支笏湖は札幌近郊の抜群の星空スポット!
周囲約40キロメートルの支笏湖は約4万年前の爆発でできたカルデラ湖で、日本では屈斜路湖に次いで2番目の大きさ。水深も日本で2番目の深さとなり、最大水深360メートル・平均水深は265メートルもあり、秋田県の田沢湖に続く深さなのです。
透明度も17.5メートルと高く、日本では摩周湖と倶多楽湖と共にいつも上位にあります。大都市の札幌から近いにもかかわらず、このように素晴らしい自然環境の支笏湖です。格別の星空の美しさを撮影しに出かけましょう!(記事は2021年6月4日時点の情報です)
支笏湖の星空観察4つの魅力
①周囲に原生林が広がる支笏湖
支笏湖は山の中の湖のため、光害に悩まされることはありません。曇りの日には支笏湖温泉街の光が雲に反射して明るくなることもありますが、基本的に周辺は森なので抜群の星空を眺められるのです。
支笏湖温泉街には数軒のお土産店やホテルがありますが、夜間は特に静かになるため、夜空の写真撮影も集中して行えます。大都市の札幌や千歳、苫小牧などの周辺地域からわずか1時間で、素晴らしい天体観測と星空の写真撮影ができるとは、さすが広大な北海道といえますね。
②支笏湖に映る星空
支笏湖の波の状態によりますが、風が吹かず静かな凪の状態だと湖に星空がうっすらと映り、ひときわ美しく観えます。光害のない、山の中の静かな湖ならではの夜空の魅力です。
残念ながら星空がはっきりしない日でも月が美しく水面に揺れるので、やはり素晴らしい夜空を満喫できます。撮影する場合は車のライトも消して星空を楽しみましょう。
③場所によって観える星が変わる
星空観察をするときは自分がどの方角にいて、どの方角を観ているかを意識しましょう。森に囲まれた支笏湖は、地平線が観られないので自分が立っている背後の星空は高い位置でないと観られません。
北の方角に見える北極星であれば、北緯42度の支笏湖は地平線から42度の高さに観えます。ということは北極星は、支笏湖の北側であるポロピナイからは見えにくく、南側の美笛キャンプ場周辺から恵庭岳の方角に観えやすいということなのです。
北極星の近くに「北斗七星」と「カシオペア座」
星空で探しやすいのは北極星ですが、特徴さえつかめばその近くにある北斗七星とカシオペア座も見つけやすいでしょう。春から夏の時期にかけての星空には、北極星の右(東)に北斗七星があります。秋から冬の時期にかけて星空には、北極星の左(西)にW字のカシオペア座が観えるのです。
星空を観察するときは、このような先に見つけやすい星を探してからにすると、より星空を楽しめることでしょう。
夏と冬の時期に頭上に観える「天の川」
星空でとても人気がある天の川は、北側のポロピナイでも南側の美笛キャンプ場でも、支笏湖のどの位置からでも頭上に観えます。
天の川は、夏の時期と冬の時期に南北に頭上あたりの位置に来るのです。このように事前に観たい星の場所を確認しておくと、現地では落ち着いて星空を眺められることでしょう。
夏の大三角形
もうひとつ支笏湖の星空観察で探したいのは、夏と冬の時期に天の川をまたいで観られる「大三角形」です。大三角形以外に他の星も観られるため、夏と冬の時期の夜空はとてもにぎやか。夏の大三角形は、夏の時期に東の空に輝く七夕伝説の3個の1等星を指しています。
一番高い位置で最も明るく青白く輝くのが織姫星、ずっと右下のほうで白く輝くのが彦星です。もう一つははくちょう座のデネブとなります。真夜中頃にはほぼ頭上で輝いているのでぜひ確認してみてくださいね。
冬の大三角形
冬の時期に観られる大三角形も、一度覚えると簡単に探せられます。空気が澄んでいる冬は、一年で一番星空が美しい時期なのです。冬の星空は南を見上げると、下のほうにひときわ輝くシリウス、その右上にペテルギウス、左にこいぬ座のプロキオンが観え、これらをつないで冬の大三角形といいます。
プロキオンとシリウス、右にあるオリオン座のリゲル、その上のアルデバラン、さらに上のカペラ、左側のボルックスの6つの星をつないで冬の六角形(ダイヤモンド)となるのです。
④場所によって観える山が変わる
支笏湖から眺められる主な山は、北側の恵庭岳と南側の樽前山と風不死岳です。しかし星空観察をする支笏湖の場所によって、眺められる山が異なってきます。天の川などの星空と好みの山をカメラで撮影したいときは、事前に場所のチェックをしておきましょう。
