実をつける老爺柿とは
盆栽界では姫柿とも呼ばれている
盆栽と言えば枝葉を綺麗に育てるというイメージが強いかもしれませんが、この人気の老爺柿は柿の実を育てて楽しむ盆栽として有名です。盆栽界では姫柿とも呼ばれており、その独特な育て方が面白いと話題になっています。
老爺柿はカキノキ科カキノキ属であり、純粋な柿木なのです。この老爺柿は交配をくり返して品種でもあるため、木守や紅乙女など100を超える品種が作られており、それほど人気の高い盆栽のため、一度は育ててみたいという盆栽好きが多い品種になります。
老爺柿の育て方
老爺柿の管理場所
盆栽は管理場所を変えるだけで育ちが大きく変わってきます。この人気の老爺柿も例外ではなく、設置場所を意識するべき盆栽で、老爺柿の最適な場所は、日当たりが良く風通りのいい場所です。ただし、老爺柿は暑さや寒さには弱い盆栽と言えます。
そのため、夏の直射日光は避けるようにしましょう。夏場は日陰で管理するなどの工夫を行えば夏場でも老爺柿の管理は決して難しくありません。また、冬場は凍結程度を避けるれる場所であれば問題ないでしょう。
老爺柿の水やり方法
老爺柿の水やりはどのように行うのかが正しい方法なのでしょうか。老爺柿は水切れを起こすと枯れてしまう可能性が高いです。人気の盆栽ですが、こうした水やりには注意する必要があると言えるでしょう。
ただし、高温多湿になり過ぎると根腐れを起こす可能性もある盆栽なのです。老爺柿への水やりは春時期の芽が出てきたときには1日に1から2回程度、そして夏は1日に2から3回を目安としましょう。冬場は1日に1回程度で問題はありません。
老爺柿への肥料
老爺柿にとって肥料はとても重要になります。花や実をつける時期には肥料をしっかりと与えることで成長を促すことができるのです。ただし、春先は生理的落果になる可能性がありますので、肥料は少し控えめにすることがポイントと言えます。
老爺柿の花が終わり実の付きが止まったら肥料は少量にしていきましょう。そのまま8月まで継続的に与えます。たくさんの実をつけたならそれだけ肥料をたくさん消費していますので、実持ちを促すためにも肥料は多めにするべきです。
老爺柿への用土
老爺柿への用土は必要なのでしょうか。人気の老爺柿は基本的には適切な時期に肥料と水を与えることで成長を促すことができます。ただし、植え替えなどを行ったときには用土を与えて成長を安定させるべきと言えるでしょう。
用土はたくさん与える必要はありません。植え替えなどの時期に適切な量の用土を与える程度で十分でしょう。適切な時期を過ぎたときにはとくに用土は必要になりませんので、無理に用土を意識する必要はありません。
老爺柿の植え替え方法
老爺柿の植え替えは必須です。植え替えをしないまま何年もそのままにしてしまうと、直根が大きくなってしまい、小さな根の成長が止まってしまいます。こうなると老爺柿の実はすぐに落ちてしまう状態になるのです。
植え替えは8月下旬から9月中旬までが適正な時期と言えます。植え替え時には用土を使用し、肥料も与えることで元気に育つのです。古い根は切り落として新しい根の成長を促してください。若木なら隔年、古木なら3から5年に1度植え替えをしましょう。
老爺柿の剪定方法
人気の老爺柿の剪定方法は、盆栽としては少し特殊です。老爺柿の場合、剪定をしていも2番芽がすぐに伸びないため、しっかりと新芽を伸ばした後に剪定することが基本と言えます。こうした部分には注意が必要と言えるでしょう。
そして人気の老爺柿の剪定方法は2から3節ほどを目安に剪定することをおすすめします。新芽が伸びたら古い芽をカットしていくという方法をくり返すと、綺麗な状態をキープできるでしょう。何度も繰り返してカットするタイミングを見極めてください。
老爺柿の芽おさえ方法
老爺柿の古枝は樹脂がとても少ないことで有名です。そのため、曲げを加えすぎてしまうと枝折れが起こりやすくなりますので注意が必要です。そのため人気の老爺柿は芽おさえが基本と言えるでしょう。
芽おさえとは新芽の柔らかいうちに針金などを使って伸びを抑えて理想的な形を整える方法です。枝は光の方向に進んでいきますので、こうした芽おさえで整えておけば理想的な形を維持できます。人気の老爺柿は、細いアルミ線でも曲げることができるでしょう。
