花かんざしの育て方!植える場所やお手入れ方法を解説
花かんざしの花の栽培をはじめようとお考えですか?この植物にはどのような置き場所を与えてあげて、肥料や水やりなど普段のお手入れはどうしたらいいのかという基本的なことからはじめて、挿し木での増やし方や寄せ植えやプランターでの仕立方・梅雨時や越冬で気をつけることなど、少し進んだ育て方といったことまで、少しずつ栽培難易度を上げてご説明していきます。
特徴や開花時期
花かんざしの栽培方法の解説の前に基本的なことをご覧いただきます。どんな植物の仲間なのか。〇〇科〇〇属という分類を見ると多くの方がご存知のよく知っている名前が出てくるので、育て方のコツのようなものがつかみやすいです。また美しい花の様子やその旬の時期(開花時期)についても触れていきましょう。
基本情報
科・属:キク科ローダンテ属
原産地:オーストラリア
英語名/学名:pink paper daisy/Rhodanthe anthemoides
花かんざしの特徴と性質
花かんざしの花が咲いているのをはじめて見た方は驚かれることが多いでしょう。ドライフラワーなどで見かけることが多い植物ですが、咲いている姿もドライフラワーそのままの質感で他の花が持つやわらかな花びらなどではなく、はじめからカサカサとした紙のような薄い貝殻のような触り心地だからです。
生きたドライフラワーという言葉がしっくりくる植物。その姿はハスの花にも少し似た丸みの強い花びらが花芯を中心に放射状にうつくしく幾重にも重なって咲き、日本画や中国画などで似た花を見たことがあると感じる方も多いでしょう。
花かんざしの花の旬は?開花時期について
この植物を家で育てるのであれば、花の時期は春から初夏(3-5月)ころですが鉢植えの花として売られているものはもう少し早く年末くらいから開花鉢を購入することができるでしょう。
多年草の植物ですので、それを買って栽培をはじめるという方は翌年からは春が咲き始めの時期というのを覚えておくと、次の年に「花が咲かない」と心配することもなく安心していられますよ。大抵市販の花鉢は自然な花の旬よりも早く咲くよう調整されて売られています。
栽培のための環境づくり
植物栽培にはまずは環境づくりが大切です。鉢やプランター栽培の場合はあとからでも置き場所を変更することが可能ですが、地植えの場合はなかなかそうはいきません。
うっかり日陰に植え付けてしまうと花数が激減してしまうことも。ここではそんな植物栽培の基本である日光と土についての注意点のレクチャーとなります。
花かんざしの好む日当たり
この植物も日当たりが良い方が好きなのですが、一方で日本の夏のむしむしとした高温多湿な環境は苦手とします。そのため多年草で夏越しを考えるのであれば夏場は風通しがよくて涼しい半日陰程度の環境が合うでしょう。地植えにするのであれば、そんな場所に植え付けるのがおすすめ!