カルデラの支笏湖は元々は円形でしたが、恵庭岳と対岸にある風不死岳の噴火によってひょうたん形になりました。支笏湖の地理的な特徴も念頭に置きながら星空を撮影すると、味わい深い一枚が撮れるかもしれません。
支笏湖の星空撮影おすすめスポット7選
現在支笏湖は一周できませんが、北側から時計回りに南側まで国道453号が走っており、温泉街・一軒宿・キャンプ場が点在しています。
星空スポットは、北側にある恵庭岳山麓の「ポロピナイ」と「丸駒温泉旅館」から始まり、「ビューポイントパーキング」「支笏湖温泉街」「休暇村支笏湖」「モーラップ(キャンプ場)」、そして南側の「美笛キャンプ場」の7か所。アングルが変わるので山などの景色も変わりますが、いずれも夏と冬には天の川などの天体観測ができます。
①札幌に一番近い「ポロピナイ」
アイヌ語で「大きな枯れ沢」の意味があるポロピナイ(幌美内)は、晴天時に対岸にそびえる風不死岳と綺麗な天の川の撮影が期待できる天体観測おすすめスポット。恵庭岳の東麓に位置しており、噴火によって支笏湖に流れ出た溶岩流の一角を成す場所なのです。
以前はキャンプ場だったため今も野営をする人がいますが、火器は厳禁です。レンタルボートや天然釣り堀、支笏湖名物のチップ料理もいただけるので、早めに出かけてゆっくり天体観測と撮影をして帰るのがおすすめです。
支笏湖のおすすめ星空スポット情報
㈱ポロピナイカンパニー
- 住所〒066-0287
北海道千歳市幌美内番外地 - 公式サイトURLhttp://poropinai.com/
- 電話番号0123-25-2041
- 駐車場あり
- 営業時間10時~17時30分
- アクセス札幌市内から国道453号で約1時間千歳空港から道道16号(支笏湖公園線)で約50分
②温泉での天体観測「丸駒温泉旅館」
丸駒温泉旅館はポロピナイから車で5分の場所にあり、宿泊者は温泉につかりながら天体観測できるスポットです。恵庭岳の溶岩流の先端に一番近い場所にあり、まさに支笏湖のくびれ部分に当たるのです。支笏湖の対岸には風不死岳が眺望でき、天の川との共演も見もの。
天体観測は、丸駒温泉旅館名物の支笏湖に面した露天風呂からも素敵ですが、星空を撮影するならば庭や桟橋からとなります(要事前許可)。晴天時には風不死岳に架かる天の川も撮影できることでしょう。
支笏湖のおすすめ星空スポット情報
支笏湖 丸駒温泉旅館
- 住所〒066-0287
北海道千歳市幌美内7番地 - 公式サイトURLhttps://www.marukoma.co.jp
- 電話番号0123-25-2341
- アクセス千歳空港から道道16号(支笏湖公園線)で約50分苫小牧市内から国道276号で約1時間
③道路沿いの「ビューポイントパーキング」
ポロピナイから支笏湖温泉街にアクセスする途中の国道451号には、20台ほど無料駐車できる人気の「ビューポイントパーキング」があります。右手に恵庭岳、正面に丹鳴岳、左手に風不死岳と樽前山が綺麗に眺められる、天体観測にもおすすめの人気スポットです。
晴天時には車内からでも素晴らしい支笏湖の星空が眺められます。ただし駐車場だけなので、ゆっくり天体観測を楽しむときは暖かい飲み物やおやつなどを用意していくとよいでしょう。
支笏湖のおすすめ星空スポット情報
支笏湖ビューポイントパーキング(支笏湖駐車場)
- 住所千歳市幌美内
- 公式サイトURLhttps://www.hkd.mlit.go.jp/ky/kn/dou_kei/ud49g7000000tcul.html
- アクセス国道453号支笏湖温泉から札幌方面へ約8km
④山線鉄橋も美しい「支笏湖温泉街」
支笏湖温泉街は観光地としても人気の、天体観測の定番スポットです。高台の駐車場から階段で湖岸に降りると、右手に恵庭岳、正面に丹鳴岳やフレ岳、左手に風不死岳と樽前山が観えます。晴天時にはすべての支笏湖外輪山と天の川が綺麗に眺められることでしょう。
駐車場は、お土産物店やビジターセンターに近い場所、赤いレトロな山線鉄橋や湖畔に近い場所(第5駐車場)などがあるので、事前に天体観測したい場所をチェックしてから利用すると便利ですよ。
支笏湖のおすすめ星空スポット情報
支笏湖温泉駐車場
