はじめに
生育適温なら簡単!ニチニチソウ(日々草)を育てる
ニチニチソウは上手に育ててあげれば植えっぱなしで毎年花を付けてくれる多年草に分類される植物ですが、日本の梅雨と冬が苦手で一般的には1年草扱いとして販売されています。開花時期にはたくさんの花を付けてくれる目立つ植物であると共に、日差しや乾燥に強い丈夫な花であるため町の景観を整える歩道や車道わきの花壇やプランターへも使われているのをよく目にすることも多いでしょう。今回は初心者の方へもおすすめなニチニチソウの種まきからの育て方、間引きなど育苗から開花までの植え時・剪定などそれぞれの時期もご紹介!はじめてニチニチソウを育てる方へ向けておすすめの栽培方法を順を追って詳しく解説します!
ニチニチソウについて
まず最初は育て方ではなく基本情報を見ていただきます。どんな花の仲間なのかは、今まで同じ種類を育てたことがあればそのやり方を参考にできますし原産地は気温・湿度など好む気候がわかり置き場所のヒントに。その他この植物の特徴と開花時期についても一緒にご覧いただきましょう。
基本情報
科・属:キョウチクトウ科ニチニチソウ属
原産地:マダガスカルやインド
英語名/学名:Madagascar periwinkle/Catharanthus roseusやVinca rosea
この花の特徴は
ニチニチソウは草丈20cmほどから1mにも満たないくらいの低木植物。まっすぐ上へ伸びるタイプの他にもツル性の矮性品種もあります。花色はカラフルな物が多く、一般的には白・ピンクの濃淡・赤などが有名ですが、ブルー系のものも最近好まれる傾向があります。生育適温は発芽・成長共に春蒔き植物にしても少し高めなの温度を要求されますので、地域によっては温度管理のできる育苗箱や温室などでの苗づくりが必要となるでしょう。
開花時期
ニチニチソウの開花時期は夏。真夏の強い日差しの中でもしなびたり枯れたりせず、元気に咲いてくれるのが特徴的です。具体的には5-10月と非常に長い間開花時期が続くでしょう。
ニチニチソウの栽培方法1.日当たり
自分で種まきをする場合でも、買ってきた苗を植え付ける場合でも大切なのは日当たりと置き場所。植物は日光がみな好きなのには代わりありませんが、種類によってどうしても日に当たらなければダメなものやちょっと日かげでも平気なもの。また強い日差しによって葉やけなどの障害がでるものもあります。一概に日当たりが良ければ何でもいいというわけではないので、自分の庭やベランダから適した場所選びにお役立ていただきたい情報です。
花壇やプランター植えで気をつける日当たり
暖かくて比較的乾燥している国が原産の植物です。花壇の中でも日光がよくあたり、じめじめしていないところを好みます。多少日かげになるようなところでも花が咲きますが花の数が少なくなったり葉と葉の間隔が開きがちになる徒長という状態になりやすいので、日当たりは良いに越したことはありません。ただし、西日が当たるようなところはNG。
プランター・鉢植えなどの置き場所注意点
強い日差しや乾燥には強い植物ですが梅雨時のじめじめは苦手。雨が続くようであれば、軒下などに入れて直接雨水があたらないような工夫が必要となるでしょう。この植物が一番苦手とするのは、雨よりも水はねや泥はねとなりますので棚などの少し高い位置に置くなど置き場所を注意してあげることで、きれいな株でながい開花時期をずっと楽しむことができますよ。
ニチニチソウの栽培方法2.種まき
この植物は種まきから簡単に苗を作りたくさん植え付けることができるでしょう。花壇だけでなく寄せ植えなどに活用したい方にも種まきから苗を作る方法はおすすめ!また苗づくりをすることによって、よい株を選んで育てることが可能ですので失敗しづらい健康な苗で簡単な栽培ができるのもメリットです。
ニチニチソウの種まき時期
袋詰された種が市販されており、初心者の方でも安価で簡単に手に入る種まきから育てることができるでしょう。種まき後の発芽温度は20度以上。十分暖かくなった5月ころが種まきの適期となります。この気温に満たないところでは多少発芽率は悪くはなるものの、じめじめが苦手な植物なので梅雨になる前に種まきは済ませてしまうのがおすすめ。年によりいつまでも寒いような場合は温室や保温器付きの育苗箱などにまければベストです。