老爺柿の葉刈り方法
葉切りは、2番芽をあえて動かすことにより、芽拭きが促進されていきます。そのため、短期間でたくさんの枝を増やすことができるのです。人気の老爺柿は、肥料などの管理をしっかりと行っておけば葉切りが可能と言えます。
老爺柿は、葉を残さないようにして、葉柄ギリギリで丁寧にカットしていきましょう。葉切り後にも枝は伸びていきますので、そうした枝は一旦伸ばしていきます。芽おさえや芽摘みを繰り返し、綺麗な枝作りに集中してください。
老爺柿の上手な増やし方
根伏せ
根伏せとは挿し木方法の一つです。根伏せは植え替え時などに出る不要な根を使って増やす方法と言えます。老爺柿はこの根伏せで増やすこが可能です。不要になった根のいい部分を残してカットし、少しだけ頭を出して植え替えます。
また、この老爺柿の根伏せは粗めの石を使った方法がおすすめです。石を下に敷き詰めることで根は複雑な形状で伸びていきます。こうすることで曲面の面白い老爺柿が育ちますので、増やすときには試してみてください。
実生
老爺柿は実生もできます。実生とは種子が発芽した状態です。老爺柿は発芽性がとてもいいため、実生でも上手に育てれば増やすことが可能と言えます。ただし、実生の場合は実際に実が付くまでは数年かかるでしょう。
桃栗3年柿8年という言葉がありますが、老爺柿も同じように実が付くまでにはかなりの時間がかなりますが、それまで大切に育てるという楽しみを感じることができます。実がならないと慌てるかもしれませんが、時間をかけて大切に育てましょう。
挿し木
老爺柿は挿し木により増やすことも可能です。ただし、一般的には柿の木に関しては挿し木に育てるのは難しいとされています。柿の木には細胞内にタンニンが多く含まれているのです。このタンニンが挿し木の育成を妨害してしまうでしょう。
挿し木の定着はとても難しく、繁殖するまでにはかなりの根気が必要になります。挿し木には成功しても実がならないというトラブルも考えられるでしょう。挿し木をする場合は若い木で6月から7月上旬であれば成功の可能性があります。
老爺柿の上手な受粉方法
受粉は人工交配がおすすめ
老爺柿の受粉は簡単ではありません。人気の盆栽ですが、受粉に挑戦して何度も失敗しているという人はたくさんいるはずです。人気の老爺柿の受粉を成功させるには、人工交配が一番簡単で、一番成功する可能性が高いと言えます。
人工授粉は花と花を軽く擦りつける方法もありますが、市販のジベレリン剤を使用した方法もあるのです。市販のジベレリン剤を使えば受粉してくれる可能性が高まりますので、どうしても受粉に成功しない場合は試してみてください。
受粉は4月から5月中旬に
人気の盆栽、老爺柿は4月から5月中旬に開花します。この時期を見計らって受粉をすれば成功する可能性がより高くなるのです。老爺柿は基本的には雄雌異株となっていますので、受粉を行う場合は、両方の木を用紙しておくようにしましょう。
この4月から5月中旬の時期を逃すと受粉はできないので注意します。また、地域によっては開花の時期が若干ずれますので、実がならないというときには、どの時期での受粉が適切なのかを地域ごとに見極める必要があるでしょう。
筆や綿棒を使って受粉
自然な受粉は虫に頼ることです。しかしこの虫の受粉に頼ることは人気の老爺柿ではとても難しくなります。一般的な方法としては、筆や綿棒を使った受粉方法がおすすめです。筆先や綿棒を使って優しく穂先をなぞります。
次にめしべに先ほど採取した受粉を優しく付けていくのです。タイミングとしては開花をしたすぐ後に受粉作業を行うことがベストと言えます。筆で8の字を描くようにしっかりと受粉させることがポイントになりますので、根気よく行いましょう。
ジベレリンによる受粉方法
老爺柿はジベレリンによる受粉も可能です。人気の老爺柿は、このジベレリンを使った受粉方法の方が簡単で確実に実のらすことができるでしょう。着実安定にはおおよそ50ppmから200ppmほどの濃度の散布を心がけます。
多くの老爺柿の場合、開花をして2から3日ほどで成熟しますので、ジベレリンを使う場合は開花中はほぼ毎日、散布するようにしてください。実がならないということも決して珍しくありませんので、とにかく根気よく続けることが重要です。
