鈴蘭の花言葉を知っていろいろ楽しもう!
冷涼な気候を好む鈴蘭(すずらん)は、日本では本州中部以北の高地から北海道までの山野に自生しています。日本に自生する鈴蘭は小ぶりで草丈が15~20センチメートルほどしかありません。ガーデニングでは、さらに一回り大きい鈴蘭を見かけることがあると思いますが、それはヨーロッパ原産のドイツスズランとなります。
花言葉を始め日本の鈴蘭とドイツスズランの違いもご紹介するので、ガーデニングや贈り物のご参考にしてください。(この記事は2021年9月28時時点の情報です)
鈴蘭の3つの花言葉とその由来
花言葉①:「純粋」「純潔」
鈴蘭(すずらん)の代表的な花言葉は、見た目どおりの濁らない純白色から、「純粋」「純潔」といったよい意味の花言葉になっています。
小さな花の形もまさに鈴のようで、けがれを知らない純粋な幼子のような愛くるしい美しさです。花は、色はもちろん形も観る人に与える印象を大きく左右するため、ぷくっと膨らんで花弁の縁が閉じている鈴蘭の様子は、まさに「純潔」という花言葉がふさわしいといえるのではないでしょうか。
花言葉②:「謙遜」「謙虚」
次にあげられる鈴蘭の花言葉は、昔から日本人が美徳としてきた「謙遜」や「謙虚」があげられます。この花言葉の由来は、一見目立たない鈴蘭の咲き方にあるのです。
鈴蘭は鈴なりに10個ほどの花を茎に付けますが、花の大きさは最大で1センチメートルほどしかありません。しかも日本鈴蘭の花茎は葉の丈よりも短いため、花言葉「謙虚」のように花は葉に隠れるように咲きます。草丈も短く、15~20センチメートルしかありません。
花言葉③:「幸せが再び訪れる」
次にあげられる鈴蘭の花言葉は「幸せが再び訪れる」というものです。この鈴蘭の花言葉の意味は、4月~6月に見頃となる開花時期が由来になっています。雪の降る冷涼な地域では長い冬が終わり、春の訪れも喜びも格別です。
そんなときに出かけた山野で鈴蘭を見かけ、今年も春がやってきたと幸せを感じ取った花言葉なのではないでしょうか。つややかな緑色の葉陰から白い顔をのぞかせる鈴蘭は、まるで妖精のようです。
鈴蘭の学名・別名・英名の由来
鈴蘭の学名の由来と花言葉
鈴蘭の学名はドイツスズランを指し、「Convallaria majalis 」となっています。
属名である「Convallaria majalis(コンバラリヤ・マヤリス)」の「Convallaria(コンバラリヤ)」の語源は、谷を意味する「convallis(コンワルリス)」とユリを意味する「leirion(レリアン)」の合成語です。花言葉とは直接の関連性がありませんが、鈴蘭が咲いている情景が浮かびます。
日本スズランの学名の由来と花言葉
日本に自生する鈴蘭の学名は最後にkeiskeiとMakinoの日本字名が付き、「Convallaria majalis var. keiskei (Miq) Makino」となります。これは植物学者である(伊藤圭介博士)とMakino(牧野富太郎博士)の名前で、日本産の鈴蘭が変種であることを示すものです。
こちらも谷間の姫百合を示したものとなり、花言葉の「謙虚」といったイメージがふさわしく感じます。
ヨーロッパ圏でも冷涼地で自生
鈴蘭は冷涼な地域で自生する植物のため、ヨーロッパ圏でも谷間などの涼しい地域で咲いている様子を見て、美しい学名が付けられたと考えられます。
とてもシンプルな学名といえますが、「谷間の姫百合」という言葉から、美しいアルプス地方の山間でひっそり咲く様子が思い浮かぶのではないでしょうか。花言葉の「純潔」「遠慮」などがふさわしい情景といえそうです。
鈴蘭の別名「君影草」と花言葉
鈴蘭の代表的な別名は「君影草(きみかげそう)」という、古風で感傷的な名前が付けられています。別名の由来は、やはり葉の陰で目立たない様子にあるようです。日本女性は男性の三歩後ろを付いていくのが美徳とされた時代がありました。つまり「君影草」とは男性の陰にいる女性を示しているのです。
茎を下げて咲く様子も愛しい人を待ち続ける女性のように見え、由来のひとつとされています。いずれも鈴蘭の花言葉どおりの別名です。
鈴蘭の別名「谷間の姫百合」と花言葉
