【ロストル】とは
そもそもロストルとはどういうものでしょうか?キャンプの達人なら即答できるでしょうが、年に数回しかキャンプをしないという人は、「はて?」と首を傾げるかもしれません。普段当たり前に使っている道具でも、案外正式名称を知らないことが多いですね。 ロストルとは、簡単に言うとファイアグリルや焚き火台で使用する耐久性のある網のことです。焚き火台の底に敷いて燃焼効果をあげる役割のほかに、バーベキューの網として使ったり、また強度もあるので、重いダッジオーブンを載せたりと様々な調理道具の架台としても使えます。 実はキャンプには欠かせない重要なアイテム、それがロストルなのです。そんな縁の下の力持ち、地味だけどしっかり仕事をこなす、まるでお父さんのような存在です。
さて、今回はそんなロストルについて、使い方、選び方、アイテムなどをご紹介します!
これらが、ロストルです。他にもいろいろな種類があります。
ロストルの役割
ロストルは、いくつかの役割・使い方があります。まず、ファイアグリルや焚き火台の底に敷くことで、風通しを良くして、火の燃焼効率をあげるという役割。次に、バーベキューの網としても使用します。また、かなりの重さに耐えられるので、ダッジオーブンやケトル、鍋などを置いて調理をすることもできます。ただし、形状によっては、薄い板状のものに丸い穴が空いたものや、分厚い鉄の板に細い溝が空いているものもあります。こういうものは焼き網としては使えません。注意しましょう!
ロストルの選び方
ロストルと一口に言っても、実に様々なものがあります。火起こしに特化したもの、火起こし・焼き網、鍋をおく台、すべてに使えるもの。 自分の持っている焚き火台やファイアグリル、コンロに合うものを選びましょう。ぴったりなものを選ぶことによって、失敗も少なくなり、効率よく作業も進みます。楽しいキャンプ、納得の道具で思う存分楽しみましょう!
ダッジオーブンが乗っている網が、架台として使われているロストル。蓋に炭まで載せて、かなり重そうなダッジオーブンですが、安定感バツグンです。
スモーク(燻製)に使用しています。 ダッジオーブンやグリルの底にアルミを敷き、そこにチップを入れ、丸型のロストルを載せ、食材を並べます。 写真は豚バラブロック肉です。いい色に燻されてますね。これ以外に、鶏の手羽先、ソーセージ、チーズ、ゆで卵、かまぼこ、はんぺん、イカ・ホタテ・牡蠣・タコなどの魚介もいいですね。 スモークは、いろいろ試せるのでテンションも上がります。
ロストルの材質とは
ロストルの素材は大まかに2種類あります。ステンレスと鉄です。 バーベキューでよくアルミの焼き網を使う場合がありますね。例えばその上で、大きな肉の塊を焼いたり、鍋やヤカンなどを置いたりすることがあります。アルミ素材だと、どうしても柔らかい材質なので、安定性もなく、食材や鍋の重みで網が凹んでしまう可能性もあります。 その点ステンレスと鉄は、強度や耐久性も十分あるので、重みや熱で曲がったり、ということがありません。 ステンレスと鉄、この2つもそれぞれ特徴があります。 鉄を使ったロストルは、重量感があり、見た目の安心感がありますね。しかし、強度においてはステンレスと比べてあまり変わりはありません。 軽さはステンレスです。持ち運びを楽にしたい、そう思うのであればステンレスがオススメです。 お手入れは、サビに強いという点でステンレスの方が楽と言えるでしょう。鉄は濡れたままにしておくとサビがつきやすくなります。 調理の面においても、いくらか違いがあります。鉄は熱伝導に優れているので、食材を美味しく仕上げることが出来ます。 手軽さを求めるのであればステンレス製を、道具や料理にこだわりたいのであれば鉄製を、そういう選択の仕方もあります。
ロストルの形は様々
実に様々な種類があります。正方形、長方形、丸いもの、大きさ、厚みもいろいろです。 いくつかご紹介しましょう!
底板、焼き網、架台としておもに使われるステンレスの正方形のタイプです。 いわゆるスタンダードなファイアグリル・焚き火台に使われます。
おもにダッジオーブンの底敷きに使います。 ある意味これが一番汎用性があるかもしれません。ファイアグリルの底敷きにも、焼き網にも、鍋などの架台以外にも、プラスαダッジオーブンの底敷き網としても使えるわけですから。 焚き火での調理というのは、ガスコンロなどと違って火力の調節が難しいものです。ダッジオーブンなどは割と長時間火にかけるので、どうしても焦げ付いてしまう可能性があります。直接鍋に触れないことによって、焦げ付きを防止する、というわけです。 もちろんスモークにもどうぞ!
各メーカーから、いろんなタイプのロストルが発売されています。 これからオススメのロストルをいくつか見てみましょう!
