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ネンブツダイ(念仏鯛)の生態まとめ!食べ方や気になる名前の由来も解説!

海釣りをしている時に一度は目にしていると思われる外道「ネンブツダイ」。突如沸いてきてこいつしか釣れなくなることがあります。食用に向かないような顔をしているため外道扱いですが思い切って一度ネンブツダイを食べてみませんか。調理次第ではハマるかも知れませんよ。
2020年8月27日
kuma10
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ネンブツダイってどんな魚?

居れば簡単に釣れちゃう

まず生態や食べ方の前にネンブツダイがどのような魚なのか知る必要があります。 一般的には「釣りには邪魔」な存在です。いわゆる「外道」と呼ばれるお魚の仲間です。しかし外道の中には「おや、食べたら案外イケるぞ」という魚も混じっています。あのヌルヌルのヒイラギでさえ珍重する地域があるくらいです。 釣れ始めるとやたらめったらエサに食い付いてくる可愛いネンブツダイ、その料理や味についてお伝えします。

ネンブツダイの生態

常に群れでの行動

最初にその生息地域や生息形態ですが、なんと太平洋北西部が生活の拠点です。時折沖縄以南にも生息していることがあると文献にありますので、やはり生活拠点は日本とみて間違いないようです。 夏の産卵時期前後には群れで沿岸生活し、冬場は深場で群れているということなので、常に群れでの行動になります。釣れる時には一荷で揚がってくるのも納得です。

子煩悩なお父さん

繁殖期になるとオスがメスの産んだ卵をお腹から放卵される前に自分の口に入れます。そして卵が孵化するまで10日前後、一切口に物を入れずに育てます。健気なイクメンです。 これは「口内保育」と言われているもので、同種のクロホシイシモチやオオスジイシモチなども同じ行動をします。これを年に5~6回するそうで、大量発生する訳が判りますね。

同種とともに暮らす

先ほど名前の出ていたクロホシイシモチやオオスジイシモチなどと共同で群れをつくる事もあり、釣り人はそれぞれを分けへだてなく「ネンブツダイ」と呼んでいます。 イシモチの仲間ですから不味いはずがないですね。

ネンブツダイの名前の由来

ネンブツダイは「念仏鯛」

繁殖の時期が近付くと深場から上がってきたネンブツダイは「ぶつぶつ」と口の中から求愛音を発します。これがお坊さんの念仏に聞こえる所から「念仏鯛」の名前が付いたと一般的にはされています。 念仏を唱えている魚を食べるのはちょっと抵抗がありますよね。

その他の説

有力な由来は前述致しましたが、その他にも名称の由来はあります。二つ紹介しますね。 生ものを口にできないはずのお坊さんでもなぜかこの魚だけは食べていいと言われていた時代があったからとか、親が子供を口の中で育てている時の口の動きが念仏を唱えているように見えるからとか、幾つか説はあります。 現在一番一般的な説は前述の「求愛音説」です。可愛いですね。

地方により変わる名称


釣りをされる方ならばお分かりでしょうが、通称を「キンギョ」と言います。赤っぽい体色とパッチリおめめから付いた通称でしょうが、この名前も「食べない、食べられない魚」のイメージ付けをしてしまったように思えます。キンギョを喜んで食べる人はいませんからね。 他に「赤ジャコ」や、奄美大島周辺では「ホーミンクヮ」と呼ばれています。赤ジャコは赤い雑魚、ホーミンクヮは目の大きな子供の意味です。

ネンブツダイを調理する

下ごしらえ

どんな魚でも調理するには「下ごしらえ」が必要です。画像でも分かりますが、あの小さなヒイラギ(手前)よりさらに小さい事が分かります。 基本はウロコを取って頭と内臓をはずすだけです。イシモチの仲間であることから頭部に大きな耳石がありますので、頭は使わない方がよろしいかと思います。

ネンブツダイのレシピ1「生食」

1-1、刺身

レシピらしいレシピではありませんが、まずは当然刺身からです。 三枚におろして腹骨を漉いたら毛抜きで小骨を抜きます。純粋にネンブツダイを楽しみたいのであれば皮を引いてお刺身(片身で1~2枚)にしましょう。面倒な方は皮をバーナーであぶって「炙り」にしていただくのがおすすめです。 例えるならば「カレイ」の刺身のような味がします。おいしいですよ。

1-2、寿司

さて、お寿司を握ってみましょう。料理の中で一番驚かれる食べ方ですが、難しいレシピはありません。皮を炙ったネンブツダイの身にワサビを塗り、小さな俵型に成形した酢飯にのせれば美味しい握り寿司の完成です。 季節にもよりますが、秋口の太ったネンブツダイで作った寿司は甘くて絶品です。

酢飯も簡単調理

固めに炊いたお米3合に「お酢80㏄、砂糖大さじ2に塩少々、水大さじ1」を混ぜた物を回しかけ、お米に粘りが出ないように混ぜたら酢飯のできあがりです。扇風機で風を送りながら混ぜれば5分ほどでつやつや酢飯ができます。 できあいの「寿司酢」を使えばもっと簡単に料理できますよ。

ネンブツダイのレシピ2「揚げ物」

2-1、唐揚げ

外道小魚を釣ったらどうしますか? 捨てると答えた人以外のほとんどが「唐揚げ」と答えてくれると思います。当然ネンブツダイのレシピでも一番ポピュラーなのが唐揚げです。 塩をして20分位置いて水出ししたネンブツダイをよく拭いて、胡椒を振ったら片栗粉をまぶして揚げるだけです。低温でじっくり揚げれば骨までいただけます。淡白な魚なのでにんにくやしょうがなどの香り付けで味が変わります。

