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歴史に残る合戦の場・天王山のハイキングコースをご紹介。周辺の観光スポットも!

京都市の南西地域で大阪府に接する場所にある天王山(標高270m)は、歴史的な場所としても有名なほか、縦走ハイキングコースや山麓を歩く山歩きにもおすすめの山です。天王山や周辺のハイキングコースの他に、近くの人気な観光地などをご紹介します。
2022年2月16日
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天王山は家族連れにもおすすめの山

出典:photo-ac.com

天王山を目指すハイキングコースは、淀川方向から登る所要約60分の2コースの他に、所要80分の「阪急西山天王山駅」方面からのルートとなります。前者は部分的に急坂もありますが、基本的には子供連れも気軽に登れる山です。

同じルートに戻らず長岡京に下山するハイキングコースと、天王山麓を歩くハイキングコースなどもあります。観光に出かける機会があればぜひハイキングを楽しんでみませんか。(この記事は2022年2月15日時点の情報です)

天王山は京都と大阪の″門″

出典:photo-ac.com

詳しく述べると天王山は、桂川・宇治川・木津川の三川が合流した淀川を挟んで男山と向き合い、京都盆地と大阪平野の出入り口の門のような地形をしています。古来、軍事面と経済面での非常に重要な地域で、明智との「天下分け目の決戦」で勝利した秀吉以前の南北朝時代前後からも山城が築かれていました。

天王山の周辺には宝積寺や酒解神社などの主要な観光地が集中しており、ハイキングや散策におすすめの地域です。

天王山ハイキングコースのご案内

天王山

  • 住所
    京都府乙訓郡大山崎町大山崎
  • 公式サイトURL
    https://www.kyoto-kankou.or.jp/info_search/?id=352&r=1644990498.5213
  • アクセス
    JR京都線「山崎」駅下車阪急京都線「大山崎」下車

天王山のある山崎は水が豊かな場所

出典:.photo-ac.com

天王山がそびえる山崎地域は桂川・宇治川・木津川の三川が合流して淀川となる、非常に水に恵まれた場所です。サントリー山崎蒸留所の存在が示しているように古くから良質な地下水が湧出しており、その美味しさは千利休によって世に広く知られるようになりました。

淀川は長い歴史の中で氾濫に見舞われた時代もありましたが、治水対策がしっかり行われている現在は遊歩道が整備され、住民の憩いの場所になっています。

天王山へのアクセス

天王山へアクセスする交通機関は阪急電鉄とJRがあります。天王山の最寄り駅はJR山崎駅や阪急大山崎駅となり、京都からは約15分です。大阪府からは新大阪駅からが近く、約20分の乗車時間となります。運行時刻もコンスタントなため、午後からのハイキングでも帰りの心配はありません。

天王山と山麓のハイキングコース

JR山崎方面から「天王山ハイキングコース」

出典:photo-ac.com

山頂まで約60分・約4.8㎞の天王山ハイキングコースは、ハイキング前に阪急大山崎駅近くの「大山崎町歴史資料館」で山崎の歴史をチェックしておくことをおすすめします。歴史の知識を深めておくことで意義深いハイキングとなることでしょう。

登山口まではJR山崎駅から徒歩約15分となり、ルートは宝積寺を経由します。「青木葉谷展望広場」「旗立松・展望台」などの観光名所を通って40分ほどで山頂に到着するでしょう。

登山口は2つある


天王山ハイキングコースは登山口が2つあり、登山道の途中で合流します。メインルートは、アサヒビール大山崎山荘美術館付近にある「秀吉の道」で、秀吉の天下取りの歴史を解説案内する陶板絵図が設置されてあるのが特徴です。

案内の陶板絵図は6か所あり、高さ1.8m・幅5mの絵は見ごたえがあります。もう一つの登山口は史跡大山崎瓦窯跡近くにありますが、合流点まではやや急な坂道が続くルートです。

ゆるやかな「長岡京下山」コースも

長岡京に下山するハイキングコースは、約11㎞・約2時間40分のロングルートな縦走となります。天王山の頂上からは、西山の大仏で有名な乗願寺・眼の観音様である柳谷観音へ向かうルートです。下山は長岡京穂面になり、阪急長岡天神駅でゴールとなります。

天王山の頂上以降の歩行時間は約1時間40分ですが、登山道は整備されており、小学生でも歩ける人気のハイキングコースです。

山頂からの眺望と史跡

天王山の頂上からは大阪平野と京都盆地、そして天下分け目の決戦場となった山崎の古戦場址が見えます。かつて大阪から京都に入る関門とされた天王山に立ち、今一度戦国時代の歴史に思いを馳せてみましょう。