冬越しを考えた日当たりは必要か
花かんざしは耐寒性が高いので少しくらい霜にあたった程度では絶えてしまうことはありません。お住まいの地域の冬の寒さにもよりますが、耐寒性よりも耐暑性の方を重視して、夏越しを目的とした植え付け場所を選んだ方が良いでしょう。日当たりは全日日かげではいけませんが、半日陰くらいあれば大丈夫です。
花かんざしの土
土も夏場のことを考えて水はけのよい多湿になりにくい土にするのが良いでしょう。移動が簡単な鉢植えやプランターならば草花用の培養土も利用可能ですが、できれば鹿沼土や川砂・砂利などを混ぜて自分で作るのが理想的。
初心者の方は市販の培養土に、少し水はけ用の粒の荒い赤玉土や鹿沼土を混ぜるなど工夫すると、夏越ししやすいでしょう。よくわからない場合は園芸店で市販の培養土に何を混ぜたら良いのか相談してみるのとよいでしょう。
花かんざしの基本的な育て方
花かんざしの水やりと肥料
基本的なお手入れといえば水やりと肥料ですね。初心者の方にありがちな、土が乾く前にとりあえず毎日水をあげるという方法はNGです。多湿のために逆に植物を腐らせてしまうことにもなりかねません。肥料やりの時期や種類とともにご紹介しましょう。
花かんざしのおすすめの水やり
この植物の水やりは地植えの場合はほとんど必要ではありません。よほど雨が降らないような場合を除き与えなくてもOK!鉢植えやプランターの場合は必ず土が下の方まで乾いたのを確認してから、十分土が潤うくらいたっぷりとあげて、また数日土が乾くまで待ってを繰り返してください。
この水やり方法は他の植物の多くに対応する方法ですので、覚えておいて他にも同じことをしてあげると良いですよ。
花かんざしのおすすめの肥料やり
水やりは同じような方法でだいたいどの植物でも育てられますが肥料については種類やあげかた・与えるタイミングがそれぞれ違います。花かんざしの肥料は花のためにあげるやり方で、花が咲いている時期にのみ液体肥料を規定量に薄めて月に3-4回あげる感じで良いです。
植え替えなどで土を替える場合は元肥入りの培養土を使うとこで、根付きがよくなり早く大きく育つでしょう。
花かんざしの種まきと苗の植え付け
花かんざしは開花鉢を買ってきて育て始める方も多いでしょうが、苗から育てるという方は植え付けが必要になります。ポットのままでは土が不足するのと夏場の鉢としてポットは高温多湿になりやすく、せっかくの多年草なのに来年楽しめないということにも。
植え付け時期は苗を買ってすぐに
基本的に苗が流通する時期はその地域で植え付けに適した時期です。買ってきたらすぐに鉢や地植えに植え付け・植え替えてしまいましょう。
花かんざしの植え付け方法
植え付け時期は苗が手に入る時期と申し上げましたが、売れ残りなどで時期が遅くなってしまった場合は根付きが十分でなく梅雨を乗り越えられず終わってしまうことも考えられます。そんな失敗を避けるためにも土は必ず水はけの良いものを。
市販のものであれば山野草の土と書かれたものが使いやすくておすすめ。鉢植えもできるのであれば二重鉢(植木鉢をふたつ重ねて土の温度が上がりすぎるのを防ぐやり方)をしておけばさらに夏越しの可能性が高まるでしょう。
花かんざし栽培で気をつける病気・害虫
一見病気や害虫に強そうな見た目ですが、気をつけたい病気・害虫があります。予防・対処方法を解説しましょう。
花かんざしは灰色かび病に注意
灰色かび病とは枯れた葉や花などが原因でおこる病気で日当たりが悪い多湿の場所に特におこりやすくなっているもの。風通しが良い場所に植え付けるのをおすすめしましたが、それでも枯れた葉や花がら摘みをおこたったりするとそれが元になり発生してしまうことも。
予防は植え付け場所の風通しと花がら摘みなどの剪定作業をすること。もしかかってしまった場合は、病気の葉やひどい場合は株ごとすべてすぐに取り除き、他への感染を防いでください。
気をつける害虫と時期
どの植物でもアブラムシ被害というのは少なからずあるものです。害虫は温かい時期しか発生しませんので、春から夏・秋くらいまではいつアブラムシがついてもおかしくないと思っておきましょう。
見つけ次第手で潰して駆除すれば良いです。もし予防をと考えるのであれば、春先にオルトランなどの駆除剤を株元に散布しておきます。このような植物に吸わせるタイプの農薬は汁を吸う害虫全般に効果があるのでおすすめです。
育て方|応用編
