フライフィッシングとは
フライフィッシングとは古くから 欧米で親しまれてきた、主に 渓流などで毛ばりを使う ルアーフィッシングの一種。 現在では羽虫だけでなく、エビや 小魚なども含めた様々なパターンの 毛ばりが開発され渓流だけに留まらず 様々なフィールドで老若男女問わず 広く親しまれています。 今回はこのフライフィッシングを 始めるにあたって必要なタックルや 道具を初心者の方にもわかりやすく 解説していきたいと思います。
フライフィッシングの道具1：ロッド
フライロッドはフライフィッシング 専用に開発された特殊なロッド。 これが無ければフライフィッシングは 始まりません。 必ず番手と呼ばれる同じ番手の フライラインに適合する番号が 振られています。 例をあげると8番手のロッドには 8番手のラインが適合する という事。 この番手と呼ばれる番号は アメリカの団体が決定した フライのタックルの重さの 規格で、番手が小さいほど ロッドは軽く柔らかく、 番手が重いほど重く 硬くなっていきます。
入門向けは7ft6inから8ft6inのフライロッド
フライロッドは番手によって釣る 対象魚が大きく変わります。 初心者が渓流の入門向けに タックルをそろえるなら おすすめなのが番手8の長さが 7フィート6インチ(約218cm) から8フィート6インチ(約259cm) 程度のものが扱いやすく おすすめ。 海でのフィライフィッシングを 楽しみたいなら番手は8で 9フィート(約274cm)程度の長さの物が おすすめです。
フライフィッシングの道具2：リール
フライフィッシングの リールは他の釣りの タックルに使われる リールとは大きく役割の 異なるリールになります。 通常のバスタックルの スピニングやベイトリールでは リールから直接ラインを 出してキャストしますが フライタックルのリールは あらかじめラインをある程度 引き出してから キャストを行います。 つまりフライリールは他のリール と比べ、太くてかさばる フライラインを格納する 格納庫的な意味合いが強いです。
フライリールはラインに合わせて選ぶ
フライリールにはおおよそ 巻くことのできるラインの 番手の幅が決められています。 初めて初心者が入門向けに買うならば ロッドに合わせた8番手のラインに 適合したリールを買うのが良いでしょう。 ただ、フライのリールで一番重要なのは ロッドと組み合わせたときのタックルの バランスです。 出来れば購入の際はロッドに セットしてみてバランスが良いと 感じるものを選ぶのが良いでしょう。
フライリールのドラグ
フライリールにも他のリールと同様に ドラグシステムが組み込まれています。 フライフィッシングでは基本的には 魚がヒットした時は手でラインを 手で繰り寄せてキャッチしますが、 大型の魚がヒットした際には ドラグシステムを使ってファイトします。 簡単な構造のラチェット式ドラグと 高性能なディスク式ドラグの2種類が ありますが、大方の魚を釣り上げる際の 重要な要素になりますので、出来るだけ 予算の許す限り優秀なドラグ機構を もったリールがおすすめです。
フライフィッシングの道具3：バッキングライン
フライラインをフライリールに 巻くときにある程度バッキング ラインと呼ばれるフライラインの 下巻きとなるラインが必要になります。 フライリールごとに必要な バッキングラインの長さが指定されて いますので指定に合った長さの バッキングラインをまずはフライ リールに巻きましょう。
バッキングラインの選び方
リールにもよりますが 大抵のリールは50m程度の バッキングラインがあれば 事足ります。 太さは18ポンドクラスから もう少し太めのライン。 基本下巻きになるので あまり高価なものを買う必要は ありませんが、大きな魚が ヒットした時には予備のライン にもなりますので、 きちんとしたものを選びましょう。
フライフィッシングの道具4：フライライン
フライラインはフライフィッシングの タックルの中でも最も特徴的なタックル です。 ルアーや錘の重さを使って仕掛けを ポイントに投げる他の釣りと 違ってフライフィッシングでは このカラフルで太いラインを つかって毛ばりをポイントへ 運びます。 ロッドと同じように番手によって 太さや重さが管理されており、 ラインの番手はロッドと同じに なるように合わせます。
シンキングとフローティングライン
