寝る前に飲むとなぜいいの？
健康のためには、質のよい睡眠を手に入れる必要があります。寝る前の水分補給は身体によいとされていますが、なぜなのでしょうか？就寝中は気づかないところで、水分が失われており、季節によっては就寝中に脱水症状を起こす人もいます。また、寝る前の水分補給は睡眠の質を高める効果があるとも言われています。
ただ、どんな飲み物でもいいというわけではなく、寝る前に飲むといい飲み物や飲むのに適切な時間があります。それらに注意したうえで、水分補給を行って、いい睡眠がとれるようにしましょう。
水分摂取になる
人は寝ている間にコップ1杯分の汗をかくと言われています。季節によって汗の量は変化しますが、汗をかいて水分が失われていくと、血液の濃度が上がり、血液がドロドロしてしまい、血流が悪くなります。血流が悪くなると、就寝中に血栓ができたり、心疾患や脳卒中を起こす可能性が高くなるので、注意が必要です。
血液がサラサラの状態を保つためにも、寝る前にはコップ1杯の水分をとり、朝起きたらコップ1杯分の水分を摂取することをおすすめします。
睡眠の質がよくなる
寝る前になにかを飲むと睡眠の質をあげることができると言われています。これは、寝る前の水分補給によって、自律神経が整えられ、リラックスした状態で睡眠をとることができるからです。
自律神経のバランスが崩れると、脳が興奮した状態になり、落ち着きません。そのため、寝つきが悪かったり、深い眠りをとることができなくなってしまいます。
それを避けるために、睡眠前の水分補給がおすすめです。特に自律神経を整えるには、温かい飲み物がいいとされており、睡眠の質の向上に役立ちます。リラックスした状態になることで、安眠を手に入れることができるでしょう。
お肌のため
寝る前に、飲み物を飲んでおくだけで、お肌にいい影響があります。寝ている最中に、人は汗をかいています。汗をかくと、脱水症状になるだけでなく、お肌が乾きやすくなります。就寝中のお肌の乾きは、だれにとっても大敵です。
お肌が乾くと女性の場合、メイクにも影響がでてしまいます。そのため、就寝前の水分補給が欠かせません。寝る前に水分を摂取することで、乾燥を防ぐことができます。
飲むといい適切な時間は？
なにを飲むかにもよりますが、カフェインレスの場合は、就寝前にコップ1杯分の水分補給がおすすめです。汗による脱水症状を防ぐためです。食事と違い、消化器官を活発にさせることは少ないので、カフェインレスなら就寝前に飲んでも問題ありません。
もし、カフェインが含まれるものを飲む場合は、就寝の2時間から3時間前に飲んでおくのがおすすめです。カフェインの分解にかかる時間は、人によって異なり1時間から3時間と言われています。
カフェインを摂取すると、とても効果を感じるという人は、カフェインの分解に時間がかかる可能性があるので、就寝の3時間前に飲み終えるようにしましょう。
また、寝る前に少量のアルコールを飲みたい人もいるでしょう。その場合も、カフェイン同様に就寝の2時間から3時間前には飲み終えるのが理想です。
アルコールの分解には時間がかかり、人によって異なります。特に日本人は、アルコールの分解が苦手なので、就寝の直前にアルコールを飲んで、身体に負担をかけないようにしましょう。睡眠の質も落ちてしまいます。
寝る前に飲むといいジュース
しっかりと水分補給をすることができ、睡眠の質をあげることができる飲み物は、どんなものがあるのでしょうか？寝る前に飲むことをおすすめできる飲み物について紹介します。その効果についても解説するので、自身にあったものも選んでみましょう。
寝る前に飲むといいジュース①ミルク
ミルクを寝る前に、飲むのがおすすめです。コップ1杯を適量として飲んでみましょう。ミルクには必須アミノ酸の一つである、トリプトファンが含まれています。トリプトファンは、身体を落ち着かせる効果のあるセロトニンの原料となるので、就寝前に飲むのにおすすめです。
トリプトファンはミルク以外にもさまざまなたんぱく質に含まれています。その中でもミルクがおすすめな理由は、消化吸収のよさです。消化器官に負担をかけることなく、睡眠の質を上げるものを摂取することができます。
トリプトファンの他にも、カルシウムも多く含まれています。カルシウムには、交感神経の働きを抑える働きがあるので、睡眠前に気持ちも身体も落ち着かせることができます。
寝る前に飲むといいジュース②ぶどうジュース
ぶどうジュースには安眠効果があるとされています。どのような安眠効果かというと、体内時計を整える効果です。体内時計を整えることで睡眠の質を向上させることにもつながります。ぶどうジュースを飲むことで、夜間に適量のインスリンが分泌され、就寝している間に、体内時計を整えてくれるのです。
体内時計が整うと、身体もすっきりして、1日規則正しく身体を働かせることができます。ぶどうジュースの中でも特におすすめなのが、100％ぶどうジュースです。ぜひ一度試してみてください。
寝る前に飲むといいジュース③ハーブティー
ハーブティーが睡眠の質を高めるというのは、よく耳にするのではないでしょうか？就寝前に1杯飲むと効果的です。温かいハーブティーは、心身ともにリラックスさせ、自律神経を整える働きがあります。ハーブティーの中でも特におすすめなのが、身体を温める作用があるカモミールティーです。
また、人は寝るときに体温を急激に下げることで、眠りにつくのですが、これが下がらないとなかなか眠りにつくことができません。カモミールティーを飲むと体温が上昇するため、それに反して身体は体温を下げようとします。体温の落差が激しいほど、深い眠りにつくことができるので、カモミールは安眠におすすめな飲み物なのです。
