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白く美しい夏の花、鷺草の育て方講座!根腐れと日当たりを注意するのが枯れないコツ!

夏の花である鷺草の特長や花期をご存じですか?根腐れで枯れることも多い少し育て方が難しいといわれる鷺草ですが、使用する土や日当たり・水やりなどの基本的な栽培方法や植え替え方をチェックすることで失敗率が下がります。鷺草の育て方が気になる方要チェックです。
2021年7月20日
佐藤3
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はじめに:美しい夏の花!鷺草を育てる

鷺草栽培は難しい?枯れるのを防ぐ育て方

Photo by y_uno

鷺草は育てるのが難しいといわれている植物です。これはこの鷺草が水分が多い土を好む(根腐れが起こりやすい)のと最低気温が15度以上必要であるため、冬場の管理が難しいというところが原因となっています。

土や水ごけを使った鷺草の育て方解説

温度管理と土の水分管理が主に難しいとされる鷺草の育て方。今回はその枯れる原因となるふたつのお手入れを特に注意しながら、鷺草栽培を行うコツを解説していきます。

主に夏の遮光・冬の霜対策・土や水苔の使い方はポイントを押さえていきたい部分です。

育て方の前に!鷺草の分類や特長・花期を知る

鷺草の育て方の前に分類や原産地・特長や花期・花言葉の由来についてご説明します。鷺草の花言葉には日本の歴史上人物に関する物語由来で付けられているのもあり珍しいため要チェックです。

鷺草の基本情報

Photo by sunoochi

科・属 ラン科サギソウ属
原産地 日本
英語名/学名 Fringed orchid/Pecteilis radiata
育て方難易度 少し難しい

鷺草の見た目の特長や性質

特長1.ランナーで増える

鷺草は球根植物ですがランナーで増えるところが特長。ランナーを伸ばしてそこから肥大した根が球根となるため、一度植え付ければ何年も楽しめる花となっています。

特長2.熱帯性植物

鷺草は温かい地域原産の植物。分類は熱帯性となっています。ランナーで増やす注意点として越冬の気温に気をつけるということがあげられるでしょう。

越冬の注意点がはっきりしているので、枯れる原因もつかみやすく難しい反面管理のポイントもわかりやすく悩みにくい植物となっています。

鷺草の花期など

Photo byviarami

鷺草という夏の花の名前の由来ともなっている純白の花は、大きく3つのパーツに分かれており細かく細い切込みが鷺の羽根にとてもよく似ているのです。

植物の花の形が動物をイメージさせるというものはいくつかありますが、白という色や特徴的な姿がこれほどリアルに近いものは珍しいでしょう。

開花期は夏

鷺草の開花期は夏7-8月となっています。夏の季節に涼しさを感じさせる白い花が嬉しい植物。花の大きさは3cmほどとそれほど大きくはないですが、日当たりを好むこの花は太陽がまぶしい季節にキラキラと輝くような花を咲かせるのがと特長です。


鷺草の花がすぐに枯れるのは根腐れ病か?

根腐れ病が心配な植物ですが、枯れるのが花だけで葉は元気なようであれば根腐れ病ではなく単純に花の時期が終わったと考えてください。鷺草は開花期が短い植物で、通常4日ほどで自然に枯れてきます。

花の時期が終わったら葉はそのまま抜かずに自然に枯れるまで今までどおり水やりをして育ててください。次の年に咲く球根を育てるために花の終わった葉も必要となってきます。

鷺草の花言葉は「無垢」

鷺草の花言葉を代表は無垢。汚れがない状態を差す意味です。その由来は鷺草の真っ白い花の色に由来しています。このほかにも似たような由来によって清純・繊細・神秘的な愛や芯の強さなどという花言葉もあるのですが、その中でも異彩を放つ、夢でもあなたを想うという花言葉もあります。

悲恋の姫の悲しいものがたり

夢でもあなたを想うは吉良頼康と常磐姫の恋物語に由来する花言葉。頼康の寵愛を集めすぎたためほかの側室からいじめを受け、あらぬ噂で頼康から誤解を受けた常磐姫が、ペットの鷺に遺書をくくりつけ山奥で自害します。常磐姫が亡くなっていた場所に咲いていたのが鷺草の花であったという悲恋物語が由来です。

土や水やり方法は?上手な鷺草の育て方

鷺草の基本的な情報と特長・花言葉の由来なども見ていただいたところで、早速育て方を解説していきます。少し難しいといわれていますがあまり気負わず、ご自分の栽培環境と鷺草自身の様子を見ながら心を込めてお世話していけば失敗も減るでしょう。大切なのは臨機応変な対応です。