鈴蘭には「君影草」以外にも「谷間の姫百合」という、やはり美しい別名があります。「谷間の姫百合」の由来は学名の「Convallaria majalis(コンバラリヤ・マヤリス)」から付けられたものとなり、堅苦しい学名らしからぬ名前をそのままいただいたようです。
花言葉を思わせる可憐な様子の鈴蘭は、ヨーロッパではスイスの美しい場所で咲く様子が連想されています。
鈴蘭の別名「天国への階段」と花言葉
鈴蘭の別名にはもう一つ「天国への階段」という素敵な名前もあります。この名前の由来は、垂れ下がるように鈴なりの花を付ける様子がロマンチックに観えることからのようです。やはり鈴蘭の花言葉「幸せが再び訪れる」をイメージさせる別名といえるでしょう。
鈴蘭の英名の由来
鈴蘭の英名は「Lilly of the Valley」(谷間の姫百合)と「May lilly」(五月に咲くユリ)です。こちらも学名から付けられた名前ですが、滑らかな英語が素敵で、やはり花言葉のように谷間で控えめながらも清冽に咲く鈴蘭がイメージされます。
第二次世界大戦中のドイツ歌謡ですが、兵士の恋人や故郷に対する心情をディートリッヒが歌った『リリー・マルレーン』を思い浮かべる人もいるかもしれません。
よい意味の花言葉しかない鈴蘭を飾ろう
鈴蘭が誕生花の日と花言葉
鈴蘭(すずらん)を誕生花とする日は、鈴蘭の開花時期である5月1日・2日・28日となっています。自生地の北国では5月はまだ桜が咲き始めるころとなり、ようやく到来した春の訪れを喜ぶ時期です。
これらの日に誕生日の人がいたら、ぜひ花言葉を添えて誕生花としてプレゼントしてはいかがでしょうか。
鈴蘭は5月の花でもある
鈴蘭は、ヨーロッパでは5月の花ともされており、フランスでは5月1日にプレゼントすると贈られた人は幸せになるとの言い伝えがあります。
由来は、1561年にフランス王のアンリ4世が贈られた鈴蘭を気に入り、それ以降宮廷の夫人たちに鈴蘭を毎年プレゼントしたことにあるそうです。日本でも、誕生花でなくても大切な人に花言葉を添えて贈ると喜ばれるかもしれません。
風水上の注意点と花言葉
風水では、可憐な女性的魅力をたたえる鈴蘭は女性らしさを高めたい人に効果のある植物といわれています。鈴蘭を洗面所に飾ることで女性らしい魅力がアップするそうです。他にも、北東の部屋に飾ることで花言葉が示している「純粋」な心に導き、もう一つの花言葉「幸せが訪れる」ともいわれています。
鈴蘭の楽しみ方と花言葉①:切り花
鈴蘭は、シンプルに切り花をプレゼントしてそのまま飾ってもらうだけでも素敵です。花言葉にあるように、幸せがやってきてくれそうな気がします。フラワーベースはガラス素材にするとより爽やかなイメージを演出できることでしょう。またはぐっと渋く、備前焼や信楽焼きもよいかもしれません。
意外なところでリメイクのブリキ缶に活けて真逆の雰囲気を楽しむ人もいます。いろいろなフラワーベースで楽しんでみるのもよいですね。
鈴蘭の楽しみ方と花言葉②:ブーケ
4月~6月が開花時期の鈴蘭は、6月に結婚すると幸せになれるというジューンブライドで、ブーケにするのが人気です。決して華やかではありませんが、白いバラやカサブランカなどの周りに散らすようにアレンジすると、花言葉「謙虚」のようにメインのお花をぐっと引き立ててくれます。
白い花と生き生きとしたグリーンの葉とのコントラストがクリアで、花言葉の「純潔」もイメージさせる美しさです。
鈴蘭の特徴・種類・毒性
鈴蘭の特徴
園芸分類・形態 | 山野草・多年草 |
学名 | Convallaria |
和名 | スズラン・すずらん(鈴蘭) |
別名 | 君影草・谷間の姫百合・天国への階段 |
科名・属名 | キジカクシ科スズラン科 |
原産地 | ヨーロッパ・東アジア・北アジア |
草丈 | 15~20㎝ |
開花時期 | 4月~6月 |
花色 | 白・ピンク |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 少し弱い(日本原産の鈴蘭は弱い) |
栽培難易度 | 初心者でも育てやすい |
何とも愛おしい姿の鈴蘭には3つの種類があるので、試しにすべてを栽培してみるのもよいかもしてません。日本原産の鈴蘭、大型のドイツスズラン、そして園芸品種であるピンク色のピンクスズランです。
