クロダイとは
クロダイは河川の汽水部や、港湾、砂浜 等に生息する、マダイが黒くなった、 近縁種です。 昔から釣りの好ターゲット で河口などではおじさん達がウキ釣りや ぶっこみ釣りで釣果を競うように楽しんで 釣っていました。 足元付近の沿岸でも大型のクロダイが 餌を求めて回遊してくる、大胆なところ もある魚なので、釣りの魚種としては トップクラスの人気種となっています。
クロダイの分布
分布は広く、北海道の南部から本州、 四国、九州の全域で国内の南限は 種子島付近となっています。 奄美以南の南西諸島ではクロダイ属の 近縁種、オキナワキチヌ、ミナミクロダイ がおり、生態は似通っていて本州と同様な 釣り方で親しまれています。
クロダイの生態
食性
クロダイは比較的浅場の藻場や岩礁 底、砂泥底等の様々な海域に生息 し、海底や岸壁のカニやエビや貝 、イカやタコや昆虫、小魚など、 肉食中心の魚ですが、ある意味動いて 口に入るものなら何でも捕食します。
習性
クロダイは昼間も捕食活動を行いますが 、夜の方が、大胆かつ貪欲に活動します。 これは天敵の鷺等の鳥類が夜は居なくなる ので警戒心が薄れます。 この様な永い相対関係で夜行性の傾向が 強まったと言われています。 回遊魚の様に群れで回遊しながら捕食を するタイプの魚では無く、成体は単独 行動をします。
産卵
産卵は2月~8月と時期が長く、浅瀬 に入ってきて雄雌で放卵、放精します。 何度かに分けて産卵行為をしますので 浅場に留まり、捕食行動も繰り返します。 この時期を「のっこみ」といい、 釣り言葉として、広く認知されていて 釣り方も「のっこみ」に合わせて行 われています。
クロダイのルアーでの釣り方
ここまではクロダイの習性や 分布を記載しました。 釣るうえで覚えて戴きたい、必須 の情報です。 ここからは実際に釣るポイントから 道具やコツをご紹介します。 ロッドや、ルアーもリンクでご紹介 しますので、御参照下さい。
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①クロダイをルアーで狙うポイント
クロダイを狙うポイントは港湾でしたら 岸壁のヘチから船道の駆け上がり、 テトラ周りがポイントになります。 汽水域にも多く入って行きますので 河口もポイントとなります。 小河川の流れ込みや、干潟の駆け上がり 瀬や橋脚の周りがポイントになります。 サーフでは小河川の払い出し、沈み根 廻り、桟橋の橋脚や等ですがなんでも サーフでは駆け上がり付近での フッキングを意識します。
②クロダイをルアーで狙うシーズン
オールシーズン
クロダイを狙うシーズンは厳寒期を外せば ほぼ一年中釣れる魚です。厳密にいうと 冬の厳寒期は(1月~3月上旬)ほとんどの クロダイが深場に潜りますが、工場排水 等が流れ込む温水域では居着きのクロダイ が居て、チニングでは狙え、合った釣り方 といえます。
春
春は上述でも触れましたが、のっこみ のシーズンです。 内海の漁港付近の藻場には、産卵の 為にクロダイが集まります。 また越冬後の食欲旺盛なクロダイが 産卵場近くの浅場で捕食活動を繰り 返しますので、チニングにとって ベストシーズンです。
夏
梅雨は多くのクロダイが産卵で体力を 落とし、食いが悪くなる時期ですが、 チニングならピンポイントに攻めれば 浅場にクロダイが居る為、合った釣り 方が可能です。 水温が上がる夏は魚の活性もあがって、 のっこみシーズン同様ベストシーズンと なります。 高水温の為、夜も活発ですのでチニングでは ポイント、タナを広く手返し良くルアーで 探れますので、効率の良い釣り方が演出 出来ます。
秋~冬
秋の初めは夏同様に海水温が高く、 チニングでは夜釣りが有効な釣り方 でおすすめです。 晩秋では水温の下降につれて、越冬に 向けてクロダイが荒食いをはじめますので 春、夏同様良いシーズンです。 まずめ前後を中心にポイントを探っていく 釣り方となります。 年内一杯は狙えるシーズンです。
③クロダイのルアーで狙える時間帯
クロダイは餌釣りではまづめから夜釣り、 早朝から9時位までをおすすめしますが、 チニングでは1日中狙う事が可能です。 それは餌釣りではクロダイが捕食する 時間帯に撒き餌などで誘引して釣る 釣り方ですが、チニングはブラックバスの 釣り方同様、魚の住処の目の前にルアー を投入しますので、反射で食わせる 釣り方も可能です。
日中の攻略も醍醐味です
この通常釣りづらい時間帯をいかに 攻略するかは、ブラックバス同様 釣り方の戦略を考案するのも、楽しい 醍醐味といえます。 またボトムを這うようにルアーで 誘う釣り方も効果的で、昼夜を 問わずチャンスがあります。
クロダイのルアー釣り=チニングとは
チニングとはクロダイ=チヌ (釣りではチヌの呼び名が著名)の ルアーフィッシングで、チニング と呼びます。 ライトタックルを使用し、シーバスと 比較すると小さめなルアーを使用します。
