ゴルフスイングの地面反力とは
ゴルフスイングの地面反力とは、右打ちの場合バックスイングからの切り返しの時の体重移動で踏み込みの力が地面に向かいます。インパクトでは地面を蹴り上げて重心が上昇する力が地面反力です。
地面反力はゴルフのスイングとクラブの進化によって生まれました。地面反力は地面を蹴る反動でヘッドスピードを加速させます。地面反力は正しいスイングをすることで、どなたでもマスターすることが可能です。ここでは、地面反力の生まれる理由や効果を詳しく解説します。
1.ゴルフスイングで地面反力の重要性
地面反力とは、右打ちの場合は左足への体重移動の踏み込みの反発力で生まれます。この力を利用することで、ヘッドスピードが速くなり、少ない力で飛距離アップが可能です。さらに、力いっぱいスイングする必要がないので方向性が安定するメリットもあります。
ご年配のゴルファーや女性ゴルファーは一般の男性と比べて腕力がありません。地面反力を利用したスイングをマスターすれば飛距離を伸ばすことが可能です。さらにラウンド中の体力の消費の防止にもなります。
2.地面反力を上手に使うコツ
地面反力を上手に使いたい時は、ティーショットなどで飛距離が欲しい場合ではないでしょうか。ゴルフの解説書では、飛距離が欲しい時はゆっくりしたスイングをおすすめしています。これは地面反力を上手に使うということです。
地面反力の使い方とは、ゆっくりしたバックスイングで右足にため込んだ体重を左足に移動する時に生まれます。この時に打ち急ぐと、上体だけのスイングで前足への踏み込みが出来ません。ゆっくりしたスイングが地面反力を生み出す方法です。
3.地面反力の注意点
地面反力は全てのショットに有効とは言えません。飛距離を出すには地面反力は必要ですが、体重移動を抑えるショットには不向きです。斜面からのショットは、斜面の下の方向に体重をかけるスタンスを取ります。
さらに、斜面に沿ったスイングが必要です。この時に斜面に合わせた膝の高さを保つことで、重心が安定して正確なショットを打つことが出来ます。地面反力を利用するような体重移動するスイングは、ミスショットにつながるので使い方を間違えないようにしましょう。
地面反力が生まれる理由
ゴルフスイングの地面反力とは右打ちの場合は、ダウンスイングで体重が右足から左足に移動します。この体重移動の時に重心の向かう方向は地面です。低くなった重心はインパクトからフォロースルーではクラブは上を向いて振り上げます。
この時に下がった体の重心を足で地面を蹴り上げて上昇するのが地面反力です。このように、正確な体重移動と足が地面を蹴り上げる力により生まれます。地面反力の使い方が上手な方は、パワーのなくても多くの飛距離が出すことが可能です。
- 地面反力には足を踏み込むことで力が反発する
- 地面反力に重要なのは体重移動
- 地面反力を使えば飛距離が伸びる
1.ゴルフスイングの変遷
ゴルフクラブの進化とともに変わってきたのがスイングです。以前のフォームは右打ちの場合は左の腰を引くバックスイングでヘッドスピードを加速させていました。現在のフォームは右の腰を中心の回転です。回転軸が左の腰から右の腰に移ることで体重移動が大きくなります。
体重移動が大きくなることで、腕の振りに体重移動の力が加わりヘッドスピードがさらに加速します。このように以前の反発力の小さいクラブではできなかったスイングが今のクラブでは可能です。
2.地面の踏み込みの反発力
地面反力は、地面から重心が上昇する反発力ということはご説明しました。地面反力の力は重心の上昇だけでは生まれません。それには重心が下がる力が必要です。ジャンプするときに膝を曲げて飛び上がるのと同じ原理です。
この時に重心が下がる力が強いほど反発力も強くなります。ゴルフスイングではダウンスイングの踏み込みが重心を下げる力です。インパクトからフォロースルーにかけて下がった重心を足で地面を蹴り上げて、上に持ち上げる力が地面反力になります。
3.スイングの右足から左足への体重移動
地面反力は前足への踏み込みによって生まれますが、もう一つ重要な要素は体重移動です。踏み込んだ前足に体重移動することで地面反力のパワーが生まれます。初心者ゴルファーに見られがちなスイングに、バックスイングからの切り返しで前足に踏み込みはしたものの、体重が後ろ足に残ると地面反力のパワーが使えません。
それほど地面反力には体重移動が重要です。上手な体重移動の使い方が出来てこそ、地面反ちからを活かすことが出来るので正しい体重移動をマスターしましょう。
4.地面反力から生まれるパワー
地面反力のパワーとは、足の踏み込みや体重移動が重要ですが、重心の位置も重要です。体が上昇する重心の位置がボールより前に出ると、地面反力のパワーが使えなくなります。
