SUNRISE(サンライズ) ペディスタルAAバイス
TMC ソフトティップ ハックルプライヤー
スミス フィッシングシザース
キャンメイク カラフルネイルズNTC トップコート
コニシ アロンアルフア 一般用スリム
アネックス(ANEX) No.191
ホーザン(HOZAN)P-12
スミス(SMITH LTD)スプリットリング ピンセット
テンカラ毛鉤とは
テンカラ毛鉤とフライの毛バリの違いはシンプルさ
テンカラとは昔から日本に伝わる伝統的な毛鉤釣りの事。日本の元祖ルアーフィッシングともいえる存在です。 そんなテンカラの毛鉤を語る上でまずは同じ毛鉤を使う釣り、フライフィッシングに使われる毛バリとの違いから解説したいと思います。 テンカラとフライの大きな違いはその成り立ちが違う事。 フライは古くからゲームフィッシングとして親しまれ、その中で毛バリの作り方も多種多様に変化していきました。 一方テンカラはその成り立ちが職業である漁師から来ています。 なので種類も少なく、極限まで効率化したシンプルな作り方の毛鉤に洗練されていったのです。
バリエーション豊かなフライの毛バリ
フライの毛バリは見た目もカラフルで多種多様な巻き方、素材、作り方をされた毛バリが多いです。 ドライフライや、沈めて使うウェットフライなど用途に合わせても様々な種類の毛バリが存在します。
シンプルなテンカラの毛鉤
対してテンカラの毛鉤は見た目もシンプルで巻き方のパターンも少なく、色合いも地味目なものが多いです。 使い方も水面直下を泳がせる使い方がほとんどで用途によって使い分けるなんていう事はあまりしません。
テンカラ毛鉤の種類
テンカラの毛鉤の巻き方の種類はシンプルな故に少なく、大別すると基本的に「普通毛鈎」、「順毛鉤」、「逆さ毛鈎」の3種類になります。 先も述べたようにテンカラはフライと違い状況に応じて毛鉤を使い分けるという事はあまりしません。ですので基本この三種の毛鉤の中から1、2種類の毛鉤を選んで釣ることがほとんどです。 ここではそれぞれの毛鉤について解説をしていきたいと思います。
普通毛鉤
普通毛鈎とは軸(シャンク)から蓑毛を直角に巻き付けている毛鈎のこと。 一番基本となる毛鉤でテンカラの毛鉤の自作を始めるならまず、この毛鉤の巻き方からマスターすることをお勧めします。
順毛鉤
順毛鉤は軸(シャンク)に対して蓑毛が後ろに傾いた形の巻き方をされている毛鉤の事。 この毛鉤はアクションを付け誘い目的で使われることが多い毛鉤になります。
逆さ毛鉤
逆さ毛鉤は軸(シャンク)に対して蓑毛が順毛鉤とは逆に前に傾いた巻き方をされている毛鉤です。 テンカラと言えばこの逆さ毛鉤をイメージされる方も多いと思われる、テンカラ特有の巻き方をした毛鉤です。
テンカラ毛鉤の自作のススメ
テンカラはもちろん普通に釣っても楽しい釣りですが、やはりテンカラを100%楽しむには毛鉤を自作することがおすすめです。 市販の毛鉤よりも苦労して自作した毛鉤で釣った方が断然楽しいのは当たり前。 テンカラの毛鉤は道具さえ揃えていれば、簡単なものなら10分と掛からず自作できてしまいます。 是非ともテンカラで釣るならば毛鉤の自作がおすすめです。
テンカラ毛鉤作成に必要な4つの材料
毛鉤のベース材料:フック
テンカラの毛鉤に使うフックのサイズは10番から12番程度のサイズ。 アイのない針を使う巻き方もありますが、最近の物は市販のアイ付きのバーブレスフックを主に使用します。
テンカラのボディを作る材料:スレッド
テンカラの毛鉤のボティを作るスレッドは100均などで売っている50番程度のミシン糸で十分。 毛鉤の色にもかかわってくるので様々な色の糸をそろえておくのがおすすめです。 糸を巻くときに巻きやすい様にボビンホルダーを一緒に買っておくと便利でしょう。
毛鉤のボディ(胴体)を作る材料:胴巻き
胴巻きとは毛鉤の胴体部分を作るための材料。 主な素材としてはピーコックハールと呼ばれるクジャクの羽のハール部分や毛糸などが用いられます。
毛鉤の種類を決める重要な材料:ハックル
ハックルとは簡単にいうと鳥の毛の事。このハックルの巻き方で普通毛鉤や逆さ毛鉤などの種類が変わってきます。 様々なサイズと種類のハックルがありますが、主なハックルの素材はピーコック(クジャク)の羽など鳥類の羽や動物の毛。ですが近年ではビニールの素材なども出ているようです。
毛鉤を作るのに必要な4つの道具
フックを固定する台座:バイス
SUNRISE(サンライズ) ペディスタルAAバイス