秀吉が大阪城に移る前に構えた、天下統一の出発点である山崎城の天守台跡・門跡・井戸跡・土塁跡などの史跡も残されています。

阪急西山天王山駅から「天王山ハイキングコース」

天王山は、北側の阪急西山天王山駅からも約80分でハイキングができます。こちらの登山道は、宝積寺の登山口からよりも楽といわれているルートです。

約22分で「小倉神社」、30分で京都市街地が遠望できる「奥の山展望広場」、25分で天王山頂上に到着となります。帰りはJR山崎駅方面に縦走するのもおすすめです。

天王山″周辺″のハイキングコース

天王山には登らない「山麓周遊コース」

天王山の頂上に立った後は、体力と時間に余裕があれば天王山の麓も2時間ほどハイキングしてみてはいかがでしょうか。阪急大山崎駅またはJR山崎駅のスタート後は、大山崎町歴史資料館をチェックし、「妙喜庵」「桂宮八幡宮」「関大明神」「大念寺」「宝積寺」などの秀吉が本陣にした寺社を訪ねます。

安藤忠雄氏が1995年に設計した大山崎山荘美術館や、試飲を楽しめるサントリー山崎蒸留所(要予約)も観光しましょう。

天王山の山裾「水無瀬方面」ハイキング

天王山の南側で淀川近くの水無瀬方面の約8.5㎞のハイキングは、飛鳥時代や平安時代の文化に触れられるので歴史好きな人におすすめ。JR島本駅または阪急水無瀬駅をスタートし、ハイキング前に島本町立歴史文化資料館で島本町の歴史をチェックしておきましょう。

見どころは、飛鳥時代の創建という若山神社、平安時代の女流歌人である待宵小待徒のお墓です。水無瀬渓谷と滝で自然を観賞し、最後にサントリー山崎蒸留所の見学となります。

手軽な「西国街道ハイキング」

このハイキングコースは大阪を通らずに下関や九州方面への″西国街道″の一部である、水無瀬や島本町方面の歴史を味わう全行程3.2㎞・所要約1時間のルートです。見どころは、石清水八幡宮の元社である「離宮八幡宮」や、後鳥羽・土御門・順徳天皇を祭り離宮の水が飲める「水無瀬神宮」などとなります。

全体的に道のりは平坦なため、ハイキングというよりも散策コースといえ、歴史の名所巡りをのんびり堪能してください。

水の豊かさを実感「水無瀬の滝」ハイキング

約4.4㎞・約1時間半のハイキングルートでは、サントリー山崎蒸留所がある地域らしく水の豊かさを感じられることでしょう。天王山の山間にある高さ20mの「水無瀬の滝」は古来歌枕の地として知られており、風流人の心をとらえてきました。

地質的にも価値があり、断層によってできた滝は水涸れをしたことがないといわれています。ハイキングルート上には離宮八幡宮・椎尾神社・春日神社なども鎮座し、神秘的な気分に浸れそうです。


必見の天王山ハイキングコースの観光地

①宝積寺(ほうしゃくじ)

宝積寺は天王山のハイキングコース「秀吉の道」の登山口に位置し、秀吉の本陣が置かれたことでも有名です。開基は聖武天皇によってで、竜神から御請来された「打出」と「小槌」を祭られてある真言宗のお寺となります。

俗名を「宝寺」とも呼ぶように、御本尊の十一面観音菩薩を始め閻魔大王座像、三重塔などの多くの寺宝を有しています。多くの人でにぎわう2月3日の節分会も有名ですが、奇祭として知られる4月18日の鬼くすべは必見です。

宝積寺

  • 住所
    京都府乙訓郡大山崎町字大山崎小字銭原1番地
  • 公式サイトURL
    https://takaradera.net/
  • アクセス
    阪急交通大山崎駅で下車し徒歩15分JR山崎駅で下車し徒歩15分

②旗立松(はたたてまつ)・展望台

旗立待・展望台は天王山ハイキングコースの八合目付近にあり、大阪平野と京都盆地が見渡せる場所です。秀吉が自軍の士気を高めるため、老松の樹上高くに「千成ひょうたん」の旗印を掲げたといわれています。これが功を奏して明智軍に勝利できたとか。かつての松は明治中頃に朽ち、現在の松は五代目とのことです。

