【比較対象】1万オーバーのコロンビアと名もなきユニクロフリース
今回比較するのはコロンビア シュガードームジャケットと数年前に購入したユニクロフリース。
普段使いならユニクロでも十分暖かい。私は雪山は未経験だが街着なら北海道の冬にも対応する。
一方コロンビアのフリース。価格は1万5,000円。楽天市場をチラチラ見ていてこの商品を見つけた時はその価格に思わず声が出た。そして同時に思った。
「どれほど暖かいのだろう」
【登山開始】2時間の急登を登る
買い物に行く妻の車に便乗し登山口へ。すでにユニクロのフリースを着ている。
ネックウォーマーこそしているが寒さは感じない。かと言って暑いわけでもない。
検証の目的を忘れて登山を楽しんでしまいそうになる(現にこの記事に使える画像はあまり撮れなかった)
七号目の急登を一気に登る。久しぶりの登山と普段の不摂生で息が切れる。
樹林帯なので風はそよ風。生地を抜ける風が時々肌に刺さるが適度に体温を下げてくれる。
2時間樹林帯の急登を登ると七号目だ。
【初秋まで】安定のユニクロ 寒さは感じない
ベンチがあったのでユニクロフリース脱ぐ。ネックウォーマーはすでに外している。「ふう」と思わず声が出る。同時に体が軽くなる
インナーの胸元は少し色が変わっていた。
肝心のフリースは内側が湿っている。あと1時間着ていたら汗でたいへんなことになっていただろう。
登山で汗が冷える汗冷えはなんとしても避けなければいけない。低体温症は汗冷えが原因の場合が多いからだ。
ただ暖かさだけに目を向けると十分使用に耐える。メッシュインナーなどインナーを工夫する必要はあるが初秋の低山なら使えると感じた。
行動中はフリースを脱いで、休憩時に着る使い方がよいだろう。
【強風の稜線】着た瞬間に暖かいコロンビア
汗冷えしないうちにコロンビアのフリースに着替えた。着た瞬間「軽い!暖かい!」
思わず笑みがこぼれる。大袈裟ではなく着ていないようだ。
稜線を歩きだすと案の定風が強かったが、ユニクロのように風を通すこともない(肌面にポリエステルがラミネートされている)
何より予想外のうれしさだったのが、腕振りの軽快さだ。僕は登山をする際ストックを使うのだがストックを持つ腕が軽い。「軽さは正義」とは古くからある格言だが、ここでその言葉を実感した。
【基本機能の高さ】細かいところのストレスがない
頂上に到着し、ザックを降ろす。背中の冷たさを覚悟したが、身を捩ることもない。
ザックの性能もあるが、汗ばんだ背中を適度に保温してくれているのだろう。
また、体温を下げるため胸元までファスナーを下ろすと、これもまた軽い。引っかかることなくスムーズに降りてくれる。煙草を吸うためにしまおうとした手袋の行先も然りだ。端々にストレスがかからず、晩秋の山にたっぷり集中できる。
【検証結果】やはり価格の差はある圧倒的パフォーマンスのコロンビア
登山は疲れる。それは標高の高低、難易度に関係なくだ。山を歩き、疲れてくると判断力が低下し、転倒や道迷いなど思わぬ危険にさらされることがある。
そのような状況を避けるため登山中は疲労を最小限に抑える工夫が必要だ。
その意味で使用する道具から受けるストレスは極力抑えたい。ストレスを最小限にすれば精神的な疲れを少なくできる。
その点コロンビアのフリースはさすが、価格だけの価値があると思う。
ユニクロのフリースも十分暖かいし軽い。初夏や初秋の肌寒いときに着るにはよいだろう。価格も手頃で初心者むけだ。
対してコロンビアのフリースは初心者にこそ使って欲しいフリースと言える。
たしかにパートナーの理解を得にくい価格だ。けれどもったときと羽織った瞬間に感じる軽さ。身体の動きや各パーツのスムーズさは体力に自信のない初心者こそ恩恵を受けられるだろう。
安全への、命への投資として一着持っていて損のない買い物だというのが今回の結論だ。
撮影:ライター撮影