2-2、南蛮漬け

この料理もまた小魚料理の定番ですね。 調理の仕方は簡単です。先ほどの唐揚げに南蛮酢をかけるだけです。南蛮酢レシピだけ書いておきますね。お酢の力で骨まで食べられますよ。 ※南蛮酢レシピ(割合) お酢2対醤油2対酒1対砂糖1の割合のものを作り、全部を鍋に入れ一煮立ちさせれば出来上がり。ちょっと多めに作っておくと小あじなどが釣れた時に便利ですよ。たっぷりのたまねぎスライスと一緒にどうぞ。


2-3、てんぷら

ふわっふわの魚のてんぷらはお好きでしょうか? 最近は「コツのいらない」とか「まぜるだけ」などの冠の付いた天ぷら粉が市販されています。料理が苦手な方でも簡単に調理のできるてんぷらは本当におすすめです。 三枚におろしたネンブツダイを水で溶いた天ぷら粉にくぐらせて揚げるだけでとんでもなく美味しいてんぷらが食べられます。食べ方のおすすめは「塩」です。

2-4、フライ

これはちょっと包丁技が必要のレシピです。 イワシやアジのフライを調理した方ならお分かりでしょうが、開いたネンブツダイの中骨を削ぐ必要があります。画像の様に腹開きにしたネンブツダイの中骨と腹骨を削ぎ取って下さい。コツは包丁の刃を入れる時に左手でネンブツダイを押さえることくらいです。 粉を振って卵にくぐらせたらパン粉を付けて揚げるだけです。くれぐれも火の入れ過ぎには気を付けて下さい。

ネンブツダイのレシピ3「その他」

3-1、塩焼

うろこを落として内臓を取り出したネンブツダイにたっぷりの塩を振って遠火の強火で焼きます。チリッと脂が浸みだして来たら食べごろです。一番原始的で一番簡単な食べ方は間違いがありません。 コツを一つ書いておきますと、身には薄く塩を振り、ヒレにはたっぷりと塩をまぶします。これは「化粧塩」といって魚の姿を美しく保つ調理法です。おためしあれ。

3-2、つみれ

実は釣り人の間ではこれが一番と言われている食べ方が「つみれ」です。 皮を引いたネンブツダイに塩と卵と片栗粉を混ぜてフードプロセッサーでブンっと回して下さい。それを丸めて沸騰したお湯に落とし、ダシと醤油で味付けするだけです。 これがうまい。白身魚特有の甘いダシが上品なおつゆを作ってくれます。大量に釣れた時はぜひ試していただきたい食べ方です。

ネンブツダイの釣り方

肉食の雑食

さて、ここまで美味しい食べ方を紹介して参りましたが、釣り方を紹介しないのは説明不足でしょう。ここでネンブツダイの釣り方の紹介です。 この子たちは可愛い顔をしてとても獰猛(どうもう)で、とりあえず動くものには何でも食い付いてきます。画像のエギなど自分と同じくらいの大きさの物まで咬みついてきます。撒餌で寄ってきたらサビキで数釣りを狙いましょう。

こんなコンテストも

元々動物性プランクトンやオキアミが主食のネンブツダイですが、その悪食具合は「ルアーのみ」の釣り大会が催されるほどです。 エサに食い付いた時の引きは結構強くゲームフィッシュとしても楽しいのですが、最近流行のアジングの邪魔をします。しかし引きが面白いのでカンベンしてあげて下さい。

ネンブツダイ、逆の使い方

エビで鯛以上の釣果を


ネンブツダイの使い方は料理だけではありません。ちょっと大きめのネンブツダイをあげたら釣りの生餌に使ってみましょう。 目立つ風体をしているのでどんな泳がせ釣りにも使えますが、スレに弱いためその扱いは慎重にお願いいたします。できれば釣りあげたその日のうちに使いましょう。エビタイどころかネンブツワラサもあるかも知れません。

ヤエンでイカ釣り

ネンブツダイの泳がせ釣りで一番おすすめなのがミズイカ(アオリイカ)のヤエン釣りです。 秋口に沿岸に群れるネンブツダイは同時にアオリイカを呼び寄せます。夜釣りでネンブツダイが掛かったら迷わずイカを狙いましょう。ただしアジなどと違い身切れしやすいのでとにもかくにも慎重に釣り上げて下さい。 ヤエンって何?という方に動画で説明しています。

ヤエン動画

いかがでしょうか。ネンブツダイの意外な魅力をお伝えしました。。今回のネンブツダイの記事からはちょっと離れてしまいますが、ヤエン釣りのコツを紹介しておきます。 まずリールを使う場合はドラグゆるゆるか、スプールを上げておいてもいいと思います。そしてイカが食いついたらある程度強引に引き寄せて下さい。そしてなるべく高い位置から「糸をたるませることなく」ヤエンを投入して下さい。 食卓に豪華な料理が並ぶのではないでしょうか。

ネンブツダイの食レポ(口コミ)

ツイッターでも大人気

今回二つのツイートを口コミに利用させていただきました。 みなさん結構食べてらっしゃるようですね。それもまず「まずい」という感想は見当たりません。食べて「次は沢山釣る」という意見が多いようです。やはり食べてみなければ判らないものです。 その生態から大量ゲットが難しい魚ではないので皆さんもぜひネンブツダイを食べてみて下さい。

ネンブツダイは美味しいターゲット!

ネンブツダイの色々を紹介して参りましたがいかがでしたでしょうか。 今まで「外道」「雑魚」と呼んでいたネンブツダイの印象が変わりましたでしょうか。どんな魚でも調理の仕方一つで変身はします。しかし元々うまみの強いネンブツダイは積極的にターゲットにしてよい魚だと思います。 この記事でお一人でもネンブツダイファンが増える事があれば幸いです。