秀吉軍と明智軍による古戦場や、桂川・宇治川・木津川の三川が合流して淀川になる地帯も確認できる名所です。

③禁門の変十七士の墓

禁門の変とは、江戸末期の1864年に京都の蛤御門付近で長州藩が会津藩や薩摩藩と戦って敗れた事件です。その際に天王山中で自刃した長州藩隊長の真木和泉守と配下の17名が眠るお墓となりました。旗立松から5分ほどの天王山ハイキングルート上にあります。

新政府はこの4年後に誕生しましたが、時期が熟していなかったため、彼らは後世に夢を託して散っていったのです。毎年10月21日に17名の冥福を祈る招魂祭が執り行われています。

④酒解神社(さけとけじんじゃ)

酒解神社は、天王山山頂まで15分のハイキングルートにある大山崎地域の産土神(うぶすながみ)です。江戸時代以前は牛頭天皇(ごずてんのう)を祭神としており、天王山の名前の由来はここにあるとされています。

国の登録文化財に指定されている江戸時代後期の建築である本殿や、本殿横にある鎌倉時代前期の珍しい板倉形式の神輿庫は重要文化財に指定されています。

天王山周辺の観光地も見逃せない

Photo byDariuszSankowski

天王山の周辺にはおすすめの観光地が多くあるため、ハイキングの合間にぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。観光地は、おすすめのハイキングコースでも取り上げたスポットも含め、口コミで人気のあるスポットをご紹介します。

①アサヒビール大山崎山荘美術館

当美術館は3つの館で構成されており、庭も含めてじっくり時間をかけて観光したいスポットです。陶芸作品や工芸作品が展示されている大正末期建築の「本館」、モネの『睡蓮』などの名作が展示されている安藤忠雄氏による地中館「地中の宝石箱」・山手館「夢の箱」で構成されています。


アサヒビール大山崎山荘美術館

  • アクセス
    JR 山崎駅、阪急大山崎駅から徒歩
  • 公式サイトURL
    https://www.asahibeer-oyamazaki.com/

②サントリー山崎蒸留所

サントリー山崎蒸留所は工場見学の他に有料でウィスキーの試飲ができる、天王山ハイキングコースでは外せない観光スポット。自分で展示エリアを見学する方法の他に、スタッフの案内で製造工程見学と有料試飲ができる山崎ウイスキー館の見学の2通りの楽しみ方があります。

山崎やサントリーの歴史も学べ、ウィスキー好きな人におすすめです。ただし製造工程見学は予約が必要なため、ホームページで確認してからご利用ください。

サントリー山崎蒸留所

  • 住所
    大阪府三島郡島本町山崎5-2-1
  • 公式サイトURL
    https://www.suntory.co.jp/factory/yamazaki/
  • アクセス
    JR京都線「山崎駅」より徒歩10分阪急京都線「大山崎駅」より徒歩12分

③聴竹居(ちょうちくきょ)

阪急大山崎駅から約10分の「聴竹居」は建築家の藤井厚二氏が1928年に建てた、実験住宅的な自邸です。瀟洒な洋風の外観と内装の和風の折衷様式は、近代住宅建築の名作とされています。

見学日は水・金・日曜ですが完全予約制ということと地域の案内人が解説するため、見学希望者は施設のホームページから申し込みをしてください。

聴竹居

  • 住所
    京都府乙訓郡大山崎町大山崎谷田31
  • 公式サイトURL
    https://www.takenaka.co.jp/enviro/feature/03/
  • アクセス
    JR京都線「山崎」駅下車から徒歩で約10分阪急京都線「大山崎」駅下車から徒歩で約5分

天王山でハイキングと観光を楽しもう!

出典:photo-ac.com

天王山のハイキングは山頂までは60分~80分で到着できるので、子ども連れでも安心して楽しめます。天王山ハイキングの特徴は景色を眺めるだけではなく、戦国時代の歴史に色濃く触れられるのも特徴です。歴史の勉強を兼ねながらのハイキングも楽しめることでしょう。

天王山ハイキングの後は、山麓の観光スポットを巡るのもおすすめです。淀川向こうの石清水八幡宮や桜の時期の背割提も見逃せません。天王山周辺のハイキングを満喫してください。

淀川の観光が気になる人はこちらをチェック!

天王山ハイキングの後は、目の前を流れる淀川での観光も楽しんでみませんか。こちらの記事では、淀川のサイクリングロードや淀川でバーベキューを味わえるスポットが紹介されてあります。京都と大阪の境目にある淀川の観光も堪能してください。