前が多いです。グレやクレなどと表記されていてもメジナのことを指していますので注意しましょう。

メジナ/生息地域・分布

主に日本海側に生息

メジナは海水魚で北海道から南の日本海側に広く生息しています。太平洋でも房総半島から南の沿岸にも分布しています。また、日本海以南の東シナ海にまで生息していますが、沖縄周辺では生息していません。太平洋側ではクロメジナが多く生息しています。クロメジナは沖縄周辺にも生息しています。

日本全域で生息を確認

メジナはクロメジナまで含めれば広く日本のほぼ全域で生息を確認できます。メジナは沿岸の浅い岩礁域に好んで生息しています。なお、オキナメジナは珍しく、姿を見られることはあまりありません。

メジナ/生態・生育環境

昼が主な活動時間

メジナは昼型の魚で、夜が明けてから日没までが主な活動時間です。メジナは岩礁を大きな生活の拠点としています。成長とともに行動範囲が広がり、遠くの磯にも行けるようになっていきます。とはいえあまり回遊するタイプではありません。昼の間はバラバラに餌を探していることが多いようです。

雑食で季節によって食べるものが異なる

メジナは雑食性の魚です。季節によって食べるものも変化し、夏は小エビなどの甲殻類の小動物を、冬は岩の表面に生える海藻を好んで食す傾向があるようです。ひとつものを長く食べ続けることもできます。


産卵期は2月から8月ころ

メジナの産卵期ははっきりとはわかっておらず2月から8月ころまでだと言われています。ひとつの傾向としては、北に行くほど遅い傾向があるようです。受精後60時間で孵化して、生後1年で10センチから15センチほど成長します。

メジナ/特徴・形態

メジナの特徴

メジナは関西や九州での呼び名の通り、黒さが体色が特徴です。とはいえ真っ黒な魚というわけでなく、やや青みのある黒さになります。メジナは歯の形状も特徴のひとつで、三つ又にわかれた鋤(すき)のような歯を持っています。この歯の形状は海藻を食べる際に適した形状だと言われています。

メジナの形態

メジナは平均では30センチから40センチの魚体ですが、大きなものでは60センチ以上のメジナもいます。メジナは凹凸の少ない平べったい形の魚です。唇は薄く、頭部には丸みがあります。その名称の由来通りに眼と口の位置は近いです。

10年で40センチほどまで成長

メジナは先にも触れたように生後1年で10~15センチまで成長し、平均的な大きさである30センチ以上になるのは7年後くらいです。10年で40センチほどになると言われています。大物が釣れたら既に7年近く生きているメジナになるんですね。

メジナ/釣り情報

メジナは1年を通して釣れる魚

メジナは基本的に1年を通して釣ることができる魚です。しかし、それぞれの時期によって微妙な違いがあります。メジナを釣るのにおすすめな時期をそれぞれと特徴と一緒に紹介します。季節による違いを楽しむのもメジナを釣るときの醍醐味のひとつです。

冬がおすすめの釣り時

メジナを釣る1番おすすめの時期は冬です。その中でも1月から2月ころが最もよいと言われています。この時期に釣れるメジナは寒グレと特別に呼ばれています。

冬のメジナは大きくて美味しい

冬のメジナが特別なのは2つ理由があります。1つ目は何と言っても味です。寒い時期のメジナは身が引き締まっていてとても美味しいです。もう一点が大きさです。寒い時期には小さな魚はあまり活動ができません。そのため大きなメジナが釣れやすい傾向があります。

全く釣れないということも

このように冬のメジナは釣り人にとって非常に魅力的です。しかし、一点大きな問題があります。水温が低下してあまり活動しないのは小さなメジナだけではありません。大きなメジナもあまり活動しません。そのため、釣るチャンスも少なくなります。せっかく釣りに行っても全く釣れないということもあるかもしれません。

当たれば大きい冬のメジナ

冬のメジナは大きくて味も美味しいと非常に魅力的です。しかし、なかなか釣れないという不安点があります。一発釣れれば大きいという運の要素を含んだ忍耐の闘いになります。冬のメジナを釣ろうと思う方は気合を入れて釣りに出かけましょう。