インパクトの瞬間まで重心の位置がボールの後ろにあり、インパクトの瞬間に重心の位置が地面を蹴る力で上昇するとともに前足に移るのが正しい重心移動です。この重心移動をマスターするには、インパクトの瞬間までの頭の位置がボールの前に出ないスイングを完成させましょう。
地面反力による効果
ゴルフのスイングは地面反発のパワーを活かすことでさまざまな効果があります。最も顕著なのはそれほどヘッドスピードが速くない女子プロゴルファーでも、ヘッドスピードが優るアマチュアゴルファーよりもはるかに飛距離を出します。
これだけ飛距離が出るのはミート率の高さもありますが、地面反力の使い方が出来ているところです。また、地面反力を利用するスイングは必要以上に力を入れることがないので方向性も安定します。ここでは地面反力の効果についてご紹介します。
- 地面反力を使えばヘッドスピードが速くなる
- 地面反力を活かして軽いスイングで飛ばそう
- 地面反力はフォームを安定させる
1.パワー以上の飛距離を生み出す
パワーのない方が飛距離を出すのに最も効果的なのが地面反力の力です。ヘッドスピードは体の力に大きく比例します。しかし、それほど力がない方でも地面反力のパワーを利用すれば、ヘッドスピードを加速することが可能です。
ご自身のパワー以上の飛距離が出るので、力いっぱいスイングする必要がなく、2打目以降も距離が少なくなるアドバンテージになります。このためにも、力のない方が飛距離を求めるには最も効果的な方法です。
2.地面反力の力でパワー以上のヘッドスピードを生む
ゴルフ場や練習場で他の人のスイングを見て、軽く振っているのに飛距離が出る方がいるのではないでしょうか。軽く振っているように見えてもヘッドスピードはあります。ヘッドスピードはスイング全体のスピードではなく、インパクトの瞬間のスピードです。
ゆっくりしたスイングに見えるのは、右足から左足への体重移動から生まれる地面反力の力を使ったスイングといえます。地面反力の力はインパクトの瞬間にご自身のパワーを超えるヘッドスピードが可能です。
3.地面反力で安定したスイング
地面反力を利用したスイングとは下半身主導の動きから生まれます。地面反力の使い方が上手なゴルファーの動きは、切り返しから右足から左足への体重移動にかけて下半身主主導の動きで、上半身には力が入りません。
上半身に力が入ると腕の力に頼るスイングになり、飛距離や安定した方向性に打ちだすことが難しくなります。このように地面反力の使い方が上手なゴルファーほど安定したスイングが出来るので、ゴルフの上達には重要な要素です。
地面反力を活かすスイングの作り方
地面反力とはいっても、どのようにすればそのフォームが身につくのかと思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。地面反力の使い方はご説明しました通り、一連の動作が正しいスイングから生まれます。
正しいフォームが出来ていない場合は、地面反力を使おうとしてインパクトの時に地面を蹴り上げてもパワーが伝わりません。その結果スイングのフォームを崩すだけです。ここでは地面反力を上手に使うスイングについてご紹介します。
- バックスイングとダウンスイングは体の始動は逆
- 右腰軸の回転は地面反力には重要
- スイング中の膝は重要なバネの役割がある
1.バックスイングまでのスイングの動作
正しいバックスイングまでの動きは、右打ちの場合はクラブヘッドからの始動です。腕が腰の位置に来た時に右腰を軸に回転して、左腕は真っすぐ伸びて手の甲は正面を向きます。右腕の肘は地面を向き、脇が締まるのが正しいフォームです。
クラブヘッドの方向も正面を向き、ここからバックスイングのトップまでは前傾姿勢を崩さず上半身を捻ります。トップの正しい位置は上から見ると肩は90度、腰の回転は45度ほどでクラブのヘッドは正面を向くのが正しい位置です。
2.ダウンスイングの切り返し
バックスイングがトップの位置まで来ると、ここからインパクトまでの切り返し動作になります。切り返しの順番はバックスイングと逆になり、右足に乗った体重を左足に移して腰から始動して最後にゴルフクラブです。
この順番が崩れて上体から始動すると下半身の動きが止まり地面反力を使えません。切り返しの動作で重要なのは、バックスイングのトップで右足に乗った体重を左足に移すタイミングです。切り返しと同時に移さないと右足体重のスイングになります。
3.右腰中心の軸回転
ゴルフのスイングは、左腰を引くスイングから右腰を軸にしたスイングに変わってきたことはご説明しました。従来のスイングは、体の回転でヘッドスピードを加速させるため左腰の回転は重要でした。