- 住所〒066-0001
北海道千歳市支笏湖温泉 - アクセス千歳駅から車で45分程度
- 駐車場あり
普通車500円※冬期間(12月1日~3月31日)は無料 - 公式サイトURLhttps://www.welcome-to-chitose.jp/archives/tourism/9187.html
- 営業時間9:00~17:30(4月~11月)
9:30~16:30(12月~3月)
⑤高台の森にある「休暇村支笏湖」
日帰り温泉も入れるホテルの休暇村支笏湖は、目の前に広がる野鳥の森での天体観測になり、格別な星空の美しさを満喫できます。無料駐車場とトイレもあるので、クマゲラやエゾライチョウなどの野鳥観察と併せて綺麗な星空の写真撮影を楽しみませんか。
ホテル宿泊者向けの星空観察ミニツアーも開催しているのでお泊りもおすすめ。天体観測前に支笏湖を眺めたいときは、少し歩きますが湖岸にアクセスできる階段があり、下りると樽前山と風不死岳がすぐ右手に見えます。
支笏湖のおすすめ星空スポット情報
休暇村支笏湖
- 住所〒066-0281
北海道千歳市支笏湖温泉 休暇村支笏湖 - 公式サイトURLhttps://www.qkamura.or.jp/shikotsu/
- 電話番号0123-25-2201
- 送迎あり
- 営業時間日帰り入浴/11:00~15:00
- 駐車場あり
⑥苫小牧から近い「モラップキャンプ場」
アイヌ語で「小さなたんこぶ山」という意味のモラップには、休暇村支笏湖が運営するキャンプ場があります。北海道ではキャンプを楽しみながらの天体観測と撮影もおすすめ。場所は休暇村支笏湖の近くにあり、日帰り温泉も入浴できることから大人気です。
のんびりワインやコーヒーを味わいながらの、対岸の恵庭岳を包む夕日観賞と天体観測は格別に感じられることでしょう。時間を気にせずゆっくり星空写真を撮影できるので、会心の一枚を撮れるかもしれませんよ。
支笏湖のおすすめ星空スポット情報
支笏湖モラップキャンプ場
キャンプシーズンなどの夏の時期以外は人手も少なくなるため、クマなどの野生動物には注意してください。
- 住所〒066-0283
北海道千歳市支笏湖モラップ - アクセス千歳駅から車で45分
- 公式サイトURLhttps://www.qkamura.or.jp/shikotsu/camp/
⑦巨木の森が控える「美笛キャンプ場」
洞爺湖方面からアクセスしやすい支笏湖の西側にある美笛キャンプ場は、格別な天体観測ができることで人気です。左手に恵庭岳、対岸に紋別岳、左に風不死岳と樽前山というロケーション。食事を楽しみながらの天体観測は、"ぜいたく"の一言。星空が綺麗な北海道ならではの時間を過ごせることでしょう。
キャンプ場のセンターハウス内には売店やシャワー、自動販売機もあるので安心して天体観測を楽しめます。支笏湖ならではの綺麗な星空をお楽しみください。
支笏湖のおすすめ星空スポット情報
美笛キャンプ場
キャンプシーズンなどの夏の時期以外は人手も少なくなるため、クマなどの野生動物には注意してください。
- 住所北海道千歳市美笛
- 公式サイトURLhttps://www.shikotuko.jp/index.html
- アクセス札幌から車で約90分新千歳空港から車で約60分
格別な星空の支笏湖で写真撮影をしよう!
支笏湖は札幌や周辺市町村から約1時間でアクセスできる、星空観察に最高の場所。森に囲まれているため夜空には光害がなく、静かな環境で星空の撮影もできます。おすすめスポットは7か所ありますが、観える星や山などの特徴が少し異なるので、事前にスポットのチェックをしておくのがベストです。
天の川は夏と冬の時期に頭上で観えるので、晴天時には森に囲まれた支笏湖でも充分に綺麗な天の川を観察できます。晴れた夜はカメラを持って支笏湖に撮影に出かけましょう。
支笏湖の温泉やキャンプ場が気になる人はチェック!
支笏湖の星空観察は日帰りも楽しいですが、せっかくなので宿泊して楽しみましょう。支笏湖には老舗と新設の温泉ホテルやキャンプ場などが点在しています。お気に入りの場所を見つけてゆっくり天体観察もしてくださいね。
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出典:ライター撮影