笠取山は奥秩父の主脈
笠取山は埼玉県秩父市と山梨県甲州市にまたがる山で山頂の高さは1,953メートルです。奥秩父山脈の中心的な山の一つで、山頂の南側には東京都を流れる多摩川の水源林が広がっています。
奥秩父の山々の中でも登りやすい山として知られていて、初心者でも手軽に山頂まで到達することが可能です。笠取山といえば「心臓破りの急坂」が有名で、山の斜面に壁のようになって続く坂道の登山道は登る前からワクワクします。登山道を登りきった先に見えるのは感動の絶景です。
登山のベースとして便利な笠取小屋
日帰りで笠取山登山を楽しむこともできますが、山中で一泊してから山頂を目指すという方法もあります。そんな登山者の強い味方となってくれるのが「笠取小屋」です。笠取小屋は登山のベースとして多くの登山者が利用する人気の山小屋で、笠取山登山を楽しむ人や山々を縦走する登山者が多く利用しています。
しかし、近年では笠取小屋に宿泊することを目的に登山をする人も増えてきており、登山のトップシーズンの週末や休日の笠取小屋周辺はたくさんの登山者で大賑わいです。
笠取小屋の営業状況
笠取小屋は標高1,776メートルの場所にある山小屋で、積もった雪が消え始める4月下旬から翌年の1月3日までの期間が正式営業となっています。平日は管理者が山を下りているため基本的な営業日は週末のみです。
山小屋での宿泊は屋内とテントで行うことができ、屋内での宿泊は素泊まりのみで一泊4,500円です。テントでの宿泊はテント1張あたり700円となっていて、山小屋の斜め前にある芝生広場と山小屋の裏側にテントを設営できます。
笠取小屋の混雑状況は?
笠取山の登山シーズンは4月上旬から12月下旬までとなっていますが、特に登山者で混雑するのがたくさんの高山植物が咲く初夏の時期と黄金色に染まったカラマツが美しい秋の時期です。
花や紅葉に比例するようにして笠取小屋を予約する人も増えるため、管理者が常駐する週末は非常にたくさんの登山者で笠取小屋は混雑します。一方の平日の混雑状況は週末とは打って変わってすいていて、時間にゆとりをもってテントを設営することができます。
宿泊予約は電話で!
笠取小屋はホームページを開設していません。ホームページからの予約は不可となっているため、宿泊の予約や最新の状況は管理者の携帯電話への直接連絡となります。前述のように平日はほとんど管理者が山小屋にいないため、平日に訪れた場合には直接料金を支払うことが困難です。
そのため平日に到着する場合にはノートに住所と名前を記載してから備え付けの料金箱へお金を入れて宿泊します。屋内での宿泊は20名まで受け付けしていて、テントは80張分のスペースが確保されています。
冬季用の小屋もアリ!
嬉しいことに笠取小屋には営業期間以外に利用できる冬季用の小屋が用意されています。小屋の中には敷布団と掛布団が備わっていて、テントを設営せずに宿泊することが可能です。大人であれば6名ほどがいっぺんに宿泊できる広さですね。
ストーブも用意されているので冬でも快適に屋内で過ごすことができます。料金は一泊2,000円とリーズナブルで、小屋の入り口付近に備え付けられた料金箱にお金を投入する方式です。標高が高く冬は冷え込むため利用価値大でしょう。
笠取小屋でテント泊
笠取小屋で最も人気なのがテントでの宿泊です。前述のようにテントは80張ほどが設営でき、山小屋前の芝生広場と山小屋の裏のスペースで楽しむことができます。大きな石や岩の少ない地面となっているため、ペグも手で容易に土に差し込むことが可能です。
背の高いたくさんの木々に囲まれたテントスペースはとてもワイルドで、キャンプ場のテントサイトでは味わえない魅力があります。一度体験すればテント泊が人気な理由がわかります、
笠取小屋に水場はあるの?
テント泊に欠かせないのが水場の確保でしょう。登山でアクセスしなければならない山小屋のため、必要な分の水を持参しなければならないとなると負担が大きくなります。その点笠取小屋は安心です。
笠取小屋から2分ほど山の斜面を下ると山からの湧き水を汲める水場に到着します。笠取山が水源地となっているだけに湧き水はすこぶる美味ですね。水量も豊富で真夏でも枯れることがありません。アウトドア用の給水用ボトルなどを持参するといいでしょう。
笠取小屋にトイレはあるの?
