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日本の夏の風物詩!意外と身近なサイサリス(ほおずき)の種類や花言葉をご紹介!

花のように鮮やかな朱色のガク(萼)が目を引くサイサリス(ほおずき)。毎年全国各地でほおずき市が開催されるなど、夏の風物詩として親しまれています。今回は、意外と身近な植物、サイサリスについて、その特徴や種類、花言葉や育て方などをご紹介します!
2021年4月17日
komomo39
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目次

サイサリス(ほおずき)について知ろう

Photo byHans

赤い小さな紙風船がぶら下がっているような姿が人目を引き、可愛らしいサイサリス(ほおずき)。毎年夏になると各地の寺社でほおずき市が開かれたり、お盆の飾りとして用いられたりするなど、日本では古くからなじみ深い植物です。

今回は、夏の風物詩、サイサリス(ほおずき)について、その特徴や種類、花・花言葉を中心に、ガーデニング初心者でも挑戦しやすい育て方などを詳しくご紹介します!

サイサリスの特徴

Photo bypixel2013

サイサリスは、ナス科・ホオズキ属の植物です。夏野菜のナスの仲間とは、少し意外な感じもしますが、花の姿や実が成る時期など、ナスと似た特徴が沢山あります。

また、サイサリスは多年草の植物です。秋になって地上部が枯れても、土中に残った根から翌年また新しい芽を出す逞しさをもっています。

原産地

サイサリスの原産地は東アジアとされます。

日本への伝来の歴史は非常に古く、最も古い記述は古事記に見られます。ヤマタノオロチの赤い目がほおずきに例えられたもので、サイサリスが古くから日本に定着している植物であることがうかがえますね。

赤い実とガク

Photo byGoranH

サイサリスを特徴づける、赤い紙風船のような部分は、花ではなく果実を包むガク(萼)。このガクは、花が咲き終わってから、次第に袋状に膨らみはじめます。

一つのガクの中にはそれぞれ一つだけ、まるでミニトマトのような丸い実が入っています。食用の食べられる実と、観賞用の食べられない実があるので区別しましょう。

観賞期間

サイサリスは主にガクが赤く色づいた状態で観賞します。家庭でガーデニング栽培する場合、メインの観賞期は8月~9月頃です。

一方、花屋や園芸店では7月頃の早い時期から赤いサイサリスが出回ります。これは、ほとんどが植物成長調整剤を使って育てられたもの。新暦の7月のお盆やほおずき市の開催に合わせ、促進栽培したものが売られているのです。

名前の由来

Photo byCapri23auto

「サイサリス」という名前は、学名の「Physalis alkekengi var. franchetii」に由来しています。学名はギリシア語の「physa」、水泡、気泡という意味の言葉を語源としていて、サイサリスの膨らんだガクを表しているとされます。

英語名

サイサリスの英語名は「Chinese lantern plant」「Winter Cherry」です。

Chinese lantern plantとは、直訳すると中国のランタンという意味。Winter Cherryという英語名は実がサクランボのように見えるのでつけられています。

この他、サイサリスの種類によってStrawberry tomato、Bladder cherryといった英語名もあります。

和名の由来

和名である「ほおずき」という名前の由来には、「ホオ」というカメムシ類が好んでつくので「ほおずき」になったという説、子ども達が赤い実の皮で遊ぶときに「頬をついて」音を出したから「ほおずき」と呼ばれるようになった、という説などがあります。

サイサリスには他にも「鬼灯」という和名表記があり、これは実を包むガクが提灯に見えることに由来します。

サイサリスの種類

Photo bySichiRi

観賞用のサイサリスには、実が大きく、草丈100㎝程と大型の「丹波大実ホオズキ」、草丈15~20㎝程度で小型の「サンズンホオズキ」、ガクの形が長刀の刃の形状に垂れ下がる「ヨウラクホオズキ(別名ナギナタホオズキ)」などの種類があります。

これらは切り花や鉢物、家庭のガーデニングで楽しまれます。

野草の仲間

サイサリスの仲間には野草として身近な種類も沢山あります。「センナリホオズキ」はそのひとつ。ガクは緑のままで小さく、「千成(センナリ)」の名の通り、沢山つきます。花は花径6~8㎜と小さく、黄白色です。

他にも花が薄青色の「オオセンナリ」や、小さな白い花をつけ、黒い実がなる「イヌホオズキ」などがあります。

生薬として活用されていた


サイサリスは「酸漿根(さんしょうこん)」という名前の生薬として活用されていました。鎮静剤、解熱剤、冷え性改善、咳や痰をしずめる効能があると信じられ、煎じて飲まれていた歴史があります。

薬として活用されてきた反面、観賞用のサイサリスには、地下茎及び根の部分にヒストニンという毒が含まれます。口にすると子宮が収縮し流産する可能性があるため、妊娠中の女性は特に要注意。ガーデニングの際は気をつけましょう。
 

食用サイサリス

Photo byAlexas_Fotos

食用のサイサリスがあるのをご存知でしょうか。「ストロベリートマト」「フルーツホオズキ」「ほおずきトマト」など色々な名前で売られています。観賞用のものと違って毒はなく、ヨーロッパなどではすでに一般的なフルーツとして普及し、食されています。