現在のスイングは、左足を地面に踏み込む反発力を利用したスイングが主流です。左足が踏み込む力は、右腰軸の回転が左足に体重移動する時に生まれます。軸がぶれると左足の踏み込みに力が入らず地面反力を利用出来ません。地面反力を利用するには右腰軸の回転が重要です。
4.体重移動時の地面反力の使い方
地面反力の力が生まれるのは体重移動の重心位置が重要です。スイング時の重心はダウンスイングの時の踏み込みで重心が上から下へ移動します。インパクトの時に上昇する力が地面反力です。しかし、体重移動をすれば地面反力が生まれるわけではありません。
スイング中の体重移動で踏み込む力がなく平行移動すると、重心が地面に向かわず反発もありません。正しい体重移動は、ダウンスイングでクラブが地面の方向に下がるのと同じ方向に体重移動することが重要です。
5.スイング中の膝の使い方
ゴルフのレッスンを受けると膝を柔らかく使うことを指導されます。これは地面反力を使うための指導です。膝は地面反力をヘッドスピードに伝えるのに重要な役割をしています。
ダウンスイングで体の重心が地面に向かい、インパクトから重心が上昇する時に曲がった膝が真っすぐになるバネの役割です。膝が棒のように曲がらない状態では地面からの反発力は得られません。このバネの力を使うことで地面反力が使うことが出来て、飛距離がアップします。
地面反力のメリット・デメリット
地面反力は飛距離や腕力を必要としない安定したスイングには重要なことはご説明しました。しかし、地面反力は全てのショットに効果的というわけではありません。地面反力を使うことでデメリットを生じる場合もあります。
ゴルフ場はティーショットやフェアウェイやラフからのショット、パターまですべて異なるショットです。ショットをする状況により、地面反力を使わないほうがよい場合もあります。では、地面反力とはどのような場面で使うことが出来るのでしょうか。
- 地面反力で一番効果が出るのがドライバー
- アイアンは地面反力でスピンもかけられる
- アプローチやバンカーには地面反力は使わない
1.ティーショットの地面反力
地面反力の効果がよく分かるのがティーショットです。ティーショットは、ライのよいポイントを選んでティーアップが出来るので、伸び伸びしたスイングが出来ます。ティーショットはドライバーを使う頻度が多いので飛距離が必要です。
ドライバーはアドレスのスタンスの幅が広く、体重移動も大きくなります。体重移動が大きくなると踏み込みの力が強くなり、反動で地面を蹴り上げる力が地面反力です。地面反力の使い方が上手なプレーヤーはティーショットを苦にしません。
2.地面反力を使ったアイアンショット
2打目以降は芝生の上からのショットになります。アイアンはインパクトがスイングの最下点の前にインパクトを迎えるショットです。この時に重心も他のクラブのスイングと同じように地面方向になります。
インパクトでは、クラブがボールを打ち込む力に体が上昇する力が加わり、スピンが効いたボールが打てます。この時に地面反力が使えないと払い打ちになり、スピンの効いたボールが打てません。このように地面反力はスピンの効いたボールを打つのにも有効です。
3.アプローチやバンカーショットの地面反力
アプローチショットやバンカーショットは他のショットと異なり体重移動をさせません。アプローチショットは、体重移動すると正確な距離感が出せないのが理由です。距離が短いほどスタンスが狭くなり、重心の上下動がないスイングになります。
バンカーショットは手前の砂を打つショットです。腰を低く落としてスイング中腰の高さを固定するので、体重移動はありません。このようにアプローチやバンカーショットでは地面反力を使わない方が正確なショットを打てます。
4.パターの地面反力
パターは他のクラブとは異なりボールを転がすクラブです。パターは距離感と方向性が重要で飛距離は関係ありません。パターの基本のスイングは、体が動かないように固定して、腕を振り子のように使って打ち出します。
スイングの途中で体の体重移動や頭が動いてしまうと、目標の方向に打ち出すことが出来ません。このようにパターは、地面反力を使わず重心が移動しないスイングをすることが大切です。
まとめ
地面反力についてご説明しましたがいかがでしたでしょうか。地面反力は筋力が強くないゴルファーが上手に使えば、ヘッドスピードが速くなり飛距離が飛躍的に伸びます。また、目一杯クラブを振る必要がないので、安定した方向に打ち出すことも可能です。
地面反力の活かしたスイングはどなたでも身につけることが出来ます。そのためには正しい体重移動が必要です。今回ご紹介しました記事をご参考に、地面反力のスイングを身につけて飛距離アップを目指してください。
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