窓から見える山に登ってみませんか?
いつかは登山に挑戦してみたいけどケガや遭難、熊に襲われるのが怖くて躊躇してないだろうか。
そのような人はぜひご近所ハイクを試してみて欲しい。
ちょっと窓をから外を見てみて、小高い山が見えないだろうか(富士山の人はとりあえず違う窓を)そしてグーグルマップを開いて拡大していくと大概△△山と名前が付いているはず。
名前が付いている市街地にある山の多くは、市民の憩いの場になっていたり生活道路が通っていたりするので登れる場合がある。
△△山に登る際の注意点
山に登るというと登山口の駐車場に車を停めて登るのをイメージする人も多いだろう。
しかし、今回紹介するような山は山頂ギリギリまで民家がある場合も珍しくない。よって駐車場がない場合がほとんどなのだ。
間違えても路上駐車や違法な場所、近隣住民の迷惑になる場所に車を停めてはいけない。せっかくの憩いの場が利用できなくなる。
こういった場所は近隣住民の理解の元になりたっていることを理解しよう。
【測量山】に登って来た!
そろそろ本格的な冬がやって来そうな雰囲気の11月半ばの北海道。前回登った低山では休憩の時に身をよじった。
登山歴は5年だが冬山の経験がない僕は本格的な冬が来るまえにもう少し登れないかと悩んでいた。
いろいろ思いを巡らせた結果が「窓から見える山に登ってみよう」作戦だ。
測量山は実際に窓から見える山ではないが、地元で愛される市民の山だ。
測量山概要
道南の町室蘭市にある測量山。標高は200m。登山道半ばまで住宅地のある生活と一体になったまさに市民の山だ。
登山道といっても頂上まで車で登れる。
頂上には4本の電波塔がある。この電波塔、夜になるとライトアップされるのだが、資金は有志によるものらしい。連続点灯は11月20日現在でゆうに1万日を超えている。
1口4000円で室蘭市民でなくてもよい。記念日に点灯を申し込む人も多いそうだ。ライブビューもあるので遠く離れたあなたも試してみてはどうだろうか。
JR室蘭駅から登山スタート
測量山には登山口がない。麓には市役所や公共施設があるが、そこに車を停めて行くのは気が引ける。
よってJR東室蘭駅から電車に乗り室蘭駅からスタートすることにした。
駅の隣にはcoopがあるのでそこでおにぎりを調達(coopのお弁当はコンビニよりもおいしいと思っているので個人的におすすめしておく)
若いときに車で何度か登ったことがあるが、大概は夜で、道も覚えていない。
看板をたよりに登る。
急こう配をぬうように建つ住宅
10分も歩いただろうか。坂が急になってきた。いつもの登山なら急登というレベルだ。
しかし狭く急な坂の両側には住宅が建ち並んでいる。
北海道の坂道には道路の雪を解かすためのロードヒーティングという設備があるがそれも無さそうだ。
ポールを持った手を止め振り返ると腰の曲がったお年寄りが買い物袋をぶら下げて歩いていた。僕もおばあちゃんもがんばれ。
久しぶりに見た!うみ!
室蘭市出身の文芸家の記念碑を見ながら歩いていると海が見えてきた。
生い茂る木の向こうだが日差しにきらめくベタなぎの太平洋は問答無用でキレイだ。
普段から海を見ていないわけでもないが、軽く弾んだ息と暖まった身体と頬を冷やす秋の風のなか見る海は、いつもの倍、美しく見える。
頂上直下の公園でお昼
北海道で一番古い水族館に続く道と頂上にわかれる分岐にきた。ここまでほとんど風がなかったのにここだけ風が強く、うっすら汗ばんだ背中が冷たい。
山頂を案内する看板の左奥をみるとベンチがみえた。ここで買って来たおにぎりを食べることにしよう。
よく手入れされた公園で、凍結防止に止められてはいたが水道とトイレもある。いけないことだがつい「野宿できるな」と考えてしまう
少し寒いが「ちょっといい」フリースを着てきたので耐えられる。ダウンジャケットを着た親子がゴミ拾いをしていた。市民に愛される山を実感する。
北と南で違う景色の頂上
おにぎりで軽く昼食を摂り山頂へ。公園から階段が伸びていたが階段が嫌いなので少し戻って元の登山道を歩く。
頂上には4~5台ほど停められる駐車場があり、すでに2台ほど停まっていた。
さらに上へと行く階段があり登ってみると市内を一望できる展望台になっていた。
そこからは山と海のすき間を縫うように建つ住宅と道路、湾内一杯の工場群が見える。
製鉄所が建ち並ぶ工場群はかつて反映していた室蘭を支えてきた威厳を感じさせる。
しかし反対側に目を向けると絵とも(絵鞆)半島越しに太平洋(噴火湾)が見え、自然と隣り合わせの町なのだとよくわかるよくわかる。
大砲のようなレンズを着けたカメラを二台三脚に取り付けた青年がいたので「何を撮っているのですか?」と話しかけると鳥を撮っているそうだ。室蘭は野鳥の宝庫で渡り鳥も飛来するらしい。大きな工場群との対比が面白い。
△△山を”散策”するのもまた楽しい
○○岳じゃなく、地元の△△山でも十分楽しいことがわかった秋晴れの一日。
山には登ったが道は終始アスファルトで危険は少ない。強いて言うなら景色に見とれて車への注意が散漫になることだ。
山頂までの道には生活道路が何本も通っているのでエスケープルートには事欠かない。引き返したくなったら戻ってバスに乗ることもできる。
総じて△△山登山(裏山ハイク)は登山をはじめて見たいけれど何かと不安が尽きない人には最適な方法だ。
冬が深まる前にポケットに水筒とおにぎり一個つめ込んでちょっと出かけてみてはいかがだろうか。