種まきのやりかた
花壇やプランターに直接種まきをしても良いですが、種まき用の箱やセルトレーなどに種まきをして丈夫で健康そうな生き生きとした株を植え付けるのが一般的なやり方。大きな箱にまく場合でも1箇所に3-4粒ずつ間隔をあけて数カ所まくという点まきというやり方で種まきしましょう。
ニチニチソウの栽培方法3.間引きや摘心
ニチニチソウは多く種まきをしすぎた場合を除き、ほとんど間引きというものは必要ありませんが摘心だけはしっかりとしておくのをおすすめします。苗を育てる最中かまたは早ければ植え付けた後にこの作業をおこなうことになるでしょう。株の成長具合によって進めるお世話です。
間引きや摘心といった育苗のやり方
1本ずつ株を植え付けないで2-3本まとめて一箇所に植えるのがニチニチソウを早くたくさん開花させるコツです。そのため間引きは最低限におこないます。もし発芽率が低く数に満たない場合は間引きしなくてもOK。間引きのタイミングは本葉が2枚生えてきたときくらいに行いましょう。
ニチニチソウの苗の摘心
育苗中の苗は摘心という作業をすることで、枝の本数が増え結果的に花数が増えて見ごたえのある株に育ちます。摘心時期は本葉が5枚生えてきたとき。一番上の中央の芽を指先で摘み取ってください。これが摘心といい、こうすることにより上に伸びるのが阻害されたためその脇から新しく伸びる枝芽がでて株の枝数が1本から2本へと増えるでしょう。
ニチニチソウの栽培方法4.植え時・植え方
苗がしっかりと育ったら、その中から良いものを選び必要な数だけ寄せ植えや花壇・プランターへと植え付けていってください。その時期やタイミング・株の成長度合いから見る目安をご紹介します。
苗としての植え時を見つける目安
ポットやセルトレーの中で育った発芽苗。プランターや花壇に植え付けられる苗とするにはその大きさで判断しましょう。植え時期の目安としては本葉が5-6枚になりある程度育ったとき。5月に種まきをした地域であれば6月くらいが苗が完成して植え時になると覚えておくとよいですね。種まきが遅くなってしまった場合にも7月までには植え付けを終了させるようにしてください。
苗の植え付け方
ニチニチソウの種まきで花壇などに直にまくよりも苗を作った方が良いと申し上げましたが、その理由はこの花が好み水はけ問題にあります。植え時にひと工夫してあげることでより育成しやすい環境を作ることが可能です。その方法は簡単!ポットなどから取り出した苗の根鉢をできるだけ崩さず少しだけまわりの土よりも上げて浅めに植えるだけ。こうすることで高さが出て余分な水分がまわりに流れていくようになるでしょう。特別水はけの最悪な粘土質の土でも無い限りどのような土にも対応できる植え方ですので是非お試しくださいね。
ニチニチソウの栽培方法5.水やりと肥料
日常管理としてどんな植物を育てる場合にも必要なのが水やりと肥料やりのお世話。他にはあまり手がかからないニチニチソウですので、特にこのふたつの管理はしっかりとやるぞ!という気持ちで見てあげるとそのぶん素敵な花を長く咲かせてくれるでしょう。
ニチニチソウの水やりのしかた
じめじめは嫌いですが水は基本的に毎日与えるようにします。例外は6月や9月の長く雨が降る季節。これは土の様子を見ながら与えすぎにならないようあげない日があってもかまいません。比較的育て方が簡単な単純な植物ですが、水やりだけは気をつけてあげるつもりでお世話をするとよいですね。
ニチニチソウのおすすめ肥料やり
花が次から次へと長く続く開花時期の長い植物なので肥料はたくさん使います。初心者の方におすすめなのが液体肥料をあげる方法。同じペースであげるので与え忘れがないうえ、なれればとても簡単な方法で水やりのついでにできるからです。花が咲いている時期に週に1回、液体肥料ごとのパッケージに記載されている濃度に薄め、水やりのタイミングであげてください。ニチニチソウの肥料はこれでOKです!