日本での認知度はまだ低いですが、栄養価の高いスーパーフードとして、近年注目を集める食材です。

食用サイサリスの味

Photo byHans

気になる食用サイサリスのお味は、甘味と酸味が兼ね備わったフルーツトマトのようで、トロピカルな印象。英語名にあるように、ベリー類に似た甘酸っぱさが味わえます。

食べ方は、そのまま生で食べられる他、サラダに混ぜたり、ジャムやコンポートにされるなど多様です。中南米ではソースの材料にされることもあります。

栄養分と効能

Photo bystevepb

食用サイサリスには豊富な栄養が含まれます。そのひとつが、ビタミンBの一種、イノシトール。イノシトールにはコレステロール値を軽減させたり、脂肪肝を予防する効能が期待されます。

さらに、注目すべきは豊富に含まれているビタミンA。動脈硬化や心筋梗塞予防の効能があるとされます。鉄分、カリウム、食物繊維、ビタミンCなど、アンチエイジングの効能が期待できる栄養素が多いのも嬉しい特徴です。

サイサリスの花と花言葉

サイサリスの花

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/4541398?title=%E3%81%BB%E3%81%8A%E3%81%9A%E3%81%8D%E3%81%AE%E8%8A%B1%E3%81%AE%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%BA%E3%82%A2%E3%83%83%E3%83%97&searchId=3679097294

サイサリスがどんな花を咲かせるかご存知でしょうか。オレンジ色のガクに比べると地味な印象ですが、うつむきがちに可愛らしい花が咲きます。

ナス科の植物なので、花はナスやトマトの花に似ています。花色は白色~淡い黄色で、6月~7月が開花時期。花の大きさは直径1.5㎝ほどと小さめです。花びらには細かい毛がうっすらと生えていて、五角形の花冠は5つに裂けています。育てる際はぜひ花も観賞して楽しみましょう。

サイサリスの花言葉

Photo bycastleguard


サイサリスには「偽り」「ごまかし」「自然美」「心の平安」といった花言葉があります。これらは、サイサリスが咲かせる白い小さな花に対してつけられた花言葉というより、ガクが赤く色づいたサイサリスの姿に対してつけられた花言葉です。

サイサリスの花言葉にはどのような意味が込められているのでしょうか。

花言葉「偽り」「ごまかし」

「偽り」や「ごまかし」という花言葉は、サイサリスの袋が大きく膨らんでいるのに、中にある実はたった一つだけであることに由来しています。英語の花言葉も「deception」(ごまかし)で、同じことを意味しています。
 

花言葉「自然美」「心の平安」

「自然美」はサイサリスの美しさを表した花言葉です。「心の平安」は毎年恒例のほおずき市が寺社への参拝とセットになることが多いことに由来する花言葉。サイサリスを花のように飾り、愛でることが生活に馴染んでいることが良く分かります。

夏の風物詩、ほおずき市について

フリー写真素材ぱくたそ

サイサリスと言えば、夏の風物詩、ほおずき市を思い出す方も多いのではないでしょうか。赤く色づいた無数のサイサリスがずらりと並んで売られる風景はとても美しく、賑やかです。

全国各地で開催されるほおずき市ですが、東京の浅草寺で毎年開催されるほおずき市は特に有名。この日に参拝すると人の一生分ほどの功徳が得られるとされる、四万六千日の縁日に合わせて催されます。

ほおずき市のはじまり

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1382217?title=%E3%81%BB%E3%81%8A%E3%81%9A%E3%81%8D&searchId=4134093977

ほおずき市の始まりは、江戸時代に東京の愛宕神社の縁日で開催されたものに遡るとされます。ほおずきを丸のみにすると大人の癪(しゃく)、子どもの虫を治す効能があると信じられ、広まりました。

もともと売られていたのは解熱剤などの薬効があると考えられた「センナリホオズキ」だったそうですが、現在では美しい観賞用のサイサリスが中心になっています。


お盆の飾りとしてのサイサリス

Photo bycocoparisienne

サイサリスはお盆の飾りとしてよく用いられます。時期が近づくと花屋では仏花と並んで実のついたサイサリスの枝が売られ、目にする機会も多くなります。

飾り方は多様で、玄関や仏壇の周りに他の花々と一緒に花瓶に生けて飾られたり、紐で結んで吊るされたり。精霊馬など他のお盆飾りと並べて飾られることもあります。

では、お盆にサイサリスが飾られる意味や由来とはどのようなものでしょうか。

道しるべとしての意味

お盆は、先祖の魂があの世から家に帰ってくる期間とされます。お盆に灯される迎え火や盆提灯は、先祖が帰ってくるとき、迷わないように、という道しるべとしての意味があります。サイサリスも、赤く膨らんだガクが提灯のように見えることから、先祖を導く道しるべとして盆飾りに用いられるようになりました。

