カリフラワーの育て方は意外に簡単!
カリフラワーはアブラナ科アブラナ属の一年生の野菜で、中央の頂に付く蕾(頂花蕾:ちょうからい)を食用にします。語源は「キャベツ類の花」を意味する「Kale flower」となり、地中海原産ともいわれていますが確定はしていないそうです。
ブロッコリーの仲間ですが、白の美しさや収穫が一度限りな点からブロッコリーよりも珍重されてきました。育て方のポイントも押さえて家庭菜園でカリフラワーを栽培してみましょう。(この記事は2021年8月14日時点の情報です)
カリフラワーはブロッコリーよりも作付けが少ない
ブロッコリーよりも珍重されてきたカリフラワーですが、日本における生産量はブロッコリーのほうが多いそうです。カリフラワーは頂にしか花を付けませんがブロッコリーは頂以外の側枝にも花をつけるため、たくさん収穫できます。
白い種類のカリフラワーはその色を保つために日光から外葉で覆う作業や、一回限りの収穫のため生産性が落ちるなどの育て方が、カリフラワーよりもブロッコリーのほうが人気がある理由とされています。
カリフラワーの品種
カリフラワーの品種は、一般的な「ホワイトキャンディ」の他にもいろいろな品種があります。
鮮やかな紫色の「パープルフラワー」、やわらかいオレンジ色の「オレンジブーケ」、美しい黄緑色の「遠州みどり花やさい」、スティックタイプの「カリフローレ」、幾何学模様が美しい「ロマネスコ」などです。彩りや食べやすさなどから人気ですが、それぞれの育て方の特徴を押さえ、珍しい品種のカリフラワー栽培もおすすめします。
カリフラワーの調理法とレシピ
カリフラワーはビタミンCやB₁・B₂、カリウムなどが豊富なため栄養価の高い野菜として知られています。特に、多くの野菜は茹でるとビタミンCが損失しますがカリフラワーは損失が少ないのです。繊維質も豊富なため整腸作用の促進も期待されています。
レシピは、マヨネーズをつけるのも美味しい野菜ですが炒め物や天ぷらもおすすめです。欧米では煮物でも食べられており、クセのない味わいのためいろいろなレシピを作れます。
カリフラワー栽培の期間と収穫期
カリフラワーを栽培する適切な期間は地域で異なります。ポットまきの適期は、寒冷地では3月中旬~4月上旬と6月上旬~7月上旬の2回、中間地では2月上旬~3月上旬と7月上旬の2回、暖地では1月下旬~2月中旬と7月下旬~8月上旬の2回です。
植え付けは、寒冷地は4月下旬~5月下旬と7月上旬~8月上旬、中間地は2月下旬~4月上旬と8月上旬~9月中旬となっています。収穫は植え付けしてから約2ヶ月後です。
地域内での地域差
日本列島は南北に長いため、ひと口に寒冷地といっても温度差はかなりあります。ポットまきと植え付けの時期は地域で2回あるとされていますが、同じ寒冷地でも北海道と東北では状況が変化するのです。
そのため育て方と共に、必ず園芸店などで居住地の適切な時期を確認して栽培してください。
カリフラワーの育て方①:苗づくり
育て方:種まきによる育て方
カリフラワーは苗から育てるのが一般的ですが、種から育てるとより収穫時の楽しみも増すことでしょう。種まきによる育て方からご紹介するので、ぜひ挑戦してみてください。
まず園芸店などでカリフラワーの種を購入してきますが、ブロッコリーの種とほとんど見分けがつかないため取り扱いに注意します。種まきによる育て方は、まずポットで苗づくりをすることから始めますが、苗づくりは2段階の作業が必要です。
育て方:ポットに種まきをする
種まきによるカリフラワーの育て方として、種まきの場合は培養土を入れた直径12センチメートルサイズのビニールポットに、1粒ずつ2センチメートルの間隔で種まきをしてください。
それから種まきした上に土を軽くかけて水やりをします。種まきをして3~5日もすると発芽してくるので、その間にカリフラワーの苗を植える畝づくりをしておいてください。小まめな準備も上手な育て方のポイントです。
育て方:苗を直径9㎝ポットに1株ずつ移植
次も種まきによる育て方の大切なポイントです。直径12センチのポットで育てた苗は、本葉1~2枚になったらポットから出して1株に分けてください。苗は、1株ずつ9センチメートルのビニールポットに移植し、本葉が4~5枚になるまで栽培します。
