焚き火は意外と難しい?
これがやりたくてキャンプに行くという人が大勢いるほどの「焚き火」。そのときだけの炎の揺らめきに癒されて、心と体があったかくなります。そんな魅力的な焚き火で調理するのもキャンプの醍醐味ですよね。
ですが焚き火での、特に薪を使った調理は火力調整が難しく、慣れていないとせっかくの料理が台無しになることもあります。そんなことが起きないように使ってほしいのが「炭」です。
炭で焚き火・調理するメリット
炭が調理に向いている点は2つあります。ひとつめは炭の遠赤外線効果で旨味を閉じ込めたまま、焼き上げられる点です。焚き火の火で焼くのと遠赤外線効果で焼くのとで、味に差がでるのは想像しやすいでしょう。
ふたつめは炭だと火力が安定しやすく、火力調節も炭の量を変化させることで簡単にできるからです。ただ問題もあって炭は完全に火が入るまである程度の時間が必要となります。ちなみに焚き火でも着火して火を安定させるまでにはそれなりに手間がかかるので、このあたりの差の感じ方は人によるでしょう。実際に炭に火を入れるにはちょっとしたコツが必要になりますが、あるアイテムを使えば誰でも、早く、簡単に着火することができます。
それが今回紹介するコメリのオリジナルブランドNatural Season(ナチュラルシーズン)から発売されている「火起こし・火消し兼用ドラム火起こし器」です。
Natural Season(ナチュラルシーズン)の火起こし器
火起こし器は暖められた空気が上昇することで燃焼効率がアップする煙突効果を利用して炭に火を入れます。そのため円筒形状をしていますが、使用時には安全に持てるよう取っ手が付いているので安心です。
口が適度な大きさで炭を出し入れしやすく、高さは約23cmで一度に約1kgまでの木炭を入れることができます。大きさとしては小型の部類なのでBBQで1時間程度使う分の炭を一度で火入れ可能です。(人数や炭の種類により変化します)
本体自体の重量は約760gと、そんなに重くはありません。ツーリングキャンプだと優先度は下がりそうですが、車なら重さ自体は問題にならないでしょう。
本体素材は熱伝導率が低く耐久性があるステンレスがおすすめなのですが、価格が高くなってしまうのが弱点です。その点スチール製だと安価で購入できるので、初めての1台に最適となります。
内部にはスリットが
底面には吸気口があり、この下側に火種となるものを置いて上昇気流を発生させます。このスリットが開閉式なのは、火消し壺として使うときに密閉状態にするためです。
外観からわかる特徴については以上となります。それでは次に実際使ってみたらどうなのか、キャンパー目線でレビューしていきたいと思います。
安価なのに高性能!
火起こし器で大事なポイントは2つ、安全面と燃焼効率です。本体が高温になる火起こし器に取っ手は必須のものですが、持ちにくいだけで安全面に支障が出てしまいます。
燃焼効率とは炭に火が入るまでの時間ですね。これが長いと火起こし器を使う意味も半減してしまいます。
取っ手などの安全面も完璧
握り合わせて持つタイプの取っ手は細長い金属性のものが主流で、少し握りにくい面もあります。コメリの火起こし器も握り合わせて持つタイプですが、こちらはしっかりとしたグリップが付いているので力も入れやすいです。
次に細かい部分を見ていくと製品の加工時に出てしまう「でっぱり」や「ギザギザ」もしっかりと取られているのがわかります。指などを切ったりしないようにと配慮し、丁寧に作られている証拠です。
燃焼効率がよい
次に燃焼効率についてですが収納性を考慮した折りたたみ式の火起こし器だと構造上隙間ができるため、熱の保持に影響を及ぼし若干効率が悪くなってしまいます。コメリの火起こし器のような完全な円筒状だと燃焼効率に問題はありません。
煙突効果が最大限得られるのが円筒状なので、火の立ち上がりは比較的早い方に入ります。炭の量にもよりますが10分程度待つだけで、火をいれることが可能です。
火消し壺にチェンジ!