空洞に魂が宿る

Photo by4924546

お盆の期間中、あの世から帰ってきた先祖の魂は空洞になっている場所に宿ると考えられています。サイサリスのガクは袋状になっていて、中が空洞です。そのため、先祖の魂の置き場所になるとされ、仏壇や精霊棚に飾られることが多いのです。

サイサリスの育て方

Photo byCapri23auto

ここからは、サイサリスの育て方についてご紹介します。サイサリスは初心者でも比較的育てやすい、丈夫な性質をもった植物です。鮮やかな色どりを添えるサイサリスを夏のガーデニングに取り入れて楽しみましょう。

植え付けの準備(1)土

サイサリスの栽培には水はけが良く、日当たりが良い場所が適しています。連作障害が出やすいので、続けて同じ場所に植えるのは避けましょう。土は水はけと保水性の良い土を準備します。

鉢植えの場合

Photo bymsimecek

鉢植えの場合は、市販の草花用培養土で問題なく育ちます。配合するときは、赤玉土(中)5:腐葉土3:酸度調整済ピートモス2の割合で混ぜ合わせ、緩効性化成肥料を加えましょう。

地植えの場合

地植えの場合は、やや湿り気のある肥沃な場所を選びます。水はけが悪い時は、対処方法として、腐葉土をすき込んで、土を高めに盛るなどすると良いでしょう。植え付けの2週間前までに苦土石灰をまいて酸度を調整し、元肥として緩効性化成肥料を入れます。

植え付けの準備(2)苗を用意する

Photo byHelgaKa

苗は4月~5月に出回ります。手に入りにくい場合は、鉢物を入手したり、種をまいて育てる方法があります。種から育てても比較的成功しやすいですが、種まきから実が成るまで2年かかります。

4月~5月が種まきの適期。育苗ポットやピート板に赤玉土(小粒)を入れ、2~3粒ずつ重ならないように種をまいたら、薄く土で覆います。明るい日陰で水をやりながら管理し、本葉4~5枚まで育てて定植します。

サイサリスの植え付け

植え付けの適期は3月~4月です。準備した苗を庭に植え付けましょう。大きく育つので、地植えの場合は株間15~20㎝ほど取って植えつけます。

鉢で育てていると、次第に鉢の中が育った根でいっぱいになってきます。1年に1回を目安に植え替えを行うようにしましょう。地植えの場合も連作障害を防ぐため2~3年に1回は植え替えを行うのがおすすめです。

サイサリスのお世話の仕方

Photo bystux

植えつけた後の育て方についてご紹介します。日々お世話しながら育てていきましょう。

水やり


鉢植えの場合は、土の表面が乾いたタイミングで鉢底からあふれるほど、たっぷりと与えます。

地植えの場合は、基本的に水やりは必要ありませんが、夏の時期に晴天が続き乾燥しているようなら、水やりを行いましょう。

肥料

植え付けの際に元肥を入れた後、追肥は必ず必要なわけではありませんが、実の数を多くしたり、大きく育てたい場合は行いましょう。

鉢植えの場合、追肥のタイミングは最初の花が咲いた後です。5月~7月に緩効性化成肥料を与えましょう。地植えの追肥は4月~7月に緩効性化成肥料を与えます。

剪定の方法

Photo bystux

どんどん増えるわき芽を摘み取ります。最初の花が咲いた頃から始め、実がつくまで週1~2回を目安に行います。また、葉が茂り過ぎたら、適宜切り取ります。

その後、花芽が10個ほどついたタイミングで主枝の一番上を切り取ります。それ以上の生長を押さえ、栄養を実に回しましょう。

秋以降、地上部が枯れてきます。しばらくそのままにして、完全に枯れきったら、根元付近で切り取りましょう。地下茎で冬越しできます。

支柱立て

サイサリスは背が高く育ちます。支柱を立てて支えましょう。

増やし方

Photo byValeriaLu

サイサリスを増やす方法には、種まきと株分けがあります。種まきについては先に述べた通りです。

株分けは、春に地下茎を堀りあげて行います。地下茎を20~30㎝に切り分けた後に植え付けましょう。発芽したら大きな芽だけ4~5本を残し、残りは摘み取ってしまいます。

病気や害虫

サイサリスがかかりやすい病気には、白絹病があります。気温が高く、雨が続く時期に発生しやすいカビの病気です。かかってしまった株は抜いて処分しましょう。

気を付けたい害虫には、アブラムシやカメムシ、オオニジュウヤホシテントウがあります。見つけ次第、駆除するようにします。

まとめ

Photo byCapri23auto

以上、サイサリスの特徴、花や花言葉、育て方についてご紹介してきました。名前の由来やお盆に飾る意味、ほおずき市の歴史などを知ると、サイサリスがいかに古くから日本で親しまれ、身近な存在であったか分かりますね。

興味がわいた人は、ぜひガーデニングや切り枝の飾りとして生活の中に取り入れ、楽しみましょう。花のように鮮やかなサイサリスが、情緒ある夏を感じさせてくれますよ!

食用ほおずきが気になる方はこちらをチェック!

今回、文中でご紹介した食用のサイサリスに興味がわいた方は、ぜひこちらの記事もチェックしてみてください。さらに詳しい情報が載っていますよ!