寝る前に飲むといいジュース④ホットジンジャー
ホットジンジャーは、お湯に生姜を入れたシンプルな飲み物です。ホットジンジャーは、血行を促進させ、身体を温める効果があります。そのため、カモミールと同じく深部体温を急上昇させて、一気に下がる瞬間に深い眠りにつくことができるのです。
ホットジンジャーを飲む際、砂糖を使う人もいますが、入れすぎると血糖値が上昇して睡眠の質が下がってしまう場合もあるので、入れすぎには注意しましょう。
逆に、少量であれば睡眠の質を上げるサポートをしてくれるので、試してみてもいいかもしれません。
生姜を準備するのがめんどうであれば、市販されている生姜の粉末でも、ホットジンジャーを作ることができます。
寝る前に飲むといいジュース⑤ホットココア
ココアにホットミルクをいれた、ホットココア。ホットミルクが睡眠の質をよくしてくれることは、先ほど紹介しましたが、加えてココアにも安眠効果があります。ココアに含まれる、テオブロミンといわれる成分が、自律神経を整えて心身ともにリラックスさせてくれる効果があります。
また、ものによってはココアに少量の糖質が含まれています。その糖質も、睡眠のサポートをしてくれるでしょう。
寝る前に飲むといいジュース⑥甘酒
甘酒は常温のものでも構いませんが、できれば温かい甘酒がおすすめです。甘酒は、アデノシンを活発にさせる働きがり、このアデノシンは深い眠りに導いてくれます。また、甘酒はアミノ酸を多く含むほか、栄養価が高いため、身体の疲労回復にも効果的です。
最近では甘酒がコンビニやドラックストア、スーパーなどですぐに買うことができるので、手軽に試すことができます。
寝る前には飲まない方がいい飲み物
睡眠の質をあげるために、寝る前に飲んではいけない飲み物を把握しておきましょう。寝る前に飲むといい物と、飲んではいけない飲み物を抱き合わせてしまうと、せっかくの効果も下がってしまうかもしれません。寝る前には飲まない方がいい飲み物を紹介します。
アルコール
アルコールを飲むとすぐに眠くなる、気持ちよくなったくらいで寝てしまいがちですよね。寝酒といって就寝前にアルコールを飲んでから寝る人がいますが、それはNG行為です。
吸収したアルコールによって眠くなりやすいのは事実ですが、決して質のいい睡眠ではありません。人には浅い眠りと深い眠りがあり、質のいい睡眠とは深い眠りについているときのことをいいます。
しかし、アルコールによる睡眠は浅い眠りで、身体が休まっているとはいえません。アルコールを飲んでから睡眠に入ると、体内にあるアルコールを分解しようと働きます。
また、アルコールを体外に排出しようと水分が失われていくので、最悪の場合脱水症状になります。例え脱水症状をひきおこさなくても、睡眠中にのどの渇きやトイレに行きたくなり起きてしまうことも多いです。
カフェインを含むもの
カフェインを含む飲み物として、コーヒーや紅茶、エナジードリンクなどがあります。こういった、カフェインが多く含まれるものは就寝前に飲まないようにしましょう。
カフェインを吸収すると身体を覚醒させる働きがあるので、就寝前に飲むとなかなか眠りにつくことができません。
カフェインは交感神経を優位にして興奮した状態にするため、寝る前には適していません。一方で就寝時は副交感神経優位になっている必要があります。
もし眠りにつけたとしても、アルコール同様に浅い眠りになってしまうことが多いです。また、カフェインには利尿作用もあるので度々トイレに起きてしまったり、体内の水分が失われやすい状態になることが多いです。
もし、カフェインを含むものを飲む場合は、カフェインの分解時間を逆算して飲むようにしましょう。カフェインの分解には個人差があるので、身体の状態に応じて飲む時間に注意しましょう。
寝る前に飲むときの注意点
睡眠の質をあげるために、効果のある飲み物があるのは分かりましたが、就寝前に注意する点はあるのでしょうか？安眠を手に入れるために、就寝前の水分補給の注意点を紹介します。簡単なものばかりなので、参考にしてみてくださいね。
飲み過ぎない
寝ている間、人の身体は吸収した水分を体内にため込もうとします。そのため、朝起きると体がむくんでいることがあるのです。就寝中は汗を一定量かきますが、それ以上の水分が体内に残っていると、朝起きてビックリ！というくらい、むくむことがあるのです。
就寝前の水分補給はコップ1杯程度にして、飲み過ぎには注意しましょう。水腹になるほど飲んでしまうと、睡眠の質も妨げられてしまいます。
ゆっくり飲む
就寝前の飲み物は、ゆっくりと飲むのがおすすめです。一気飲みのようには早く飲むのではなく、ゆっくりと身体に注ぐように飲むとよいでしょう。一気に水分を補給すると身体が驚いてしまい、場合によっては消化器官に負担をかけて、良質な睡眠の妨げになります。飲み物の温度に関係なく、ゆっくり飲むことが大切です。
まとめ
寝る前に飲むといい飲み物を紹介しました。「最近寝つきが悪い」「寝ても疲れが取れない」という人は、身体がゆっくり休まってない可能性があります。そんな人は、今回紹介した、寝る前におすすめの飲み物を試してみましょう。睡眠の質が改善されるかもしれません。
今回紹介した、ジュース類の他にも、水や白湯といったものも寝る前におすすめです。どちらも糖分などの余計なものが入っておらず、余計なコストがかかる心配もありません。
寝る前に飲んではいけない飲み物や注意点を把握して、飲み物から良質な睡眠を手に入れましょう。飲む時間にも気を遣うことで、身体がしっかりと休められます。
多くの飲み物に身体を落ち着ける働きがあり、質のいい睡眠がとれるでしょう。自身の気に入るドリンクを見つけて、是非試してみてください。