本葉が4~5枚になって苗が丈夫に育つと、園芸店などで販売されているのと同じ状態のカリフラワーの苗になります。苗の育て方は少し大変ですが、醍醐味が感じられることでしょう。
カリフラワーの育て方②:畝づくり
育て方:溝堀りと元肥を施す
大切な育て方のポイントである畝づくりは、深さ40センチメートルの溝を掘るところから始めます。株が生長すると幅50~60センチメートル・高さも50~60センチメートルのため、株間に注意して株の個数に応じて用意してください。
溝を掘った後は元肥としてたい肥や乾燥生ごみ、過リン酸石灰、化成肥料などを入れます。土を埋め戻して鍬でならして整地し、幅60~75・高さ10センチメートルの畝を作ってください。
カリフラワーの育て方③:植え付け
育て方:理想的なカリフラワーの苗
カリフラワーの理想的な苗の状態は、自分で栽培した苗も園芸店などで購入する苗も、葉が濃い緑色で大きく、茎がしっかりしているものです。さらに節と節の間が短く、双葉が残っている苗であれば理想的といえます。しっかりした苗を見分けることも、カリフラワーの上手な育て方のポイントです。
よい苗を選んだあとは、畝に植え付ける前に苗に水をたっぷり与えてください。
根を切ると丈夫に育つ
上手な育て方のポイントとして、カリフラワーの苗は根を切ることでさらに丈夫に育つといわれています。ポットから根鉢を取り出したあとは手で根を崩し、根をちぎってから植えてください。それから苗を穴に入れてしっかり押さえます。
本葉が6枚以上の老苗になった場合は、やはり同様に根鉢を崩してから根を切ると苗が若返るといわれています。このような小まめな作業は、やはり上手な育て方のポイントです。
育て方:苗を畝に植え付ける
苗を畝に植え付ける前に、畝に45センチメートル間隔で株を置く穴を掘ります。穴には、蓮口を外したジョウロで水を注いでおいてください。
穴から水が引いたら苗を植えますが、苗がぐらつかないように周りを手で軽く押さえながら固定させます。すべての苗が植終わったら、再び苗に蓮口を付けたジョウロで水を与えてください。水やりを忘れずにすることも上手な育て方のポイントです。
畑のスペースが狭いときはジグザクに植え付ける
カリフラワーの苗は一列に植え付けるのが理想的ですが、畑のスペースが狭くて苗が多いときは、ジグザクに植え付ける方法もよいでしょう。
こうすることで株が大きくなるカリフラワーの、畑のスペースを有効に使える育て方となります。この方法は他の野菜の育て方にも応用できるので、ぜひ参考にしてください。一つの野菜の上手な育て方は、他の野菜作りにも生かせるのでいろいろ工夫してみましょう。
土の乾燥が激しい場合
カリフラワーの苗を植え付ける畑の土は、何らかの理由で乾燥が激しいときもあります。そのような場合は、枯草や堆肥などの自然の材料を使って対処しましょう。
畝に枯草や堆肥を畝にマルチング(カバーにする)し、水をたっぷり与えてください。こうすることでかなり土の乾燥が防げるはずです。身の回りにあるものや野菜自身の材料を利用することも、上手な野菜の育て方の一つといえます。
育て方:防虫ネットをかける
カリフラワーは、アオムシやコナガなどの害虫の被害を受けやすい野菜です。特に生育初期にカリフラワーの苗を害虫に食われると、その後の生育に大きな負担を与えてしまいます。害虫対策のために、植え付けた直後は必ず防虫ネット(トンネル)をかけてください。
害虫対策のネットを外す時期は、カリフラワーの葉がネットに触れるくらいにまで成長したら外します。害虫のネットがけ対策はカリフラワーの上手な育て方のポイントです。
カリフラワーの育て方④:追肥と土寄せ
育て方:2週間後の追肥
肥料は、カリフラワーの上手な育て方の大きなポイントです。カリフラワーの苗を植え付けた2週間後には、追肥をスタートさせてください。カリフラワーを大きくするには、適切な量の追肥が肝心になってきます。
追肥の目安は2週間に1回となり、化成肥料を1平方メートルに対して30グラム、カリフラワーの苗の周りにパラパラとまいてください。