ユニフレーム
直径5mmの極太ステンレス無垢棒を使用。ファイアグリルの底板としてはもちろん、重量のあるダッジオーブンなどを載せる架台としても使えます。 サイズ 約335×335mm 材質 ステンレス鋼 重量 約1.3kg
直径6mm(外枠)・5mmの極太ステンレス無垢棒を使用。 サイズ 約450×450mm 材質 ステンレス鋼 重量 約2.5kg
キャプテンスタッグ
おもに、ダッジオーブンの底に敷いて使用します。〈30cm用〉もあります。 サイズ 約190(外径)×20mm 材質 鉄(クロムメッキ)
おもに、スキレットの底に敷いて使用します。〈16〜18cm用〉もあります。 サイズ 約160.8(外径)×20mm 材質 鉄(クロムメッキ)
尾上製作所
小ぶりな上、鉄製なのでかなり耐久性がありそうです。いろいろと使い勝ってが良さそうです。 サイズ 約129×255mm 材質 鉄(クロムめっき)
サイズは、S/M/LL、と3種類あります。 サイズ 243×618mm 材質 鉄(クロムめっき)
SHO`S(ショーズ)
ネーミングが笑える、A-4君専用のロストル。ネーミングも個性的ですが、大変丁寧に作られています。 厚さ 1.6mm 重量 約520g 材質 黒皮鉄板
B-6君専用のロストル 厚さ 1.6mm 重量 約160g 材質 黒皮鉄板
tri-F.
こちらは、焚き火ロストルを作製販売しているネットストアのショップさんです。シンプルで使い勝手の良さそうなものを作っています。
ロストルの台と鉄脚は、個別注文するようです。この脚は130mm ですが、もう1種類あるようですね。 このシンプルさがキャンプ心をかき立てます。
特注鋳物ロストル
本来は、焼き鳥屋さんで使われる「炭焼コンロ」の底に並べて使うものなんです。 丈夫で耐久性もあるので、強烈な火力もなんのその!さらに熱伝導率が非常に良いので、食材がとても美味しく焼き上がります。 欠点は、とても重いこと。そして錆びやすいです。お手入れはきちんとしましょう。 材質 鉄 厚み 11mm 重量 1.7kg
ファイアグリルの底板としていいですね。ただ、丸型はあまり見たことがありません。かなり頑丈で耐久性もありそうです。工夫次第で、汎用性もありそうです。
【番外編】変わり種 ロストル
折りたたみ式の脚付きのロストルです。3つに分解できるので、使い道をあれこれ考えて想像力が膨らみます。下で焚き火を燃やして、架台として使うのが普通の考えですが、面白いことを考えました。 安定した石などで高さを上げて、火起こしの底板として、まずこの台の上で薪で火を熾します。そこで上記のキャプテンスタッグのようなコンロで煮込みなどの調理をします。 さらに、下で焚き火台を使ってさらに火を熾します。ここではダッジオーブンを使ってパンを焼きます。 ダッジオーブンの蓋と、上で燃えている炭が、なるべく密着するようにします。つまり1ヶ所の火床スペースで、2つの調理方法ができるのです。 下はオーブン、上は普通の火床になるわけです。 普通はダッジオーブンの蓋の上に炭を置いて、上下で加熱してオーブンの役割を果たすのですが、蓋に炭を置けないタイプのダッジオーブンもあります。こういうやり方だと、オーブン料理も普通の料理も出来て、一石二鳥です。
とっても可愛いロストルですね。星型がオシャレです。こういうものをいくつか並べてバーベキューをすると楽しいです。
ステンレス・鉄のロストルの代わりに特殊耐熱クロスを使用した軽量コンパクトなファイアグリルです。 大掛かりなバーベキューは出来ませんが、重さが1kgにも満たないので、登山の連泊縦走にはいいかもしれません。小ぶりなダッジオーブンにも向いていそうですね。 サイズ 36×36×28cm 材質 ステンレス・特殊耐熱クロス 重量 980g 積載重量 薪3kg/調理器具3kg
折りたたむと、こんなにコンパクトになります。 フレームはステンレスを使っているので、耐久性はありそうです。ただし、ロストル部分は定期的に交換したほうがいいです。
ロストルまとめ
いかがでしたか? ロストルは、キャンプ道具の中では、決して目立つ存在ではありません。しかし、無くては困るもの、そして誰もがバーベキューの道具として認知しているアイテムです。 アイデア次第で様々な用途も楽しめます。 さあ、想像力を使って思いっきりキャンプを楽しみましょう!
焚き火が気になる方はこちらをチェック!
暮らしーのでは他にもアウトドアに関する情報を発信しています。
特におすすめなな焚き火のやり方についての記事を載せるので気になる方はチェックしてみてください。
既に焚き火をやったことがある人も、これから焚き火にチャレンジしたい人にも役立つ方法がまとまっています。是非一度ご覧ください。
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一般的には、みなさんこういう使い方をしますね。 炭は真っ赤になっていてものすごい高温でしょうが、曲がったり、溶けたり、そういうことのない耐久性のあるものを選びましょう!