花かんざしのような多年草植物は、花を見て終わりではありません。翌年のために冬越しのようなできることをする・株が大きくなったら植え替えをしてあげる・もっと本数を増やしたい場合は挿し木など増やすやり方も試してみるのも園芸の楽しみ方のひとつとしてチャレンジをしてみてはいかがでしょうか。
花かんざしの植え替え
植え替えは秋から翌年の春までいつでもおこなうことができますが、あまり真冬の植え替えはおすすめできません。秋ころのおだやかな日か翌年の春、暖かくなる成長期まで待つのが良いでしょう。
花かんざしの植え替えのやり方
土が合っていれば植え方には特に気をつけることはありません。鉢やプランターの底に鉢底石を入れる・土に鹿沼土などを混ぜ込んでおくなどは水はけを良くするためにおすすめのやり方です。
花かんざしの剪定
花かんざしの剪定は花がら摘みとしておこないます。とてもたくさんどんどん花が咲いていく植物でひとつひとつの開花時期も長いですので、枯れた花に気づきにくい場合もあります。時々は鉢やプランターをチェックしてあげて枯れていたら花茎が分かれている根元までたどりそこを剪定バサミでカットすればよいでしょう。
花かんざしの増やし方
花かんざしは挿し木と種まきで増やすことができます。春に咲く花ですのでどちらも作業をする時期は秋です。
種まきのやり方
市販でも種が売られていますので、自家採種せずとも種まきから栽培をはじめることができます。種まきの時期は種袋に地域別に適期が書かれていますのでそれを参照するのが一番ですが、それがない場合は目安は秋。9-10月くらいが良いでしょう。もし遅くなってしまったら翌年春に種まきをしても夏までには開花させることができます。
挿し木のやり方
挿し木も9-10月くらいに行います。あまり遅くなりすぎるとやはり冬の寒さで根が出る前に枯れてしまうことも。やり方は他の植物と同様で、なるべく若く充実した健康な枝を選び湿らせた鹿沼土に差します。
土を乾かさないように日かげで管理をしてください。もし秋に作った挿し木で失敗してしまった場合、お住いの地域の気温が合わなかった事も考えられるので春に霜の心配がなくなった頃もう一度チャレンジしてみてください。
苗のまま夏越しをさせて秋に植え付け・植え替えをおこないましょう。
寄せ植えの仕立て方注意点
花かんざしは花の時期が長いので寄せ植えにも使われます。この場合多年草ではなく寄せ植えが終わったら株も終わりという感覚でいた方が良いでしょう。その理由としては土が圧倒的に水はけの良いものを好むことがあげられます。
寄せ植え用の土はどうしても水持ちのよいものを使う場合が多く、そのため花かんざしの株の寿命としては短命になりがちです。どうしても長く咲かせたい場合は同じような山野草の土が向いている植物を選んで寄せ植えに仕立てると良いでしょう。
園芸店で売られているものの中から店員さんに聞いてみるとおすすめを紹介してくれますよ!
花かんざしの種類
ローダンセ
一般的に花かんざしと呼ばれる植物ですが、これは通称名で本当の名前はローダンセといいます。通称名の由来はかんざしに用いられる梅の花の図案化に似ていることから。白色の花の種類で花は丸みをおびていて小型となっているのが特徴。花びらの性質からドライフラワーにしてもほぼ生花の状態を保つため好まれて利用されているでしょう。
ヒロハノハナカンザシ
葉が花かんざしよりも幅広いためこの名前が付けられた、同種の植物です。花色がピンクであるのが大きな違いとなるでしょう。しかし、ピンク以外にも白花の品種もあるようです。その場合は葉の幅と花びらの長さで見分けると良いです。ローダンセという名前はローダン(バラ)とアテンセ(花)という意味のギリシャ語を組み合わせた造語で、これは形ではなく花色を差しているといわれています。
まとめ
花かんざしは開花時期も長く、切り花やドライフラワー・寄せ植えにも好まれる人気の園芸種です。お手入れは少し初心者の方には難しいと感じることもあるかも知れませんが、逆にこのお花のお手入れが出来るようになればいろいろな植物の手入れも大丈夫という自信につながるでしょう。
気をつけるポイントはなんといっても高温多湿な環境をどのようなクリアしていくかというところです。植え付け場所や置き場所・土の選び方などに気をつけると良いでしょう。
とてもかわいらしい花で長く咲いてくれますので、ぜひ夏越しして翌年もたくさん咲かせるぞ!という気持ちでお世話してあげてくださいね。
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