トイレもキャンプの需要なポイントです。笠取小屋には屋外にウッディーなトイレが設置されています。自然に優しいバイオトイレが採用されていて、和式の大便器が3つと小便器が1つという内容です。
利用するには1回100円の利用料がかかりますが、笠取小屋に宿泊する登山者は無料で利用することができます。冬場も利用できるのが嬉しいですね。トイレの前には手洗い場もありますが、水場ではないため飲用は不可となっています。
笠取小屋の帰りに立ち寄りたい温泉
笠取小屋を訪れたなら帰りにひと風呂浴びて帰るのはいかがでしょうか。笠取小屋へ向かうために車をとめる駐車場から30分ほど移動すると「丹波山温泉のめこいの湯」に到着します。道の駅の近くにある日帰り温泉施設で、吊り橋を渡ってアクセスするのが特徴です。
ほのかに硫化水素臭のする単純硫黄泉を満喫できるのが魅力で、ペーハー値9.8という強アルカリ性の天然温泉は入浴すると肌がつるつるすべすべになります。毎分113リットルと湯量もなかなか豊富です。
多彩なお風呂で温泉を満喫!
温泉浴場は「和風風呂」と「ローマ風呂」の2つに分かれていて、男女入れ替え制を導入しているためリピートすれば両方のお風呂を体験することが可能です。和風風呂は高級感漂うヒノキの湯舟が特長で、ローマ風呂は高い天井や床に敷き詰められた石が異国情緒を感じさせます。
内風呂も露天風呂も湯舟が大変広いので、入浴客が多い日でものびのびと入浴を楽しめるに違いありません。壺風呂や高温浴槽、サウナなどお風呂の数も多彩です。ぜひこちらで登山の疲れを癒しましょう。
丹波山温泉のめこいの湯の住所・問合せ
丹波山温泉のめこい湯
- 住所山梨県北都留郡丹波山村778番地2
- 電話番号0428-88-0026
- アクセス
- 公式サイトURL
笠取小屋までのアクセス
最後に笠取小屋までのアクセス情報をご紹介しましょう。多くの登山者が利用するスタンダードな登山ルートは2つです。電車でアクセスする場合の登山ルートとマイカーでアクセスする場合の登山ルートは大きく異なっています。これからその両方の登山ルートの行程を解説しますので、ぜひ笠取小屋を利用する際の参考にしていただければ幸いです。
電車でのアクセス方法
電車で笠取小屋までアクセスする場合にはJR中央本線を利用して「塩山駅」で下車し、そこから西沢渓谷行きの山梨交通の路線バスに乗り換えて広瀬湖というダム湖のそばにある「新地平バス停」で下車します。
新地平から登山道に入り、雁峠、雁峠避難小屋を経て笠取小屋に到着します。雁峠までの登山道は沢沿いを歩く傾斜が緩やかな行程のため、登山が初めてという初心者でもトライしやすいに違いありません。標準的な所要時間は約3時間半ほどです。
マイカーでのアクセス方法
マイカーで登山口となる「作場平駐車場」までアクセスする方法は2通りあります。中央自動車道「勝沼IC」を降りてからフルーツラインを経由して国道411号線へ合流して駐車場へ向かうルートと、東京奥多摩方面から国道411号線を走って駐車場まで向かうルートです。
作場平駐車場からは整備された登山道を一休坂分岐、ヤブ沢峠と進んで笠取小屋へ到達します。こちらの登山ルートは標準所要時間2時間ほどと前述の登山ルートと比較してずっと短めです。
笠取小屋の住所・問合せ
笠取小屋
- 住所山梨県甲州市塩山三日市場2750-10
- 電話番号090-8581-9119
笠取小屋を予約してみよう!
ここまで山梨県甲州市にある笠取小屋について詳しく解説してきましたがいかがでしたか?屋内やテントでリーズナブルに泊まれる笠取小屋は笠取山登山のベースとして最適です。笠取山に出かけるならせひ笠取小屋で一泊するプランを立ててみてください。
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