バイスとは簡単に言うと小型の万力の事。 このバイスにフックを固定し毛鉤のタイイングを行っていきます。 慣れた方になるとバイスが無くても毛鉤をタイイングできる人もいるそうですが、あるのと無いのとではやりやすさが違うので初心者の方は購入をお勧めします。
ハックルを巻き付ける便利道具:ハックルプライヤー
ハックルプライヤーとはハックルを毛鉤に巻き付ける時に使う専用のプライヤーの事。 ピンセットや細いラジオペンチでも代用は出来なくはないですが使いやすさが違うので毛鉤を巻く専用のハックルプライヤーをおすすめします。
ハックルプライヤー
TMC ソフトティップ ハックルプライヤー
ピンセット
スミス(SMITH LTD)スプリットリング ピンセット
ラジオペンチ
ホーザン(HOZAN)P-12
余った糸などを切る必需品:はさみ
はさみは糸が切れるものなら何でも良いですが、出来れば細かい部分も切りやすく作業がしやすいので裁縫用の先の細いはさみの方がおすすめです。
フィッシングシザース
スミス フィッシングシザース
裁縫用ハサミ
アネックス(ANEX) No.191
糸を固定したり強度を増すのに必須:瞬間接着剤
瞬間接着剤はタイイングが終わった後の仕上げに糸を固定釣るのに使います。 市販の瞬間接着剤であればなんでも問題ありませんが、これはマニキュアでも代用することが出来ます。
瞬間接着剤
コニシ アロンアルフア 一般用スリム
マニキュア
キャンメイク カラフルネイルズNTC トップコート
普通毛鉤のタイイング法を4ステップで解説
ここからは実際に毛鉤の作り方の一例として一番単純で巻きやすい普通毛鉤の巻き方を紹介したいと思います。 初心者でも簡単に巻くことが出来るのでぜひ挑戦してみてください。
ステップ1:バイスにフックをセットし下糸を巻く
まずはバイスにフックを固定してフックに接着剤を薄く湿布しスレッドをアイの部分から針先の方まで1往復するように巻き付けていきます。 1往復してアイ付近まで巻き付けたらハーフヒッチという結び方でスレッドを仮止めします。 (ハーフヒッチについては結び方の参考動画を用意しました。結び方はこちらを参考にしてください。) この際、針先に引っ掛けてスレッドを切ってしまわない様にバイスからフックの先が出ない様に取り付けるのがコツです。
参考:ハーフヒッチの結び方の動画
ステップ2:胴巻きをする
次に胴巻きを行っていきます。 アイの先に胴巻きの材料となる素材(今回はピーコックハール)をスレッドでまたハーフピッチで仮止めし、なるべく密に、毛が立つようにフックにハールを巻き付けていきます。
下巻きの端までハールが巻き終わったら、折り返してアイの方まで巻いていきます。 この時もなるべく密に、均一になるように気を付けてフックにハールを巻き付けて行って下さい。 巻き終わったらまたハーフヒッチで固定して余分なスレッドや糸を切り取ります。
ステップ3:ハックルの下処理をする
続いてハックルを巻き付けるのですが、その前にハックルに下処理を施します。 まずはハックルの束から羽を1枚とって根本にあるふわふわした部分(ウェッブ)を取り除き、画像の様に使いたい部分の羽を指で逆なでて立ててあげます。
続いて片側の羽を手でむしり取ってしまいます。 こうすることによってフックにハックルを結びやすくすることが出来ます。 (小さいハックルなどこの処理が必要のない場合もあります。) 以上でハックルの下処理は完了です。
ステップ4:ハックルを巻き付ける
まず、ハックルを巻く場所に接着剤を湿布し羽の先端側をハーフヒッチで固定します。 次にハックルプライヤーでハックルを掴みフックを中心に綺麗にハックルの羽が均等に広がるようにハックルを巻き付けていきます。 この際、ハックルを巻くボリュームはお好みで構いません。
ハックルを巻き終わったらまたハックルの端をハーフピッチで止め、接着剤で固定します。 あとは手でハックルを整えてあげれば普通毛鉤の完成です。
進化を続けるテンカラ毛鉤
今回、一番基本である普通毛鉤の巻き方を紹介しましたが、こんなものはテンカラの毛鉤づくりの中ではまだまだ基礎の基礎。 まだテンカラの三大巻き方の逆さ毛鉤と順毛鉤の巻き方もありますし、普通毛鉤でも人によってさまざまな巻き方や素材の工夫がこらされているのがテンカラの毛鉤です。
更に昨今ではフライフィッシングの毛鉤つくりの技法の融合によってこれまでのテンカラの毛鉤には無い新しい毛鉤が生み出されつつあります。 たとえば画像の様なビーズや派手なテールを付けた毛鉤など。 製作者の発想次第でテンカラの毛鉤は今までにない新しい姿を見せているのです。 伝統だけではない、これからさらに新しさと奥深さを見せていくテンカラの毛鉤の世界にぜひ一度足を踏み入れてみてください