スキーのビンディングとは?
ブーツをスキー板に固定するための金具
ブーツをスキー板に固定する金具のことをビンディングといい、その形状にはさまざまなタイプがあるのが特徴です。今回は、一般的な規格であるアルペンソール規格のビンディングの調整方法についてご紹介していきます。
アルペンソール規格について
- ブーツのつま先が出っ張っているのが特徴
- つま先を引っ掛けて踵を踏み込み、ビンディングとブーツを固定する
ビンディングとブーツには規格が2種類
スキーブーツとビンディングには、子供向けのチャイルド規格と大人向けのアダルト規格があります。ブーツの底にある表記がCであればチャイルド規格、Aであればアダルト規格でつま先の出っ張っている部分の大きさが違うのが特徴です。
チャイルド規格の板にはチャイルド規格、アダルト規格の板にはアダルト規格のブーツをおすすめします。必ずしも同じ規格である決まりはありませんが、違う規格だと外れやすくなるので注意しましょう。
ビンディングの調整は自分でできる?
スキー板とブーツを買ったら、ビンディングの調整をしましょう。初心者のうちは購入時に専門のスタッフに頼むのが基本で確実ですが、やり方を正しく理解できていれば自分で調整することも可能です。
特にお子さんは身長や体重の成長に合わせてブーツのサイズも変わってくるため、大人の方が調整してあげられると便利です。今回はビンディングの調整方法をご紹介していきますので、ぜひ参考にして調整してみてください。
調整する前に解放値・前圧・ソール長を確認
解放値とは?
ビンディングを調整するために、自分に合っている解放値を把握しましょう。解放値とはビンディングにブーツ押さえつける強度、または外れるときの強度のことを言います。解放値が低いと押さえが弱いため外れやすく、高いと押さえが強いので外れにくいです。
滑走中予期せぬタイミングで板が誤って外れたり、転倒してしまったときにきちんと外れてくれないと思わぬケガに繋がります。身長や体重、ソールのサイズなどから解放値の確認が可能です。
体重(kg) | 身長(cm) | ブーツのソール長(mm) | |||||
251~270 | 271~290 | 291~310 | 311~330 | 331~350 | ≧351 | ||
42~48 | ≦148 | 3.50 | 3.00 | 3.00 | 2.75 | 2.50 | ー |
49~57 | 149~157 | 4.50 | 4.00 | 3.50 | 3.50 | 3.00 | ー |
58~66 | 158~166 | 5.50 | 5.00 | 4.50 | 4.00 | 3.50 | ー |
67~78 | 167~178 | 6.50 | 6.00 | 5.50 | 5.00 | 4.50 | 4.00 |
79~94 | 179~194 | 7.50 | 7.00 | 6.50 | 6.00 | 5.50 | 5.00 |
ソール長に合わせて調整する
スキーのブーツには、普通の靴と同じサイズと別にソール長という数値があります。ソール長はブーツの外側部分などに記載されていて、同じサイズのブーツでもシェルの厚みによってソール長が異なるのが特徴です。ビンディングの幅の調整は、このソール長に合わせましょう。
前圧とは?
ブーツをビンディングが前後に挟み込んで固定しようとする力を、前圧と言います。ソール長に合ったビンディング幅ならブーツが固定された状態にはなりますが、前圧が適切でないと適切な解放値でもビンディング調整が不十分で外れやすいです。
前圧には解放値のような目安の数値があるわけではなく、ビンディング本体の目盛りを見ながら調整していきます。目盛りに付いている適正範囲を参考にして、前圧の調整をしましょう。
調整の仕方をご紹介
ソール長を合わせる
ソール長に合わせてスライドさせ、ブーツにフィットするビンディング幅にしましょう。ビンディングのほとんどは前と後ろにスライドできるタイプで、前側と後ろ側にロックが付いています。
ビンディングによってロックの形状が違いことがありますが、これを解除すれば幅の調整が可能です。本体の目盛りを確認しながら、ソール長に合った位置になるようにスライドします。このとき、前も後ろも同じ数値に合わせてください。
前圧を調整
前圧の調整は、ブーツを板にセットしてから行いましょう。踵にある前圧の強さを表す表示機が適正な範囲になるようにネジを締める、または緩めることで前圧を調整します。また、前圧を調整するときは手でブーツをセットすることが多いでしょう。
このとき、調整用のネジを動かしてもうまく適正な範囲に収まらないことがあります。ブーツを履いて体重をかけながらセットしてみると適正範囲に収まる場合があるので、ぜひお試しください。
解放値に合わせて調整
つま先と踵にそれぞれ窓が付いた目盛りがあり、これが解放値を表しています。この目盛り近くにネジがあり、このネジを回すことで解放値を調整することが可能です。誤ってスキー板が外れないよう、前と後ろが同じになるようにしてください。
また、正しくビンディング調整できていても、滑ったときに違和感がある場合があるでしょう。そういうときは、各部の調整が終わったら実際に滑りながら細かく微調整するようにしてください。
ブーツを買い替えたときの調整方法
新しいブーツのロックを外す
スキーブーツを買い替えたときは、まず新しいブーツの踵側に付いている金具のロックを外しましょう。指だけでなかなか外せないときは、マイナスドライバーのような平らな工具などを使って持ち上げると外れやすくなります。
ビンディングにブーツの踵部分を取り付ける
ブーツのロックが外れたら、踵にビンディングが触れるくらいまで近づけます。完全でなくても、軽く近づける程度で大丈夫です。ちょうどいい位置で金具を押さえていた指を離すと、勝手にロックされます。
きちんとロックされると、指を離したときにパチッという音が鳴るのが特徴です。音が鳴るのを確認して、ロックされていることをきちんとチェックしてください。ロックできていないと滑走中に外れることがあって、とても危険です。
ブーツを取り付け挟み込み具合をチェック
金具が固定できたら、ブーツをしっかり取り付けて挟み込み具合を確認します。レール部分にコの字型の枠が付いているため、レールの目盛りがこの枠の中に入っているかをチェックしましょう。
目盛りが長すぎたり、目盛りが見えない状態の場合はやり直す必要があります。解放値が正しく調整できていても、ここが雑になっていると思わぬ大事故に繋がることがあるので、注意を怠らずに作業してください。
安全にスキーを楽しもう!
今回はスキーのビンディングについて、セルフメンテナンスの方法をご紹介してきました。安全安心に滑ることを考えたら、ビンディングの調整は専門のスタッフにお願いして客観的にやってもらうのが基本です。
ですが、自分でメンテナンスできれば急に調整が必要になったときなどに便利なので、調整方法を知っていて損はありません。ビンディングの調整方法を覚えて、ぜひメンテナンスが必要になったときに役立ててください。
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