育て方:土寄せ
土寄せ作業も上手な育て方のポイントとなります。2週間に1回追肥をした後は、鍬などでカリフラワーの苗の株に肥料と土がよく混ざるように土寄せをしてください。カリフラワーの苗が大きく育ち混み合ってきた場合は土寄せをせず、追肥だけでも問題ありません。
追肥を与え終わったら、忘れずに害虫対策の防虫ネットをかけるように注意してください。少し大変ですが、上手な育て方のポイントとなります。
カリフラワーの育て方⑤:外葉折り
育て方:外葉を折って白い色を保つ
「ホワイトキャンディ」などのような白い品種のカリフラワーは、真っ白くてやわらかい蕾が最大の特徴です。品質を保つためにカリフラワーの外葉を折ることで、つぼみに当たる日光を遮断できます。
対策方法として、カリフラワーの花蕾が見えてきたら、3~4枚の外葉を折って花蕾を完全に覆い隠してください。ひもでしっかり縛ると安心です。細かいことですが美味しいカリフラワーを食べるための上手な育て方のポイントとなります。
カラフルな品種は遮光しなくてよい
白さが特徴の「ホワイトキャンディ」以外のカリフラワーの品種を栽培している場合は、外葉を折って遮光する必要はありません。「パープルフラワー」や「オレンジブーケ」「ロマネスコ」などのカラフルな品種は、日差しによってより美しく発色するため日光を当てたほうがよいのです。
反対にカラフルな品種は外葉を折ってしまうと色付きが悪くなるため、うっかり外葉を折らないようにご注意ください。
霜の被害も外葉を折って避ける
白いカリフラワーの変色は日光だけではなく、霜によっても被害を受けます。寒冷地での収穫は10月頃となりますが、中間地や暖地での収穫時期は霜が降りる冬の間です。
そのため霜が降りそうなときは早めに花蕾を外葉で覆って保護するようにしてください。外葉で折るだけではなく、やはりひもで縛ったほうがより安心です。冬の気象条件に注意することも上手な育て方のポイントとなります。
カリフラワーの育て方⑥:収穫
育て方:花蕾が15㎝になったら収穫どき
収穫のタイミングは、花蕾が15~20センチメートルの大きさになった頃です。収穫は花蕾の頭を片方の手で押さえ、もう片方の手で包丁で切ります。茎は食用に向かないため、茎葉を付けて切る必要はありません。収穫した後は不要な葉はすべて切り落として取り除いてください。
カリフラワーはブロッコリーとは違って側花蕾は出ないため、茎葉は堆肥などの材料に回しましょう。後始末をきちんとするのも上手な育て方のポイントです。
ブロッコリーよりも一回り大きめ
カリフラワーの収穫のタイミングは15センチメートルほどのサイズになってからですが、このサイズはブロッコリーよりもひと回り大きめです。ブロッコリーは花がまばらにつく品種のため、すき間がある感じがします。
しかしカリフラワーはびっしり密集して花が咲くため、濃密な感じがする点が持ち味です。硬く締まり、ボール状に盛り上がった状態のカリフラワーが最高品質といえるでしょう。
カリフラワーを育てて堪能しよう!
カリフラワーの栽培期間は約2ヶ月間ですが、育て方の最大のポイントは2つあります。苗を植え付けたあとは必ず害虫被害に遭わないように防虫ネットをかけること、白い品種のカリフラワーは外葉で覆って変色を防ぐことです。
害虫対策のネットを外して追肥を2週間に1回するなど細かい作業がありますが、慣れればそれほど育て方は大変ではありません。収穫は1回限りのため貴重なカリフラワーを大切に育てて味わってくださいね。
カリフラワー料理が気になる人はこちらをチェック!
カリフラワーの育て方をマスターしたら、美味しい料理のレシピもチェックしてみてはいかがでしょうか。マヨネーズをかけるのも美味しいですが、少し趣向を変えてポタージュやピクルスなどにするのもおすすめです。こちらの記事をご参考にいろいろ試してみてください。

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見た目はブロッコリーと似ていますがブロッコリーほど固くなくほっこりとした食感が魅力のカリフラワー。茹でて食べる事が多いカリフラワーですが、茹...
出典:ライター撮影