梅雨もメジナを釣るおすすめの時期

梅雨の時期、5月から6月ころもメジナを釣るのにおすすめのシーズンです。寒グレと呼ばれる冬のメジナが一発釣れれば大きい「質」の釣りだとすれば、梅雨の時期はたくさん釣れる「量」の釣りになります。冬の寒グレに対して、この時期のメジナは梅雨グレとも呼ばれます。

梅雨のメジナ釣りは初心者にもおすすめ

梅雨がメジナがよく釣れるのは、水温が高いことと産卵に絡まないという2点の理由からだと言われています。産卵が絡む時期だと餌への食いつきが悪くなるようです。初心者がメジナを狙うなら、梅雨のメジナがおすすめです。

夏のメジナは小さい

その他の季節でもメジナは釣ることが可能です。他には産卵の絡まない11月から12月も釣れやすい時期だと言われています。ちなみに夏のメジナは小さい傾向があるようです。夏の小さなメジナは木っ端グレとも呼ばれたりします。


メジナの絶好の釣り場は?

メジナは、防波堤やテトラポッド周辺などから釣ることができます。釣り場を選ぶポイントは2点あります。メジナが隠れやすいような障害物があることと、潮流を読むことです。

潮の向きが重要

ベストな潮の向きは、沖にいるメジナへ撒き餌が流れていく方向になります。そのため、潮は手前から見て沖の方に流れていく状態がメジナを釣る時に適した潮の向きになります。

撒き餌を一箇所に撒く

メジナは撒き餌をして釣る魚です。冬などの水温が低い時期は魚の活性が低いです。そのため活性を高める餌を混ぜましょう。撒き餌はいろんな場所に撒かずに一箇所に集中して撒いたほうが良いです。

撒き餌の周辺にキャスト

メジナはウキフカセ仕掛けで釣ります。撒き餌の周辺に仕掛けをキャストするのがポイントです。メジナの餌にはオキアミが主に使われているようです。オキアミをつけるときはオキアミの尾の方からつけて、オキアミがまっすぐになるようにしましょう。

メジナ/味・選び方

夏のメジナは臭い?

メジナは季節によって味が違うと言われています。具体的には夏のメジナは臭みが強いと言われることが多いです。これはメジナの食性が理由だと考えられています。夏のメジナは海藻を主に食べています。この海藻が夏のメジナの臭みの原因になっていると考えられています。

メジナは冬が旬

調理方法にもよるでしょうが、夏のメジナに臭みを感じて苦手に思う人もいるかもしれません。そういった観点から食べるのとしたら、やはり旬の時期と言われる冬の寒グロと呼ばれるメジナがおすすめされます。

メジナ/栄養・寄生虫

血液の健康を保つEPA

メジナの栄養としてEPAがあげられます。EPAはイヌイットの健康の秘訣と言われる必須脂肪酸のひとつです。EPAは血管・血液の健康維持のために重要です。血管年齢を保つ、中性脂肪を下げる、心臓病・脳梗塞・動脈硬化の予防などの効果が期待されています。

脳の健康を保つDHA

メジナの栄養としてDHAもあります。EPAが血液の健康の働きを持つのに対して、DHAは脳の健康にする働きがあります。脳内にDHAが多く含まれていると、情報伝達能力が高くなると言われています。DHAには他にも、動脈硬化の予防や高血圧の予防といった効果もあります。

メジナは消化吸収の良い食材

メジナは良質なタンパク質を含んでいることも特徴のひとつです。そのため消化吸収が良い食材としてあげられます。胃腸が弱っているときなども、比較的食べやすい食材のひとつと言えるでしょう。

メジナは寄生虫の心配はほとんどなし

魚介類で注意しなければならない寄生虫としてアニキサスがあげられます。メジナは寄生虫の心配がほとんどない魚です。メジナは海藻を好んで食べるため、アニキサスが寄生することはほとんどないと考えられているようです。