使用ルアーも多種多様です
また、ワームやラバージグを多用するのも シーバスとは一線を画します。 小型のホッパーなどを小気味よくアクション させる必要があるのでタックルはライトな 物となり、逆にクロダイは50㎝×5kgの 大型の獲物となっていますので、チニングは 取り込みが非常にスリリングで、 ここに魅了される釣り師が多いです。
④クロダイのルアー釣りのロッド
最近ではチニング専用ロッドが販売 されています。8ft以下(2.4m) の物が主流で、ライトですが、バット がしっかりしたタイプのものを選び ます。
専用ロッドがおすすめです
エギングロッドやトラウトロッドで 流用も可能ですが、独特のアタリを 感じ取りやすいティップ(先端)や 強烈な引きに対抗するベリー、バット (竿の中間から手元)クロダイの 特大魚にも想定している 設計ですので、チニングロッドを おすすめします。 シーバスロッドではアタリを見逃す 可能性がありますので、おすすめ 出来ません。
⑤クロダイのルアー釣りのリール
リールはロッドの長さに対しては大きい とお感じでしょうが、シマノの2500~ 3000番クラスをセットします。 クロダイはとても引きが強く、走るときは 急に一気に走りますので、ドラグが必要 になります。小さいリールでドラグが 適当な状況ですとリールを壊されたり、 ラインブレイクしますので、ドラグの 性能の良い中型のスピニングリールを 選びます。 ギアはノーマルとハイギアがありますが、 ワームやラバージグ等のルアーを スローリトリーブが中心のチニングでは ノーマルギアを選びます。
⑥クロダイのおすすめルアー
おすすめのルアーは色々ありますが、 どれが一番という事でも無く、状況 に合せた使い方が必要です。 ジグヘッド用のワームをトレーラー と呼び、効果があり、特殊で多彩ですので ワーム、トレーラーは他でご紹介します。 ミノーはシンキングと、フローテイング がありますが、3㎝~9㎝位が主流となり 水深、食い気等によって使い分けます。 リップの長い、ボトムを触りながら ダートアクションを演出するタイプ がありユニークな釣り方があります。
クロダイのおすすめのルアー(トップウォーター)
活性の高い時でのトップウォータープラグ のゲームはヒットする際に魚が見えて、 非常にスリリングです。 日中のゲームですと、トップウォーター のアクションと魚のライズが確認出来ます ので非常にゲーム性が高くチニングの中でも 人気の高いゲームとなっています。 サイズはやはり5㎝前後の小さなものが多く、 口がホッパーになっていて叩くと音が出る ポップタイプがおすすめです。 昼間のクロダイ相手ではピンクや白の パール系より、ナチュラル系のトップ ウォータプラグが釣果が良いので おすすめです。
トップウォータープラグの操り方
キャスとはポイントのその先へ
シャロ―やストラクチャーなどの ポイントでは魚が出てくる事を 前提にトップウォーターを操作 しましょう。 ポイントの先にルアーをキャストし、 ポイント付近でバイトするようにします。 ポイント直撃ですと、警戒して出ないか、 バイトが人間の近くになり見切られます。 ロッドをチョンチョンとアクションし 間を取りながらアクションします。
アクションと「間」を取ります
トップウォーターの操作で大事なのが 魚に食わせの間を与える事です。 魚が居るのにバイトが無い時は、 トップウォーターをポッパー型に 変更します。 竿先を左右に強く引く事で、 トップウォータープラグの先端の カップが水を掴み、音を出して、 水しぶきを上げます。
低活性ではスプラッシュ
活性が低い時はこのトップ ウォーターのアクション スプラッシュ(音+水しぶき) で誘い出すのが有効です。 トップウォーターゲームで 注意が必要なのが、ラインテンションを 抜く事です。テンションを常に張って いると、魚がトップウォータープラグを 飲み込めず、ばらしてしまう可能性が 高くなります。 間を作ると時はテンションも意識して バイトを待ちます。
⑦クロダイのおすすめのルアー(ジグヘッド)
ジグヘッドとは
ジグヘッドとはワームを付ける針と錘の セットの事ですが様々な種類があり、 流通し現在も増えています。 ワーム(トレーラー)と組合せ使用するの ですが、ここではジグヘッドから紹介します。
ラバージグ
・「ラバージグ」・・シンカー、フックのセットに ゴムや樹脂のラバーが取り付いています。 これに各種のワーム(トレーラー)を セットします。 ラバーを独自にチューニングし使用する 愛好者も多く、楽しんでいます。
ボンボン系ジグ
・「ボンボン系ジグ」・・シンカー自体が楕円形 のバイブレーションの様な形をしています。 またコガネムシや野菜の種の様な形状も あります。 尾びれ部にラバーを付けたフックがあり、 これに各種のワーム(トレーラー)を セットします。セットしなくても釣果が あると言いますので、両方お試しで使用 します。
