カランカラン~鈴の音で熊よけの効果はあるの?
Webライターの稼ぎで少しお財布に余裕ができたので、熊鈴なる物を購入してみた。
何でも格好から入る筆者は熊鈴にも憧れを持っていた。「ふふ、これで一人前の登山者だ」
しかしこれで本当に熊に遭わないとはとても思えない。
古くから使われていて、ほぼ原形のまま現在に至っているのだから効果はあるのだろうが、手にした印象は神社で手にするお守りと同じ印象だ。
ちりんちりんとは言わないが、決して巨大な熊を遠ざけるほどたいそうな音はしない。
それでも環境省からは熊鈴携帯を推奨されているので効果があるのだろう。
どのみち山に入ったら信じるのは自分だけだ。危険を回避するための道具は一つでも多いほうがよい。
近年熊の目撃軒数が増加。熊鈴は必須アイテム
北海道と言えども、筆者の幼いころは熊出没など滅多にというかほとんど聞いたことがなかった。
それが最近では街中にも出没している。昨年は冬眠しているはずの12月にも目撃情報があったので、季節を問わず注意が必要だ。
街に出るということは当然登山道にも出る。むしろ出ないとおかしい。
最近ではどこの山に行っても登山口に熊出没注意の看板がある。
毎度「どう注意しろと」と思う。
街で野良犬に追いかけられても怖いのに、あの大きさの生き物が時速70㎞でシャレにならない。やはり遭遇しないのが一番だ。
やはり熊鈴は安全登山に必須だろう。
熊鈴の取り付け方と取り付け場所
熊鈴はほとんどがカラビナなので片手で簡単に取り付けられる。
ザックはループがたくさんついているので取り付け場所には困らないだろう。
また、ザックを登山以外にも使う人は簡単に取り外しできるので好都合だ。
カラビナのほとんどが大きめのサイズなのでループの太さを選ばず、取り付け場所にも困らないはずだ。
取り付け場所はザックの外側なら基本的にどこでもよい。
サイドコンプレッションのベルトがジャマにならないので、個人的にはおすすめだ。
ただ、雨蓋付近はあまりおすすめしない。
長い時間耳元で熊鈴が聞こえるのはストレスになってしまうからだ。
音の高低からうける印象
熊鈴には2通りの音色がある。
いわゆる熊鈴をイメージさせるカランカランという低い音。
もうひとつが通常の鈴に近い高い音だ。
低い音は高い音に比べ音量自体は低い印象だが、低周波なので遠くまで届く。つまり熊に届きやすい。
一方、高い音は体感的に高音量だ。低く響く音よりも安心感がある。
女性的な可愛らしいイメージを抱かせる。
熊に届くかどうかは別として、登山道を歩いていると高い音の方がよく聞こえる。
長い時間一人で歩いていると気持ちが鬱々としてくるが、遠くから熊鈴の音が聞こえるとホッとする。
もよおしたときは熊鈴の音でタイミングを計れる意味でも熊鈴は有効だ(お互いに)
でも正直音がうるさい
はじめて熊鈴を持って登山に行った時の感想は、正直「うるさい」
まるでアウトドアショップで物色している時にあ~でもないこ~でもないと横で口出しするかみさ……すまんつい。
特に意気揚々と登山口に立った時に耳元でカランカラン鳴ると耳障りに感じることがある。
くわえて意外に音が大きいので、家族が寝ている時間に出かける時は細心の注意を払う。
それでも後半疲れが出てきた頃には励まされている気がしなくもない。
またモデルによっては音の気になりにくいモデルやそもそも音を止められるモデルなどがある。
ここからは熊鈴の「こんなのがあったらいいな」を叶えたモデルを紹介する。
使わない時は音を出さなくするモデル
森の鈴
振り子をひねると固定され音が鳴らなくなる。
山では心強い熊鈴だが、不必要な場面では極力鳴らしたくない。
シーンに合わせて道具を使いこなすのが大人のアウトドアだ。
男性的な音色と女性的な音色
冒険倶楽部山菜採り・山歩き用熊ベル大AY-12
大きめのサイズで比較的低い音色の熊鈴。古き良き山男を彷彿させる。
遠くまで音が響くので安心感が高い。
真鍮の鈍い光もまた男性的で格好いい。
スター熊よけ鈴 小熊に金棒DX
熊に出くわす前に子熊を見方につけてしまおう。
可愛らしい小熊がモチーフの熊鈴。
音色は高めで耳に心地よい。
耳にも心地よい熊鈴を携帯して熊対策をしよう
熊鈴は言ってみたらただの鈴だ。
消音できるとは言っても朝早く出発するときに不意に鳴ると申し訳ない気持ちになる。
それでも山に入ると心強い音色に変わる。
疲れた時には励ましていてくれている気がするし、遠くから聞こえてくると何だかホッとする。
緊急時には自分の位置を知らせることもできるだろう。
決して高価なアイテムではない。これで熊にとっても人間にとっても余計なトラブルを防げるなら一つ持っていてもよいのではないか。
なにより「山や」になった気分になれる。
素朴で原始的、たしかな効果のある熊鈴。
春の登山、山菜取りには必携である。
撮影:ライター