実は11月から1月に熟す
人気の老爺柿は、受粉に成功していれば11月から1月頃に実が熟します。受粉は決して簡単ではありませんので、受粉に成功していればその感動はとても大きいです。11月から1月頃に実をつけたら成功したと思ってください。
できた実は採取して種を取り出しておきましょう。この種を取っておけば、翌年は実生苗としてまた楽しむことができます。人気の老爺柿はこうしたサイクルで盆栽として上手に増やすことも楽しみの一つなのです。
老爺柿におすすめの受粉用ジベレリン剤4選
1:ジベレリン協和
このジベレリン剤は老爺柿だけではなく、ぶどうなどの果物にも使えますので、安心感があります。水と混ぜるとすぐに溶け込みますので、ジベレリン剤を使うのがビギナーな人でも比較的容易に使えるのが嬉しいポイントです。
また、ジベレリン剤の中でも比較的安い価格で購入できるのも、このジベレリン協和のポイントでしょう。まずは試しにジベレリン剤を使ってみたいという人にはこのジベレリン協和はとてもおすすめです。
ジベレリン協和
容量 | 50g |
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特徴 | 植物の生長を促す効果 |
2:STジベラ錠
STジベラ錠は、野菜や果物の育成促進を促してくれるだけではなく、果粒肥大促進や草花の開花促進、さらには草丈伸長促進効果までも生み出してくれます。安全性に優れており、観葉植物などを扱っている人には定番のジベレリン剤です。
水に薄めて散布するだけと言えます。また、できる限り使用する前後は天候がいい日を選んで作業することが注意点です。できる限りジベレリン剤の効果を高めるためには、使用方法をしっかりとチェックして使用するようにしましょう。
STジベラ錠
使用方法 | 水で薄めて使用 |
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容量 | 5錠入 |
3:フルメット
フルメットは、植物ホルモン剤ですが、天然のサイトカイニンと全く同じ働きをしてくれるジベレリン剤です。フルメットの大きな特徴は、細胞分裂を促進させてくれることでしょう。そのため、成長の速さを実感できます。
さらには受粉自体の可能性も高めてくれるでしょう。花粉が受粉する確率がアップしますので、老爺柿の受粉に成功させたい場合はフルメットはとてもおすすめです。注意点は水と混ぜる容量をしっかりとチェックしておくことと言えます。
フルメット
容量 | 10ml |
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効果 | ぶどう、キウイフルーツの果実肥大やメロン類の着果促進 |
4:トマトトーン
トマトトーンはその名の通り、トマトなどの野菜に使用できるジベレリン剤です。霧吹きなどにより刺激を与えることで、着果や果実肥大の効果を実感することができます。こうした果物などに使用できるジベレリン剤は老爺柿にも使用できるのです。
このトマトトーンの大きな特徴は、環境が悪い状況下でもしっかりと着果させることができることでしょう。葉や花にしっかりと定着させることができますので、老爺柿の実をつけさせる可能性が高まります。
トマトトーン
容量 | 20ml |
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特徴 | 着果、肥大、熟期を促進作用を有する植物ホルモン剤 |
老爺柿を育ててみよう
人気の盆栽、老爺柿は魅力がたくさん
数ある盆栽の中でも老爺柿は魅力が詰まった盆栽と言えるでしょう。老爺柿は決して育て方が簡単な盆栽村ではないと言えます。しかし、ご紹介した育て方のポイントを押さえれば、イメージ通りの老爺柿を育てることができるもしれません。
また、老爺柿はコツを掴めば受粉にも成功させることができるでしょう。正しい育て方、受粉方法をもう一度チェックして、理想的な老爺柿を育ててください。
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