ニチニチソウの栽培方法6.剪定
ニチニチソウの剪定は切り戻し
剪定のやり方にもいろいろありますが、ニチニチソウには切り戻しという伸びすぎた枝を切って丈を小さくコンパクトにしてわき芽を出させて茂らせるという方法をおこないましょう。やり方や時期・タイミングを間違えなければ誰にでも簡単にできる方法です。まずは消毒ずみの清潔なよく切れる剪定バサミをご用意の上下記のようにおこなってください。
ニチニチソウの切り戻し時期とやり方
5月に種まきをして成長の早いものならば6月ころにはもうピンチが必要なくらい枝が四方八方に伸びているものもあります。基本的に7月にはいる前に1度か2度切り戻し剪定をしてあげることで、たくさんの花がつく形のよい株に仕立てることができるでしょう。やり方は簡単で伸びすぎて明らかに飛び出している枝を形よく整えてあげるだけ。こうすることでわき芽も出てきやすいくなりますので、花がたくさん咲く枝ぶりになりますよ。
切り戻しする日の選び方
枝を切ったときに雨が降っていると切り口から立ち枯れ病を発症することがあります。切り戻し剪定をする場合は、必ずよく晴れた日で午後からも雨がふらないような降水確率の日を選んでおこなうのがポイントです。
ニチニチソウの栽培方法7.株分け
最後になりますが、ニチニチソウは株分けで増やせないかというご相談もよく耳にします。結論を申し上げますとできないことはありません。しかしおすすめできる方法ではないので、一般的ではないのです。その代わりの増やし方と共にその理由をご紹介しましょう。
ニチニチソウの株分けはおすすめできない
種まきのときに1箇所に3粒程度蒔いてそのまま苗を作る方法をご紹介しました。このようにニチニチソウは1本の株でなく数本固まって植え付けた方がきれいに形よく咲きます。そのため無理をすればひとつひとつ株分けして植え替えるということも可能です。しかし、直根性の根であまり触れられることを良しとしない性質から株分けは最悪すべてを枯らしてしまうことにもつながるでしょう。株分けをするよりも、その年に株数を増やしたいなら切り戻しした枝を挿し木にするやり方や、翌年でも良いのであれば種を取って翌春に種まきから育てるなどの増やし方がおすすめ!
こぼれ種で新しい命を育てよう
うっかり花がら摘みを忘れていると種ができてそれがこぼれて新しい芽が出ていることがあります。もちろんこの芽は冬越しをさせてあげなければいけませんが、大きな株と比較して小さな苗の方が冬越しはまだ簡単。気温に注意してあげてできるだけ雨が直接かからない温かい場所に置くことで春までがんばってくれるでしょう。親株がその年の花が終わり枯れてしまったからとすべて廃棄せずにこぼれ種からの芽も見逃さず冬越しに挑戦しつつ大事に育ててみてくださいね。
まとめ
日々草は生育適温なら栽培も簡単!
夏の強い日差しに輝く白や赤・ピンクのかわいらしいニチニチソウの花の種まきからの育て方をご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。日本は夏と冬の気温差が多いうえ、梅雨や秋の台風シーズンなど多年草としてのニチニチソウを育てるのは少し大変ですが、種を採取して翌年に新しい株に更新するなど世代を受け継いでいくことは容易です。また温かい地域にお住まいの方でしたら、環境があえば1つの株を冬越しすることができるという報告もあります。自分のお住まいの地域にあった育て方で、かわいいニチニチソウ栽培を楽しんでみてはいかがですか。素敵なガーデニングのヒントとして記事を楽しんでいただけたら幸いです。
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