フライラインの種別は 大別するとフローティング (浮かぶ)ラインとシンキング (沈む)ラインの2種類に 別れます。慣れないうちは 水面に浮かぶフローティング ラインの方が扱いやすいので 入門向けにはフローティング ラインがお勧めです。
フライラインのテーパー
フライラインにはキャスティングの 力を効率よく伝達する為にテーパー と呼ばれる太さの違いが存在します。 用途に合わせてラインのテーパー は使い分けますが、ここでは 代表的なテーパーを紹介します。
ダブルテーパーライン
ダブルテーパーラインは フライラインの両端に テーパーが付いている ラインの事を言います。 近い距離に繊細にラインを 落とす釣りに向いており、 管理釣り場や川幅の狭い川で 力を発揮するテーパーです。 また、副次的なものですが テーパーが両端に付いているので 片方のテーパーが痛んだら もう片方のテーパーに付け替える ことが出来るので経済的なライン でもあります。
ウェイトフォワードライン
ウェイトフォワードラインは 根元が細く、毛ばりに近づく 辺りで一度太くなってから 再度細くなっていくのが 特徴のテーパーです。 先端が重くなっているので ダブルテーパーラインより 遠くへキャストすることができる 遠投向けのラインになり、 川幅の広い本流や大きい湖、 海などで力を発揮します。
フライフィッシングの道具5：リーダー
リーダーとはフライラインの 先に結ぶラインでフライタックル の中でフライラインとティペット をつなぐ役割を持ったラインです。 主な素材はナイロンやフロロ カーボン。入門向けには 扱いやすいナイロン製が おすすめです。 フライラインに結ぶ一番 太い部分がバット、滑らかに 細くなっていく部分が テーパー、最も先端の 細い部分がティペットと 呼ばれ、これら3つの 部分で構成されているのが リーダーと呼ばれますが、 例外的にテーパーのない フライリーダーも存在します。
渓流では6xの太さが基本
リーダーの太さはティペット部の 太さによって分類分けされています。 02Xが最大の太さでこの数字が 大きくなるほどリーダーの 太さは細くなっていきます。 渓流釣りで使うならばリーダーの 太さは6xの太さがスタンダード。 入門向けにはまず6xのリーダーを 買う事をお勧めします。 この時買うのはテーパーの付いていない リーダーではなくテーパーのついた 「テーパードリーダー」を買う事を お勧めします。
リーダーは長めの物がおすすめ
販売されているリーダーの長さは 主に7.5フィート、9フィート、 12フィートの3種類です。 短い方がリーダーは投げやすく、 扱いやすいですが、 リーダーが短いと渓流などで 魚に気付かれてしまう危険性も あります。 リーダーは長くても切って しまえばいいので始めは 長めのリーダーを選んで購入 することをおすすめします。
フライフィッシングの道具6：ティペット
ティペットはリーダーの先に 結ぶ細いラインの事を言いい このラインの先に毛ばりを 結びます。 人によってはティペットラインを 使わずに、直接リーダーの ティペット部に毛ばりを結んで 釣る人も居ますがティペット部は 細く、損耗が激しいので大抵 すぐに短くなってしまいます。 ティペットはそれを防ぐために 結ばれます。 フライフィッシングのタックルに 使用するティペットの長さは、 おおよそ50cmから両手を広げた ぐらいの長さが基準になります。
ティペットの太さ
ティペットの太さの表記は リーダーと同じ「X」で数字が 大きくなるほど細くなっていきます。 ティペットの太さの選び方の基準は おおよそリーダーと同じ太さか 少し細いぐらいの太さ。 細かくは扱う毛ばりによって変化 しますが、入門向けとしては まずは6xから7x程度のティペット を選ぶのをお勧めします。
フライフィッシングの道具7：毛ばり(フライ)
毛ばり（フライ）は主に水生昆虫を 始めとする昆虫や小魚を模して 釣り針を鳥類の羽や動物の毛などで 作られた疑似餌の事。 フライフィッシングの名前はこの 毛ばり(フライ)から由来しています。 後程解説しますがフライには 天候や季節、釣り場に合わせて 様々な種類のものが存在しています。 それを使い分けていくのが フライフィッシングの醍醐味では あるのですが、慣れない初心者の うちはそれも難しいと思います。 まずは入門向けに代表的な 種類の毛ばりを2,3種類購入する のがお勧めです。
毛ばりの大きさ