次に火消し壺としての機能ですが、まず最初に写真のように横にあるスイッチを操作して底辺のスリットを閉じます。その状態で炭を入れてフタをすると、空気が遮断され燃焼が止まります。
焚き火もそうですが、燃えている炭は完全に火が消えるまでに1時間以上は必要です。火消し壺があることで大幅に時間短縮もでき、消えるまで目の前で待つ必要もありません。
注意したい点がひとつあって、炭を入れた火消し壺はかなりの高温になります。そのまま地面の上に置くと芝生を傷めたり、地中の微生物にダメージを与えたりと影響が大きいです。
焚き火台の上に置くか、しかるべき厚さのスペーサーを挟んだりして対策しましょう。
ちなみに火消しした炭は「消し炭」といって再着火が容易なので、捨てずにそのまま次回の調理に使うことも可能です。このようにコメリの火起こし器は単体で火起こしと火消しが簡単にできる有能アイテムと言えます。
やや気になる点も
最後にコメリの火起こし・火消し兼用ドラムで気になる点について紹介しておきます。まずキャンプに持って行くには多少嵩張ってしまう点です。小型とはいえ煙突効果を生み出すための、その高さが気になります。
折りたたみ可能でコンパクト性を優先した火起こし器もありますが、燃焼効率に難があり火消し壺としても使えません。火起こしと火消し、どちらの機能を優先するかで判断してください。
機能上仕方がないところもある
次にフタの建付けについてです。火消し壺として使うときにフタをするのですが若干はめにくい傾向にあります。ロックするためにフタを回転させるのですが、それも同様にやりにくいです。
フタがゆるゆるで空気が入ってしまうと、火消し壺として機能しないので仕方がないことなのですが注意が必要になります。
コメリの火起こし・火消し兼用ドラムについてのレビューは以上となります。続いて火起こし器&火消し器と一緒に購入したい炭についてです。薪や炭は荷物になるため現地購入が基本というキャンパーさんが多いと思います。
しかし値段はキャンプ場によりさまざま、コスト面もやっぱり気になりますよね。そんなときに選択肢に入れてほしいのがコメリの「マングローブ木炭」です。
Natural Season(ナチュラルシーズン)マングローブ木炭
写真に見えるとおり内容量は6kg、価格はコメリのネット販売価格で税込み918円(2021年10月)とコスパ抜群のアイテムです。一般にホームセンターなどで販売している安価な炭は、ほぼマングローブの木炭となります。
ほかの種類の炭(黒炭、白炭)と比べて火付きがよく、値段が安いのが特徴です。基本的に燃焼時間が短く、炭の後処理が楽なので初心者の方におすすめの炭となります。
また燃焼時間の短さを逆手にとって、炭を完全に使い切って終わりたいときにもおすすめです。今回使用してみた感じでは思ったより火持ちがよかった印象なんですが、それぞれの炭単体にほどよく厚みがあったからだと推測します。
燃焼中は嫌な匂いもせず、煙も少なめでした。ただ黒炭などと比べるとどうしても燃焼時間が短いので、BBQなら次々と炭を追加していく必要があります。
ここからは個体差の話になると思うのですが、今回は少し炭が湿っていた感じがしました。それが理由なのかはわかりませんが、火付けの早さも通常レベルの感覚でした。
しかしながら普通に使う分には問題なく、コスパ面では間違いなくベストな選択なのでぜひ使っていただきたいアイテムです。ほかの種類の炭との併用もおすすめとなります。
コメリの火起こし・火消し兼用ドラム火起こし器と焚き火台マングローブ 木炭
コメリの火起こし器は火消し壺兼用と考えると、安価な割に使いやすくお得感のあるアイテムです。炭についてはコスパ面で優秀なこと、あとは自分の使い方次第という感じとなります。
火起こし器は有名アウトドアメーカーからも発売されていますが、性能自体の差はそこまでありません限定的です。特にこれからキャンプを始めようと考えている方にとって最初から高いお金を払う必要はありません。
ぜひコメリの火起こし・火消し兼用ドラム火起こし器を手に入れて、炭への火入れ体験をしてみてください。あまりの簡単さに手放せなくなりますよ。
※ご紹介商品は全て、株式会社コメリ様よりご提供いただきました。
出典:編集部撮影