メジナ/料理・調理方法

メジナの捌き方を紹介

はじめにメジナを調理する時に基本となる捌き方を紹介します。刺身やしゃぶしゃぶなどでメジナを食す時はまず3枚におろします。

メジナの捌き方1:鱗を取り頭を切り落とす

はじめにメジナの鱗を落とします。両側の鱗を包丁を使って落としていきましょう。このときに大型のゴミ袋を準備してその中で鱗を落とすと片付けの手間が省けます。鱗を落としたら頭を切り落とします。

メジナの捌き方2:内蔵を取り出して水洗い

頭を切り落としたら次は内蔵を取り出します。メジナのお腹の部分から切れ目を入れて、中の内蔵を取り出しましょう。内蔵を取り出した後は腹の中を水洗いします。水洗いの後は水気をよく切っておきます。


メジナの捌き方3:切れ込みを入れて身を剥がす

ここからメジナを三枚に降ろしていきます。尾びれの付け根から包丁を入れてメジナの中ほどまで沿うようにして切れ込みを入れます。同じような方法で今度は腹ビレから包丁を入れて尾びれのほうに切れ込みを入れていきます。両側から切れ込みを入れ終わったら、尾の根本に包丁を入れて身をとることができます。

メジナの捌き方4:反対の身も剥がす

同様の方法で反対側の身も剥がしましょう。これで魚の左側の身と右側の身と中骨に分かれます。これでメジナの三枚おろしの完成です。

メジナのおすすめ料理1:メジナのお刺身

新鮮なメジナを美味しく食べる方法といえば何と言っても刺し身でしょう。三枚におろしたメジナから腹骨や皮などをとることで刺身にできます。わさび醤油で美味しくいただきましょう。また、皮を残して食べる湯霜や焼霜という方法もあります。

メジナのおすすめ料理2:メジナのしゃぶしゃぶ

メジナはしゃぶしゃぶにしても美味しい料理です。またこの方法であれば皮もそのままで食べることができます。皮付きと皮なしを用意すれば2つの違いを堪能できます。タレはポン酢が合うようです。お好みで白菜や豆腐などの具材も用意しつつ、メジナのしゃぶしゃぶを楽しみましょう。

メジナのおすすめ料理3:メジナの煮付け

メジナを三枚におろすのが面倒というときには煮付けがおすすめです。下ごしらえは鱗と内蔵までを取るまでで煮付けに出来ます。醤油、みりん、砂糖、酒などで味を整えた煮汁にメジナを入れましょう。この時にショウガを一緒に加えると臭みを減少できます。それでも臭みが気になるという方は、煮汁に入れる前に熱湯につけて冷水で冷やすとという方法もあります。

メジナのおすすめ料理4:メジナの塩焼き

塩焼きは魚のメジャーな食べ方のひとつでメジナも塩焼きにして食べることが出来ます。塩焼きにするとメジナの黒さが目立ち、見栄えはあまりよくはありませんが、味は確かです。塩焼きは素材の味を楽しむにはおすすめです。

メジナ/その他

メジナは飼育できる

メジナは食用として知られていますが実はメジナを飼育することも可能です。飼育方法はあまり難しくないと言われています。こまめに水槽の水を取り替えて、水温に注意することが飼育のポイントのようです。また、飼育する上では比較的大きな魚ですので、90センチ程度の水槽は最低でも必要です。

メジナ飼育の餌、適温、注意点

海のメジナ同様に飼育においてもメジナは雑食です。釣りの餌でも使うオキアミの他、甲殻類、海藻などを食べます。これも海同様に、冬には藻類など海藻を好んで食べるようです。水温は20度から25度くらいが適温です。またメジナは水槽を飛び出してしまう可能性があります。高さのある水槽を使うか、蓋をするかという対応が必要です。

釣るだけでなく育てる

メジナの寿命は10年前後と言われています。カラフルな魚のような鑑賞の楽しさを感じることは難しいかもしれませんが、黒い魚体に段々と愛着を持つようになるかもしれません。釣るだけでなく育てるメジナもおすすめです。