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最強の切れ味を保つ、鉈(ナタ)の研ぎ方講座!砥石の種類や仕上げの方法も解説!

鉈の刃先は薪などの樹木への入りをよくするため、少し厚めで鈍めの角度にするのがおすすめです。意外なことに鉈の研ぎ方は慣れてしまえば難しくなく、砥石もホームセンターなどで安価に入手できます。鉈の研ぎ方をご紹介するので、鉈を長く愛用するためにぜひ挑戦してみませんか。
更新: 2024年10月8日
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鉈の研ぎ方を知っておけば応用が効く!

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鉈はキャンプなどのアウトドアでは、薪を割るときに必要な道具ですが、普段はあまり使う機会がないため、さび付きや刃先がぼろぼろ状態で、保管している人も多いのではないでしょうか。

鉈の刃先は少し面倒でも砥石を使って研ぐことで、切れ味が復活してきれいになるため、ぜひ刃先が傷んでいる鉈があれば研いでみてください。一度挑戦してみると意外に簡単ですよ。(この記事は2022年10月21日時点の情報です)

鉈の研ぎ方:パーツの名称を確認しておく

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鉈にはそれぞれの部分に特徴があり、そのためそれぞれに名前が付いています。基本的に刃物は鉈だけではなく、両刃の包丁などの他の刃物も同じ名前なので覚えておくとよいでしょう。

まず研ぐ部分の「刃先(はさき)」と「刃金(はがね)」から始まり、「切刃(きりば)」「あご(柄の側)」「地金(じがね)」「鎬(しのぎ)」「平(ひら)」「棟・峰(むね・みね)」「口金(くちがね)」「目釘(めくぎ)」となります。

研ぐ部分の中心は「刃先」

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基本的に鉈を研ぐ部分は刃の全体ではなく、実際に薪などを割ったり切ったりする物を当てる「刃先」となります。

片刃の鉈だけではなく両刃などの刃物にも当てはまることですが、基本的に研ぐ作業は刃全体ではなく刃先だけでよいのです。しかし全体にさび付いている場合はきれいに研ぐことで、ピカピカの鉈によみがえることでしょう。

鉈の研ぎ方:必要な道具を揃える

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鉈を研ぐ基本の道具で大切なものは「砥石(といし)」です。一般的に刃物を研ぐ場所は自宅のことが多いため、砥石は"据え置きタイプ"がよいでしょう。他に携帯用の砥石もありますが、こちらは農業を営む人などが多く利用しています。

他には「水を入れたバケツ」「滑り止めのシート」「タオルや布巾」「さび止めスプレー」です。さび止めスプレーは、鉈を研ぐこと自体には使用しませんが、切れ味を維持するためにあると便利です。

砥石にはさまざまな"目"がある

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砥石には、紙やすりと同様にさまざまな粗さの"目"があります。大まかには、粗い目の「荒砥石」と細かい目の「仕上げ砥石」の2種類があるのです。鉈などの刃物の状態によりますが一般的には、先に「荒砥石」で研ぎ、次に「仕上げ砥石」で研ぐことになります。刃が欠けておらずさびだけの場合は、「仕上げ砥石」だけで充分です。

しかし2種類揃えるよりも、ホームセンターで販売されている安価な2種類一体型をおすすめします。

鉈の研ぎ方:実際に研いでみよう

鉈の研ぎ方①:仕上がりの刃をイメージしておく

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鉈の刃先の仕上がりイメージとしては、鋭い角度ではなく鈍い角度に仕上げるのが、鉈の研ぎ方のポイントです。鉈の研ぎ方は、包丁やハサミのような鋭角に薄く刃先を研ぐ方法ではなく、少し鈍角に仕上げるほうが切れ味が長持ちするといわれています。

刃物の種類には両刃の包丁や片刃の鉈やハサミ、斧、釜などがあり、それぞれの特徴に合わせた研ぎ方をしなければいけません。

鉈の研ぎ方②:砥石を水に浸しておく

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鉈の研ぎ方の最初の手順は、水を張ったバケツに砥石を鎮めて水分を含ませます。初めは気泡が出るので、気泡が出てこなくなるまで5~6分ほど浸して馴染ませてください。こうすることで、金属である鉈と砥石の摩擦熱が防げるのです。

乾いたまま行うと摩擦熱が起きて刃先に熱が入り過ぎ、刃先の荒れや刃ころびの原因になってしまいます。鉈の研ぎ方で大切な手順のため必ず行ってください。

鉈の研ぎ方③:砥石を固定する

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次の研ぎ方のポイントは砥石を固定することです。砥石に水を充分に浸したあとは砥石がずれないように、砥石の下に要らない濡れたタオルや布巾などを敷いてください。安全かつきれいに鉈を研ぐために、砥石は必ず水平で安定した場所に置きましょう。

さらに周りには余計なものを置かないようにすることと、危ないので小さいお子さんがいる場合は近づけないようにしてください。

鉈の研ぎ方④:刃先の方向と角度を決める

砥石を水平に固定したあとは、いよいよ鉈を研ぐ作業に入ります。研ぎ方のポイントは刃先の方向と角度になります。方向は3タイプあり、具体的な角度はすべて15°が理想とされています。

