日本で寒くない地域はどこ?
日本は南北に長く、地域によって気温や積雪量が大きく異なります。気温が高く、積雪が少ない場所のポイントには以下のようなものが挙げられるでしょう。
・日本列島を山脈で分けて太平洋側
・太平洋に面した地域(瀬戸内海や房総半島)
・亜熱帯気候の地域(南西諸島)
日本の降雪量と年間平均気温
札幌:630cm(9.2℃)
仙台:90cm(13.5℃)
東京:13cm(16.4℃)
名古屋:13cm(16.9℃)
大阪:3cm(17.5℃)
高松:4cm(17.3℃)
福岡:5cm(18.0℃)
参考:JICE、気象庁
日本の主要都市の年間降雪量と平均気温を見ると、北から南へと降りるに従って降雪量は少なく、年間平均気温は上昇しています。つまり、山あいを避けて太平洋側へ南下すると温かく過ごせる場所を選べるといえるでしょう。
日本の気候について
日本列島の多くは「温暖湿潤気候」に属しています。四季があり、夏は高温多雨、冬は寒く乾燥するのが特徴です。夏は南東から季節風が吹くため、太平洋側では雨が多く降ります。冬は北西から季節風が吹くため、日本海側では雪が多く降りやすい傾向です。
降雪と地形の関係
日本海側では雪が多く、太平洋側で少ないのは、日本の地形と日本海に流れている対馬海流が関係しています。日本で雪を降らせるのは「西高東低」と呼ばれる場合です。日本列島の西側に高気圧、東側に低気圧があるとき、シベリアから日本へ向かって、北西から乾燥して冷たい季節風が吹き込みます。
対馬海流をこえるときに雪雲ができる
この風が日本海をわたるとき、暖流の対馬海流とぶつかります。水温よりも気温の方が低いため、日本海から熱と水分を吸収し、湿った雪雲を形成して日本海側の地域に雪を降らせます。さらに、湿った季節風は日本海側と太平洋側に分ける高い山脈にぶつかり、空気に含まれていた水分が雪となって、日本海側に降っていきます。
山脈をこえると乾いた風になる
風が山脈をこえて太平洋側までやってくるころには、水分が少ない乾いた状態へと変化しています。このため、太平洋側では雲がなく晴れた天気が多い傾向です。太平洋に面した東京や静岡は、日本海側との間に標高が高い山脈がありますし、日本海からの距離が長いため、雪雲のほとんどは届きません。
場所によっては太平洋側でも雪が降る
日本海側・太平洋側と分けても、場所によっては山脈や山地が低い盆地があります。たとえば、関ヶ原(岐阜県)や篠山(兵庫県)、三次(広島県)などの盆地です。これらの地域では、雪雲が低い山を乗りこえて、太平洋側や瀬戸内海まで雪を降らせることがあります。
関西で温かくキャンプできる場所を考察
ライター自身は、大阪の中心地から車で30分程度の場所に住んでいます。太平洋側となり、海まで車で1時間もあれば到着しますが、逆に1時間も北上すると積雪地域です。具体的な地名を出すと、先ほど紹介した篠山や大阪府の能勢町などが挙げられます。
基本的に近隣のキャンプ場は篠山や能勢町方面にあるため、南下して海沿いを東西に進んだ場所は「温かい気候で過ごせる」と想定できました。
実際に訪れた地域と気象状況
2022年10月から2023年1月に出かけた日数と天気は以下の通りです。
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ほとんどの場合で、太平洋から近い場所を選択。そのため、気温は安定していましたが、海風が強く、雨が降る状況にも見舞われました。たとえば、チェアリングを楽しむために訪れた場所では、設置したイスが倒れてしまったり、火器を使用できなかったりしたこともあります。
この条件をそろえた場所を選ぼう
このことから考察すると、以下のポイントを検討して訪れる場所を選ぶと快適に過ごせるでしょう。
・太平洋側で標高が低い海の近く(気温が高い)
・木や建物などでサイトが囲まれている(風の影響を抑えられる)
・車を乗り入れられるサイト(荒天のときに避難しやすい)
冬でも温かく過ごせる場所でキャンプしよう!
寒さが苦手な人に向けて、ライターが日本の地形から10月末〜1月にキャンプ場を選ぶときに考えたポイントや実際の経験を元に最適な訪問先の条件まで解説しました。
基本的には太平洋側の海の近くを選ぶと、強い寒さを感じることはありません。一般的な防寒装備を整えていれば、快適に過ごせるでしょう。
しかし、海沿いは天気が崩れやすく、強風にさらされることも十分にあり得ます。サイトの周辺状況や車の乗り入れの可否を確認してから出かけるようにすると安心です。
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出典:ライター撮影