毛ばりの大きさの表記はリーダーや ティペットと同じく数字が大きく なればなるほど小さい毛ばりになります。 日本の渓流や管理釣り場では 14番程度のサイズが一番釣れる サイズとされています。 初心者の入門用として まずはこの近辺の サイズをそろえるのが おすすめです。
毛ばり（フライ）の種類
フライフィッシングの毛ばりは 水生昆虫や小魚、カゲロウなど 様々な生き物を模して作られています。 昨今では色々研究が進み 昔より様々な種類の毛ばりが 開発され、その種類はまさに 無限大といった形になって きています。今回は 初心者でも扱うことの多い 比較的古くからある 代表的な毛バリについて 解説致します。
初心者向け代表：ドライフライ
ドライフライはその名の通り 水に沈まずに水面で浮かぶ 様につくられた毛ばりです。 主にカゲロウの成虫や その脱皮中の姿を模して 作られており、それらを 主食にしているイワナや ヤマメなどを主にメイン ターゲットにする毛ばりです。 また、水深の浅い渓流や 管理釣り場でも力を発揮する 毛ばりなので、アタリも水面に 浮いているためわかりやすく、 初心者に向いている 毛ばりになります。
もっとも古い毛ばり：ウェットフライ
水中の昆虫を模した毛ばり：ニンフフライ
ニンフフライはその名の通り ヤゴなどの水中に住んでいる 昆虫を模して作られた毛ばりです。 ヤゴなどの水生昆虫に 見せかけるために主に沈めて 使われるフライなのでアタリを 取るためにインジケーターを 付けて釣るのが一般的な釣り方。 管理釣り場などで直接魚の前に 毛ばりを落とすことができ、 インジケーターでアタリも 取りやすいのでのでニンフフライも フライフィッシングの初心者の 入門向けのフライと言えます。
捕捉：インジケーター
インジケーターはウキ釣りの ウキの様にフライに食いついた 魚のアタリを教えてくれるもので 主にウェットフライやニンフ フライで使用されます。 様々なタイプのインジケーターが ありますがマジックテープ式のものが 扱いやすく初心者の入門用におすすめです。
入門向けにおすすめ毛ばりセット
初心者のフライフィッシング 入門におすすめなのが、 様々な毛ばりがセットに なっている気ばりセットが おすすめです。 やはり初めのうちは売っている 毛ばりの種類が多くて何を 買っていいかわからなくなるもの。 そういった人の為にいくつかの種類 の毛ばりがセットになっているものも 販売されているのでどんな毛ばりを 買っていいか迷ってしまう方は まず最初に毛ばりセットを購入する ことをおすすめします。
フライフィッシングの道具8：ウェーダー
渓流や湖、サーフなどで幅広く 使われている体や服装が水に 濡れるのを防いでくれる防水 装備がウェーダーです。 ウェーダーを着込んでいれば 腰まで水に浸かっても服装は 濡れることはありません。 シューズ部分までが一体に なっているブーツフィットタイプと ウェーダーの上からシューズを履く ストッキングタイプの2種類が 存在。 ブーツフィットタイプは靴まで 一体になっているので着るのが 楽ですが、長靴の様な履き心地 なのであまり機能性はよくありません。 対してストッキングタイプは動きやすく 汎用性もあります。
ウェーディングシューズ
ウェーディングシューズは ブーツフィットタイプ以外を 着用している際に履く防水性の 靴です。 水辺の歩行の為に作られているため 苔やが生えていたり、水に濡れたり している岩場でも滑りにくく、 通常のスニーカーよりも安全に 渓流などの水辺を歩行する ことが出来る装備です。 靴底にはフェルト素材で 出来ているものとラバー素材で 出来ているものの2種類があり それぞれフェルト素材はぬめりに強く、 ラバー素材はざらついた岩場に強い 特性を持っています。
フライフィッシングの道具9：フィッシングベスト
釣りの小物やフライの毛ばり などを収納するポケットが 付いた通常の服装の上に 着込む釣り専用のベストです。 フライフィッシング専用の ものがありますのでそれを 買うのがベストでしょう。 小物の整理が出来あると 便利なアイテムです。
フライフィッシングの道具10：服装
服装は道具とは違うのではないかと 思われる方もいらっしゃるかも しれませんが、フライフィッシングは バスフィッシングなどと違って 深い山の中にも入っていく釣り。 服装はそれなりに重要な 意味を持ちます。
基本は動きやすく乾きがいい服装
フライフィッシングは標高の 高い山の湖や渓流にいって釣る為 長時間の釣りになることが多いです。 一度出発すれば半日程度はその服装の まま釣りをすることになるので、 どんな服装で釣りをするかは重要です。 基本的に、動きやすく保温性に優れ、 水にぬれても乾きが早い服装が おすすめ。 デニムなどの服装は水にぬれると 重くなりますし乾きも悪いので あまりお勧めできません。