縦にした砥石に鉈を置き、両方の親指を刃表に置いて残りの指全部で刃裏を支えます。刃先を自分の身体に平行に向け、本来の刃の角度に沿うように、鉈の棟・峰と砥石の間に、10円玉2枚分ほどの角度を付けてください。

鉈の角度:鉈を斜めに置く研ぎ方

砥石に対して、鉈の方向は自分の身体に平行にするとご紹介しましたが、鉈を斜めの方向にする研ぎ方もあります。縦にした砥石に鉈の刃先が平行になるように90°に当て、左手で鉈の「平」をずれない程度に押さえながら、右手で刃先の向きを右上45°まで研ぎます。

こうすることで刃先から柄の側まで全体的に研げるのです。鉈の刃先の向きは、自分のやりやすいようにするとよいでしょう。

鉈の角度:刃先を奥に向ける研ぎ方

刃先の方向は、自分に向けるパターンと斜めに向けるパターンがありますが、他にもあります。「棟・峰」を自分に向ける刃先を自分とは反対側に向ける研ぎ方です。こうすることで、万が一のことがあっても危険度は少なくなります。

この場合の研ぎ方は左手で柄を持ち、右の指で鉈を押さえて、砥石全体を使うようにして刃先を前後に動かしてください。刃裏を研ぐときは、右手に柄を持ち替えます。

刃先を厚くする研ぎ方・薄くする研ぎ方

刃物は、少し角度を付けた研ぎ方をすることで切れ味のよい断面になります。しかし先述したように鉈の場合は、刃折れや曲がりをなくすために断面が鈍い角度になるように研いでください。

鉈の刃先の厚みは鈍角のほうがよいとご紹介しましたが、中にはやや鋭角にする研ぎ方もあるようです。刃先に厚みを持たせる研ぎ方は鉈を起こし、刃先を薄くする研ぎ方は鉈を寝かせます。つまり研ぎ方の角度で刃先の厚みが変わってくるのです。

鉈の研ぎ方⑤:前後に動かす作業を繰り返す

鉈の刃物の方向と角度を決めた後は、鉈の刃先を軽く指で押さえてください。研ぎ方のポイントは、指で刃物を前後させながら、奥へ手前へとリズムよく繰り返し動かすことです。

砥石全体を使い、鉈の刃先を動かすことで刃先から柄側(アゴ)までの全体を研いでください。刃先には均等に力を入れて、シュッシュッとリズムよく刃全体を研いでいきます。目安は表20回・裏3回としてください。

ときどき水を掛けて滑りをよくする

研ぎ方のポイントとして、鉈の刃と砥石に摩擦が起きなくても、小まめにバケツの水を手ですくって刃先に掛けてください。摩擦が起きる前に水を掛けることで、なめらかな仕上がりの刃になります。水は刃先から切っ先、柄側までまんべんなく掛けて鉈を研ぎます。

鉈の研ぎ方⑥:裏面の"カエリ"を削り取る

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研いでくるうちに鉈の刃先はきれいになってくるので、指を切らないように注意しながらそっと指の腹で、刃の裏に軽く触ってください。

裏面には"カエリ"(またはメクリ)というザラザラした突起が出ていることに気づくはずです。これは刃先から出た残骸のことをいいます。このカエリがなくなるように反対側も研いでください。刃裏の研ぎ方のポイントは、手前に引くときに力を入れることです。

表と裏と均等に研ぐ

刃先の厚さは鉈の刃に限りませんが、表も裏も同じ厚さにして研いでください。刃が中心にない鉈は、薪などの樹木へスムーズに食い込ませられず、刃が折れたり曲がったりする原因になるのです。

鉈の研ぎ方は細かい作業となりますが、微調整をしながら慌てずにしっかり行いましょう。

鉈の研ぎ方⑦:仕上げ砥石で研ぐ

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鉈の刃先を両方研いだ後は、仕上げ砥石で②~⑥までの同じ作業を繰り返す研ぎ方となります。荒砥石と仕上げ砥石が一体になっているものは、仕上げ砥石の部分を使ってください。少し面倒に感じるかもしれませんが、切れ味のよい刃に仕上げるために必要な研ぎ方となります。

"ふくらみ"を指で確認する

仕上げ砥石まで行った後は、研ぎの確認をしてください。鉈は鈍い角度で少し丸みを帯びたほうがよいとされています。最終確認として、親指と人差し指で刃先を摘まみ、"少しふくらみがある"感じになっていれば鉈の研ぎ方は成功です。

鉈の研ぎ方⑧:きっちり乾かして仕上げる

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研ぎ方の最後のポイントは仕上げにあります。鉈の刃先の表面も裏面もきれいに研いだ後は、水できれいに研ぎ汁を流してください。汚れていないタオルや布巾で、水分をきれいにふき取って乾かします。刃先だけではなく柄の部分もしっかり水分を取ることでさびつきを防げるため、念には念を入れることが大切です。