鷺草栽培に必要なもの

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鷺草栽培には通常の土や肥料・植木鉢のほかに水苔を使う育て方があります。水分をたくさん欲しがる植物なため土の保水性を上げてあげる目的で使用してください。

夏や冬といった過酷な季節は場所を移動してあげる必要もありますので地植えではなく鉢植えで育てるのが一般的。地植えでも鷺草が自生しているような環境に近ければ可能ですがはじめての方は鉢をご用意ください。

鷺草の日当たり

鷺草は強い日差しがさんさんと降り注ぐ夏の花です。日当たりはよいところを好みます。

通常であればそのまま日当たりのよい場所で育てればいいのですが、葉が縮れるなど葉焼けの症状が出てくるようなら2-30%を目安に寒冷紗などで遮光をしてあげるのが美しい姿をキープするポイントです。

日かげを好む鷺草の種類もある

鷺草は日なたで栽培すると言いましたが、これも種類によって性質が変わってきます。パッケージに向いている日あたりが書かれていればよいのですが、書かれていなくて日かげが好きな種類だとどうしたらよいかというと、葉の色で判断できます。

斑入りの品種でないのに葉が黄色く変わってきたら日かげに入れてみてください。黄色く変わってしまった葉は戻りませんが、新しく生えてきた葉が緑であればそれは日かげ栽培に向く品種です。

鷺草の植え付けと植え替え

Photo byFree-Photos

鷺草は球根植物です。鉢植えを買ってきた場合は植え付けなしでそのまま育てますが、球根の場合は冬から春の季節(具体的には1-3月)に植え付けていきます。

長い球根なので上下がわかりにくいときは横向きに植え付けることで芽が出ないという失敗を防げます。このとき土は大切で保湿性がありつつも水はけのよい土(水苔)を用意する必要があります。

初心者は特に毎年植え替えがおすすめ

植え替えは冬1-2月ころ、球根が翌年に花を咲かせる大きさになった頃におこないます。基本的に植え替え作業は毎年おこなうのがおすすめ。この植え替えをおこなうことで追肥をあげなくても充分な栄養が補充できます。

土も新しく変えることで水によって細かい粒が詰まって硬くなることも防げるため、水切れも確保でき根腐れで枯れる失敗を減らせるでしょう。

掘り起こし方と植え替え方

前述でもお話しましたが鷺草はランナーを伸ばしてその先の根が膨らんで次の花を咲かせる球根となります。鉢植えの場合横には伸びにくいため、スペースのある下の方に球根が出来ている場合がほとんどでしょう。

それを知らずに表面だけ掘ってみて無いと諦めてしまう方もいますので、鉢をひっくり返して下の方まで探してみてください。植え付ける場合は浅めに。球根の上1cmくらい覆土(土をかぶせること)をすれば十分です。


鷺草用の土について

鷺草用の土は通常の培養土では少し保湿性が足りません。そのため草花用培養土に水苔を半量程度混ぜ込んで使うのが一般的。人によっては水苔だけで育てる場合も珍しくありません。

培養土を使わない方は赤玉土の小粒に腐葉土を少なめに(1-2割程度)混ぜたものに水苔を合わせます。赤玉土の代わりに鹿沼土を使用してもかまいません。

鷺草の日常管理

水やりの注意点

Photo bypics_kartub

水やりはやりすぎると根腐れで枯れる原因となる、基本でありながら重要なお世話です。鷺草への水やりのやり方も根腐れに注意するためやりすぎには注意してください。

ただし水をたくさん必要とする植物なので水切れもさせるのもいけなくて加減が難しいと初心者の方は感じるでしょう。目安は土が乾いたらたっぷりと。毎日与える必要はないですが、からからに乾かさないことを心がけます。

鷺草の肥料について

鷺草は毎年植え替えをしていれば、培養土に含まれる養分で育つため追肥の必要はありません。植え替え時期を逃してしまったときには、即効性のある液体肥料を規定量に薄めたものを5-6月の2ヶ月間だけ肥料のパッケージの回数に従い与えてください。

あくまでもこれは植え替えをしなかった年の場合。基本的に鷺草は追肥は必要ない植物です。

鷺草の病気と害虫

鷺草はウィルス性の病気が出る場合がありますが、こちらは農薬などを使っても治癒ができません。真夏の葉焼けの時期でもないのに葉が縮れていたり茎がねじれているようなものはウィルス性の病気です。