ウェーダーを着込まない時に便利なゲーター
ゲーターは真夏の暑い釣りや 浅い川などでかさばるウェーダー よりも装備を軽くしたいときに 便利なおすすめの装備です。 ウェットウェーディングという 濡れる事を前提とした装備で 水にぬれつつも保温性に優れ、 転んだ時も保護してくれる 優れモノの装備です。
フライフィッシングの道具11：レインウェア
渓流や山にある湖の天気は 変わりやすいものです。 出発時には晴れていても必ず レインウェアは装備として持って 行くのをおすすめします。 おすすめはフィッシングレイン と呼ばれる釣り用の雨具。 ベストを着た服装のの上から 着用できるように 大きめに作られていたり、 水に入ることを想定して短めに 作られていたりと釣りに特化した 便利な装備です。
フライフィッシングの道具12：小物・アクセサリー
フライフィッシングのタックルセットで フライを楽しむことも出来ますが、 より、釣りが便利になる小物や装備も 存在します。初心者がいきなり全ての 小物をそろえる必要はありませんが 少しづつ装備を充実させるのも 釣りの楽しみの一つだと考えます。
フライボックス
毛ばりを収納する為のケースです。 毛ばりは非常に小さいので こういったケースで小分けに 収納しておくと扱いやすく 便利です。
ランディングネット
魚を取り込むのに便利な網です。 渓流に住む魚は高温に弱く、 人間の体温程度でもやけどしてしまう 恐れがあります。 魚に余計なダメージを与えないためにも 必須な装備です。
クリッパー
いわゆる糸きりばさみと 呼ばれる小物です。 フライを付け替えたり リーダーを使買えたりするのに 便利な装備。 反対側にニードルが付いている 物はアイが詰まっている時に 穴を開けることが出来るので 便利です。
フォーセップ
いわゆる針外しです。 魚の口から針が外れにくい 時などに使うと便利な小物。 釣った魚に余計なダメージを 与えるのを抑えることが出来ます。
サングラス
いわゆる偏光サングラスです。 水面のぎらつきを抑えて 水中にいる魚を発見しやすくなるのと、 水中を歩く際に足元が見えやすく なるのでより安全に歩行出来て 便利です。
フライフロータント
シマザキ ドライシェイク
出典:Amazonフライフロータントは毛ばりの浮力を 維持するために便利な小物。 通常、ドライフライは長時間使用 していると水分を吸って浮力が 低下します。 その時にこのフライフロータントで 浮力を維持します。
フライフィッシングの道具13：タイイングセット
タイイングセットは直接 釣りに行くときには必要のない 道具ですが、フライフィッシング の楽しさを語る上で決して外すことの 出来ない道具です。 やはり毛ばりを一から自分で作って 釣り上げたときの喜びは何物にも 代えがたいモノ。 毛ばりの自作は初心者の方は敷居が高いと 思われがちですが、やってみれば 案外簡単に出来てしまうものです。
初心者のはセット販売されているものがおすすめ
毛ばりを自作するにあたって敷居が 高く感じられる原因はマテリアルなどの 小物が非常に種類が多く、何を選んでいいか 分からないからという方も多いと思われます。 最近ではそんな人の為に必要な道具、小物、 マテリアルがすべてセットになった タイイングセットも販売されていますので 入門向けとしてまずはそういった道具を 買ってみて、毛ばりを自作することを 是非おすすめします。
毛ばりの作り方紹介
暮らし～の内でも毛ばりの作り方 についての解説の記事があります。 テンカラの毛ばりの作り方ですが そのままフライにも使えますので 参考にしてみてください。
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道具はゆっくり揃えよう
これまで解説してきた通り フライフィッシングには多くの 道具や小物が必要になってきます。 ですがこれらの装備は一度に全部 集める必要はありません。 初心者のうちは慣れるまで管理釣り場 での釣りがメインになるでしょうし、 そうなればウェーダーなどはあまり 必要では無くなってきます。 まずはタックル一式と毛ばり、そして ラインカッター類などの小物だけ揃えて あとはおいおい自分のレベルアップに 合わせてゆっくり揃えていくのが おすすめです。