ドイツスズランの特徴は、花が葉と同じくらいの高さまで伸びる点や香水の原料になる点などがあげられます。薄桃色のピンクスズランはドイツスズランよりも小さめですが、日本原産の鈴蘭よりも育てやすい種類です。
キジカクシ科の植物の仲間
鈴蘭はキジカクシ科の植物ですが、同じキジカクシ科の仲間では沖縄以外の日本全国に分布するマイヅルソウがあげられます。観察してみると、どことなく葉の形や花の付き方(総状花序)が似ていることに気づくのではないでしょうか。
他にはアマドコロ属やオリヅルラン属、ギボウシ属などもあります。これらキジカクシ科植物の鈴蘭との違いや共通点を探してみるのも楽しそうです。
ドイツスズラン
ドイツスズランは日本原産のスズランよりも大型で、花付きもよいのが特徴です。香りも強いため、庭にたくさん植えると開花時期には甘い香りで包まれることでしょう。花後のオレンジ色をした実も可愛らしい品種です。
日本原産の鈴蘭も植え、その違いを楽しんでみるのもよいかもしれません。
ピンクスズラン
ピンクスズランは最近注目の園芸品種となり、その優し気な淡いピンク色が多くのガーデナーの心をとらえています。草丈は20~30センチメートルほどで、日本原産のスズランよりも少し大きめです。
花の大きさは大きいもので1センチメートルほどで、他の鈴蘭と大体は同じ形態となります。白い鈴蘭とは趣の異なるピンクスズランも楽しんでみてはいかがでしょうか。ピンクスズランも花言葉「純潔」「謙虚」がふさわしいですね。
鈴蘭の毒にご注意!
見た目は花言葉のように清純な鈴蘭ですが、全草に有毒物質のコンバラトキシンなどが含まれており、取り扱いに注意しなければいけません。過去には鈴蘭を活けていた水を子供が飲んで中毒死する痛ましい事故が起きています。
鈴蘭の成分を誤飲すると、1時間以内に嘔吐やめまい、頭痛、血圧低下、心臓麻痺を引き起こし、最悪亡くなってしまうこともあるほどの猛毒です。少しでも心配があるときは、切り花も鉢植えも管理を徹底してください。
ペットにも注意!
鈴蘭の毒性は本当に強く、花粉にも含まれています。そのため花粉が落ちやすい生け花は、食卓には絶対に置かないようにしてください。庭植えの場合も、ペットを飼っている人は鈴蘭に絶対近づけないようにしましょう。
作業するときは手袋を着けること!
鈴蘭を生け花にしたり鉢植えにしたりガーデニングでの作業時には、必ずゴム手袋を着けて作業してください。さらに作業するときは、周りに小さい子供やペットがいないときにしたほうが安全です。万が一直接触ってしまったときはすぐに水で洗い流してください。
鈴蘭の葉を行者ニンニクと間違えないように!
鈴蘭の葉は幅広い点と大きさが、山菜として親しまれている行者ニンニクによく似ています。山菜採りで誤って採取して中毒になってしまった人もいるので、くれぐれも間違えないように注意してください。判断に迷った場合は、行者ニンニクに限らず食べないのが一番安心です。
栽培はドイツスズランがおすすめ
鈴蘭(すずらん)は日本原産の品種とヨーロッパ原産のドイツスズランがあり、日本原産の鈴蘭のほうが花言葉の「純粋」や「遠慮」といったニュアンスがより強い感じがするのではないでしょうか。
しかしガーデニング用に流通しているのは大型で丈夫なドイツスズランです。冷涼な環境を好む日本原産の鈴蘭は、ドイツスズランよりも栽培上の注意点があります。植える場合は総合的に考えて育てやすいドイツスズランがおすすめです。
鈴蘭の花言葉を添えてプレゼントしよう!
鈴蘭の花言葉は、「純粋」「純潔」「謙虚」「謙遜」「幸せは再び訪れる」とすべてよい意味の花言葉しかありません。そのため老若男女相手を選ばず、誕生花としてだけではなくさまざまなシーンで安心してプレゼントできます。
鈴蘭の種類は日本鈴蘭に、ガーデニングで育てられているドイツスズランと最近話題のピンクスズランがあります。日本鈴蘭以外は大ぶりで育てやすい種類なので、ガーデニング初心者でも栽培に挑戦してみましょう。
マイヅルソウが気になる人はこちらをチェック!
鈴蘭と同じキジカクシ科のマイヅルソウも4月~6月頃に咲く春の花です。マイヅルソウにも素敵な花言葉あるのでチェックしてみませんか。基本的な育て方も紹介されてあり、ぜひご参考にしてください。

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