ちびチヌヘッド
・「ちびチヌヘッド」・・草履の様な平らな形の シンカーとフックのセットで、フック の裏側が少しロール状になっていて この面で海底を滑らせます。 上側のフックにワーム(トレーラー)を セットします。 ※画像はリンクからご覧ください。
⑧クロダイのおすすめのトレーラー
トレーラーとはジグヘッドや、ラバー ジグやオフセットフックに取り付ける、 ワームの事をいいます。何故トレーラー というのか、ジグヘッドなどに引っ張 られて海底を這う姿が、トレーラーに 見えるのでしょうか。 因みに普通の針につけるワームは トレーラーとは呼ばないそうです。 ※画像やおすすめ品はリンクでご覧 ください。
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シュリンプ系のトレーラー
エビ系のワームです。ラバージグや 特殊なジグヘッド、単純なジグヘッド でもトレーラーで広く使用されています。 ワームにエビやカキ等のフレーバを トレーラーに擦り込んであって、 アクションしなくても魚がくわえる 要素があります。 シュリンプのハサミの部分はリトリーブ で上下に揺らいで魚を誘います。
魚系のトレーラー
魚系も様々ありますが、エコギアの グラスミノーMがおすすめです。 カタクチイワシを模したこの トレーラーは尾がリトリーブの際に 左右にプルプルと震え、魚に アピールし、釣果に相当な実績が カサゴに等も爆釣の定番の ワームトレーラーです。
ミミズ系のトレーラー
こちらは昔からあるミミズ系の ワームと言われるトレーラーです。 イソメにそっくりな物や、ミミズを リアルに模した物、現実にはいない ミミズの尾や同隊の両側に羽が生えた 物があります。 何れもリトリーブでひらひらと揺らいで 魚にアピールします。 こちらも魚が好むフレーバーがワーム に擦り込んであって、アクション しなくても魚がくわえる要素があります。 また、マルキューやバークレイの、イソメ の超リアルなワームがあって、ポイントに 投げ込んだだけで釣れるような気がする程、 リアルなものです。
⑨トレーラーの操り方
海底の餌を意識している事が 高いクロダイの初心者の最強のルアー がラバージグ+トレーラーワーム です。 スローリトリーブが基本です。 キャストして、底を取ってずる引き や適度なロッドアクションで釣れる という非常にシンプルな釣り方ですが、 理にかなっています。 海底の岩の周りにいるカニやエビを 丹念に探しているクロダイには、 リアルな餌の登場にしか感じず、 バイトするという訳です。
注意と難点
難点は、底をずる引きする釣り方 なので、根掛かりが多い事です。 ジグヘッドはなるべく軽い物を使用し 竿先で障害物を感じたら軽くアクション して交わします。 また合わせが遅いとジグヘッドを 飲まれフックを折られたり、ラインを 切られますので、早合せが必要です。
⑩クロダイのおすすめその他のルアー
メタルジグ
その他のおすすめは超遠投が可能な メタルジグです。トップウォーター やフローティングミノーやワーム で届かない場所や、散々探って、 反応が無くスレた魚に、反射食いを させる時など有効です。
バイブレーション
バイブレーションミノーも有効です。 こちらも、トップウォーターやその他 で反応が無い時に使用するという感じの セカンド使用ですが、ボトム付近を 振動を加えながら小さく叩いていく と有効です。こちらはボトムのポイントを 探るので、他の根魚を釣ってしまう可能性 が釣れる可能性が、が非常に高いです。
クロダイのルアー釣りでの外道
どんな釣りでも本命以外の魚を釣る 可能性はあり、高いのですが、 初心者はポイントが解らない為、 思わぬ外道を釣り上げる可能性 が高いです。 河口や、サーフではマゴチ、ヒラメ シーバス、ニゴイがヒットします。 時にはナマズやマゴイ、ウナギ も釣れます。 防波堤では、上記の他カサゴ、メバル、 穴ハゼ、がヒットします。
チニングの楽しみの1つ
慣れてくるとポイントや、釣り方の 変化で外道を釣る可能性が減りますが、 釣り初めは、様々な外道を釣る可能性が 高いですが、これもチニングの楽しみ で、本命が釣れない時に他の魚と 戯れる事が可能ともいえます。
クロダイのルアー釣りを回顧
古くから餌釣りで楽しまれてきた クロダイですが、このチニングによって 、まるで確立して動かしようがない世界が 実はまだまだやり方によっては、新しい 道があるように示してくれたかの様な、 錯覚をします。 野球界のスポンサーにおいての現在の ITビジネスの様に…
新たな魚種の獲得
話は釣りに戻りますが、今後もこの様な 新しいメソッドによる魚種が出てくる 可能性があるように感じます。 かつてのシーバスやアオリイカもそう だったように、今後も魚種が増える事 を歓迎します。 それが釣りの文化の拡がり、ひいては 日本の文化の多様性にも繋がっていると 感じ、関われる事に喜びを感じます。