最後の仕上げには、刃先にさび止めスプレーや椿油などを薄く掛けて終了となります。

キャンパーおすすめの鉈4選

①CAPTAIN STAG×鋼典「鉈」

キャプテンスタッグ×鋼典 鉈 UM-6

出典:Amazon
重さ軽め
重量455g

こちらの鉈は、アウトドアメーカーのキャプテンスタッグと新潟県燕三条の鍛冶技術によるコラボレーションとなります。

刃渡り15センチメートル、持ち手部分を入れた全長32.5センチメートルあり、小さな力でもしっかり薪割ができるので、キャンプなどのアウトドアで大活躍してくれることでしょう。キャプテンスタッグと"鋼典"のロゴ入りの黒い収納ケースもおしゃれです。

②豊国丹鍛工場「土佐渓流鉈」

土佐渓流鉈 tosakeiryu-002

出典:Amazon
重さ軽い
重量380g

土佐渓流鉈は和式刃物専門店緒豊国鍛工場が製造する、渓流登りの際にも大活躍の商品です。刃渡り15センチメートル、持ち手部分を入れた全長29センチメートルの携帯しやすいコンパクトサイズなため、さまざまなアウトドアシーンで活躍してくれます。

持ち手と鞘の素材はカシワとなり、さらに二連の革バンドを施したお洒落なデザインです。研ぎ方をマスターしていつまでも愛用したくなることでしょう。

③MONORAL(モノラル)「小割銀鉈Ⅱ」

モノラル 小割銀鉈II MT-0112

出典:楽天
重さ軽い
重量385g(本体)/15g(刃当)

MONORAL(モノラル)の「小割銀鉈Ⅱ」は、少ない道具でキャンプを楽しむことをモットーにしているMONORAL(モノラル)社のステンレス全鋼フルタングです。

刃こぼれの強さやナイフに近い切れ味の刃渡り9.5センチの刃に、力が入れやすい持ち手など、焚き火愛好家の心をくすぐるディティールがちりばめられています。牛革製の刃あても付いているので携帯に便利です。鉈の研ぎ方をしっかりマスターして末永くご利用ください。


④UNIFLAME「TSURUBAMIちび鉈片刃二寸三分」

ユニフレーム TSURUBAMI ちび鉈

出典:楽天
重さ軽い
重量約290g

新潟県燕三条のアウトドアメーカーである、UNIFLAMEが製造する「TSURUBAMIちび鉈片刃二寸三分」は、刃渡り約7センチメートルのコンパクトサイズです。持ち手を入れた全長も約18.5センチしかなく、とても携帯に便利な仕様となっています。

専用ケース付きで刃先も安全に収納できるため、さっと取り出して薪割ができるのがうれしい鉈です。研ぎ方もちゃんとマスターして長く愛用したくなることでしょう。

キャンパーおすすめの砥石2選

①Kennkou 両面包丁用砥石

Kennkou 両面包丁用砥石

出典:Amazon
大きさコンパクト
サイズ6×18×3㎝

こちらの砥石は、荒砥石と仕上げ砥石の2種類使える両面仕様になっており、赤い面の荒砥石はさび落としや切れをよくしてくれます。白い面は、表面のならしや光沢を出すための仕上げ砥石です。

底面には滑り止め防止の着脱可能なゴムが装着されてあるため、タオルや布巾を用意する必要はありません。価格も2,000円以内とお手頃なため、研ぎ方を覚えたら普段の料理にも使えるすぐれものです。

②パール金属包丁砥石

パール金属 包丁 砥石 C-3729

出典:楽天
大きさ普通
製品サイズ幅6.5×全長23×高さ4.5㎝

こちらの砥石は日本製となり、素材は黒の中砥石とグレーの仕上げ砥石の2枚組です。セラミック製の包丁は使用できませんが、金属製の包丁をきれいに磨き上げてくれます。全長は23㎝のロングサイズのため、初心者でも研ぎやすいサイズです。

価格も2,000円台と手ごろなため、研ぎ方をマスターしたら、鉈を始めとする刃物のお手入れをいつでも気軽に使えます。

キャンプできれいに研いだ鉈で薪を割ろう!

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鉈の研ぎ方のポイントは「刃先の方向」と「刃先の角度」にあります。刃先の方向は身体に平行になるようにする研ぎ方の他に、斜めにする研ぎ方と棟・峰を身体に向ける研ぎ方がありますが、やりやすい研ぎ方で構いません。

「刃先の角度」は厚めにするため、鉈と砥石の角度を15°(10円玉2枚)にして研ぎます。こうすることで刃先が樹木に入りやすい、鈍めの角度になるのです。鉈の研ぎ方をマスターして焚き火を堪能しましょう。

鉈について知りたい人はこちらをチェック!

鉈は各メーカーから、さまざまなタイプが販売されています。サイズも携帯に便利なミニサイズから、本格的な山林作業用のものなどいろいろです。こちらの記事をチェックして、キャンプに最適な鉈を選んでくださいね。