見つけ次第根ごと引き抜いて、そのまま健康な株のそばに放置などせずビニールに入れてできるだけ迅速に処分してしまってください。

鷺草の増やし方

植え替え時期に分球して増やす

鷺草の増やし方は簡単です。おこなうことは植え替え時期の分球で、掘ってみるとわかるのですが栽培がうまくいけば最初1つだった球根が鉢の中で2-3個に増えているでしょう。

掘り起こした球根は1つずつ分けて植え替えることによりそれがまた倍・倍としっかり植え替えしていけば年ごとにどんどん増えていきます。そんなに数は不用だという方は大きさが大きく、しっかり中身が詰まっているよい球根を選んで植え付けていけばよいでしょう。

美しい鷺草の品種と保護について

鷺草の品種1.銀河

日本の園芸種でも流通量が多く人気が高い、斑入り種の鷺草となります。よく見かける鷺草の写真はほとんどがこの銀河であるため、鷺草=銀河という方も多いでしょう。

覆輪という派手めな咲き方をする花であるため、見栄えもよく園芸にとても向いています。

鷺草の品種2.飛翔

鷺草 飛翔

出典:楽天

画像ではよくわからないのですが、銀河と比べて鷺の向きが上下逆になって咲く変わり種種として流通が多いのがこの飛翔という品種です。比較的切り込みが浅くて柔らかな印象を与える花となっています。

鷺草の品種3.八月(はづき)


八月(はづき)も変わった花が咲く変わり種の鷺草で、蝶咲きと呼ばれる左右対称に2つの花が咲く姿をイメージしていただければよいでしょう。その姿は2羽の鷺が頭を突き合わせているように見えます。

ただしこのようなはっきりとした形に咲くことが難しい染色体異常種で、苗を手に入れたとしてもうまく咲かせることは非常に難しいといわれる品種です。

鷺草の品種4.緑星

花としてはメインの鷺の部分が小さく派手さには欠けますが、花色が緑の珍しい鷺草の品種として有名なのがこちら。また親と子が同じ姿で咲くことが少ないため、球根を手に入れて栽培したとしても翌年も緑星らしい花が咲くのかもあやしくなってくる種類です。

これらの変わり種は栽培が難しいので初心者の方は育てやすい銀河や飛翔を栽培されることをおすすめします。

鷺草はレッドリストに登録されている植物

環境省だけでなく地方でも守られる鷺草

Photo by torisan3500

まず日本全体としては環境省がレッドリスト(準絶滅危惧)登録を鷺草に対しておこなっています。これには前述でも触れたとおり、宅地造成などによりだんだんと鷺草が自生できる土地が減っているため数が激減しているためです。

何よりも鷺草の美しさから球根を掘り起こして持ち帰る人も多く、さらにその数をへらすのに拍車を掛けてしまっています。保護対象植物ですので自生している種であっても勝手に掘り起こし持ち帰ることはできません。

特に厳しく守られている都道府県例

環境省だけでなく特に数が減っている都道府県では独自にさらに手厚い保護対象として守っている地域もあります。

秋田・山形・茨城・長野・和歌山・福岡では絶滅危惧IA類として、京都と奈良では絶滅寸前種・千葉県では最重要保護生物として鷺草の保護をしているため特に鷺草だけでなく、自生できる環境をこれ以上変えないという努力も心がけたいですね。

まとめ:育て方が難しい鷺草栽培を成功させよう

鷺草の育て方のコツは植え替えと土

出典:https://photo-ac.com/

大きさ3cmほどの美しい鷺の姿に似た夏の花である鷺草。昔は里でも見られるようになりましたが、時代の経過とともにあまりひと目に付くような場所には生えなくなってしまった珍しい野草です。

植え替えを毎年おこなうことで充分な肥料が鉢の中に補充でき、水はけも回復するのでまずはこの植え替えを意識して栽培してみることがおすすめです。もちろん使用する土に鷺草に必要な養分と水はけのよさがあることが第一条件。育て方はまずそこに気をつけてみてください。

鷺草が気になる方はこちらもチェック

暮らしーのではこのほかにも夏の花である鷺草の季節ごとの栽培方法や植え替え・冬越し方法などの育て方解説記事があります。もしわからないことやつまづいたことがあったらこちらの記事も是非ヒントとしていただければ幸いです。